円安にすると、世界で戦争が起こるかも。前にもあったし。 日本経済について、思ったことメモ その5です。
「円安にして、輸出バンバン増やせばいいじゃん」という話しに対して、
「
円安にするために円を配ると世界中から嫌われるんじゃない?」
というのを書きました。
今回は、そこから、もう一歩突っ込んだ話です。
例えば、100円の缶ジュースですけど、1ドル=100円の場合は、
アメリカ人は、1ドルで、缶ジュースが一個買えるわけですよね。
為替が円安になって、1ドル=200円になったとすると、
アメリカ人は1ドルで100円の缶ジュースが2個買えるわけです。
「これはお買い得!」ということで、アメリカ人は、日本の缶ジュースばかり買うように
なって、アメリカで生産されている缶ジュースは高いので買われなくなるということにな
ります。
「円安にしたほうがいいよ!」と言ってる人たちは、
こういった状況を望んでいるわけです。
ちなみに、円安にすることを「為替の切り下げ」といいます。
現在、世界の主要各国が、為替の切り下げをやってるんですけど、日本はそこから一歩引
いてる感じですね。
ときに、為替の切り下げを主要各国がやった時代がありました。
1929年の世界恐慌の際に、各国は為替の切り下げをしまくって、輸出を伸ばして、自
国の経済を優先しました。
そして、輸入に関しては、輸入品の税を高くすることで、国内に外国の商品が入ってこな
いようにしたわけです。ブロック経済と呼ばれたやつですね。
その結果、貿易の減少により、各国の経済は疲弊して、商品の売りつけ先としての植民地
を持っている国と持ってない国。石油などの資源のある国とない国という国家間の格差が
広がっていったわけです。
そして、経済状態が悪化した国が、生き残りをかけて、侵略戦争を始めたわけです。
ってのが、社会の授業で習う第2次世界大戦のはじまりですよね。
さすがに、21世紀になって、経済的な理由だけで、戦争なんてしないよ、、とか考える
人もいるようです。
では、アメリカがイラクに侵攻した理由ってなんだったんでしょうね?
「大量破壊兵器がイラクにある」というのが、イラク戦争の大義でしたが、イラク国内に
大量破壊兵器は無かったというのが、アメリカの調査団の最終報告書でまとめられていま
す。
んで、アメリカの中央銀行みたいなので連邦準備銀行というのがあるんですが、そこで、1
8年間、議長を務めた、グリーンスパンという人が、「アメリカのイラク侵攻は、石油供
給の安定のため」って言っちゃってるんですよね。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007091700185 【ワシントン17日時事】18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回 顧録で、2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。 米メディアによると、前議長は 「イラク戦争はおおむね、石油をめぐるものだった。だが悲しいかな、この誰もが知っている事実を認めることは政治的に不都合なのだ」と断言している。 ブッシュ政権は、当時のフセイン政権による大量破壊兵器計画阻止を大義名分に開戦に踏み切ったが、同兵器は存在しなかったことが後に判明。「石油資源確保 が真の目的だった」とする見方は根強く語られてきた。 |
Greenspan: Ouster Of Hussein Crucial For Oil Security
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/09/16/AR2007091601287.htmlということで、現在でも、経済的理由で、戦争は起こるわけです。
戦争が起こることに比べたら、日本が多少不景気なほうが、まだいいとおいらは思ったり
します。
「円安にしたほうがいい」と主張する人たちは、日本経済のことしか考えてないように思
えるんですよね。
でも、経済って、平和であることが前提で、それが崩れたら、お金なんてどうでもよくな
ると思うんですよ。
ということで、円安を主張するよりも、為替を切り下げないで、生活できる構造に日本は
変えたほうがいいんじゃないかと思ったりする今日このごろです。
ユーロもドルも安くなっていて、日本円だけが高くなってますけど、
日本だけ貧乏くじを引くのは、ありじゃないかなぁと。
平和憲法とかあるわけですし、戦争になるよりはねぇ。。
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