話題のメガネブランド「Warby Parker」の創業者ニールとデーヴの仕事術

敏腕クリエイターやビジネスマンに学ぶ仕事術シリーズ、第17弾です。週4時間の労働で結果を出す男ことティム・フェリス氏に続く今回は、話題沸騰のメガネブランド Warby Parker 社の創業者、 ニール・ブルーメンソール（Neil Blumenthal）氏とデーヴ・ギルボア（Dave Gilboa）氏にインタビュー。

2010年にふたりが Warby Parker 社を創業したときに目指したゴールは「メガネ業界に革命を起こすこと」でした。高価で退屈なメガネフレームに飽き飽きしていた彼らには、ある明確なプランがありました。中間者を排除して、ハイセンスで高品質なメガネを100ドル以下で提供することです。販売はオンラインのみ、メガネの試着はオンライン上や自宅で行います。また、顧客がメガネをひとつ買うと、世界でメガネを必要としている人に1つ寄付される仕組みにもなっています。

創業から2年。彼らの事業プランは軌道に乗るどころか、華々しい大成功を収めています。今年末までに30万個ものメガネが出荷されるそうで、ニューヨークに実店舗もオープンする予定だとか。米 Lifehacker では、多忙のデーヴとニールをようやく捕まえ、使っているアプリからお気に入りのアドバイスまで、成功の秘訣を聞き出すべくインタビューを行いました。

──「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは何ですか？

デーヴ：メモやリストの作成、後で読むための記事保存に『Evernote』を使っています。ほかには、旅行用に『TripIt』、メール受信箱の整理に『SaneBox』ですね。

ニール：iPhoneの予備バッテリー、『Instapaper』、いつもミーティングに走り回っているので愛用の「Nike Air Max 1s」は手放せませんね。どちらかというと足は遅いほうですが、この靴がなければもっと遅くなってしまいます。

──お気に入りの時間節約術／ライフハックは？

デーヴ：『IFTTT』を使って、翌日か翌々日の天気予報が雨や雪だったら自分宛にメールを送るようにしています。大雨の中で傘がないとか、雪の日に悪天候用の靴を履いてきていない、などの悲劇を免れるためです。

ニール：これまでで一番気に入っているライフハックは、妻に Warby Parker のオフィスで自分のビジネスをするように説得したことですね。これで、仕事でどんなに遅くなっても一日中一緒にいられるようになりました。ビジネスと喜びを分かち合えることは素晴らしいですよ。もうひとつ発見したハックは、句読点や大文字小文字、文法の正しさにこだわらないことです。私はコンマを入れるかどうかみたいな些細なことは気にしないんだと胸を張って言えます。

──愛用中の ToDo リストマネージャーは何ですか？

デーヴ：Evernote。すべてのデバイスで同期させています。

ニール：私もEvernoteです。

──仕事場はどんな感じですか？

デーヴ：ラップトップにキーボードとセカンドモニターをつないでいます。自分専用のデスクがあります。たまに片付いていることもありますが、たいていは書類の山に埋もれています。

ニール：デスクの上にはラップトップと、目を通すべき書類の山が積まれています。実際は、マネージャーにどやしつけられるまで手がつかないことがほとんどです。それからなんと固定電話があります。使ったことはありませんが。固定電話を持っているなんて、机の上に羽根ペンとインクの壷が置いてあるみたいなもんですね。アンティーク・コレクションにでも入れておきます。

──日常のことで「これは他の人よりうまい」ということは何ですか？

デーヴ：スポーツジムのフル・ワークアウトを30分間でこなせます。休憩なしで。

ニール：中華料理の注文とモチベーショナルスピーチが得意です。この2つは無関係のスキルですが、必要とあらば同時にやることもできますよ。

──仕事中、どんな音楽を聴いていますか？

デーヴ：音楽は聴きませんが、まったく静かでもありません。オフィスがオープンタイプなので、チームみんなの声が、まるで終わらないジャズの演奏みたいに聞こえてきますよ。

ニール：基本的には何も聴きません。深夜で周りに誰もいないときだけ「Maneater」（Nelly FurtadoじゃなくてHall & Oatesバージョン）か、Kool and the Gangの「Get Down on It」（80年代のベストシングルです）をかけます。

──睡眠状況はどんな感じですか？

デーヴ：早起きは苦手です。メールも夜遅くに読むことが多いですね。「人間は3～4時間の睡眠を一日に何度かとる方が自然だ」という最近の研究に興味があります。夜中に目が覚めたときは、2時間ほど集中して仕事をします。また、オフィスに向かう前に、自宅で2～3時間仕事をするようにしています。集中力を必要とするタスクをこなすのに使っています。この時間が私にとって最も生産性がよい時間帯なのです。オフィスでは、15～20分の邪魔されない時間を確保するのが精一杯です。まるで野生動物みたいな生活です！

ニール：状況によっては早起きします。18ヶ月になる息子が目覚まし時計になっています。

──今までもらった一番すてきなアドバイスは何ですか。

デーヴ：「あなたをここまで連れてきたものが、あなたをあそこへ連れて行くわけではない（What got you here won't get you there.）」

ニール：「生きている時間より死んでからの時間の方が長い（You're going to be dead a lot longer than you're going to be alive.）」

Tessa Miller（原文／訳：伊藤貴之）