[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/
HOME > HIV検査に行こう

HIV検査に行こう

2008年まで順調に伸びていたHIVの検査数が、2009年から減少に転じています。HIV感染者が減っているのであれば問題ありませんが、感染に気付いておらずエイズを発症して初めてわかる「いきなりエイズ」が全国的に増えています。

 日本では、検査を受けるべき人がまだまだ受けていないのが現状です。まだ検査を受けていない人がおられれば、一度検査に行くことを考えてみてはいかがでしょうか。


ここでは、これまでにいただいたHIV検査に関する質問のうち代表的なものについて、Q&A方式で回答していきたいと思います。

Q1 どんな人が検査を受けるべきでしょうか


A1 次の人が該当します。

これまでに、相手がHIV陰性であることを確認していないままコンドームを用いない性行為をしたことがある人。性行為には”フェラチオ”も含みます。”クンニリングス”をしたことがある人も相当します。完全に感染を予防するにはクンニリングスの際、デンタルダム(女性器にあてる薄いシート)を用いることが必要です。一方、キスでの感染はまずないと考えていいでしょう。(キスで感染の報告も海外ではあるようですが、血液と血液が介するハードなものであったそうです)

注射針の使いまわしをしたことのある人 
完全に滅菌されていない環境でタトゥーを入れたことのある人(特に海外が危険だと言われていますが、日本国内でも感染の報告こそないもののショップによってはリスクがあるかもしれません)
(医療従事者の方で)針刺し事故を起こしたことがある人  

他人の血液(正確に言えば、精液、腟分泌液、脳脊髄液なども)が、目や口、あるいは傷のある皮膚に付着したという経験のある人  

海外で危険な性行為の経験のある男女。これは内容としては?に含まれますが、男女とも最近このタイプの感染が目立っています。男性であればタイや中国などのアジア諸国、女性であればオーストラリアやアメリカ、ヨーロッパなど西洋諸国での感染が多いという傾向があります。


Q2 検査はHIVだけでいいの?

A2 一般に危険な性的接触がありHIVの検査のみでいい場合はありません。HIVの検査のみでいいのは、「相手がHIV以外の性感染症に罹患していないことが確実な場合」のみです。むしろ、HIVよりも優先すべき感染症がいくつもあります。特にB型肝炎ウイルス(ワクチン接種していない、またはしていても抗体形成確認が済んでいない場合)、梅毒(治る疾患ではありますが、ときに難渋します)、C型肝炎ウイルス(感染力は弱いのですが、日本にはキャリアが200万人以上います)は必須と言えます。

Q3 ゲイであれば必ず検査を受けるべきですか?

A3 いいえ
たしかにHIVのハイリスクグループに”ゲイ”が含まれることが多いと言えます。しかしながら、ゲイであることそのものがハイリスクグループであるわけではない、とGINAでは考えています。ゲイであっても危険な行為をしていなければリスクはないわけです。


Q4 風俗嬢は必ず検査を受けるべきですか?

A4 いいえ
理論的には風俗の仕事をしたことがあるからといって、HIVのリスクがあるわけではありません。通常の”キス”では感染しませんし、フェラチオの際、コンドームを用いていれば心配はないわけです。
しかしながら、日本の性風俗では、フェラチオの際、コンドームを用いないことが多いため、ほとんどの風俗嬢はハイリスクであると言わざるを得ません。(実際にフェラチオで感染した例は、谷口恭著『今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ』で紹介しています)

一度検査を受けて、どのように”仕事”をすればリスクを軽減できるかということについて医療者から学ぶことが必要でしょう。


Q5 感染してから3ヶ月経たないと検査できないって聞いたんですが・・・

A5 これはどのような検査をおこなうかによります。
まずHIVの検査には、抗体を調べる方法、抗原を調べる方法、遺伝子を調べる方法など、様々なものがあります。抗体を調べる方法だけをとりあげても、PA法、ELISA法、IC法、WB法と様々な方法があり、さらにそれぞれの方法にもいくつかの方式があります。ですから、どれくらいたってから検査ができるかはその施設によります。医療機関でおこなえる抗体検査であれば通常1~2ヶ月程度であることが多いですが、これはあらかじめ確認しておくのがいいでしょう。

NATという遺伝子を調べる検査のなかには感染後11日~14日が経過すれば分かるものもあります。ただしすべての検査機関でおこなっているわけではないので事前に確認しておく必要があります。


Q6 即日検査はどこで受けられますか?

A6 これには便利なマップがあります。
厚生労働省科学研究費エイズ対策研究事業が作成しているウェブサイトが最も詳しくて分かりやすいと思われます。下記のURLをご参照ください。
http://www.hivkensa.com/index.html
このウェブサイトで、即日検査を実施しているところの他、NAT検査を実施しているところ、HIV以外の性感染症の検査を実施しているところも検索できます。


Q7 彼氏(彼女)と一緒に行くべきですか?

A7 GINAではそうすることを推薦しています。
事前に相手とじっくりと話し合いをおこない、どちらかに(あるいは双方に)感染している可能性があるなら、「もしも感染していたらどうすべきか」について充分に話をしておくのがいいと思います。


Q8 もしも自分が(相手が)HIV陽性だと言われたらどうすればいいですか?

A8 もしも、あなたに信頼できるパートナーがいる、あるいは何でも話せる友人がいるならひとりで悩まずに相談してみるべきでしょう。しかし、相談に乗って話しを聞いてくれるのはあなたの周囲以外にたくさんいます。専門のカウンセラーやHIV陽性者を支えているNGOやボランティアもたくさんいるのです。通常、HIVの検査をおこなっている機関では、その機関の医療者が親身になって相談に乗ってくれますし、適切なカウンセラーやHIV陽性者支持団体を紹介してくれるはずです。

あなたが陰性で、あなたの彼氏(彼女)が陽性であった場合、まずはその相手をしっかりと受け止めてあげてください。その相手を最も理解することができるのはあなた自身であるということを忘れないでください。


2016年5月4日 谷口恭

(尚、GINA代表谷口恭が院長をつとめる(医)太融寺町谷口医院でも、HIV抗原抗体検査、NAT検査、他のすべての性感染症の検査と治療、肝炎ワクチンの接種などをおこなっています。HIV陽性の方に対しては、エイズ拠点病院への紹介や、カウンセラー、支持団体の紹介などもおこなっています。お気軽にお問い合わせください)