2009年03月26日
能をつかんとする人・・・
徒然草 第百五十段
能をつかんとする人、「よくせざらんほどは、なまじひに人に知られじ。うちうちよく習ひ得て、さし出でたらんこそ、いと心にくからめ」と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。
未だ堅固かたほなるより、上手の中に交りて、毀り笑はるゝにも恥ぢず、つれなく過ぎて嗜む人、天性、その骨なけれども、道になづまず、濫りにせずして、年を送れば、堪能の嗜まざるよりは、終に上手の位に至り、徳たけ、人に許されて、双なき名を得る事なり。
天下のものの上手といへども、始めは、不堪の聞えもあり、無下の瑕瑾もありき。されども、その人、道の掟正しく、これを重くして、放埒せざれば、世の博士にて、万人の師となる事、諸道変るべからず。
\(◎∠◎)/オウ~ソノトオリデース
能をつかんとする人、「よくせざらんほどは、なまじひに人に知られじ。うちうちよく習ひ得て、さし出でたらんこそ、いと心にくからめ」と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。
未だ堅固かたほなるより、上手の中に交りて、毀り笑はるゝにも恥ぢず、つれなく過ぎて嗜む人、天性、その骨なけれども、道になづまず、濫りにせずして、年を送れば、堪能の嗜まざるよりは、終に上手の位に至り、徳たけ、人に許されて、双なき名を得る事なり。
天下のものの上手といへども、始めは、不堪の聞えもあり、無下の瑕瑾もありき。されども、その人、道の掟正しく、これを重くして、放埒せざれば、世の博士にて、万人の師となる事、諸道変るべからず。
\(◎∠◎)/オウ~ソノトオリデース
現代語訳
技能を身につけようとする人が「上手くないうちは、なまじ人に知られまい。内緒で習ってみにつけてから、人前に出るのが、心にくい」とよく言うが、そんなことを言う人は、一つも芸を身につけることは出来ない。
まだ、まったく下手くそなうちから、上手な人にまじって、けなされ笑われても、恥ずかしがらず、さりげなくスルーして努力するひとは、才能がなくとも、さぼらず、いい加減にせず、年を重ねれば、才能があっても努力すないひとより、ついに上手の境地に達し、芸の格も上がり他人に名人と認められ、名声を博するのだ。
その道の天下の名人といえど、初めは、未熟の評判があり、ひどい欠点があるものだ。でも、その人が、その道の掟を正しく守り、放埒なことをしなければ、世の中の師匠たるべき人となることは、どの道でも同じである。
技能を身につけようとする人が「上手くないうちは、なまじ人に知られまい。内緒で習ってみにつけてから、人前に出るのが、心にくい」とよく言うが、そんなことを言う人は、一つも芸を身につけることは出来ない。
まだ、まったく下手くそなうちから、上手な人にまじって、けなされ笑われても、恥ずかしがらず、さりげなくスルーして努力するひとは、才能がなくとも、さぼらず、いい加減にせず、年を重ねれば、才能があっても努力すないひとより、ついに上手の境地に達し、芸の格も上がり他人に名人と認められ、名声を博するのだ。
その道の天下の名人といえど、初めは、未熟の評判があり、ひどい欠点があるものだ。でも、その人が、その道の掟を正しく守り、放埒なことをしなければ、世の中の師匠たるべき人となることは、どの道でも同じである。
Posted by 38z at 11:55│Comments(0)
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