【いちょう並木伐採】 公安警察まがいの手法で住民監視する千代田区 

夜通しの木守りが続く。寒い冬は骨身に応える。=神田警察通り 撮影:田中龍作=

師走を迎え、銀杏の葉が残る命を惜しむように輝く。だが人間の心を失った行政にはそれも目に映らないようだ。

何としてでも銀杏並木を伐採したい千代田区(樋口高顕区長)の暴走が止まらない。

伐採を止めようとした住民8人について、伐採工事区間への立ち入りを禁ずる仮処分の決定がすでに東京地裁から出ている。千代田区が住民の税金を使って住民を訴えたのである。

これでも十分下品なのに、千代田区は新たに市民2人を追加し仮処分申請した。10月初めのことだ。

2人の住所と名前をどうして掴んだのだろうか。気持ちの悪い話でもある。うち1人が千代田区側の弁護士に「どうして私の住所が分かったのですか?」と尋ねたところ、「答える必要はありません」と木で鼻を括ったような対応をされた。

千代田区は住民たちが都庁で記者会見を開いている隙に看板を立てた。泥棒猫のような所業だ。=神田警察通り 撮影:田中龍作=

千代田区のエゲツなさには驚くばかりだ。公安警察まがいの手法で住民の動きをチェックしているのである。

銀杏並木の伐採に異論を唱えている住民たちが、都庁で記者会見を開いた時間に合わせ、立て看を立てたのだ。10月21日のことだ。

立て看は銀杏並木沿いに8ヵ所。伐採を正当化する屁理屈が連ねられている。

地球温暖化とヒートアイランド対策として世界各国は都市の緑を増やす傾向にある。

戦禍のベイルートにあって街路樹は道路に覆いかぶさるほど緑豊かだった。それは荒廃した人々の心を癒すようでもあった。

なぜ日本はわざわざカネをかけてまで緑を伐採するのか。森林を切り拓いての宅地開発が洪水をもたらしているように、カネ儲け本位の街路樹伐採は、人々に災厄をもたらすだろう。

戦禍のレバノンでも街路樹は大事にされていた。=ベイルート 撮影:田中龍作=

 ~終わり~

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