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アニメ「時をかける少女」と「ダンシング・ヴァニティ」
2007-07-16


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 以下は、ASAHIネットのtti/salon(筒井康隆会議室)に、2007/07/05に書いた
ものですが、まもなくアニメ「時をかける少女」が地上波で放映されるという
ので、その前に転載します。

 恥ずかしながら、慣性疲労、もとい、完成披露からちょうど1年。さっき、
やっとアニメ「時をかける少女」を観ました。
 「まだ観てないの? 早く観なよ。いいよ、いいよ」という平石さんのいう
ことを聞いておくべきだった。もっと早く観るべきだった。
 ぼくは、NHKのドラマ「タイムトラベラー」世代で、ドラマをリアルタイム
で観たあとは、大林宣彦監督、原田知世主演の実写版「時をかける少女」も観
ていません。DVDは畏れ多い方から頂戴しましたが、筒井康隆全集同様、引退
するまではと封印したままです。\(^O^)/
 何? タイムトラベラーを知らない? では、
[URL]
タイムトラベラー
をどうぞ。

 ともかく、今回、ざっと35年ぶりに「時をかける少女」と再会?したことに
なります。
 観終わって、思いました。筒井文学を解明するには、筒井康隆が生み出す時
空構造を解明しないとだめじゃないかと。
 いまさらこんなことに気づくのは、はっきりバカなのですが、思えば、江戸
川乱歩が激賞し、実質デビュー作となった「お助け」以来、「時をかける少女」
といい、「虚人たち」といい、連載中最新作「ダンシング・ヴァニティ」とい
い、小説の中で時空をどう扱うか、ずっと闘い続けてきた作家なんだと改めて
わかりました。
 文芸評論家がやるような自然言語による解明は求めません。\(^O^)/
 もっとフォーマルな数学的なモデルによる解明を求めます。誰か頭のいい人、
理論物理学者よ、筒井作品の時空モデルを作ってくれ。\(^O^)/
 そしたらプログラムできるし、パラメータを変えて作品に何が起きるか、動
的に何度もシミュレーションができ、筒井文学の時空構造を解明する手がかり
になる。\(^O^)/
 途中からそんなことばかり考えていて、気がついたらラストで泣いていまし
た。\(^O^)/

 「ダンシング・ヴァニティ」は第1部だけしか読んでおりません。第2部は
買っておりますが、第4部まであるというので、一気読みできるまで待とうと
思って読んでおりません。
 なぜ、第1部だけは読んだかというと、tti/salon 2006/11/21の#18715で笑
犬楼様が、「ダンシング・ヴァニティ」の存在は、現在、「新潮」編集長のヤ
ノヤさんとshowさんしか知らないなどとお書きになったので、読んでないとま
ずいなと。
 当然、話は勝手に膨らんで「showさん、出版前に筒井家に盗みに入って盗ん
で読んだんだってね。どんな感じ?」と人に聞かれるに違いないので、答に窮
してはまずいと思ったのです。
 あれ? どんな作品か答えてしまったら、やっぱり盗んだということになる
のか。そっちのほうがずっとまずいな。^^;

 ま、とにかくですね。第1部は、一読、これ、カオス理論の小説化と思った
んです。
 簡単なパターンを繰り返してるように思えて、突如、予測不可能な動きにな
ってという構造そのものが、カオスじゃないかと。
 カオスやカオス理論をご存じない人は、
[URL]カオス
をどうぞ。
 このちょっとずつ違う繰り返しは、盗作を防ぐ効果もあるとも思いました。
盗作する場合、そのままもあるけど、多くは、ちょっとだけ変えますよね。そ
れを作者自ら何パターンもやってしまっているので、盗作するほうがあきらめ
るんじゃないかと。^^;

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