iPhoneアプリから曲をリクエストすると、初音ミクの歌をロボットが歌う――。
そんなSFの世界が現われたのは、6日から幕張メッセで開催されているCEATEC JAPAN 2009のヤマハブース。産業技術総合研究所の開発した人型ロボット「HRP-4C」や、ネットに接続されたピアノなどが並び、近未来的な雰囲気がただよっていた。
人型ロボットが歌う「初音ミク」「津軽海峡冬景色」
ブースを訪れて初めに目に入ってくるのは、初音ミクの衣装を着たロボット。ヤマハが開発した人工音声ソフト「VOCALOID」で「メルト」や「ワールドイズマイン」「津軽海峡冬景色」など、様々な歌声を披露した。楽曲の音素や韻律などを「口パク」データとして読み込んで滑らかに口を動かす様子に、多くの訪問者が足を止めて見入っていた。
「彼女」が歌ったのは、iPhoneアプリ「セカイカメラ」からのリクエストによる曲。セカイカメラはiPhoneのカメラ機能を使った「拡張現実アプリ」だ。目の前にポストイットを貼るように「エアタグ」と呼ばれるデータを設置できる(詳しくはこちらを参照)。その中の「シャウト」と呼ばれる機能で、iPhoneから曲のリクエストをしている。
「これからのVOCALOIDはイントネーションをもっとコントロールしたい」そう語るのは、VOCALOIDの開発を担当しているヤマハ サウンドテクノロジー開発センター グループマネジャーの剣持秀紀さん。
今後は「『伊藤さ~ん』といった(音引きの)微妙なイントネーションや、方言などが再現出来れば」と、もっと自然な声色を再現したいという。また、現在のようなソフトの形だけではなく、あらかじめハードに組み込んだ形での提供が出来ればと展望を語っていた。