このページはEarly Access Release Channels (The Chromium Projects)(dev.chromium.org)を元に作成されました。
Google Chromeでは以下の3種類のチャンネルが用意されています。
- Stableチャンネル
- Betaチャンネル
- Devチャンネル
BetaチャンネルとDevチャンネルをまとめてEarly Access Releasesと呼びます。
注意:Early Access Releasesでは、新機能に関わる部分の文字列が英語のままで各国語に翻訳されていないことがあります。
各チャンネルごとのGoogle Chromeのバージョンはhttp://omahaproxy.appspot.com/で知ることができます。
(左側が現在リリースされているバージョン、右側が一つ前にリリースされたバージョンです)
バージョン番号は原則として Stable<Beta<Dev となりますが、まれに同じバージョンが複数のチャンネルに配信されることがあります。
(Devチャンネルで開発していたものがBetaチャンネル向けの品質に達したと判断された場合や、Stableチャンネルがメジャーバージョンアップした直後など)
開発のスケジュールはChromium Development Calendar and Release Info(www.chromium.org)で公開されています。
※バージョン6.0のリリース以降、リリースサイクルが従来の12週間から6週間に短縮されました。
Stableチャンネル
安定版、正規リリース版です。最初にインストールしたときはこのチャンネルになっています。
Betaチャンネルで新機能やバグ修正がテストされた後にこのチャンネルが更新されます。
安定したバージョンが欲しいが、最新機能は不要な人向けです。
更新頻度はおよそ四半期ごとです。(セキュリティ上の修正がある場合を除く)
※前述の通り、現在はメジャーバージョンアップの間隔(リリースサイクル)が6週間へ短縮されています。
Betaチャンネル
ベータ版です。新機能を試して改善に協力したい人向けです。
Devチャンネルに投入された新機能のうち、仕様が固まって安定してきたものがほぼ毎月ごとにリリースされます。
Devチャンネルよりは安定していますが、製品としては未完成な部分があるかもしれません。
Betaチャンネルのリリースは以下の2種類に分類されます。 ※“Week”の意味はGeneral Release Lifecycle(www.chromium.org)の図を参照してください。
・次期バージョンで搭載される予定の新機能のプレビュー(Week 1~4とWeek 5~8でのリリース)
・次期バージョンのStableチャンネルへのリリースに向けたバグ修正(いわゆるリリース候補、Week 9~13でのリリース)
前者の場合は、バグや脆弱性などの不具合が見つかっても修正版がリリースされないことがありますので、常用には不向きかもしれません。
後者の場合は、そのバージョン(ブランチ)がStableチャンネルへリリースされるまではバグ修正などが行われますが、それ以降は次の開発サイクルのWeek 1-4向けのリリースに切り替わります。
後者を“リリース候補”として利用する場合には、Stableチャンネルがメジャーアップデートされた時点で購読チャンネルをStableに切り替えることをお勧めします。
上記の他に、Stableチャンネルがメジャーアップデートされた直後のバグ修正の先行テストとしてリリースされることがあります。(Week 1~4でのリリース)
※リリースサイクルの短縮に伴い、Betaチャンネルリリースはその名の通り「次の正式安定版のベータ版」として扱われるようになったようです。「新機能のプレビュー版」的なリリースは廃止された模様です。
Devチャンネル
開発版です。いわゆるアルファ版やプレビュー版に相当するものです。
このデベロッパープレビューは新しいアイデアがテストされる場です。(時に失敗することもあります - 起動すらできないことも)
このチャンネルは不安定である可能性が高く、また新機能は起動オプションなど手動での設定が必要となる場合もあります。
それでも、単にDevチャンネルを使用することはGoogle Chromeの改善を誰でもが手助けできる簡単な(手間のかからない)方法です。
基本的に毎週新バージョンがリリースされます。
Stableチャンネルのメジャーバージョンアップを控えた時期(Week 10の前後)には、新機能が追加されずバグ修正のみのマイナーアップデートに止まることがあります。
※リリースサイクルの短縮に伴い、Devチャンネルリリースは「次の正式安定版のアルファ版」的な意味合いが強まり、新機能の追加頻度はやや低下しています。
※「最新のスナップショット」としての役割は下記の「Canary Build」(現在Windows版のみ)が担うことになったようです。
チャンネルを変更する前に
ユーザーデータのバックアップ
あなたのプロファイルデータ(ブックマーク、履歴、Cookieなど)をバックアップしましょう。
もしStableチャンネルに戻したくなったとき、更新されたプロファイルデータは以前のバージョンと互換性がなくなっている可能性があります。
(例えば開発版のバージョン6では「保存したパスワード」の記録方法が変更されたため、安定版のバージョン5に戻すと保存したパスワードが空の状態になります)
User Data\Defaultフォルダのバックアップコピーを作成します。フォルダの場所はOSによって異なります。
- Windows XP:
%UserProfile%\Local Settings\Application Data\Google\Chrome\User Data
- Windows Vista/7:
%UserProfile%\AppData\Local\Google\Chrome\User Data
上記の一行をそのままコピーしてWindows エクスプローラのアドレス バーや、スタートメニューの「名前を指定して実行」にペーストしてEnterキーを押すとDefaultフォルダが表示されます。
このフォルダをバックアップコピーしてください。(User Dataフォルダごとバックアップするほうがいいでしょう)
※「%UserProfile%」はWindowsの環境変数です。
※User Dataフォルダの上位フォルダは隠しフォルダになっているので、表示するにはWindows エクスプローラのメニューバーの [ツール] > [フォルダ オプション] > [表示] で“すべてのファイルとフォルダを表示する”(WinXP)または“隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する”(WinVista/7)を選択しないと表示されないかもしれません。
匿名での使用統計データや障害レポートの送信を有効化
送信されるデータに個人を特定できる情報は含まれません。収集されるデータはそのリリースがどれだけ安定しているか、新機能がどれだけ使われているかを開発者が知る目安となり、大変参考になります。
※特に頻度の高いクラッシュは修正の優先順位を高く設定されることが多いようです。
設定手順は以下の通りです。
- ツールバー右端の [Google Chrome の設定] から [オプション] を選択して設定ダイアログを出します。
- [高度な設定] タブをクリックします。
- [使用統計データや障害レポートを Google に自動送信して Google Chrome の機能向上に役立てる] にチェックを入れて [閉じる] をクリックします。
チャンネルの購読(インストール)
Webインストーラ
以下からWebインストーラをダウンロードして実行します。
変更を反映するにはGoogle Chromeを再起動する必要があります。
Google Chrome Channel Changer (廃止予定)
Webインストーラで上手くいかない場合は、Google Chrome Channel Changer(dev.chromium.org)を試すことができます。
※上記のページはdeprecated(非推奨)として廃止されました。ファイルはhttp://chromium.googlecode.com/files/chromechannel-2.0.exeからダウンロードできます。
- Google Chrome Channel Changerをダウンロードして実行します。
- チャンネルの選択画面が表示されるので、購読(インストール)したいチャンネルを選択します。
- [Update] ボタンをクリックし、「Your changes have been saved.」と表示されたことを確認してから [OK] をクリックして閉じます。
- [Close] をクリックしてGoogle Chrome Channel Changerを終了します。
- Google Chromeを起動し、ツールバー右端の [Google Chrome の設定] から [Google Chrome について] を選択してバージョン情報ダイアログを出します。
- 「新しいバージョンの Google Chrome をご利用いただけます」と表示されたら [今すぐアップデート] をクリックしてダウンロードとインストールを開始します。
レジストリエディターの使用 (上級者向け)
*警告*
レジストリエディターでレジストリを誤って変更すると、システムに深刻な障害が発生する恐れがあります。
使用にあたっては細心の注意を払い、また自己責任で行ってください。
- レジストリエディター(regedit.exe)を起動します。
- HKEY_LOCAL_MACHINE > SOFTWARE > Google > Update > ClientState の順に開きます。
キー ClientState が存在しない場合は、HKEY_CURRENT_USER > Software > Google > Update > ClientState を開きます。
- キー {8A69D345-D564-463C-AFF1-A69D9E530F96} をクリックして開きます。
- ウィンドウ右側に ap という名前の項目がなければ、[編集] メニューから [新規] > [文字列値] を選択します。
ウィンドウ右側に作成された "新しい値 #1" の名前を ap に変更します。
(確定後に再度変更するには右クリックして [名前の変更] を選択します)
- ap をダブルクリックして「値のデータ」欄に以下の文字列を入力し、[OK] をクリックします。
- Devチャンネル: 2.0-dev
- Betaチャンネル: 1.1-beta
- レジストリエディターを終了します。
- Google Chromeを起動し、ツールバー右端の [Google Chrome の設定] から [Google Chrome について] を選択してバージョン情報ダイアログを出します。
- 「新しいバージョンの Google Chrome をご利用いただけます」と表示されたら [今すぐアップデート] をクリックしてダウンロードとインストールを開始します。
Stableチャンネルに戻すには
一旦Google Chromeをアンインストールしてからインストールし直す必要があります。
購読チャンネルの設定は次回インストール時にリセットされます。
※バージョン番号の小さいものは上書きインストールできないので、一旦アンインストールする必要があります。Google Chrome Channel Changerを使用した場合も同様です。
再インストールはこちら(http://www.google.com/chrome/eula.html?hl=ja)から。
もし設定が正しく保存されないなどのトラブルが発生したら、プロファイルデータ(ユーザーデータ)フォルダをバックアップしておいたUser Data\Defaultフォルダと入れ替えてください。
バックアップがない場合には、User Dataフォルダを新しく作り直してください。
事前にChromeの同期機能を利用して同期可能なデータをサーバに退避させておくといいかもしれません。
※同期機能では同期されないデータもあります(履歴・Cookie・キャッシュや保存したパスワードなど)。
Devチャンネルリリース相当のバージョン(Google Chrome Canary Build)を追加インストールするには
通常の方法でインストールしたGoogle Chromeとは別に、Devチャンネルリリース相当のバージョンを同時に(side by side=SxS)インストールする方法が試験的に提供されています。
(2010年6月時点ではWindows版のみ)
ショートカットとプログラムグループフォルダの名前は「Google Chrome Canary Build」となります。
アイコンが通常のGoogle Chromeの4色のものではなく、黄色基調のものとなります。
アプリケーションのインストール先とユーザーデータの保存先は以下の場所です。
・Windows XP
%UserProfile%\Local Settings\Application Data\Google\Chrome SxS
・Windows Vista/7
%UserProfile%\AppData\Local\Google\Chrome SxS
※通常のGoogle Chromeとは完全に分離されているため、同時起動も可能です。
なお、Google Chrome Canary BuildはOSの「既定のブラウザ」には設定できません。これは制限事項(仕様)です。起動オプション --make-default-browser も無効化されています。
リリースサイクルの短縮に伴い、Canary Buildは「Dev版相当」ではなく「デイリービルド(最新の開発版を毎日リリース)」として提供されるようになったようです。
基本的に土日(日本では時差の関係で日月)を除く毎日更新されますが、しばらく更新が中断されることも多々あります。
また、リリース情報が公式ブログ(http://googlechromereleases.blogspot.com/)で発表されない・テストが自動化されたテストのみで人手によるチェックが行われていないなど、より「人柱版」的な要素が強くなっています。
※「Canary」というネーミングには、アイコンの色が黄色い(カナリアイエロー)という理由のほかに炭鉱のカナリア(ウィキペディア)として問題を早期発見するという意味合いがあるようです。
Linux版とMac版のCanary Buildは開発中です。
Mac版およびLinux版
2009年12月現在、MacとLinux向けにはBetaチャンネル版およびDevチャンネル版のみが提供されています。
2010年5月にバージョン5.0がStableチャンネル版(正式安定版)としてリリースされました。
Mac版
システム要件
- Intel CPU
- Mac OS X 10.5.6以降
注意事項
Mac版にはまだいくつかのセキュリティ機能が欠けています。一般的な用途には不向きです。
※Windows版やLinux版と比較すると、ブックマークマネージャなどいくつかの機能が未実装です。
ダウンロード
以下からディスクイメージをダウンロードできます。
ユーザーデータフォルダの場所
ユーザーデータフォルダ("Default" フォルダ)は以下の場所にあります。
Linux版
システム要件
- Intel Pentium 4 / Athlon 64かそれ以降のCPU
- 32ビットまたは64ビットのUbuntu 8.04以降、もしくは32ビットのDebian 5(他のLinuxディストリビューションのサポートは計画中です)
注意事項
Google ChromeをインストールするとGoogleのリポジトリが追加され、システムで自動的にCoogle Chromeをアップデートできます。
もしリポジトリを追加したくない場合は、パッケージをインストールする前に "sudo touch /etc/default/google-chrome" を実行してください。
ダウンロード
Ubuntu/Debian用(debパッケージ)
Fedora/openSUSE用(RPMパッケージ)
以下のリポジトリからも入手できます。
- Google Linux Software Repositories(www.google.com)
リポジトリの追加後、"google-chrome" でパッケージ検索してください。
"google-chrome-stable" がStableチャンネル、"google-chrome-beta" がBetaチャンネル、"google-chrome-unstable" がDevチャンネルのリリースです。
なお、LinuxディストリビューションによってはGoogle Chromeのオープンソース版であり先行開発版でもあるChromiumを独自にパッケージして配布している場合があります。
ユーザーデータフォルダの場所
ユーザーデータフォルダ("Default" フォルダ)は以下の場所にあります。
キャッシュフォルダの場所はXDG基本ディレクトリ仕様に準拠します:
この下に "Cache" フォルダおよび "Media Cache" フォルダが作成されます。
起動オプション --user-data-dir=/path/to/foo を使用した場合、キャッシュフォルダは /path/to/foo の下に作成されます。
バージョン9.0.593.0以降ではキャッシュフォルダの場所が以下のように変更されています。(Issue 59824参照)
問題を報告するには
Devチャンネルリリースはしばしばクラッシュするかもしれないことを忘れないでください。
新しい問題を発見したら、http://code.google.com/p/chromium/issues/entry(注:英語ページ)でバグを報告してください。
※問題を報告する前に、既にその問題が登録されていないかこちら(code.google.com)から検索してください。なお、修正されてからリリースに反映されるまで時間がかかることがあります。
問題を報告する前にBug Life Cycle and Reporting Guidelines(dev.chromium.org)を参照してください。
Mac版/Linux版の場合は、Bug Reporting Guidlines for the Mac & Linux builds(dev.chromium.org)にも目を通してください。
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