インターネットの社会的影響力を調査する非営利団体である米Pew Internet & American Life Projectは2008年9月12日,米国におけるクラウド・コンピューティング利用実態に関する調査結果を公表した。それによると,米国のインターネット・ユーザーの約69%が,Webメールやオンライン・ストレージ,ホスティング型の文書作成/表計算アプリケーションなどのクラウド・コンピューティング・サービスを利用している。
最も人気のあるクラウド・コンピューティング・サービスは,HotmailやGmailなどのWebメール・サービスで,回答者全体の56%が利用していると答えた。2位は写真をオンラインに保存できるフォト・ストレージ・サービス(34%),3位はGoogle DocumentsやAdobe Photoshop Expressなどのホスティング型アプリケーション(29%)だった。
クラウド・ コンピューティング・サービスを利用する理由としては,「簡単に使えて便利だから」が一番多かった(51%)。「Webに接続可能なデバイスさえあれば,どこからでもデータやアプリケーションにアクセスできることに魅力を感じるから」(41%),「情報を簡単に共有できるから」(39%)という回答も目立った。
半面,自分のデータを預けることに不安を感じるユーザーも多い。具体的には,「個人情報の第三者への販売」(90%)や「マーケティングを目的にした個人の写真やデータの使用」(80%)への懸念が強い。また回答者の68%は,自分がクラウドに保存している情報を基にターゲット広告が配信されることを心配している。