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最近Twitterでこんなのが話題になってました。
Y@y_psychologistこういうの、絶対に騙されないで下さいね。 あのね、ミニトマトって3月に種まき、5月に苗を植え、7-9月くらいに収穫すると思うんですが、そのたった半年足らずで49回も農薬を散布するなんてありえない。どんだけ効率悪い農業なの?農薬の散… https://t.co/CyD4GLR2hj
2018年11月01日 10:06
なんだか野菜の残留農薬や雑菌類、
さらには放射性物質(!?)まで除去できちゃう魔法の水みたいな商品で
「ベジシャワー」なんてのがあるらしく。
このTwitterは「そもそも農薬そんなに撒いてないだろ」とか「そんなよく分からん水で農薬落ちるわけない」「放射性物質落ちる分けない」などなどで色々物議を醸しているのですが…(笑)
(放射性物質がこんな水で落ちたら放射性廃棄物問題は全部解決しちゃうので野菜なんか洗ってる場合じゃないですね…苦笑)
色々調べてみるとこのベジシャワーとかいうお水、
「pH」が12くらいあるらしいのです。
日々を紡ぐてれび@1102tv野菜を洗うベジシャワーのpHを調べてみました。だいたい12くらいでした。 https://t.co/QMPtnHBm8S
2018年06月19日 16:55
本当のところはよく分からないのですが、、
多分実際に12くらいあってもおかしくないと僕は思っています。
まぁあんまり気になるので昨日Amazonで購入してしまいました…苦笑
これは明日到着なので明日以降実際に実験してアップしてみようと思います(^_^)v
(よく見たら当日お急ぎ便使えたという…失敗した~。。)
あと似たような製品で「ベジセーフ」とかいうやつや「シュッパ」「シェラッシュ」「ホタテのおくりもの」とか色々買い込んでみたので明日一緒に実験しますね。笑
…というかベジシャワー、4100円とか…高すぎてびっくりf(^_^;)
(まぁこんな怪しげな水に自腹を切るのは癪なので、Amazonポイントで購入しましたが。笑)
ただね、ベジシャワーは価格面や宣伝広告手法などがかなり怪しいので今回これだけ叩かれてますが、
実際これと似たような製品って以外と昔から身近にあったりするんですよね…。
かずのすけ@kazunosuke13pH12で強アルカリの野菜洗剤「ベジシャワー」が話題になってるけど住居洗剤系の商品にも似たようなのザクザクありますからね…🤭「界面活性剤不使用だから安心!」とか書いてあるけどpH計測すると12とか、下手したら13近いやつもある。子… https://t.co/GB2X7zRL0h
2018年11月06日 16:34
特に住居用洗剤などに稀に利用されていて、
これなんかはとてもポピュラーな商品ですよね。
レック社の【水の激落ちくん】。
◎「水の激落ちくん」は『アルカリ電解水』100%?
もしかしたら使ったことがある人もいるかもしれません。
これも先日のオキシクリーン同様に『万能洗剤』のように言われているアイテムですよね。
随分前に実家に帰省したときに父親が使っていて知った製品なんですが…。
これがまためちゃくちゃ怪しいというかなんというか…。。
アルカリ電解水100%で、界面活性剤が入っていない。
つまり中身は「水だけ」のはず。
キッチン・食卓。ベビー用品やリビングなどに使えと書いてあります。
まぁ本当にただの水であれば安心安全は間違いないですが、
そもそも汚れ落ちなくない?という風に思っても仕方ありません。
しかし、この商品はなんと水だけなのにも関わらず、
油汚れをはじめ様々な汚れを二度拭き無しで落とせるばかりか、
ウイルスや雑菌の除菌消臭までできるとのこと。
ただの水でそんなこと起こりうるはずはありません…。
つまり彼は「ただの水」ではないということ。
特徴を読んで見るとこう書いてあります。
●水を独自の方法で電気分解したアルカリ電解水100%、無色無臭のクリーナーです。
●水拭きでは取れない汚れをアルカリイオン(マイナスイオン)が包み込んで浮かせて落としてくれます。
●界面活性剤を使用していないので、環境に優しく排水も汚しません。…
などなど…
まぁ製品特徴を見ても、
つまり「水を電気分解した水」らしいのです…。
いや、それただの水じゃない?…と思うのですが…、、
成分を見るとこう書いてあるのです。
「水酸化ナトリウム0.18%」
※本品のアルカリ性を水酸化ナトリウムで換算した値です。
へ??…これは一体どういうことでしょう??
表には「アルカリ電解水100%」と書いているのに、
成分には「水酸化ナトリウム」なる成分が書かれています。
なんのこっちゃ訳分からないので…
とりあえずいつも通りpHを測ってみましょうか(;^_^)ゞ
◎「水の激落ちくん」のpHを測ってみると…
今日のpH測定は、まずはこちらの簡易的な「pH試験紙」を使用してみます!
これはご存じの通り、浸す液体のpHによって試験紙の色が変わるというアイテム。
酸性だと黄色~赤色、中性だと薄い黄土色、アルカリ性だと緑色~濃紺色に変色していきます。
まぁ「アルカリ電解水」というくらいだから多少のアルカリにはなるのかな…?
ということでシュッと一吹き
シュッと…
(゚o゚;)?????
多少のアルカリどころではない色になりました…。。。。。
pH試験紙って実は12以上のpHが全く判別出来ないのですよ。
なのでこれを見る限りだと「大体12以上」と言うしかないのですが…、、
まぁ僕は「pHメーター」という必殺武器を持っているので(笑)
正確な数値を測ってみるところ、
なんと原液そのままの場合pH=12.6という
非常に強力なアルカリの数値をたたき出しました…。。。
前も言いましたがアルカリ性はpH=14が最大で、
pH=13以上になると「劇物」扱いで、皮膚を溶かすと言われています。
水の激落ちくんはその一歩手前のアルカリ性を秘めているのです…!!
つまり水の激落ちくんは、
これだけの強力なアルカリ性によって、油分を加水分解で分解したり酸を中和したり、
タンパク質を溶解したり、などなどの方法で洗浄や除菌を行っているアイテムなのです。。
◎「水酸化ナトリウム」は皮膚を腐食する最強のアルカリ剤
それもそのはずで、
先ほどちらっと出てきた水の激落ちくんの成分「水酸化ナトリウム」は、
これまでいくつか紹介してきた重曹、セスキ炭酸ソーダ、炭酸ナトリウムなどの
『弱アルカリ剤』とは一線を画す、最強の強アルカリ剤です。
今更説明も野暮というモノですが、中学校でも習うレベルの基本中の基本の強アルカリ剤で、
水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどが知られていますね。
1%水溶液でもpHは14を示す超強力なアルカリ性の成分で、
水溶液は皮膚を溶解するため劇物指定を受けています。
こちらの水酸化ナトリウムの安全性データシートによると、
このデータシートは水酸化ナトリウム20%水溶液のデータなので少しややこしいですが、
pH=12の水酸化ナトリウム水溶液を4時間適用したウサギの皮膚が重度の壊死を起こした
とあります。
溶解してしまうのは13からと言われていますが、
pH=12でも何時間も触れ続ければその部位が壊死する程度の皮膚腐食性を持っています。
水酸化ナトリウム0.18%でpH=12.6となると…
データシートに従えば十分皮膚に損傷を与えうる数値になっていると僕には思えます。
しかしボトルの表には
「アルカリ電解水100%」と書いてあるし、
成分にも「アルカリ性を水酸化ナトリウムで換算した値」とあるので、
よく意味は分からないけど実際は別物なんじゃないか?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、
『アルカリ電解水』というものの製法を知れば、
この「水の激落ちくん」が事実上「水酸化ナトリウム0.18%溶液」と全く同じものと言えることにご納得頂けると思います。
◎【アルカリ電解水】の製法は『水素水』と同じ?!
まずアルカリ電解水とは一体なんなのか?
簡単に説明したいと思います。
実は数年前にこんな記事を書いています。
→http://www.up-x.com/product/medical/zakangen.html より引用
これはかの【水素水】の作り方を模している図なのですが…
お水に電極を刺して電気を流し、
その陰極(マイナス極)側では気体の水素ガスが発生するので
この水素ガスをそのまま封入した水を【水素水】というのです…
という話をしています。
そして、
このときの【水素水】は、
別名【電解還元水】と呼ばれたり、
【アルカリイオン水】と呼ばれたり、
【アルカリ電解水】と呼ばれるのです。
つまり、
ちょっと昔に話題になってかなり色々と問題になった『水素水』は、
『アルカリ電解水』と全く同じ製法によって作られています。
しかし、じゃあ水素水はpH12.6あったのか?というと、それはありません。
電気分解によって生成される「アルカリ電解水」のpHは、
使用する『電解質』(電気を通しやすくするために溶かす物質)の種類によって変わりますし、
電気分解にどのくらいの時間をかけるかによっも変わります。
主に飲用のアルカリ電解水(水素水)は、pH8~9程度に抑えたものです。
(だから大昔からアルカリイオン水とか電解還元水などの名称で普通に飲用で販売されていたものが、最近になって水素水と名を改めただけ、というのが水素水ブームの真相です。)
しかし同じ製法で、
長時間の分解を行えば、どんどんpHが上昇してアルカリ度が上がっていきます。
今回の水の激落ちくんなどのアルカリ電解水は、
長時間の電気分解を行って得られた「強アルカリ電解水」ということが予想されます。
◎「食塩水」を電気分解するだけで「水酸化ナトリウム」の強アルカリ電解水ができる
そして肝心の、水の電気分解によって「水酸化ナトリウム水溶液」を作る方法ですが…
これはとても簡単です。
電気分解する水に『食塩』を微量に混ぜるだけです。
本来水というのは電気を通しにくい液体なので、
食塩などのような「電解質」と呼ばれる電気を通しやすい物質を加えなければ電気分解は起こりにくいです。
食塩は『塩化ナトリウム』といって、化学式は「NaCl」で表されます。
食塩水に電気を通すと以下のような反応が起こります。
2NaCl(食塩)+2H2O(水)
→ 陰極側:2NaOH(水酸化ナトリウム)+H2(水素) 陽極側:Cl2(塩素)
つまり食塩水は電気分解すると、その陰極側に水酸化ナトリウムが生成されていくわけです。
(加えて水素も生成するので「水素水」でもあります^^; ややこしいわ!笑)
実はこれは、
「水酸化ナトリウムの工業的製法」と全く同じ方法なのです…!
水酸化ナトリウムの製法で水を電気分解しているのだから、
出来上がる水が「水酸化ナトリウム水溶液」になるのは当然だと思いませんか?
◎【アルカリ電解水】は本当に安心・安全か?
このようなアルカリ電解水は、
何らかのアルカリ成分が生成していたとしても、
出来上がった水は「アルカリ電解水」100%と言えます。
なぜなら、
『アルカリ電解水』という言葉には、『アルカリ成分が溶けている電気分解した水』
という意味が予め込められているからです。
反対に、電解質によっては電気分解すると酸性の水になる場合もあり、
「強酸性電解水」というものも実際にあります。
でも成分自体は「水」と「アルカリ」に必ず分けられるため、
こういったアルカリ電解水系の商品には、
成分の欄に「水酸化ナトリウム」とかちゃんと書いてあるわけです。
(これをちゃんと書いていないものもあるので、そういうものはかなりヤバいと僕は思っています。)
一応レックさんはそれを書いているので、個人的にはあまり好ましくないと思って居ますが
押し並べて悪質というわけではないと思います。
ただ実際のpHも表記しておいた方が絶対に良いと思います。
水酸化ナトリウム0.18%が決して薄い濃度ではないということを一般の人は知らないですからね…。
僕に言わせれば、
界面活性剤が入っている住居用洗剤でも普通に素手で触れても刺激のないものは多数ありますし、
舐めても全く毒にならないものも沢山あります。
水酸化ナトリウムは劇物ですし、pH=12.6もあれば皮膚刺激性は十分あります。
僕はこれで直接赤ちゃん用品を拭くくらいなら、
食器用洗剤を薄くして拭いた方がまだまだ安全性は高いかなと思いますよ…。
今回のように表面上は「水だけ」だけど、
実際には水だけじゃないというのがこの世の中にはゴロゴロ転がっているわけで、
そのメカニズムが何かよく分からないものにほいそれと手を伸ばすのはリスキーだなぁと僕は感じました。
「水素水」しかりこの「アルカリ電解水」商法は、
一般消費者が電解水の仕組みをあまり深く理解していないことを笠に着ているとても悪質なものだと僕は思っています。
どうか「よく分からないもの」に対して、それを盲信することなく、
健全な懐疑心を持って接して欲しいと強く思います。
明日届くベジシャワーとか野菜洗剤全般にも同じことが言えそうだな、と今既に思っていますが、、
こちらもぜひお楽しみ(?)に(;^o^)ゞ
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