日本の代表的な新聞社の一つ。 英文表記:The Asahi Shimbun Company. キーワード「朝日新聞」も参照のこと。
登記上の本店所在地は、大阪本社のある大阪市北区中之島3丁目2番4号である。 実質的な本社機能は、東京本社(東京都中央区築地5丁目3番2号)にある。 本社の呼称がある拠点は他に、西部本社(北九州市小倉北区室町1丁目1番1号)と名古屋本社(名古屋市中区栄1丁目3番3号)の2か所がある。
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「日本の市場は閉鎖的だ」と米国がいらだつ。自動車部品をもっと買わなければ、日本製高級車に100%の関税をかけると息巻く。1995年の日米貿易摩擦である。米国へ飛んだ橋本龍太郎通産相は、交渉相手のミッキー・カンター通商代表から竹刀をプレゼントされた www.kantei.go.jp ▼剣道に求められるのは勇気や忍耐だと、カンター氏が日本文化をたたえると、橋本氏はニヤリと「間違いなしに、カンターさんと議論をするのは忍耐力がいることです」。竹刀を構えさせ、剣先をわざと自分の喉(のど)元に導いた。交渉の激しさと覚悟を物語る一幕だった ▼剣道ならば、試合は9~11メートル四方の白線の中で行われる。「場外…
人間がどんなに愚かであっても、いかに自分らの都合で自然に手を加えようとも、それでも「春はやっぱり春であった」。ロシアの文豪トルストイは名著『復活』を、そう書き始めている。もの思う春かな。入学式の言葉から note.com ▼「受験学という学問はこの先、存在しません」。大阪大の総長は、受験競争を経てきた新入生たちに語りかけた。「きょうからは未知の問いに向き合い、自ら答えを見つけていく学びが始まります」 ▼自分の頭で考え、判断するとはどういうことか。法政大の総長は言った。冷静に議論をしよう。他者の意見を尊重しよう。ネット情報を鵜呑(うの)みにせず「SNSに投稿する前に一度、立ち止まって考えましょう…
衆院本会議で、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」を導入する法案が可決され、議場に向かって頭を下げる平将明・サイバー安全保障担当相=2025年4月8日、岩下毅撮影 ネット空間を監視し、サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」を導入するための関連法案が衆院を通過した。野党の提案を受けて、一部修正が施されたが、これだけで国民の懸念に十分こたえたとはいえない。参院でさらに詰めた議論が必要だ。 法案には、与党の自民、公明両党に加え、野党の立憲民主党、日本維新の会、国民民主党などが賛成した。共産党とれいわ新選組は反対した。 与野党が幅広い一致をみたのは、国の重要インフラを守るため、サイバ…
「波長」 絵・皆川明 暴走は、止められるのか。かつて米国で取材した前回のトランプ政権と、今を比べる。 無軌道に見えるが、異論を封じる手法は周到、巧妙になった。不正を監視する監察官を一斉に解任し、メディアに名誉毀損(きそん)訴訟、大学には助成金停止の「脅し」をかける。規制緩和で企業を手なずける――。 ブレーキ役が少なからず大統領の周囲にいた前回とは異なり、忠誠心のあつい側近で中枢を固めたことも奏功しているのだろう。 関税への固執だけではない。多様性推進策の敵視から歴史介入まで、イデオロギー色も格段に強まった。39歳のミラー次席補佐官ら若手保守派の存在感が増していることがうかがえる。ミラー氏に影響…
芥川龍之介が生まれたのは1892年。生まれ落ちた時から牛乳を飲んで育って来た、と自伝的小説『大導寺信輔の半生』で書いている。何しろ実父は、東京・築地や新宿で牛を飼う牛乳販売業「耕牧舎(こうぼくしゃ)」の支配人だった www.aozora.gr.jp ▼芥川家へは毎日配達があり、幼少のころに牛乳専用のガラス瓶が世の中に登場したそうだから、彼もあの心地よいカチャカチャという瓶の音で目を覚ましていたのかもしれない ▼時代の先端を行ったものも、いつかは消えゆく。食品大手の明治が、瓶入りの牛乳やコーヒー飲料の販売を先月で終了した。100年近い歴史を重ねてきたが、需要が減り、瓶の調達が今後は難しくなると判…
石破首相にとって前半国会最大のハードルだった2025年度当初予算は参院で再修正後に衆院へ戻され、衆院本会議で同意を得て成立した=2025年3月31日 当初予算案が衆院で修正されたのは29年ぶり。参院で修正された案が、衆院の同意を得て成立したのは初めて。 少数与党下で新年度予算の年度内成立にこぎつけた石破首相は記者会見で、国会による予算修正を「歴史的」と評し、「熟議の国会の成果」と胸を張った。だが、施策の必要性や財源への疑問を置き去りに、過半数の賛同を得るための数合わせを優先したことは明らかだ。 トランプ米大統領の「相互関税」の発表で、戦後の自由貿易体制が根底から揺らぎ、日本経済への打撃も避けら…
イラスト・北谷凜 いつのまにか「あの本くらい読んでおかなきゃ」というせりふを聞かなくなった気がする。戦前戦後を通じて人々の憧れと気後れをかき立ててきた「教養」は、どこへ行ったのか。 ■知の対話へ、いまこそ読書 大澤聡さん(批評家) 本を読むことで教養を形成するという価値観は、近代だからこそ成り立っていたのかもしれません。 インターネットによってあらゆるものが可視化された現代では、世界は無限に広がっていて、全てを把握するなんて無理だと事前にわかってしまっています。 しかし手に入る情報が限られていた時代には、必読リストを読破すれば世界の全てがわかるはずと思い込めました。冊数が限られ、頑張ればゴール…
まだスマホも、メールもなかったころの話だ。京都大学の教授だった森毅さんが、よく言っていた。数学教室の固定電話に6735の番号があった。これをなぜか若き数学者たちは「ロクナナサンゴー」でなく「ロクシチサンジューゴ」と覚えた 森毅の代表作は? 数学科関係の主な著書として『数学の歴史』(講談社学術文庫)、『微積分の意味』(日本評論社)、エッセイ・自伝に『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫)『自由を生きる』(東京新聞出版局)ほか多数。 2010年7月逝去。 「2021年 『悩んでなんぼの青春よ』 で使われていた紹介文から引用しています。」 ▼そのためらしい。6かける7は、と計算するとき、頭に浮…
木々が蒼(あお)く茂る山も、流れる水を遮ることはできない――。中国の宋詞の引用が、人民日報に大きく載ったのは1999年のことだ。当時の江沢民国家主席の言葉を伝えるもので、中国のWTO加盟の流れは止められない、と訴える内容だった ▼もう少し説明しなければ、分からないだろう。共産党政権はソ連崩壊を見て、自由貿易圏の仲間入りを強く求めていた。米国に秋波を送りつつ、党内の反対派の説得に江氏は懸命だったようだ ▼2001年、念願は叶(かな)う。米国との交渉妥結を経て、中国はWTOに入り、発展のアクセルを踏み込んだ。四半世紀が過ぎ、いま私たちが目にしているのはそんな中国の台頭と、米国の力の陰りが招く一つの…
「ローマ教皇としてコンクラーベに入る者は枢機卿として出てくる」というイタリアの格言がある。コンクラーベはローマ教皇選挙のことで、有力候補とされる高位聖職者は往々にして選出されないという意味だ。過剰な自信を戒め、常に謙虚であれと促す教訓でもある ▼公開中の映画「教皇選挙」を見て格言通りだと感心した。サスペンス仕立ての物語の舞台はバチカンだ。急逝したローマ教皇の後継者を決めるため、世界中から枢機卿が集結する。約14億人のカトリック教徒の頂点に立つのは誰か ▼投票権を持つ108人のうち、野心を抱くのは、リベラルな改革派と保守派、反動的な伝統主義者らだ。仕切り役である首席枢機卿のローレンスは自らの信仰…