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シマ/島、いま――キューバから・が・に・を 見る
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    - サンティアゴ・アルバレス

    1919年、スペイン移民の子としてハバナに生まれる。街の小売店主だった父はアナキストで逮捕歴もあった。植字工見習いを経て夜間高校で学び、36年ハバナ大学に入学。経済的理由で退学するも39年に渡米、コロンビア大学で心理学を専攻。42年の帰国後は反政府運動に身を投じつつシネクラブに参加して映画に接近、革命後はICAICのメンバーとなる。60年からニュース映画撮影に従事、映画製作の経験もなく40歳を超えたデビューながら、少ない映像素材を活かす大胆な編集と電撃的な製作スピードで抜きん出た存在となる。革命キューバのドキュメンタリー映画界を牽引しながら「ラテンアメリカ・ニュース」の 監督として世界を飛び回り、600本以上のフィルムを残した。98年、ハバナにて死去。

    以下のアルバレス作品はすべて製作会社、提供:ICAIC


    -侵略者に死を

    Death to the Invader
    Muerte al invasor

    キューバ/1961/スペイン語/モノクロ/35mm/16分

    監督、編集:サンティアゴ・アルバレス、トマス・グティエレス・アレア
    撮影:マリオ・フェレール、パブロ・マルティネス、フリオ・シモノー
    録音:アレハンドロ・カパロス

    1961年4月、アメリカCIAの訓練を受けた在米キューバ亡命者からなる反革命傭兵軍が、革命政府転覆を目的にキューバ南岸のヒロン海岸に侵攻する(ヒロン侵攻事件。アメリカではピッグス湾侵攻事件と呼ばれている)。本作は、カストロの指揮のもとキューバ革命軍がこれを3日間で駆逐する模様を描いている。この事件後まもなく、カストロはキューバ革命が社会主義革命であると宣言するにいたる。



    -ハリケーン

    Hurricane
    Ciclón

    キューバ/1963/スペイン語/ モノクロ/35mm/22分

    監督:サンティアゴ・アルバレス
    撮影:ICAIC ラテンアメリカニュース、 国立テレビニュース、MINFAR
    編集:マリオ・ゴンサレス
    音楽:フアン・ブランコ

    1963年、観測史上最大と言われるハリケーン“フローラ”は、カリブ海諸国、特にキューバの東部地域に壊滅的な被害をもたらした。悲惨な被災状況と社会主義政府による必死の救済活動の模様を伝えるこのニューズリールは、その後アルバレスの名を世界に轟かせることになる彼の画期的なスタイル(特に音楽の使い方)の萌芽が随所に見られ、キューバ映画史上重要な作品となっている。



    -今!

    Now!

    キューバ/1965/スペイン語、英語/モノクロ/35mm/6分

    監督、脚本:サンティアゴ・アルバレス
    撮影:ホセ・“ペピン”・ロドリゲス、アダルベルト・エルナンデス
    編集:ノルマ・トラード、イダルベルト・ガルベス
    音楽:「Now」(「ハヴァ・ナギラ」のレナ・ホーンによる英語版カバー)

    歌手や女優として活躍するも、50年代に左翼的思想のため糾弾されたレナ・ホーンの歌声に乗せて、アメリカの人種差別を告発するこの短編は、スチル写真を使ったアルバレスの映画言語が冴える傑作となっている。不当な扱いに悲痛な叫びを上げる黒人たちが、単なる犠牲者ではなく、歴史を変えていく主役たちとして描かれている。



    -L.B.J.


    キューバ/1968/スペイン語、英語/ カラー、モノクロ/35mm/18分

    監督、脚本:サンティアゴ・アルバレス
    編集:ノルマ・トラード、イダルベルト・ガルベス
    音楽:レオ・ブローウェルほか
    アニメーション:ペピン・ロドリゲス、アダルベルト・エルナンデス

    アメリカのリンドン・ベインズ・ジョンソン大統領を痛烈に風刺した短編。ジョンソンのイニシャルを冠し、キング牧師、ロバート・ケネディ、そしてジョン・F・ケネディの暗殺をフィーチャーした3部構成で、そのすべてにジョンソンが絡められて60年代の政治腐敗を皮肉っている。報道映像やハリウッド映画のクリップ、写真、風刺漫画などが巧みにコラージュされている。



    -離陸18時

    Departure at 18:00
    Despegue a las 18:00

    キューバ/1969/スペイン語/モノクロ/35mm/41分

    監督、脚本:サンティアゴ・アルバレス
    撮影:イバン・ナポレス、エンリケ・カルデナス、ベボ・ムニス、ホセ・フラガ、ブラス・シエラ、ラウル・ペレス・ウレタ
    編集:ノルマ・トラード、イダルベルト・ガルベス
    音楽:レオ・ブローウェル

    開発の遅れるキューバの東部地域では人々が貧困に喘いでいる。その問題を解決するために1968年に実施された、地元の農民を使った集中的な開発プロジェクトの模様を追う。サトウキビ農園、医療活動、葉巻生産で働く人々に加え、軍事訓練、戦闘機の離陸などのニューズリールが、アルバレス流につながれ、レオ・ブローウェルの音楽と相まって、ひとつの狂想曲として展開する。



    -加速する変動

    Accelerated Development--In the Idiom of Santiago Álvarez

    アメリカ/1999/英語、スペイン語/カラー、モノクロ/16mm/56分

    監督、脚本、撮影、編集、録音:トラヴィス・ウィルカーソン
    製作:スーザン・フィンク 
    製作会社:アップ・フロント・フィルムズ

    サンティアゴ・アルバレスの生涯を10章立てで辿った本作は、アルバレスの表現方法を用いながら、彼の作品断片と言葉を引用して組み合わせていく。それは、映像と言葉、また音楽との対位法的な実験的構成であり、またアルバレスが描いた20世紀の激動する世界を新たな視線で再構築する試みでもある。YIDFF 1999でのオリジナル版上映後、翻訳など細かな修正を加え、『Accelerated Underdevelopment』と改題し発表。今回はオリジナル版での上映となる。