10月10日に正式リリース予定の『Ubuntu 10.10』。「Maverick Meerkat(型破りなミーアキャット)」という開発コードのとおり、これまでにない新しい機能が満載です。こちらでは、とくに注目すべきポイントをご紹介しましょう。

前回リリースされた正式版『10.04』はLTS(長期サポート)版で、多くの新機能が導入されていましたが、『10.10』では、これを超える改変が行われているそうです。

 

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ほとんどの作業をブラウザでできるようになったこの時代、Ubuntuも、ユーザビリティや互換性、「ルック&フィール」の改善に取り組みました。ユーザがUbuntuをインストールしようとする理由の多くは、速く立ち上げられ、ウェブフレンドリーで、互換性があり、価格面でもライセンス面でもフリーなシステムだからです。

では、何がどんな風に変わったのでしょう? 米Lifehackerでは、以下の7つのテーマに注目しています(ただし、以下のスクリーンショットはRC版です。正式版では多少変更が加えられている場合もあることを、お含みおきください)。

1: Ubuntuのインストールがカンタンに

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Ubuntuでは、インストールの簡易化が長年の課題だったが『10.10』は、かつてないベストなインストーラーを備えている。システムインストールしたら、タイムゾーンとユーザ名などを登録し、背景のインストールへ、といった流れで、インストールが進む。また、第三者のドライバのインストールオプションや、MP3などのサポートも搭載。

2: ソフトウェアセンターが「理想形」へと進化

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ターミナルコマンドやDEBファイルのダウンロードなど、Ubuntuでのソフトウェアのインストール方法は実に様々で、新規ユーザにとっては馴染みのないものがほとんど。そこで、Ubuntuのソフトウェアセンターが、理想に近いカタチに改良。Ubuntuのチャネルからダウンロードした、パッケージやソフトウェアのインストールを制御してくれるようになった。

Google ChromeやDropboxといった、第三者のチャネルの承認や追加も便利に。また「Featured」と「What's New」という、新しい「ルック&フィール」が搭載されるなど、アプリケーションの分類や検索がより便利に。

3: Ubuntu Oneは音楽ストリーミングにも使える

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デスクトップファイル同期サービス『Ubuntu One』は、OS版『Dropbox』からスタートしたが、さらに便利に成長した。たとえば、「Ubuntu One Music Store」からDRMフリーの音楽を購入すると、瞬時に『Ubuntu One』のスペースにバックアップされ、あとで、どのUbuntuシステムからでも、ウェブ経由からでも、ダウンロードできるようになる

メーラー『Evolution』にある連絡先やビジネスデータも、同様にバックアップできる。中でも注目すべき点は、今回のバージョン変更により、すべての音楽をAndroidやiPhoneでストリームできるようになること(アプリケーションは近々リリースの予定)。

4: Ubuntu Fontを採用

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デフォルトではないものの、Ubuntuのために開発された新カスタムフォントが『10.10』で使えるようになる。このUbuntu Fontは、これまでのものよりも、見やすそうだし、異なる幅・スタイル・アプリケーションでもうまく動く。Ubuntu Fontの狙いや目的については、Ubuntuの創始者Mark Shuttleworth氏による、こちらの記事(英語)も参照のこと。

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5: Unityインターフェイスはネットブックにグー

UbuntuのUnityインターフェイスは、ネットブックやモバイルPCなど、小さな画面に適している。Macのようなデザインで、サクサクと速い。ユーザからも高評価を得ているようだ。「Ubuntu Netbook Edition PPA」をシステムに追加すれば、再インストールすることなく、標準のUbuntuインストールで使える。

6: 通知とシステムトレイが改良

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Ubuntuの創始者Mark Shuttleworth氏は、2008年夏「Ubuntuは、デスクトップルックで、Appleに勝つ」という大きな目標を公言していた。もちろん、まだその域には達していないが、デスクトップの使いやすさでいくつか注目すべき点はある。

特にシステムトレイは、格段に使いやすくなった。たとえば、これまでボリュームメーターは、サウンドコントロールしか設定できなかったが、音楽プレイヤー『Rhythmbox』の音量も制御できるようになった。また、ソーシャルネットワークのメッセージは「Me」メニューで閲覧でき、ほとんどのIMクライアントは、ユーザ名メニューでチャットのステータスを設定可能だ。

7: 画像管理ツールが『Shotwell』としてリニューアル

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画像管理ツールは、従来の『F-Spot』から『Shotwell』へ変更。画像のインポートや整理は改善された。ただし、まだその出来は「発展途上」という印象も...。現段階では、『gThumb』のほうがオススメ。

これまでは、「Ubuntuってなんとなく難しそう...」と敬遠していた方も、今回のバージョンアップで、トライする上でのハードルがちょっと下がったかもしれませんね。まずは、10月10日の正式リリースを心待ちにしましょう。

Kevin Purdy(原文/訳:松岡由希子)