日本の冠(にほんのかんむり)は、公家や武家の成人が宮中へ参内などの際に頭に着用する被り物。黒い羅を漆で固めて作ったものが一般的だが、即位の礼や朝賀の儀の際に着用した礼冠と呼ばれる金属製の冠もあった。 近世まで日本では髻を結って冠を被る冠着(かむりぎ)の儀礼を以って、成人式とした。「冠婚葬祭」の「冠」はこのことである。 この時、若者に冠をかぶせるのが「冠親」と呼ばれる後見人であり、近世において天皇の冠親は五摂家のうちどこかの当主が担当していた。