富本銭(ふほんせん)は、683年(天武天皇12年)頃に日本でつくられたと推定される銭貨である。鋳造年代は708年(和銅元年)に発行された和同開珎より古いとされる。この貨幣が実際に流通したのか、厭勝銭(えんしょうせん:まじない用に使われる銭)として使われたに留まったかについては学説が分かれている。 富本銭よりも前の貨幣として無文銀銭が知られている。無文銀銭・富本銭・和同開珎の関係、貨幣としての価値、流通範囲、機能などはまだ不明な点が多く、今後の研究課題である。