| わたしのテレビジョン 青春編 |
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萩元晴彦・村木良彦
テレビジョンの影響力が急速に拡大していった1960年代後半、定型化されつつあったドキュメンタリーのスタイルに対して、鋭い問題提起をしたのがTBSの萩元晴彦、村木良彦である。同時録音や生中継といった技術的特性を生かし、実験性に富んだ彼らの番組は、その斬新さゆえに賛否両論を引き起こしたものも少なくない。テレビ的表現とは何か、という本質的な問いに向き合った彼らの試みを辿っていく。
以下の作品はすべて制作：TBSテレビ
サラブレッド わが愛
Our Love for Thoroughbreds- 日本／1964／日本語／モノクロ／ビデオ／25分
ディレクター：萩元晴彦 構成：寺山修司
中山大障害レースを連勝したフジノオーと、宿敵タカライジン。競走馬同士の死闘を通じて、競馬とは、人生とは何かを問う。寺山修司的競馬＝人生論が展開する。
中西太 背番号6
Number 6, Nakanishi Futoshi- 日本／1964／日本語／モノクロ／ビデオ／25分
ディレクター：萩元晴彦 構成：寺山修司
怪童とうたわれたプロ野球界の天才児・中西太の半生を描く。当時西鉄ライオンズの監督を務めていた中西のある1日の試合に焦点を当て、試合の流れと中西の半生とを重ねてゆく。
命ひとつ
One Life- 日本／1965／日本語／モノクロ／ビデオ／25分
ディレクター：萩元晴彦 構成：谷川俊太郎
生後5ヶ月の幼女の心臓手術の様子を記録。東京女子医大で手術を受ける先天的心臓奇形の幼女。医師のアドバイスのもと、母親は娘を手術台へと乗せる。
あなたは…
Do You . . . ?- 日本／1966／日本語、英語／モノクロ／ビデオ／53分
ディレクター：萩元晴彦、村木良彦
構成：寺山修司 音楽：武満徹
道行く人々にマイクを向けて、日本人の人生観、国家観、幸福観を浮き彫りにしていく。意表を突く場所で、意表を突く質問をするという手法が話題となった伝説的番組。
クール・トウキョウ '67年秋
Cool Tokyo: Autumn 1967- 日本／1967／日本語、英語／モノクロ／ビデオ／25分
ディレクター：村木良彦 構成：山田正弘
60年代の時代感覚を映像化したフィクション・ルポルタージュ。ベトナム反戦、裸のパフォーマンス、フーテン族、右翼など、街に氾濫する現象をコラージュする。
われらの時代
Our Times- 日本／1967／日本語／モノクロ／ビデオ／25分
ディレクター：村木良彦 構成協力：山田正弘
20代の男女5人が青春、政治、セックスについて赤裸々に語ったインタビューが積み重ねられる。政治の季節といわれた時代の若者の気負いと緊張感が浮彫りになる。
ハノイ 田英夫の証言
Hanoi: Den Hideo's Testimony- 日本／1967／日本語、ベトナム語／カラー／ビデオ／53分
ディレクター：太田浩、宝官正章、村木良彦
キャスター：田英夫
北ベトナムを取材した田英夫のレポート番組。それまでアメリカ情報一辺倒だったベトナム戦争を、初めて北ベトナム側から取材し、市民の暮らしや被害状況を詳細に報告。
わたしの火山
My Volcano- 日本／1968／日本語／モノクロ／ビデオ／25分
ディレクター：村木良彦 構成：山田正弘
桜島を舞台に、20歳の女性が、自分の内面に秘めた「情熱」と風景としての「火山」とを重ね合わせていく。旅とは他ならぬ自分自身の発見であることを描いた、主観的紀行番組。