デカン戦争(デカンせんそう、英語:Deccan Wars)は、17世紀末から18世紀初頭にかけて、北インドを支配したムガル帝国の皇帝アウラングゼーブによるデカン地方、南インドへの遠征によって、これらを支配する諸王朝との間に引き起こされた戦争。主とする戦闘のほとんどがムガル帝国とマラーター王国との間に行われたことから、ムガル・マラーター戦争(Mughal–Maratha Wars)とも呼ばれる。 この遠征戦争はムガル帝国における最大かつ最後の大規模征服戦争であった。この時代にアジアで行われた同様の規模の戦争は、 17世紀末にトルコのオスマン帝国とヨーロッパ諸国との間で行われた大トルコ戦争だけである。 デカン戦争により、ムガル帝国の版図はアウラングゼーブの死までに、南端部を除くインド全域を含む広大なものとなったが、この戦争が原因で帝国は没落の道を歩むこととなった。