村井 多嘉子(むらい たかこ、1880年(明治13年)7月頃 - 1960年(昭和35年)8月6日)は、20世紀前半に活動した日本の料理研究家。和洋を問わず様々な料理のレシピを発表した。旧姓は尾崎、本名は多嘉(たか)。夫の名前から、弦斎夫人(旧字:弦齋夫人)とも呼ばれる。 小説家・村井弦斎の妻であり、異例のベストセラーとなった弦斎の美食小説『食道楽』では、レシピの考案などに協力した。後世では弦斎の秘書や共同研究者といった評価もなされている。自身の著書である『弦齋夫人の料理談』は、レシピ本の走りともいわれ、21世紀に入ってからテレビ番組などで取り上げられる機会があり、100年以上を経て再刊された。また、同書は記者との対談形式になっている点にも特徴があり、その後のテレビ料理番組の構成の基礎になったとされることもある。このほか、一説には料理服である割烹着の考案者としても知られている。