SalesforceがDemandwareを買収することで合意した。両社が米国時間6月1日に発表した。Salesforceの狙いは、Eコマース市場へのリーチを広げることにある。
Salesforceは今回の買収で、株式公開企業であるDemandwareに28億ドルを支払う。Salesforceは、発行済み株式1株当たり75ドル、すなわち契約締結時点でのDemandwareの株価である48ドルにプレミアムを上乗せした額を支払うことになる。
Demandwareは、ウェブやモバイル、ソーシャルメディアといったプラットフォームをまたがる、クラウドを活用したEコマースソリューションを提供しており、その顧客にはDesign Within ReachやLands' End、L'Oreal、Marks & Spencerが名を連ねている。
Salesforceは今回の買収によって、「CRM分野における当社のリーダーとしての地位を強化し、新たな『Salesforce Commerce Cloud』によって、数十億規模のデジタルコマース市場を獲得する位置につく」ことになると述べている。
Salesforceによると、同社の顧客はクラウドを活用したコマースプラットフォームにアクセスできるようになり、Demandwareの顧客はSalesforceの販売やサービス、市場、コミュニティー、アナリティクス、IoT、プラットフォームソリューションを活用して「より包括的で、パーソナライズされたコンシューマーエクスペリエンス」を実現できるようになるという。
SalesforceはDemandwareの顧客にアクセスすることで、自社の顧客ベースを拡大できるようになる、そしてその過程で自社ソリューションのさらなる展開も可能となる。その一方で、Salesforceがサードパーティーに対して必要なシステムを単に提供するのではなく、Eコマースプラットフォーム自体を獲得するという道を選んだことに目を向けると、同社が次に狙っている市場が見えてくるはずだ。
Demandwareの最高経営責任者(CEO)Tom Ebling氏は、「DemandwareとSalesforceはともに、顧客の成功に向けて情熱を注いできている」と述べるとともに、「Salesforceに加わることでわれわれのビジョン、すなわちあらゆるチャネルを通じて顧客との1対1のコミュニケーションを実現できる、革新的なデジタルコマースソリューションを提供することで、世界の大手ブランド企業を支援するというビジョンがさらに推し進められる」と述べている。
取引はSalesforceの2017会計年度第2四半期(2016年7月31日締)に完了する見通し。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。