レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)
Segwit2x関連でいくつか注目すべき動きがあったので、まとめておく。
選択的リプレイプロテクション
まず、Segwit2xリプレイプロテクションを導入について。リプレイプロテクションが導入されないと、ハードフォーク後に2つのコインを独立して認識することが難しい。コインを分離して扱うことが困難になる。そのため、Segwit2xのフォークにあたっては取引所などからリプレイプロテクションの導入が要望されていた。
結論としては、選択的なリプレイプロテクションの導入ということでコードがマージされた。
この仕様によれば、コインを分離したい場合、送金時に、下記のアドレスへの少額の送金を含めておく。
3Bit1xA4apyzgmFNT2k8Pvnd6zb6TnwcTi
このアドレスは2xチェーンではブラックリストアドレスとして機能するので、ここへの送金を含んだトランザクションは2xのチェーンではマイニングされない。しかしオリジナルチェーンではマイニングされるため、そこでコインが分離が実現できる
リプレイプロテクションを実装するにはいくつかの手法がある。たとえば、Bitcoin Cashでは、トランザクションの署名ハッシュ形式を変更することで、完全かつ絶対に交わらないリプレイプロテクションを実装した。
Segwit2xの場合、Bitcoin Cashのような方法も取れたはずだが、なぜこのようなややこしい方法をとったのだろうか?
この方法では、Segwit2xのユーザーはなにもする必要なく2xコインを使うことができるが、オリジナルチェーンのコインをつかうためには、上記の手順を踏まないといけない。
つまりオリジナルチェーンのほうに手間がかかるような仕様になっており、つまり、2Xチェーンこそが正当なもので、オリジナルチェーンは消滅するのが正しい、という立場が読み取れる。そのような立場が起点なので、2つのコインが併存するための方策をする(Bitcoin Cash)ではなく、オリジナルチェーンを消滅させる戦争を仕掛けているといえる。
Peter toddの反撃
この仕様について、コア開発者のひとり、Peter Toddは、Segiwt2xユーザーにとって、脆弱性を生むと指摘している。
リプレイプロテクションに使われる”3bit….”のアドレスは、いわゆるブラックリストとして機能する。ここへの送金を含んだトランザクションはマイニングされない。これを利用してペイメントチャネルやライトニングの作成時に、相手方に知られることなく、このアドレスへの送金を含ませておくことができる。
すると、相手は、このチャネルを精算しようとしてもできず、一定期間後、デポジットしていた金額を、悪意ある人物が盗みとることができてしまう。
ライトニングネットワークの提唱者 は、Tadge Dryjaは、これについて、
「ライトニングのコードには、コインの送付先についてのチェックはないため、これを避けようとすると、ライトニングのコードを全面的に描き直さないといけない」
と述べている。
つまり、ペイメントチャネルや、ライトニングネットワークは(工夫をしないと)Segwit2x上では利用できなくなる。
Peter Todd氏は、2x開発者のGeff Garzikはこの問題について知っていると思うが、それでいて無視している、としている。つまり、2x上で、ペイメントチャネルなどを使わせず、オンチェーンスケーリングを施行させるための罠だということだ。
Bitfinex先物
そうしている間に、Bitfinexでは、2xコインの先物トレードが始まった。
現在、2xコインは、ビットコインの25%で取引されている。
しかし、もし、2xのフォークが現状の仕様通りおこなわれると、いくつかのウォレットの中のコインは自動的に2xコインに変わってしまい、オリジナルコインは特殊な方法をつかわないととりだせなくなってしまう。
いつの間にかコインが2xコインに変わってしまい、価格が25%になると、大きな混乱が予想される。
#現在価格は12%前後で推移している。25%は最高値。
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