なんかiPhoneのコンテンツブロックが元でこんな話が出てるらしいんだけど。
個人的にはフリーライドがどうとかは、実にどうでもいい。広告がどんどんブロックされてウェブサービスが金にならなくなったら、その時は別のビジネスモデルを考えればいいだけだ。「消費者」がそんなことをどうこう言う必要なんて、全くない。そんなことは「事業者」が悩めばいいこと。そこをあれやこれや議論するのは、テレビで野球見て野次飛ばしてるようなことか、「事業者」のポジショントークに過ぎん。
ということで、フリーライドかどうかということは、私は全く興味がない。「みんなが広告を拒否したら有料サイトばかりになるぞ」とか「零細のサイトは潰れるぞ」という脅しもあるが、「情報を得るのに必要な費用」というのは何があってもそうそう変わらないのだから、
どこでどう負担するか
が変わるだけだろう。iPhoneのアプリだと有料版は広告出ないのがあるわけで、そういった形での支払いになるわけだ。
私はウェブ広告が嫌いなので、基本的にアドブロックかけっぱなしだ。自分が広告が嫌いだから、自分のウェブページにも広告を貼らない。貼れば小遣いくらいにはなるのかも知れないが、自分が嫌いなものを他人に勧める気はないから貼らないことにしてる。たまにアフィを貼っているけど、それは画像を貼る代わりとか情報提供であって(「どこで買えるんだよ」への答えだ)、本文の邪魔になる貼り方はしてない。他人のページでも、そういったアフィは嬉しいからね。アフィや広告のためのコンテンツではなくて、コンテンツを強化するアフィや広告は、存在意義がある。
なんでウェブ広告が嫌いかと言えば、もちろんそれは「邪魔」だからだ。邪魔にならない広告なら、それも一つの情報でもあるので、むしろ歓迎である(件のアフィみたいに)。
ところが、
邪魔にならない広告
を許してしまうと、邪魔になる広告までやって来る。どんな優秀なコンテンツブロッカーであっても、邪魔な広告か価値のある広告かという判断まではしてくれない。
「邪魔になる広告」とは何かと言えば、
- URLをクリックしたらいきなり全面広告
- ページを開いただけで勝手に動画再生が始まり、下手すると音まで出る広告(はてブは反省しる)
- チカチカ点滅して、メインコンテンツを読む時に気が散るバナー広告(日経BPは反省しる)
- 誤クリックを誘う広告(まとめサイトに多い)
- 「パソコンの速度が落ちています」とか嘘つく広告
- 「○○の真実」とか、妙な思想宣伝の広告(一時YouTubeにあったよね)
- 機能ボタンをクリックしたら「便利な使い方」とか余分なtipsを表示するEvernote
- コンテンツなのか広告なのかわからんステマや記事広告
あたり。まぁ、これらの広告が好きな奴なんていないでしょ。さらに、
- PVを稼ぐために無意味な「もっと読む」のあるニュースサイト
つまり、広告のためにこういった「不愉快なもの」を見せられたりするからブロックされるまでのこと。
今やウェブ広告は、
見たくもない人にいかに無理やり見せるか
に腐心していると言っていい。Googleの「コンテンツブロック対策」は、つまりは「いろんな穴を見つけて広告をねじ込む」ことでしかない。そんなことをやりだしたら、ブロックの精度向上と穴探しの
軍拡競争
にしかならない。クラッカーとセキュリティホールみたいなもんだ。
フリーライドがどうこう言う以前に、こういった盗賊みたいな広告が存在することを何とかするのが先だろう? 見たくもない人に見たくもない広告を見せても、 「消費者」も「広告主」も幸せにならない。幸せなのはウェブサイトだけとか、それがそもそもそれがおかしいのだ。
本来なら、
味噌もクソもブロック
されてしまう前に、業界()が自浄しなきゃいけなかった。見たくもない人に無理やり広告を見せるような、「不快な広告手法」を排除するべきだった。ところが、「アドテク()」の進化は、それをさらに悪化させてしまった。その結果、
広告 = 見たくないもの
になってしまったのだ。
だから、「業界人」はブー垂れる前に、「不快な広告手法」をやめること、利用者を不快にしないで価値のある広告を出す方法を考えるべきだ。そうしないと、それこそ味噌もクソもブロックされてしまって、誰も幸せにならない。