梅毒(ばいどく、Syphilis。黴毒、瘡毒(そうどく)とも)は、スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)によって発生する感染症で、性感染症(性病)の一つ。in vitroでの培養は不可能であり、病原性の機構はほとんど解明されていない。1998年には全ゲノムのDNA配列が決定、公開されている。 第一感染経路は性行為であるため性感染症の一つとして数えられるものの、母子感染の場合は先天性梅毒である。梅毒の第1期の感染部位にできる塊という徴候や以降の症状は、4段階でそれぞれ大きく異なる。第2期以降の性器や全身の皮膚の特徴的な薔薇模様で知られる。恐ろしいところは3週間後、3ヵ月後、3年後等各期ごとに、治療を受けないと自然完治と誤解するような潜伏期を3度挟みながら、更に悪化した病状が発現していき、最終的に死に至るところである。 症状が出ていない期間も感染力を持ち、体内は悪化の一途を辿っており、治療法は医師から完治診断を受けるまでペニシリン系のアモキシシリンを投与を受けるのみである。 予防に有効なワクチンは存在せず、ペニシリン系の抗菌薬の投与により治癒自体はするが免疫は獲得できず、梅毒トレポネーマに再感染した場合は再び罹患する。