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店名 |
健康膳 薬都(ケンコウゼン ヤクト)
|
---|---|
ジャンル | 薬膳、オーガニック、カフェ |
予約・ お問い合わせ |
076-425-1873 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
富山市電「西町」電停から徒歩3分 西町駅から195m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥2,000~¥2,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー可 |
サービス料・ チャージ |
なし |
個室 |
無 |
---|---|
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
駐車場 |
有 3台 |
料理 | 健康・美容メニューあり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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ホームページ | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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富山市では、「富山のくすり]の伝統を活かし、富山県産の食材と健康に良いとされる食材を使用し、一定の基準を満たす料理等を「富山やくぜん」と認定して、観光資源として普及する事業を推進している。富山市薬業物産課が事務局になっていて、2021年4月現在、56品目40事業者を認定している。「やくぜん」と言っても、漢方などの薬そのものや、ユンケルや養命酒に入っているような生薬を必ずしも使っているわけではない。例えばゴマやあずきを使っているだけで認定されることもある(竹林堂分家の酒饅頭もその一つ)。つまり、富山市が独自の緩い基準により、幅広く富山の薬を宣伝しようとしたものである。
そういう中で、「健康膳薬都」は、正真正銘の薬膳料理の店である。富山を代表する薬の1つ「反魂丹」を販売する池田屋安兵衛商店の直営で、元は製薬所だった場所にある。が、あえて薬膳とは言わず、「健康膳」と称している。薬膳と言うと、独特の香りや苦みのある特別な料理を思い浮べがちだが、それに限らず、体にやさしく健康にいい旬の料理を提供することを目指している。
【料理、味】
漢方の考え方を基本とし、季節の旬の素材を取り入れた料理である。あまり薬くさくなく、誰でも食べやすいように考慮している。今回は「健康膳」の「基本コース+季節のデザート」2,750円(税込)。最初に下記1が出てきて、その後、2から6までが一気に運ばれてきた。
1.蓮根豆腐、人参と山査子(さんざし)のピクルス
蓮根豆腐は、すりおろした蓮根を葛粉で固めたもの。蓮根は、少し粒が感じられるぐらいにすりおろしていて、道明寺桜餅を柔らかくしたような食感。甘くはない。ゴマのソースをからめて食べる。
人参のピクルスは、かんぴょうか平打麺のようにスライスしてあり、カドのとれた酸味。松の実もちらしてある。山査子は血液をサラサラにする効果などがあり、ドライフルーツのような味と食感。
2.甘海老と山薬の竿前昆布蒸
山薬は、かぶ、ヤマイモ、シイタケ、スナップエンドウ。柔らかい竿前昆布と甘海老の出汁の旨味がしみている。カブはほどよい歯ごたえがあり、ヤマイモはしゃきしゃきした食感。甘海老は子持ちで、生の状態では青緑色の卵が白っぽく変色していて、ぷちぷちする。
3.春野菜と龍眼のココット茴香風味
ココットは。表面を覆う焼いた生地の部分に、ゴマと茴香(ういきょう)の粒がちらしてあり、真ん中に赤味噌で味つけした龍眼を盛り込んでいる。生地を破ると、中には、ヤマイモをつなぎに使ったクリームと春野菜(キャベツ、じゃがいも、花豆、キノコなど)が詰まっている。龍眼は滋養強壮、茴香は消化をよくする働きがある。これは薬膳らしい、濃密で苦甘の甜麺醤的な漢方独特の味と香りが潜んでいる。
4.高麗人参 鶏団子のスープ
淡く澄んだスープは、上品なごく薄味。高麗人参はスープの中に溶け込んでいて、薬くささはなく、ミツバの香りが立ち上る。
5.黒米の山菜おこわ
黒米は、有機農法に近い製法の、立山町産の玄米を使用していて、ポリフェノールが豊富。おこわは、もち米の粘りの中に、黒米の粟(あわ)のようなぷちぷちの食感が混じっている。ふだん口にするおこわのような、ごはんの甘味は少ない。かんでいると、微妙に渋みもあって、滋味深い味わいだ。山菜は、しいたけ、ふき、シナチク、うずらの卵、栗の甘露煮。全体に薄い味つけだ。
6.香の物 陳皮入り
陳皮は、みかんの皮を乾燥させたもの。みかんの香りと、皮の渋みが感じられる。
7.特製デザート
蒲公英根(ほこうえいこん=タンポポの根)のシフォンケーキ、よもぎのアイス、季節の果物(キウイ、オレンジ)。
シフォンケーキは、しっとり柔らかい生地で、ほのかに生薬のような香りがする。タンポポの根は、胃腸薬にもなるとのこと。よもぎのアイスは、甘さを抑えてヨモギの風味を生かしている。苦みなどはなく、すっきりとした味わい。
8.野菜茶(十薬、鳩麦、杜仲)
薬膳風の味は特にしなかった。
【雰囲気】
以前は製薬所だったというダイニングの天井は、縦横に組まれた重厚な木組みの梁や、床から天井を貫く漆黒の太い角柱などが、レトロな風情を感じさせる。テーブル間の距離は広くとってあり、静かに落ち着いて食事ができる。
【サービス】
料理が一気にまとめて出てきた。そんなに冷めてしまうこともなかったし、時間のない人には都合いいかもしれないが、一長一短だ。淡々とした接客は、煩わしくなくてよかった。
【CP】
食材の原価はさほどかかっていなさそうだが、料理は1つ1つ丁寧にできていて、安っぽいものや首をひねるようなものはなかった。値段に見合う満足感は十分に得られた。
【総合評価、感想】
薬屋のレストランということで、どんなものかと少し侮っていたが、そつのない良質な料理だった。薬膳という付加価値をつけながら、そればかり強調せず、普通の季節のコース料理としても十分通用する。これならば、また訪れてみたいと思う。