理想気体(りそうきたい、(英: ideal gas)または完全気体(かんぜんきたい、(英: perfect gas)は、圧力が温度と密度に比例し、内部エネルギーが密度に依らない想像上の気体である。気体の最も基本的な理論モデルであり、より厳密な他の気体の理論モデルはすべて、低密度では理想気体に漸近する。統計力学および気体分子運動論においては、気体を構成する個々の粒子の大きさが無視できるほど小さく、構成粒子間には引力が働かない系である。 実際には、どんな気体分子にも、ある程度の大きさがあり、分子間力も働いているので、理想気体は実在しない。理想気体に対して現実の気体は、実在気体または不完全気体と呼ばれる。実在気体も、低圧で高温の状態では理想気体に近い振る舞いをするため、常温・常圧において、実在気体を理想気体とみなしても問題ない場合は多い。