(原題:Before the Devil Knows You're Dead)
----シドニー・ルメットって
まだ現役だったんだね。
まさか同じシドニーでもポラックの方が先に亡くなるとは
フォーンもビックリだったよ。
「そうだよね。
シドニー・ルメットと言えば
映画監督デビューの『十ニ人の怒れる男』が1957年の作品。
確かあの頃は“ニューヨーク派”とか言われていたような…」
----それってニャに?
「うん。ハリウッドの外で映画を製作。
映像もシャープでテーマ性を重視した作品を作った作家たちのこと。
彼の他にはたとえばジョン・カサヴェテスなんかもそうだ。
ただ、ルメットと言えばぼくが思い出すのが学生の頃に
高田馬場パール座で見た『質屋』。
なんとラスト1ロールで音声が途切れて無音に…。
それが最終日の最終回の映写だっため、
ロビーにはあきらめきれない観客が詰め寄って……」
----へぇ~っ。で、どうなったの?
「結局、お金も払い戻されず、再上映もなく、
泣く泣く帰ったけど、
『いやあ東京の映画ファンはみんなエラい』なんて
いま考えるとバカみたいなことを感心してたっけ」
----確かにバカみたい(笑)。
で、この映画はどうニャの?
ワケわかんないタイトルだけど……。
「そうなんだよね。
なんでこんなタイトルつけたんだろう。
原題は『Before the Devil Knows You're Dead(死んだのが悪魔に知られる前に)』。
こっちの方がよっぽどカッコいい。
これはアイルランドの古い乾杯の音頭
『死んだことを悪魔に気づかれる30分前に天国に行けますように』からきている」
----カッコいいのはわかるけど、
内容の想像がつかないニャあ…。
「じゃあ、簡単にお話をしよう。
舞台はニューヨーク。
一見、誰もが羨むような優雅な暮らしをしていた
会計士のアンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、
離婚し娘の養育費もまともに払えない弟ハンク(イーサン・ホーク)に
禁断の企てを持ちかける。
それは、実の両親が営む宝石店への強盗計画。
その実行の日時が、邦題にもなっている『土曜日、7時58分』。
ところが、あるつまずきがきっかけで、
すべての事柄が悪い方へ悪い方へと転がっていく」
----いわゆるドツボにはまるってヤツだニャ。
「そういうこと。
どちらかというとコーエン兄弟あたりが
映画化しそうな感じ。
ちょっと『ファーゴ』っぽくもあるしね。
ただ、『ファーゴ』なんかだと
いかにもってキャスティング。
でもこちらはアクター・イメージを逆手に取って
イーサン・ホークを気弱な男にしているところがミソ。
さらにオモシロいのは、
映画をバラバラのピースに分解しているところ。
時制と視点が次々と入れ替わるんだ」
----それって観ていて混乱しニャいの?
「いや、テロップも入れてあるし、
それはなかったね。
フラッシュバック多用のその中で、
エグゼクティブに見えた兄が、
実はドラッグ中毒、そして会社の金を横領していたという
裏の顔を明らかにしてゆく。
しかし本当にスゴいのは、
後半、父親(アルバート・フィニー)が
事件の真相をかぎ回り始めてから。
果たして何がそこで起こるか?
人間の愛の深さ、そして闇というものを
ここまで見せつけられた映画も久しぶりだったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「重そうな映画だニャ」
※でもHなシーンもたっぷり。オープニング・ショットには度肝抜かれた度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
----シドニー・ルメットって
まだ現役だったんだね。
まさか同じシドニーでもポラックの方が先に亡くなるとは
フォーンもビックリだったよ。
「そうだよね。
シドニー・ルメットと言えば
映画監督デビューの『十ニ人の怒れる男』が1957年の作品。
確かあの頃は“ニューヨーク派”とか言われていたような…」
----それってニャに?
「うん。ハリウッドの外で映画を製作。
映像もシャープでテーマ性を重視した作品を作った作家たちのこと。
彼の他にはたとえばジョン・カサヴェテスなんかもそうだ。
ただ、ルメットと言えばぼくが思い出すのが学生の頃に
高田馬場パール座で見た『質屋』。
なんとラスト1ロールで音声が途切れて無音に…。
それが最終日の最終回の映写だっため、
ロビーにはあきらめきれない観客が詰め寄って……」
----へぇ~っ。で、どうなったの?
「結局、お金も払い戻されず、再上映もなく、
泣く泣く帰ったけど、
『いやあ東京の映画ファンはみんなエラい』なんて
いま考えるとバカみたいなことを感心してたっけ」
----確かにバカみたい(笑)。
で、この映画はどうニャの?
ワケわかんないタイトルだけど……。
「そうなんだよね。
なんでこんなタイトルつけたんだろう。
原題は『Before the Devil Knows You're Dead(死んだのが悪魔に知られる前に)』。
こっちの方がよっぽどカッコいい。
これはアイルランドの古い乾杯の音頭
『死んだことを悪魔に気づかれる30分前に天国に行けますように』からきている」
----カッコいいのはわかるけど、
内容の想像がつかないニャあ…。
「じゃあ、簡単にお話をしよう。
舞台はニューヨーク。
一見、誰もが羨むような優雅な暮らしをしていた
会計士のアンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、
離婚し娘の養育費もまともに払えない弟ハンク(イーサン・ホーク)に
禁断の企てを持ちかける。
それは、実の両親が営む宝石店への強盗計画。
その実行の日時が、邦題にもなっている『土曜日、7時58分』。
ところが、あるつまずきがきっかけで、
すべての事柄が悪い方へ悪い方へと転がっていく」
----いわゆるドツボにはまるってヤツだニャ。
「そういうこと。
どちらかというとコーエン兄弟あたりが
映画化しそうな感じ。
ちょっと『ファーゴ』っぽくもあるしね。
ただ、『ファーゴ』なんかだと
いかにもってキャスティング。
でもこちらはアクター・イメージを逆手に取って
イーサン・ホークを気弱な男にしているところがミソ。
さらにオモシロいのは、
映画をバラバラのピースに分解しているところ。
時制と視点が次々と入れ替わるんだ」
----それって観ていて混乱しニャいの?
「いや、テロップも入れてあるし、
それはなかったね。
フラッシュバック多用のその中で、
エグゼクティブに見えた兄が、
実はドラッグ中毒、そして会社の金を横領していたという
裏の顔を明らかにしてゆく。
しかし本当にスゴいのは、
後半、父親(アルバート・フィニー)が
事件の真相をかぎ回り始めてから。
果たして何がそこで起こるか?
人間の愛の深さ、そして闇というものを
ここまで見せつけられた映画も久しぶりだったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「重そうな映画だニャ」
※でもHなシーンもたっぷり。オープニング・ショットには度肝抜かれた度
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そんなことってあるんですね。今なら大問題になるぐらい苦情が殺到しそうですが・・・。
映画の邦題は分からなくはないですが、原題のままの方がカッコ良かったですよね!
特に計画が頓挫する強盗のシーン。それと、その後の車のシーンのあわてようのところ。それから、オドオドしたイーサン。叔父さんに無心するところなども・・・。(本当に高尚なコーエンをみてるみたい)
それから、あの薬の売人のゲイの人キャラたっていませんでしたか?
ちなみに、僕は、
「カキコミの誤字脱字が、えいさんにバレる前に」 ひらがなにしてしまおう!!
それにしても、これ息つく暇なく楽しかったです!
バラバラのピース、やけっぱちになりそうな展開からの
まとめが素晴らしかったような…。このキャストも
絶妙ですよね。お父さんが特に。
今までのド派手、簡単、感動と
分かりやすくて見やすい映画を見てきたボクには
衝撃の作品でした。
1つの空間だけであれだけ引き込まれましたから。
ラムさんのレビューを読んで見たいと思いました。
心臓がバクバクするほど見たいと思ったレビューは
初めてです。
楽しみです。
そうなんですよ。
ロビーで涙目で抗議している学生の横で
「最初からもう一回回すべきだよね」と
冷静に言っている学生も。
実は、この映画ソフト化されていないため
完全な形では観ていないままなんです。
邦題、どうやら、
フランスでもこれを意味するタイトルで公開しているようです。
http://www.7h58cesamedila-lefilm.com/
>あの薬の売人のゲイの人
実を言うと、彼を観たとき思い出したのが
若い頃のデヴィッド・ボウイ。(汗)
ファンに怒られそうなので、これくらいにしておきます。
(※ネタバレです。ご覧になっていない方は飛ばしてください、ゴメンナサイ)
あのオープニング、
今日ある知人からオモシロい説を聞きました。
「あれは“悪魔に知られる前に”○○○○が見た夢なのでは?」と。
なるほど、だとすれば
あそこだけテロップで日時の説明が出なかったのも分かります。
もう一回観てみたい作品です。
コメントありがとうございます。
ぼくが紹介したことで
映画をご覧になられる方が増えていただけると、
自称・映画案内人としては、もう冥利に尽きます。
まだ公開されていない映画で
こんなにも反響のコメントがある作品も珍しく、
ぼくとしてもとても驚いています。
映画を観た~っ!という気にさせてくれる映画です。
ぜひ、ご覧下さい。
今後ともよろしくお願いいたします。
冒頭後にタイトルの元となった、アイルランドの慣用句(確か?)に繋がるという展開から、上のコメント欄でおっしゃっているような展開も考えられるなあと思いました。でもそう考えると、邦題の付け方の見当違いが浮き彫りになってしまっているような・・・。
あのオープニング・エピソードの後に、
アイルランドの言葉がテロップで出ますよね。
で、それがある意味を持っていて、
タイトルになっていく。
邦題、浮いていましたよね。