民族性(みんぞくせい)とは、ある民族が持つ性質・心理的特質・気風・思潮・精神・心性のこと。 学問的には、文化人類学・心理学・精神医学などが研究する領域となっている。 民族性を分析する手法には、観察、面接、心理テスト(パーソナリティテスト)などがある。観察では、人々の個々の行動を観察し、そこから「行動の型」(パターン、pattern)を抽象し、「行動の型」から「文化類型」(コンフィギュレーション、configuration)を抽象し、「文化類型」から「気風、思潮、心性」(エトス、ethos、キャッチフレーズ)を抽象する、といった方法で集団・文化の特徴を捉えようとする。心理テストは、文化・集団の中に最もたくさん見られるパーソナリティの型(モーダル・パーソナリティ、modal personality)を探すこと、慣習に沿った行動の心中にある心理状態を明らかにすること、文化・集団・慣習の中に在る個人差を明らかにすることが目的となる。血液型の分布と心性を結びつけて民族性を理解する試みも行われているが、1979年時点の人類学の世界ではその手法は否定的に捉えられている。