任天堂と電通は2008年12月25日,任天堂の家庭用テレビゲーム機「Wii」向けに新しい動画配信サービス「Wiiの間チャンネル」を共同で開始すると発表した(発表資料)。Wii本体をインターネットに接続し,「Wiiショッピングチャンネル」から無料の「Wiiの間チャンネル」をダウンロードすれば利用できるようになる。
サービス開始は,日本国内において2009年春を予定する。「Wiiの間チャンネル」は無料で利用できるサービスとするが,2009年夏頃からはオプションサービスとして有料コンテンツを配信することも検討している。海外展開についても,時期は未定だが検討を進めている。
「Wiiの間」という名称は,家庭の中心である「お茶の間」と「Wii」をミックスした造語である。「リビング(つまりはお茶の間)のテレビの前に家族や友人が集まり,笑顔で楽しくコミュニケーションできる映像体験空間を意味する」と説明する。「Wiiの間」には誰でも簡単に作成できる「家族の分身」とも言えるゲームキャラクターのMii(ミー)が存在し,そこで起こる様々なイベントを通して「利用者が能動的に動画を中心としたコンテンツを体験することができる」という。
このサービスは,「家族」「生活」「絆」をコンセプトにする。任天堂は,「任天堂ならではのユニークで誰でも楽しめるサービス」を目指して,開発・運営を手掛ける。電通は様々な外部企業と交渉し,Wii独自の新しいコンテンツの制作体制を構築する。また「Wiiの間」のコンセプトに賛同する企業の参加を得て,「生活者と企業の信頼の絆」を重視した新しいコミュニケーションの展開を進めていく。
Wiiは2008年9月末時点で,世界出荷台数は3455万に達している。利用者の約8割強の家庭でWiiはリビングルームのテレビに接続されており,約4割がインターネットに接続されている。またユーザーの男女比はほぼ均等で,かつ年齢構成が広範囲にわたるという。任天堂と電通は,Wiiの利用環境をこのように分析した上で,Wiiが接続されたテレビのあるリビングルームが家族や友人のコミュニケーションの場として,「もっと楽しくなり,お茶の間に笑顔が広がる」ことを目指すとしている。「お茶の間の復権」を目標に置く。