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ライター
ROY 合同会社旅と北海道CEO

合同会社旅と北海道CEO/北海道観光インフルエンサー/北海道安平町地域おこし協力隊/ゲストハウスVACILANDOオーナー。札幌出身、”旅”と”北海道”の魅力を伝える道産子。北海道観光情報Instagram「旅と北海道」で、絶対に外さない北海道の観光情報を発信。SNS総フォロワー6万人。2022年から北海道安平町の地域おこし協力隊としても活動し、ゲストハウスVACILANDOをフルDIYリノベーションで開業。他にも、写真、映像、マーケティングやコミュニティマネージャーなど幅広い分野で事業を行う。

「地域をもっと魅力的にしたい」という想いを持った人たちが集まる、熱いイベントが開催されました。

2023年6月8日から11日にかけて北海道の知床にて行われた、地域おこし協力隊員限定のスタディーツアー「LOCAL DIVER2023 in 知床」。

このツアーで集まったのは、北海道全域から10名、道外からは兵庫県と鹿児島県屋久島からの2名、合計12名の地域おこし協力隊員。

知床をケーススタディとして、地域の課題発見や問題解決の方法、そして自身の町をより良いものにするアイデアを2泊3日で考えました。

地域を探求する「LOCAL DIVER」とは?

「LOCAL DIVER」とは、旅をしながらローカルの本質や課題・関わりしろについて考え、各々の市町村の発展を探求するスタディーツアーです。

ただ観光地を巡るだけ、ただ美味しいものを食べるだけの地域を旅する形ではなく、より地域の中に入り込む企画。

このツアーのポイントは次の3つです。


【1】地域の方々との交流
ツアーでは地域の事業者や住民との交流を重視していました。現地での取り組みや、これまでにどう町と関わってきたかを学びました。


【2】各市町村への学びの還元
地域おこし協力隊員が他の地域の事例や取り組みを学び、それを自分の地域に還元することが目的でした。知床でのケースから得た知識やアイデアをもとに、最終日にアウトプットとなるプレゼンをおこないました。

【3】他の市町村の協力隊員との交流
なかなか集まる機会のない、地域おこし協力隊員。ツアーでは他の地域の協力隊員との交流もあり、新しいアイデアや知見を得る機会となりました。

今回の旅の舞台である知床では、観光地巡りや美食だけでなく、地域の良さを深く理解することができる魅力がありました。では、そんな学びの深かった「LOCAL DIVER2023 in 知床」の中身を詳しくご紹介していきます。

Day1「町をインプットする」


長いようで短い2泊3日のはじまり。全道各地、そして本州からも北海道の最果て、知床の地に集結しました。

北海道で活動していて、地域に根ざした取り組みに長けているゲストの2人にも来ていただきました。

ゲストの1人目は、八雲町地域コーディネーターの赤井さん。ゲストハウスの経営や廃校を利用したキャンプ場を中心に、場づくりをしています。


そしてゲストの2人目は株式会社大人代表取締役社長、株式会社SHAKOTAN GO代表取締役の五十嵐さん。北海道全域で移住をテーマにしたイベントや積丹町で温泉施設の経営を行っています。


初日はオリエンテーション。知床の基本情報と、取り組みのインプットをします。


斜里町協力隊の高木さんと武山さん、羅臼町元協力隊の佐脇さん。こちらの3名の方に来ていただき、町の情報や取り組みについて学びました。


知床ではかわいいクマのキャラクター「知床トコさん」のスタンプラリーの取り組みがあります。こちらはホテルの宿泊や飲食店の利用、観光スポットなどでスタンプをゲットでき、スタンプを集めるとグッズが手に入るというものです。観光地が少ない他の自治体でも真似できる取り組みに、参加者のみなさんも関心を持って聞いていました。


知床と横浜の二拠点で暮らす、まちのクリエイティブ・ディレクター(斜里町地域プロジェクトマネージャー)である、初海淳さんにもお話を伺いました。

初海さんは「一般社団法人 知床しゃり」にて、知床観光ブランディングをスタートさせ、上記の「知床トコさん」も生み出しました。実際に町のブランディングの方法を伺う機会も珍しく、参加者からの質問もたくさんあがりました。


そして、「シレトコノミライ」として活動している移住者でもある村上晴花さんが、外からの移住者が地域に入っていくことをテーマにお話をしてくれました。知床の未来について住民自身が考える「シレトコノミライ」の企画。

北こぶし知床 ホテル&リゾート」でも勤めながら、移住者の村上さんが住民を巻き込んでいく企画の方法と活動のミライの話を伺いました。

Day2「ローカルにダイブする」

2日目は企画のメインでもある、フィールドワーク。「A.観光」と「B.町づくり」、この2つのテーマごとのグループに分かれ、地域事業者などを巡りました。

僕は観光チームにいたので、そちらをメインでご紹介します。


知床世界遺産センターで知床の自然の成り立ち、世界遺産であるが所以を学びました。道内からの参加者が多かったのですが、知床に来たのは初めての方もいて、興味津々でした。


この日ちょうど開催されていた、「しれとこ・ウトロフォーラム21」に参加しました。この活動は、地域の未来に向け、まちづくりの自由な意見や発想を出し合い、自分たちで考え行動する住民によるまちづくりを目的として活動を開始されました。


この日はウトロのメインとなる道路にお花を植える活動。なんとこの日は100名以上もの方が集まったそう。これだけの人を集める活動づくりのコツを伺いました。


そしてその後はチームが2手に分かれて行動。観光チームの方は「北こぶし知床 ホテル&リゾート」に伺いました。「北こぶし知床 ホテル&リゾート」はサウナの殿堂「サウナシュラン」にもノミネートされており、サウナが好きな方で知らない人はいないはず。


そんな魅力的な施設の作り方、地域に根ざした観光の仕組みを、伊藤副支配人とDay1にも来ていただいた村上さんに教えてもらう時間になりました。


その後は知床の観光船、「ゴジラ岩観光クルーズ」へ。記憶に残っている方も多いかと思いますが、昨年知床で観光船沈没事故が起きました。それ以来、知床での観光船業界全体だけでなく、知床の観光業全体も落ち込んでしまったそうです。ここでは事故に関する同業者としての思いや、復興に向けての取り組みなどを伺いました。


ツアー最終日にはなりますが、我々も乗船させていただきました。国立公園の中に入るのとは違った角度から自然を堪能することができ、とても貴重な経験になりました。


昼食をとりながらランチトークも実施。ゲストは午前にも参加していた「しれとこ・ウトロフォーラム21」の桜井さん、「一般社団法人知床しゃり」の寺山さんと林さんを迎えました。

みなさん地域で長く活動されていることもあり、現在の取り組みだけでなく、過去からの歴史も踏まえてのお話をしてくれました。地域での活動を考える上では、現在繋がりの横軸だけでなく、年代や時代を超えた縦軸でも考えることが大切だと、私自身も学びました。


そして午後の観光チームは、いよいよ世界自然遺産の森の中に入っていきます。ウトロの町の中でバー「知床酒場ピリカデリック」を経営しながら森歩きのガイドも行っているピエさんにツアーを開催していただきました。

世界遺産ということもあり、厳かな雰囲気……


そんななか、鹿さんがヒュッと現れました。かわいい……(写真の中に潜んでいるので、探してみてください。)


知床の森の中には熊が400〜500頭ほど生息しています。世界でも稀に見る人口密度ならぬ「熊密度」。


熊に遭遇しないか、ドキドキしながら歩きます。熊の生態や森の中での暮らし方について、写真を見せてもらいながら進みました。


視界が開けてオホーツク海がキレイに見えるスポットに到着し、みんなで記念撮影。


知床の森の話だけでなく、ピエさんがなぜガイドをしているのか、町の中でのバーという存在の役割などを語ってくれました。

外からの人が町に来るときは、集まりやすい空間や場づくりが必要になります。そんな大切な居場所を、「知床酒場ピリカデリック」が担っていました。

フィールドワークから帰宅し、夜はみんなでアウトプット。濃密すぎる1日に、感想のシェアが止まりません。


知床での取り組みや、人と触れて感じたこと。それを踏まえて、これからの自分の地域での活動をイメージしながらアイデアを整理していきます。

そして、交流タイムでは、美幌町の元地域おこし協力隊滝川さんがマネージャーをされている、美幌町で生まれたギター&ボーカルユニット『3rd Place』によるライブも行われました。


とても素敵な歌声とメッセージで、ツアーの思い出が彩られました。

Day3「シレトコノミライとこれからの自分」

怒涛のインプットも終わり、いよいよ最終日。今回のツアーでの学びをもとに、自分の地域で活かせることを考え、発表していきます。


まずは今回の学びの整理を。初日にオンラインでお話をしていただいたまちのクリエイティブ・ディレクター(斜里町地域プロジェクトマネージャー)初海さんも現場に駆けつけてくれました。


今回同行しているゲストたちと、今回のインプットの整理をしつつ、アイデアをまとめるヒントをたくさん散りばめたトークをしてもらいました。


そして、チーム活動のアウトプットを。チームごとに学びをスライドにまとめていきます。


ときにはゲストにも意見をもらいながら、どのチームも制限時間の中で白熱した議論を展開させていました。

そして、まだまだ話し足りないという声をもらいながらも、最終チームプレゼンへ。





どのチームも素敵な発表で、知床との関わりしろを考えてくれました。こうやって地域に入り込んで、地域を自分ごととして捉えられる機会を持つことが大切ですね。


そして、もう一つの課題でもある個人発表。知床での学びを踏まえて、今後自分の自治体では何をどう活かせそうか、自分の未来の活動はどうしていくかを発表してもらいました。


それぞれ活動する地域は違えど、「地域を良くしたい」という気持ちは同じ。僕自身も同じ協力隊員たちのアイデアを聞き、とても刺激になりましたし、離れていても繋がっている仲間ができたと感じられました。


最後に今回の主催でもある『北海道エアポート株式会社(HAP)』の富田様からのコメントもいただきました。


今回参加した地域おこし協力隊が地域を魅力的にして、旅しに行ってみたくなる地域を作っていければ素敵ですね。

以上、2泊3日で開催された。地域を探求するスタディーツアー「LOCAL DIVER2023 in 知床」でした!

地域を知り、地域を魅力的にする

今回は世界遺産、知床で学びを深めていきました。地域の方のご協力もあり、非常に短い時間でたくさんのアウトプットをしたツアーとなりました。普段の旅ではできないような、ローカルに潜り込んでいく経験ができました。


また、隊員たち同士も共通言語を持った仲間ができたことと思います。ツアーが終わってからも「全然時間が足りなかった!」「もっと話したかった!」という声をいただきました。これからも協力隊同士の横の繋がりを作っていき、知床のある道東エリアだけでなく、北海道全域を盛り上げていければいいなとさらに感じました。

第2回の開催も、もしかしたらあるかも……?今後のLOCAL DIVERのツアーをお楽しみに!

All photo by ROY

LOCAL DIVER2023 in 知床
主催:シレトコノミライ2023事務局
事務局:北海道エアポート株式会社・株式会社遊行・TRAPOL合同会社・シレトコノミライ・一般社団法人知床しゃり・株式会社TABIPPO

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ミライにつなぐ知床のイマ

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ROY 合同会社旅と北海道CEO

合同会社旅と北海道CEO/北海道観光インフルエンサー/北海道安平町地域おこし協力隊/ゲストハウスVACILANDOオーナー。札幌出身、”旅”と”北海道”の魅力を伝える道産子。北海道観光情報Instagram「旅と北海道」で、絶対に外さない北海道の観光情報を発信。SNS総フォロワー6万人。2022年から北海道安平町の地域おこし協力隊としても活動し、ゲストハウスVACILANDOをフルDIYリノベーションで開業。他にも、写真、映像、マーケティングやコミュニティマネージャーなど幅広い分野で事業を行う。