ポータルであるYahoo!は
なぜカーナビにも取り組もうとするのか
検索エンジンやポータルは、それぞれ地図サービスを持っている。ヤフーも「Yahoo!地図」を提供しており、検索窓から住所やスポットの情報を調べれば、簡単に周辺地図を見られる。
そんなヤフーは「Everywhere構想」として、サービス活用シーンや端末を増やしていこう、というコンセプトを持っている。その一環として、クルマの中、カーナビ端末も当然サービス活用の場としてターゲットにしている。2007年3月には日産自動車の通信情報サービス「カーウィングス」の情報サービス「Auto DJ」でグルメ、知恵袋、検索などの情報を利用できるようにした。富士通テン「イクリプス」やホンダ「インターナビ」などでの対応を進めている。
その流れで今回ヤフーがリリースしたEZアプリでは、KDDIとトヨタが発表した新しいケータイ・カーナビ連携サービス「EZカーナビリンク」に対応した。ユーザーは路線・地図アプリで探し当てた目的地やグルメスポットを、Bluetoothを通じてカーナビに送信し、案内を開始できるようになった。この機能に対応したのは、EZナビウォークや助手席ナビなどのKDDI公式サービス以外での対応は第一号となる。
ヤフー株式会社 地域サービス事業部企画制作部の兵藤安昭氏は、カーナビ連携できるケータイ地図サービスについて、次のように紹介する。
「目的地を探すインターフェイスはカーナビの方が速いかもしれません。しかし自宅や出先にいるときのドライブのプランニングは、手元にあるケータイの方が便利です。クルマの外でケータイを使って決めた行き先を、カーナビにシームレスに伝えてナビゲーションしてくれます。今までにない使い勝手とドライブ体験ができるのではないでしょうか」(兵藤氏)
また、自分が今いる場所周辺の情報の探しやすさもケータイならでは。普段ケータイやウェブのサービスを利用してお店を検索するとき、その検索キーワードとして用いるのはキーワード店舗名や場所だけではない。そのお店のおすすめメニューや、他のユーザーからの評価などを参考にする。
「クルマに乗っていて、チェーン系以外の食べ物屋などをカーナビで探すのはなかなか大変です。今回のアプリではYahoo!グルメの情報を元にして、GPSから周辺情報を簡単に探すことができます。現在地周辺のラーメン屋を、★印の評価付きで一覧し、電話番号や詳細情報が見られます。これを選んでEZカーナビリンクに送り込めばいいのです」(兵藤氏)
ちなみに対応しているのは、現在ではトヨタのディーラー装着オプションでラインアップされている「NSDT-W59」1機種のみ。今後も対応機種が増えていく予定だが、カーナビのディーラー装着による導入の割合も高く、普及には期待できそうだ。
ケータイアプリとカーナビの連携を見る
この連載の記事
-
第100回
スマホ
ケータイの“ミクロな魅力”とは、なんだったのか? -
第99回
スマホ
フォロワー計32万人の2人が語る2009年のiPhoneとメディア -
第98回
スマホ
写真で振り返るケータイ10のミクロなシーン -
第97回
スマホ
ケータイが支える、マイクロ化と遍在化するメディア -
第96回
スマホ
ノマドワークのインフラをどう整えるか? -
第95回
スマホ
冬春モデル発表会で見えた、本当に欲しいケータイ -
第94回
スマホ
デザインから考える、ケータイのこれから -
第93回
スマホ
次の自動車社会とケータイとの関係 -
第92回
スマホ
モバイルアプリを実際に作るにあたっての考察 -
第91回
スマホ
楽しい使い方は現在模索中の「セカイカメラ」 -
第90回
スマホ
iPhoneと過ごしたNYとメキシコの旅でわかったこと - この連載の一覧へ