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    Kantoku Shikkaku

    - 日本/2011/日本語/カラー/Blu-ray(HD)/111分

    監督、撮影:平野勝之
    編集:李英美
    音楽:矢野顕子
    企画、製作:甘木モリオ
    プロデューサー:庵野秀明
    製作会社:株式会社シネバザール(コイノボリピクチャーズ)、株式会社カラー
    配給:東宝株式会社映像事業部  www.toho.co.jp
    k-shikkaku.com

    2005年、34歳の若さで女優・林由美香が逝った。本作は、東京から北海道礼文島への自転車二人旅ドキュメンタリー『由美香』(1997)の想い出から、その死に立ち会う瞬間、その後の映画の撮れない数年間を追体験する。由美香への監督自身の恋心をストレートに吐露した、恋愛映画である。作品をコントロールしようとする監督と、むきだしの心でぶつかってくる由美香との破綻すれすれの攻防戦が、つねに映画の均衡を揺さぶる。そう、女優・林由美香との関係に終わりはない……。



    【監督のことば】この映画に関しては、作り手の立場ですと、どうにも「見てください」としか言いようがありません。また見て下さった皆様にも僕からは言葉は何もありません。しかし、映画の紹介としてはこれではミもフタもありません。できるだけ言葉になるものを記したいと思いこれを書いています。

     この映画の主演である亡くなってしまった林由美香さんは、僕にとって自分の人生を大きく変えられてしまった存在です。人は誰でもその人生において、そんな人物が1人は必ず現れると思っています。もしも、この映画を見て何か感じる事があったなら、なるべく早く、できるだけ早急に、大切だと思う人には、伝えるべき事を伝えていただきたいと思っています。そして可能であれば、その人のために何かしらの行動を取ってあげて下さい。それは、何も大袈裟な事ではなく、花1本をさし出す事でもよいのです。それは、きちんと伝わるのだと信じています。 以上。


    - 平野勝之

    1964年、静岡県生まれ。アマチュア時代より8ミリを中心とした映像作品を撮り続け、PFF等で高く評価される。AV『由美香の発情期』(1989)でプロデビュー。その後、『水戸拷悶』(1992)、『ザ・タブー』(1993)といった、ヌケないがひたすらに面白い傑作AVを数多く監督する。97年に女優・林由美香との北海道自転車旅行を記録した『由美香』が劇場公開され大ヒット。その後も自転車旅行を題材とした「自転車三部作」を作り、厳冬期の北海道を自ら走って撮影した『白 THE WHITE』(1999、YIDFF 1999 NETPAC賞)をベルリン国際映画祭に出品している。本作は11年ぶりの新作映画となる。