RutherfordJournalには, こういう図
も出ている. 前回(10月15日)のブログにあった図と, 似ているがいささか異なる. これもMaxwellのもう1つの面積計なのだ. その理由はご賢察の通りであるが, 老婆心ながら説明しよう.
前回の図では, 水平軸ABを持つ半球が, 車輪Hの回転と共に回転した. また伸縮棒MSにより, 全球と半球を結ぶ直線と水平軸のなす角が変化した.
今回は, 垂直な回転軸に半球がついており, 図形の周囲を追跡する針の, 回転軸の円周方向の移動に応じて, 半球と全球の仕掛けも回転する. また, 針の, 半径方向の移動は, 前回の図のOMの移動同様に, 回転軸と, 半球と全球を結ぶ直線のなす角を変える.
そうと分かると, 前回は車輪の回転がdxで, 半球と全球の角度がyであったように, 円周方向がdθ, 半径方向がrの極座標で, r dθの極座標での積分をすることになる.
前回のMSは伸縮出来る棒であった. 今回も針の先と, 半球の中心と, 全球の中心が1直線になるような, 伸縮棒でもよいわけだが, 今回は曲線部分を持つ部品が回転し, バネにより, それに接触している半球と全球を結ぶ棒の延長が針先になるように工夫したカム機構になっているのである.
Maxwellは理論的な面にしか関心がなかったらしく, ものは作らず, こういうメカを考えて楽しんでいたらしい.