仏教美術(ぶっきょうびじゅつ)は、仏教信仰に基づいた礼拝対象、あるいはそれら活動のための美術の総称である。これらには、仏陀や菩薩、実在・伝説上の尊格や尊者、祖師、または彼らの生涯(仏伝図)や伝説を描いたもの、曼荼羅や修行のための図像、さらに、ストゥーパや塔門、寺院などの建築や、金剛杵などの仏具が挙げられる。 仏教美術は、釈迦入滅以降のインド亜大陸で興り、仏法(ダルマ)と僧伽(サンガ)が拡がるのと同様、仏教が伝来したアジア各地で発展した()。インド北部から中央アジアを経由して、東アジアへと至り、北伝仏教美術が生まれた一方()、東南アジアでは主に南伝仏教の美術が生まれた()。インドでは、先行するバラモン教の理論を取り入れ、ヒンドゥー教やジャイナ教とともに洞窟寺院をつくったように、各地でも、在来宗教を取り込み、独自の発展をした。