『不器用な天使』(ぶきようなてんし)は、堀辰雄の短編小説。カフェやジャズなどの昭和初期の象徴的な都会風俗を背景に、20歳の青年の恋愛心理を描いた作品。処女作『ルウベンスの偽画』の次に発表された短編で、文壇の注目を浴びた文壇出世作である。 東京帝国大学文学部国文科の学生だった堀は、在学中の1926年(大正15年)4月に、中野重治、窪川鶴次郎、西沢隆二、らと共に同人雑誌『驢馬』を創刊したが、その同人青年たちや、彼らと通っていた上野のカフェ「三橋亭」の少女(女給)との交友関係を題材にした作品である。