レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
2回
2023/11訪問 2023/12/15
友人と話していて、そうだ、斉須さんの料理を食べに行こうということになり、すごく久しぶりになってしまいましたがディナーで訪問しました。相変わらずとても落ち着いた佇まいの三田ハウス。その一階にひっそりとある「CÓTE D'OR」です。言わずと知れた、日本を代表するフレンチの老舗グランメゾン。
扉を開けると、松下メートルが柔らかい身のこなしで迎えてくれました。少し年取ったかなw
グラスの泡を飲みながらメニューを。
普段はアラカルトで好きなものを選びたい我々ですが、コースの内容を聞いてみたら食べたいものがほぼ入っていたので、コースをお願いすることにしました。
☆サワラの燻製 紅芯大根添え
このお店のシグニチャーのひとつです。サワラが繊細な火入れで絶妙にレアでぷりぷりとした食感。スモーキーな香りに包まれ、振りかけられた香辛料と相まって旨味が凝縮されて。紅芯大根は人参のよう。
ちなみにお馴染みの赤ピーマンのムースがメニューになかったので聞いてみたら、赤ピーマンにも旬があるそうで。知らなかった。
★Chablis Premier Cru Vaillons William Fevre 2020
この前菜のラインナップとクエなら白がいいよね、ということで、シャブリをボトルで。狙い通りドライな味わいがすっきりで、料理の味を引き立ててくれます。こういうドライな白ワインは好きだな。
☆鳥取産イノシシのテリーヌ フォアグラ入り
このメニューは初めて食べました。イノシシの肉の旨味がうまく引き出され、フォアグラの香りを纏って濃厚な味わいです。周りを脂身で包んでいて、「くどかったら外して召し上がってください」と松下メートルに言われたけど、そのままでも脂が甘かったです。キャベツのナッツソースも好きだなあ。
☆長崎産クエの蒸し焼き 魚のブイヨンスープ
これまたクエの火入れが素晴らしい。ぎりぎりレアなクエはぷりぷりとした食感を残しながら、旨味がすごい。クエって美味しい魚なんだと再認識させられます。しかしこのスープはターメリックの効いた、カレー味のようなブイヨンスープです。あまり冒険しない当店にしてはこれは珍しかった。
☆フランスシトロン産 仔羊の鞍下肉ロースト
もともとはコースのメインは仔牛だったのですが、仔羊が食べたくて代えてもらいました。これが大正解。しっとり柔らかながら、跳ね返るような弾力のある羊肉は、噛みしめると旨味たっぷりの肉汁が溢れ出てきます。脂身で周りを包まれているのもジューシーさを増幅します。これはほんとうに美味しかった。火入れのすばらしさを感じる本日一番のお皿でした。
★Bouchard Pere & Fils Gevrey Chambertin
仔羊にはブルゴーニュのピノを合わせます。グラスでいただきました。
☆ビターチョコレートのマルキーズ
当店のデセルで一番好きなのがこれ。重層的なチョコレートのコクと苦み、ナッツの風味が混然一体となって、口中に広がり幸せな気分。友人のモンブランも美味しいけどね。
☆プチフール カフェ
コースにすると、一皿のポーションはアラカルトより少なくなるようでしたが、それでもおなかいっぱい。バゲットが美味しくてどんどん食べると、どんどんおかわりを持ってきてくれたのもありますが、満腹です。
相変わらず斉須シェフの料理は、ド直球で全然ぶれませんね。丁寧な火入れや調理で、フレンチの基礎を貫いているのが感じられます。これは我々のような年代には支持される重厚感があるんじゃないでしょうか。
この重厚感は、最近の流行りのような、映える、奇をてらったような若者受けするフレンチとは完全に一線を画しています。
斉須シェフにはお目にかかれませんでしたが、あいかわらず前菜からデセルまですべて自身で作られているとのこと、お元気だと聞いて安心しました。長く続いてほしいフレンチの名店です。
2011/1 (写真を10枚追加しました)
母親の喜寿のお祝いで行ってきました。
相変わらず、真っすぐに美味しい素材を美味しく食べさせてくれる、斉須シェフの料理に感動。
青首鴨には、太ーい下仁田ネギが合わされていて、これまた憎い鴨ネギの一皿。サワラの燻製や、鱸のポアレなど、魚料理も素晴らしい。
食後、ずいぶんスリムになられた斉須シェフが来られて、長いこと話し込みました。
このデフレの時代に、優良な素材を美味しく提供することの難しさに頭を痛めておられるとのこと。質は落としたくないし、良い素材が手に入るよう頑張っていきますとおっしゃっていました。
2010/1 (写真を14枚追加しました)
レビューが500件になったら、またコート・ドールを書こうと思っていたら、こんなに時間が経ってしまいました。1月に母親の誕生祝いと、亡き妹を偲んで訪れました。今頃季節外れですいません。
ランチは割とお手軽なコースがあるのですが、やはりメニューを見ると食べたいものがいっぱい。結局ほとんどアラカルトで頼んだも同然でした。
1月なので「青首鴨」や「蝦夷鹿」のジビエはやはり素晴らしい。斉須さんの繊細な火の入れ方に唸ってしまいます。そしてあと一皿しかなかった「黒トリュフのかき卵。」見るからに味わってみたいと思わせるお皿のデコレーションもさることながら、強烈なトリュフの香りに、昼からワインを飲まずにいられませんでした。
やはりこのお店は特別です。たまにはこんな贅沢をしてもいいだろうと思わせてくれる、寛ぎの空間です。
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2009/9
レビュー400件という、一つの節目に、このお店のレビューを書かせていただくことにしました。というのも、このお店コート・ドールは少し特別な意味を持つお店だからです。
僕の最愛の妹が、大好きだったコート・ドール。彼女は斉須シェフの料理をとても愛していたようです。
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初めて訪れた僕等を、とても安らいだ気持ちにさせてくれる、松下メートル。まさに「静謐」という言葉が相応しい、気持のよい空間です。
料理はもちろん素晴らしい。僕の乏しい語彙で語るにはもったいない、斉須シェフの料理への想いが、じわっと伝わってくる感動があります。
ゆっくりと流れる時間を、ワインと料理の素晴らしさを、妹と共有しているような気分にさせてもらいました。
帰りに、母がどうしてもお礼が言いたい、というので、斉須シェフにお越しいただきました。飾らない、ちょっとぶっきらぼうとも言える、素朴な人柄のシェフは、じっと母の話を聞き、「じゃ、厨房を見ていってください」と我々を招き入れてくれました。
「これが二十何年も使っているオーブンです」と大切そうに見せてくれたシェフ。
周りでは、若い料理人達が隅から隅までピカピカに厨房を磨き上げる姿がありました。
+ + +
今回は感傷的な訪問になってしまい、このお店の素晴らしさを伝えることができませんが、写真だけは撮ってきましたので、それでお許しください。
そして、できたらどこか節目のレビューで、またコート・ドールを書きたいと思います。
2位
1回
2010/09訪問 2010/09/29
「ラーメンのレビューばっかり書いてないで、たまにはいいお店に行きましょう」と後輩に説教され、「じゃ、フレンチでも」ということで行って参りました。最初レカンに行くのかと思って、ちょっとビビッていたら、ずっとお手軽なこちらロテスリー・レカン
です。
シックな感じの入り口を入ると、ウェイティングバーがあり、年配のおじさま達が食前酒を飲んでおられます。
ホールは天井の高い開放的な空間で、大きな窓がお洒落。1階なので残念ながら夜景は見えませんが、シェード越しに東銀座の往来が見えます。白いテーブルクロスはフレンチの基本ですね。
さて、夜のコースは3種類。
Menu Roti ムニューロッティ¥3900
Menu Saison ムニューセゾン ¥6500
Menu Special ムニュースペシャリテ ¥8000
有名なチキンローストを頂くにはロッティでいいのでしょうが、ちょっと奮発してセゾンをお願いしました。セゾンは季節のコースで、メインが魚と肉の両方付きます。
泡で乾杯して、前菜からスタートです。アントレは2種類の白身のマリネとパテっぽいもの。すいません、あまり印象に残ってないです。
続いてオードブル。オマール海老と帆立、ムール貝をソテーしてエスカルゴバター風味のタルタルで和えたもの。これは美味しかったですね。オマールがゴロっと入っていて、貝とともにタルタルによく合っています。シャルドネにぴったり。
お次はポワソン。「真鯛のソテーポルチーニ添え」。佐田岬三崎港産の真鯛の皮がパリパリで、白身はしっとりソテーされています。バターソースも濃厚で、ポルチーニの香りも豊かで、とても味わい深い一品。
お肉は「豊橋うずらの備長炭焼とフォアグラのソテー、リゾット添え」をチョイスしました。うずらには薄く衣を付けて、カリッとソテーしてあります。フォアグラは少し小さめでしたが、やはり美味しかったなあ。赤ワインによく合いますね。
添えてあるリゾットもちょうど良い感じです。
デセールはモンブランのアイスクリームを。あー、美味しかった。
¥6500のコースにしては良くできていますね。ポルチーニとか、リゾットとか、フレンチというよりイタリアンな要素が入ってるのは御愛嬌ですが、それだけカジュアルな感じが、肩ひじ張らずに楽しめます。
お酒代も合わせてひとり1万円ちょっとで上がりました。有名なチキンローストとか、その他一品料理も1500~2000円と良心的で、いろいろ食べてみたくなりました。サービスも丁寧だし、気軽にお洒落なフレンチを楽しめるいいお店です。さすがレカンです。
3位
1回
2010/11訪問 2021/04/13
中目では予約がとりにくいので有名なイタリアン、il Luponeです。
夜の8時前に電話を入れてみると、ラッキーなことに席が取れました。しかしながら、一緒に行くのは・・・男性なんだな、これが。
中目黒の駅から少し歩くので、隠れ家的なお店です。
店内は一目で見渡せるほどこじんまりしてます。白い壁に白いテーブルクロスの落ち着いた雰囲気。奥にはガラス越しにミラノ薪窯が見えます。
グラスの泡からスタートして、アンティパストを。
・北海道産つぶ貝 オリーブオイルとレモンで
つぶ貝を塩茹でしたシンプルな料理。オリーブ油で和えてレモンを絞るとイタリアンになります。
・生ハムとチーズ
大きな生ハムがたくさん。塩気がそんなに強くなくて美味しいです。カプレーゼとスモークの2種類のチーズもコクがあって良かったで す。
・シチリア風 ヒコイワシのポルペッティーニ
いわゆるつみれのトマトソースでしょうか。トマトの酸味が爽やかでまずまず。
赤ワインをボトルで。「ETNA ROSSO 2007」は¥5000弱でした。
・生ウニのスパゲティ
これは思わず頼んでしまいますね。クリームソースではなくてオリーブオイル仕立てなので、海胆の味が際立ってとても美味しい。これは秀逸でした。
・豚もも肉のナポリ風ラグーのジーティタリアーティ
チーズこってりでよかったですが、味は割と普通な感じでした。
やっぱりピッツアも食べないと、という訳で、
・カプリチョーザ
こんな名前のお店がありましたね。生ハム、サラミ、マッシュルームのトマトソースです。生ハムはかぶっちゃいましたが、さっぱりとしたトマトソースは美味しいです。薄い生地の一ツあです。
・クアットロ フォルマッジ
モッツァレッラ・プロヴォラ・ゴルゴンゾーラ・パルミジャーノ の4種類のチーズのおなじみ。チーズのコクがとても美味しかったです。ただ、すこし生地に旨味が足りない気がします。普通に美味しいんですが。
もうお腹いっぱいなのに、ドルチェまでいきました。
・カタラーナ
このお店では、カタラーナを語らーな、というくらいおすすめ。イタリア版クリームブリュレです。焼いた表面はカリカリで、その下はクリームチーズのような、冷たいケーキ。美味しかったです。
ホールの女性ふたりがとても親切で、好感のもてる接客でした。でもふたりで2万円はちょっと高いかなあ。
余談ですが、途中でなんと有名な女優の○田○穂さんが来店されまして、常連らしく食事を楽しんでおられました。すっごく綺麗で、お店の雰囲気が華やぎましたよ。これでお店の好感度がちょっと上がりました。
4位
2回
2014/09訪問 2023/05/02
昔よく行ったお寿司屋さんの備忘録
ここは明け方までやっているので、遅くに寿司で一杯やりたくなった時に便利。つまみも充実しています。
この日はつまみに、
☆岩牡蠣
☆あなきゅう
☆あん肝ポン酢
☆鱚とアスパラ天
☆秋刀魚の塩焼き
などで日本酒をぐびぐび。つまみはどれも美味しい。
握りはおまかせでも、好きなものを握ってもらってもいいです。
車海老、平目、しめさば、ミル貝、中トロ、雲丹軍艦、鰺など。
飲んで握りで〆るのが良いです。
仕事が遅くなり、夜9時過ぎから寿司が食べたくなった日。
朝5時までやってる寿司屋がありますよ、という後輩の一言で、ギャル連れ3人で出撃しました。電話一本入れると、ラッキーにもカウンター席が確保できました。
L字型カウンター10席とテーブル数卓の店内はほぼ満員状態。威勢の良い板さんの掛け声もあって、活気にあふれてますね。こういう寿司屋は、肩ひじ張らずに済むので、お酒を飲みたい時はいいと思います。
生ビールでスタート。つきだしは、小柱の刺身と魚の佃煮。こういうものが美味しいお店はまず安心です。
すぐ冷酒に切り替えてエンジン全開。つまみをガンガン注文します。
・岩牡蠣 なんと写真撮り忘れました。大ぶりでプリプリの甘ーい牡蠣。うまっ!
・炙り秋刀魚肝和え 秋の味覚です。炙ってあっていい香りの秋刀魚に、ホロ苦い肝。これも美味い。
・白子焼 美味そうなタラの白子が山盛りあったので注文。ホイルで醤油焼にしてくれます。くーっ!たまらん。
・鮃薄造り コリコリの歯触りで美味い。カワハギだったらもっと良かった。
・あん肝 これもシーズンになってきますね。とろーりねっとり、コクがあって酒がすすみます。
・筋子 とろり、プチプチ。
・カマンベール味噌漬け これはお遊びで。でも美味かったなあ。
日本酒は種類が割と多く、八海山純米吟醸とか田酒など旨い酒も¥1000でありました。ここまでで3人で6合以上飲んじゃいました。
そろそろ握りで。おまかせでお願いしました。
・鮃
・中トロ
・鯵
・みる貝
・烏賊
・いくら
・海胆
・平貝
・穴子
・海老
これは!というネタはないけれど、どれも美味いです。しゃりが固めに炊いてあり、口の中でハラハラ崩れるこういう食感は好きです。
相当つまみを食べたので、満腹になりました。あー、おいしかった。
これだけ飲んで食ってひとり8000円弱のCPはかなり秀逸。夜中12時過ぎまで食べていても、店内はお客さんがいっぱいで賑やかなので、夜遊び好きになっちゃいそうです。
この日はゲ―ノー人はいませんでしたが、昔の会社の同僚で、今は弁護士と公認会計士をやってる友人夫婦に久しぶりに再会しちゃったというオチがつきました。
CPも良く、使い勝手のいいお寿司屋さんです。
5位
1回
2010/07訪問 2014/05/20
愛宕山を裏から登る坂道にTSW(田崎真也ワインサロン)があり、愛宕山の上には創作和食のT、そしてふもとのここにはSがある、といった具合に、この辺りは田崎真也ワールドになっています。
営業部長が昼飯でもどう?というので、ビジネスランチでSに行ってみました。
入口はすごく目立たないようにしてあります。ちょっと隠れ家っぽいかな。店内は黒を基調にしたシックな雰囲気で、高級感漂うお洒落な空間。
サラダはロメインベースのフレンチドレッシングで、ハラミ系のお肉がアクセントでなかなか美味しい。ボリュームがたっぷりなのが嬉しいです。¥500払っても食べるべきです。
スープはコーンのスープでしたが、クリーミーなホイップに黒胡椒がパラっとふってあるかわいらしい一皿。フレンチっぽくていいですね。
メインは、ラム、真鯛、オムライスのチョイスでした。やっぱりラムでしょう、ここは。
野菜のソテーの上に、綺麗に火の入ったピンク色のラムが載ったお皿。ソースはバジルでラムの風味によく合っています。なかなか美味しい。
暖かいパンは食べ終わるとすぐおかわりをくれます。
コーヒーまで飲んだら、ゆっくり1時間、お腹も満足の楽しいランチになりました。
メイン+サラダ+スープで¥1800ですが、お水代(スティルかガスか聞かれました)とサービス料10%で、¥2000オーバーになります。それでもCPは悪くないですね。
夜と同じコース¥3990もありますが、これは2時間かかるそうですからランチにはムリ。
それと皆さんのレビューで心配された客層ですが、御年輩の夫婦連れとか、品の良い奥さまふたりとか、年齢層高めのお客さんが多く、静かな雰囲気でランチを楽しめました。後の方でおばさまの団体が8人くらい来店しましたが、端のスペースでわりとおとなしくされていましたので、騒がしくはなかったです。
ちょっと洒落たランチにはいいお店です。
6位
1回
2010/01訪問 2010/01/17
2008年暮れにオープンした和食割烹『ほそ川』で新年会を。新橋よりも内幸町が近い、ビルの5階にあります。なんと、ここは以前来たことがある個室Dining風香の隣です。そんなに大きなビルじゃないのに、ワンフロアに4軒ほどお店があるのはすごいですね。
シンプルな入口を入ると、立派な木のカウンターが目に飛び込んできます。カウンター8席と、奥まった6人掛けのテーブルのみの小じんまりしたお店ですが、高級感があります。4人でしたので、テーブル席へ座りました。カウンターの中でご主人が黙々と料理を仕込んでいます。
とりビーは泡の立て方の上手な生。泡がクリーミーで美味い。しかもビールのグラスがすごく薄くて上品。こういうグラス大好き!
丸鍋のコース¥8000をお願いしておきました。
☆前菜三種 数の子 なます 白魚の唐揚げ
☆お造り
☆鰤の焼き物
☆海胆ご飯あんかけ
☆えび芋の煮物
☆丸鍋
☆じゃこご飯とあさりの味噌汁
☆水羊羹
というコースでした。
丁寧に作られた、一皿一皿に、店主の誠実さを感じます。薄めの味付けが上品です。
しかし、なんといっても「すっぽん」。ひとりずつ、鍋に入ったすっぽんがグツグツと沸騰して出てきます。熱々のスープは生姜の効いた醤油味で、すっぽんの出汁がたっぷり。うんまーい!本当にすっぽんの風味は何とも言えず美味しいですね。
身もたくさん入っていました。コラーゲンたっぷりの皮や、小さなすぽんの卵まで入っていて、メチャうまです。途中から日本酒の冷を飲みましたが、このすっぽんで終了が加速すること・・・
結局、一合とっくりで9~10本飲んだでしょうか。すっかりいい気分でお腹も満足です。お会計はひとり¥11000ほど。この高級感のある雰囲気では、リーズナブルと言えるでしょう。大人の隠れ家的な使い方のできそうなお店です。「知る人ぞ知る、和食のお店にしたい」とはご主人の言葉。
ただ、あまりに隠れ家的すぎるのか、この日はお客さんは我々だけでした。立地的に飛び込みの人は訪れなそうですから、どうやって知名度を上げるか、が勝負でしょうね。
僕はこういうお店は好きですが・・・
7位
2回
2021/12訪問 2022/01/23
なんと11年振りの訪問となってしまいました。一番好きなタンメンを食べられるお店「はつね」です。生まれ育った西荻にあるし、ここで食べたタンメンに感動して、東京のラーメン店巡りを始めるきっかけにもなった、思い入れのあるお店です。1961年開店なので、60周年ということになるんでしょうか。すごいことです。
15分並んで、カウンター5席しかないお店に入店。店主も奥さんもお元気そうでよかった。
タンメン 750円
チャーシュー入り 350円
せっかくなので、チャーシュー入りを奮発。
まずは店主が丁寧に野菜を炒めます。このひと手間で野菜が美味しくなるんだな。そして鶏ガラのスープを加えてひと煮たち。こうすることで野菜の旨味がスープに溶け出します。そして店主が一度ずつ丁寧に味見をします。
中華鍋で茹でた麺を、平ざるで揚げてどんぶりへ。そこに野菜ごとスープを注いでチャーシューを盛りつけたら完成。
早速スープを。おー、これこれ、この優しい塩スープ。鶏ガラの甘さと野菜の旨味が溢れる、絶妙な塩スープ。いやあ、これはいつまでも飲んでいられる。素朴なのに奥深い、大好きなスープです。美味しい。
野菜はキャベツ、もやし、ニンジンとシンプルだけど、スープを吸って美味しく炒めてあります。
麺は細麺の縮れ麺。これがまたいいんだよな。
チャーシューはクラシックな煮豚。もも系の肉を醤油ダレで煮込んであり、しっかり味が付いていて実にうまい。最近の低温調理レアチャーとは対極をなすけど、こういうしっかりチャーシューも、文化遺産として残すべきです。
見てください、チャーシューに包丁を入れてあります。決して固いわけではないのに、包丁を入れることで歯ざわりを一段ソフトにしている気遣い。こんな丁寧な仕事したら手間がかかって仕方ないだろうに。
スープも一滴残らず飲んじゃいました。やはりここのタンメンはすべての始まりだ。ここのタンメンを基準に、東京じゅうのラーメンを食べ歩いている自分がいます。美味しかった。ごちそうさま。
西荻窪には生まれてから30年ほど住んでいましたが、このお店は知りませんでしたねえ。いつからこんなに有名になったんでしょう。なにしろ昔は西荻でラーメンと言えば、コタンの味噌らーめんでしたから。
さて、土曜日の12時20分に到着すると、待ち客5名。こんなところ(失礼!)にも行列ができるんですから、食べログはじめ、ネットの威力はすごいです。換気扇の熱風を避けて待っていたら、10分もしないで入れました。
作るところを見ていたら、ニンジン、もやし、キャベツの炒め具合に凄く神経を使っています。シャカシャカと中華鍋で素早く火を入れたら、鶏ガラのスープを加えて、ひと煮立ち。この火を入れすぎない炒め具合が素晴らしい。丁寧に味を見てから、茹で上がった麺に野菜ごとスープを注ぎます。
出来上がった熱々のタンメン。スープが金色だあ!レンゲで一口・・・美味い!シンプルな塩味の中にほんのりと鶏スープの旨味、そして野菜から出た甘みが混じり合ったすっきりスープ。抜群に美味いですね。
野菜も甘い。シャキシャキの食感を保ったまま、ラードの脂で熱々のままです。急いで食べたら火傷しそうな熱さ。
そして麺。中細の軽く縮れた麺は、少し粉っぽい食感の中華そば。ツルツルの黄色い麺の方が、タンメンらしいかと思っていましたが、この素朴な中華そばもいいですね。熱々の野菜とスープに良く合います。茹でるのに寸胴を使わず、中華鍋で茹でていました。そのため湯の温度があまり高くなく、少し粉っぽいくらいの茹で上がりになるんだと思います。
一滴もスープを残さず、食べ終わったら汗だく。でも本当に美味かったです。噂に違わぬ美味しいタンメン。また行っちゃいますね、こりゃ。
8位
1回
2010/08訪問 2010/08/06
カジュアルなスペイン料理 ~ Comedor El camino
神楽坂は軽子坂の途中にあるスペイン料理のお店です。ビルの4階までエレベーターで上がると、いきなり店内に到着。
白っぽい壁やテーブルクロスで、なんとなく南欧風。お店は狭いけれど、段差やパーティションをうまく使って、他のお客さんと距離感を保てるようになっています。麻のクッションがあったりして、なかなかフランクな雰囲気。
メニューはコースのみなんですね。前菜とメインを一品ずつ選択します。メニューはというと、
前菜
・ アホアリエロ
・ レジェーノとホタテのプランチャ
・ 北海道産アスパラの冷製スープ
・ レチェスエラ(仔羊の胸腺を使った料理)
メイン
・ カジョス(牛胃袋の煮込み)
・ 千葉県産鶏もも肉のチリンドロン
・ 骨付き仔羊のアサード
・ 豚足のオーブン焼き
・ 鴨胸肉のアサード
・ アユのナバーラ風
という感じで、どんな料理かよくわかりません。でもお店の人がしつこいくらいに丁寧に説明してくれます。
まずアミューズの、チョリソーとオリーブが出てきます。そしてガスパチョ。暑いので、生ビールからいきました。
前菜はレチェスエラ。仔羊の胸腺肉は珍しいですね。揚げた胸腺をオリーブオイルでソテーしてあって美味しいです。何の臭みもなく、仔羊かどうかもわかりませんでしたが。添えてあるししとうがすごく辛いのかと思ったら、普通でした。白ワインのつまみに凄く合います。
アホアリエロとアスパラ冷製スープも味見させてもらいましたが、なかなか美味しかったです。
メインは豚足のオーブン焼をチョイス。ジャガイモの上に大きな豚足が乗って出てきました。骨は抜いてあって、中に挽き肉やレバーが詰められています。ぷるぷるコラーゲンの肉詰めという感じ。美味しく手、赤ワインがすすんじゃいますが、スペインでも豚足って食べるのかなあ。
連れが食べていた、仔羊のアサード、これは美味かったですね。骨付きの分厚い羊肉が、すごく綺麗なピンク色のレアに焼き上がっていて、とても柔らかく肉汁が溢れてきました。この羊は美味しかったあ。
メインを食べ終わると、お決まりの米料理、小エビとヒイカのアロスメロッソが出てきます。お店のトレードマークでもある、大きな鉄鍋で登場。とても出汁の味が良く出た、リゾットのようなおじやです。これは美味い。尾を引く感じで何度もおかわりしちゃいました。
デザートは
・ 国産ブルーベリーのグラニテ
・ クアハーダ
・ チャンチェゴリ
・ パチャランを使った桃のコンポート
からチョイスです。桃のコンポートが美味しかったですね。コーヒーで締め。
食前酒とワインボトル2本飲んで、3人で¥32000ほど。¥4500のプリフィクスだと思っていたせいもあり、意外と高かった印象です。
料理は総じて美味しいですが、正統なスペイン料理というより、日本人向けにアレンジしてあるフュージョンといった感じでしょうか。だから女子には人気があるのですかね。
8月は特にナバーラ地方がテーマということで、2Fのタパスとどっちが良いか悩むところです。
落ち着いて食事をするなら4Fでしょうか。
9位
1回
2010/05訪問 2010/06/05
ここ、入れないんですよね。いつも老若男女の人だかりができていて、立ち飲みなのに断られること数回。8時半とか、9時とかなら、なんとかお店に入れてもらえるチャンスがあることがわかってきました。
とにかくお店のコンセプトが素晴らしい。安くて美味しいビストロを作れば、女性客で一杯になることはわかっています。だけどそれを立ち飲みにすることで、男子もぶらっと「ちょっと寄っていこか」という気分にさせてしまう。このビジネスモデルを考えた魚金はさすがですね。
オヤジの街、新橋で定評のある「魚金」が、女性客にも門戸を開いたと同時に、男性客も惹きつけるお店を作ったということなんでしょう。
料理については、何を頼んでも平均点以上の美味しさ。そして魚金らしい、お手頃価格。魚は美味い魚金が、肉料理でも定評を得てしまう感じでしょうか。
満員のお客さんに比べ、店員の数が足りず、注文した料理が後から来たお客さんに先にいってしまうなんてことはしょっちゅうですが、料理のCPや、その新橋とは思えない雰囲気に惹きつけられて、また行きたくなってしまいます。
男子だってビストロでワインを飲むのは好きですから、ね。
10位
1回
2010/02訪問 2021/11/08
目黒では割と新しい焼鳥屋さん。しかも鳥よし 中目黒店から独立したとあって、一度行ってみたかったお店です。
まず、立地にびっくり。目黒川沿いの大きなタワーマンションの隣。目黒は長いけど、この辺は来たことないです。住宅街だもんな。こんなところにお洒落な黒塗りの店構え。暖簾が自慢げです。
入ったらまたびっくり。お洒落です。長いカウンターの椅子は白くてかっこいい。そして焼鳥屋なのに、カウンター席よりもテーブル席の方が多いのです。焼鳥屋というより、鶏料理のお店ですかね。
カウンターに陣取り、生ビールでスタート。
レバーテリーヌ
砂肝
ねぎま
軟骨
とり皮
うずら卵
ちょうちん
手羽
レバー
つくね
をいただきました。
名物レバーのテリーヌ、美味いですね。鶏レバーの風味のねっとり感の中に、細かい鶏肉や玉葱の歯応えがあって、実に味わい深いです。胡椒の香りも良いです。パンが添えられていて、いかにもワインを飲め、という感じですが、こちとら焼酎のお湯割りで押し通します。
軟骨やとり皮の火の通し方も、なかなか秀逸。レバーも中のトロッとした焼き具合が最高です。ちょうちんも食べるべし。内臓っぽくないちょうちんは相当美味いです。
手羽やつくねは、鶏肉の素材の美味さが味わえます。伊達鶏を新鮮なうちに捌いて焼くという、基本的な焼鳥の美味さを直球勝負で食べさせてくれるお店です。
お酒3杯含め、約5千円。お気に入りの鳥芳 本店の2倍ですが、イケてる女子を連れていくなら絶対こっちですね。お洒落ですもん。
まあ、逆にいえば、オヤジ的焼鳥屋の雰囲気はあまりないです。ひとり、もしくは野郎どうしなら、鳥芳に行った方がいいでしょうね。
2010年はフレンチのお店が上位となりました。
逆に言えば、しっかりした和食のお店に行かなかった、ということかもしれません。
夜、お金を使って豪勢に遊食する時代ではなくなってしまったのでしょうか。