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ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ヤング≒アダルト』

2012-02-01 22:21:28 | 新作映画
(英題:Young Adult)



「いやあ。
これはオモシロかった。
ほんとうによく考えられた脚本だ」

----えっ。この映画って、あれでしょ。
勘違いのタカビー女が、
高校時代に付き合っていた元カレからのメールで、
赤ちゃんが生まれることを知り、
幸せな結婚生活を壊してカレを自分に取り戻すべく
故郷に乗り込むという…イタイ女性のお話…」
「そうだよ。
で、この映画が公開されたら、
こういう意見が大多数を占めるのも想像つく。
『あれはないよ。空気が読めない以前の問題だ…』。
でも、ぼくは思うんだ。
じゃあ、なぜ、そんな誰も共感しないような女性の物語を
この監督(ジェイソン・ライトマン)は映画にしたんだろうって…」

----そう、そこが分からないところ?
「じゃあ。
たとえばみんなが褒める
コーエン兄弟の 『ノーカントリー』とかはどうだろう?
あんな猟奇殺人鬼にみんな共感なんかしないよね。
でも、いつの間にか惹きつけられて観ちゃう。
ということで、まずはストーリーのおさらい。
高校時代にみんなから一目置かれた女性メイビス(シャーリーズ・セロン)。
都会に出た彼女は仕事では、まあまあの成功を収めているものの、
こと、男性に関してはせいぜい一夜限りの付き合い程度。
そんな中で、自分のよりどころだった
連載小説(と言ってもゴーストライターとして関わっているわけだけど)さえも打ち切りになることが決定。
そこで、過去の栄光にすがりつき始める。
彼女に火を付けたのは一通のメール。
その昔付き合ったことのあるバディ(パトリック・ウィルソン)が、
あの頃のことをまったく忘れ、
いまや善きパパ善き夫として
日常の幸せの中に入って行こうとしていることを知ったメイビスは、
勝手に『それは彼の本心ではない』と勘違い。
助けに向かうというお話」




----結局、身勝手じゃニャい。
「ところがこの映画、
なんとかにも一分の理じゃないけど、
彼女の言い分も十分に聞く。
しかも、高校時代はメイビスからはそっぽも向かれなかったマット(パットン・オズワルド)、
そしてその妹サンドラ(コレット・ウォルフ)などを登場させることで、
彼女にもある種の救いを差し伸べる」




----救いって…?
『もっとも哀れなのは“忘れられた女”』という、
マリー・ローランサン(『鎮静剤』)の詩
の一節もあるけど、
この映画では、そこまでメイビスを貶めない。
マットはメイビスにバディに近づくなと忠告。
一方で、サンドラは今でもメイビスの生き方に憧れている。
もっとも、マットに下心がなかったかと言うとこれは怪しいけど…。
一方、バディにも優柔不断という弱みもある。
でも、そういうところまで描ききっているからこそこの映画はオモシロイ。
言葉で、『あれはダメ、この人はイヤ』ですむんだったら映画にする意味なんてない。
ヒトの不思議さオモシロさ。
そして他の人との関わりの中でどう変わっていくか…。
それが映画をダイナミックに動かす。
そういう意味でもぼくはこの映画は本当に楽しめたね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「映画は、ヒロインの生き方が好きか嫌いかじゃないということなのだニャ」
※タイトルバックもお見事だ度

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画像はアメリカ・オフィシャル・ギャラリーより。