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2008年08月12日

Progressive36・37・#4

お世話になってる創作小説同人サークル「ジャンク・ヤード出版局」の「Progressive」シリーズに、また挿絵を描かせていただいた。

とりあえず、コミックマーケット74(8月17日(日)3日目 西地区れ-05ab「ジャンク・ヤード」)にて初出予定の二冊に描かせていただいた分と、これまで更新をさぼっていたものもたまっているので、あわせて紹介していこうと思う。

まず、夏コミあわせのProgressive最新作がこちら。





オフセットA5サイズ
表紙デザイン:Teddy's Cage
総頁数:96ページ
価格:500円
発行:Progressive
発売:ジャンク・ヤード

詳しくはこちら



こちらの「大怪獣 高橋ひより、××市にあらわる!」の表紙・挿絵を描かせていただいた。どんな話かというと

 



(クリックで拡大します)


 

まあ、だいたいこんな感じである。

「女子高生が巨大化した際のあるあるネタ」と書くと実もふたもないが、ちゃんとした馬鹿SFになってて、草稿の時点で絵描きに立候補させてもらった。最初のころ、キャラがうまく掴めなかったが、描いた絵の方に小説の描写を近づけていただくという、非常に申し訳ないフォローがあって、どうにか描き上げることができた。

以下は、挿絵とあとがき。

 


マコりんが手にした拡声器を「ギャワン」と鳴らしてまた叫ぶ。最大出力にしてるせいでわんわん鳴りっぱなしっぽいのだけど、それでもか細くしか聞こえない。 「いいか、ひより。落ち着いて聞け」

 

 



(クリックで拡大)

あとがき用カット

 

 



それと、合作で一冊だす従来の形式とは異なり、単独で短編を一冊だす「#」ナンバーのシリーズがある。これの「#4」の表紙も描かせていただいた。
タイトルは、以下の通り。

 



(クリックで拡大します)

この大陸・マヨヒガを幾世代にもわたり埋め尽くす荒涼たるスクラップの大地を、二つの可憐な脚で踏みしめるひとつの影が伸びていく。 身にまとった黒のエプロンドレスは裾がほつれ、かぎ裂きだらけ。頭にはフリル状の髪飾り。そして左目を不似合いな眼帯が覆っていた。 その眼帯は男もののクロノグラフをしつらえ直したもので、眼窩の上で時間を刻み続けていた。(中略)機械虫の大群が一斉に飛び出し、スクラップの坂を滑り降りていく。それはさながら黒い波だった。 その波が、鉄くずの山の谷間にどうにか埋もれずに建っている古いビルに押し寄せる。中にいる、二人の少女めがけて――

 

 


(クリックで拡大します)

あとがき用カット

 

 


ところで、録画したアニメなどを見ながら絵を描くのが常なので、我が家ではPCの横に液晶テレビがある。
そして、PCで絵を描いたりするのはたいてい妻子が寝静まった深夜なのだが、今回に関してはなかなかその時間も取れず、やむなく「篤姫」を見ている妻のその横で、メイドさんのストッキングのしわなどを偏執狂的に描いたりしていた。思えば、先の「高橋ひより」も同様だったと思う。

表紙を描き終わって、画力がついたかどうかはともかく、変な度胸だけは鍛えられたと思う。

 

 

 


以上二冊がこの夏の新刊である。

おそらく夏コミでも並ぶと思うが、昨年の冬にでたProgressiveにも絵を描かせてもらっているので、これも紹介させていただこう。

去年(2007年)の12月、冬コミがおそらく初出だったと思う。
本のタイトルは「図書館へいこう」





オフセットA5サイズ
表紙デザイン:村山慶
総頁数:86ページ
価格:500円
発行:Progressive
発売:ジャンク・ヤード

詳しくはこちら


こちらに収録されている「図書委員長VS外道祈祷書 -図書委員長と図書館-」の表紙絵と挿絵を描かせてもらった。


(クリックで拡大します)

表紙。過去に手がけた同人誌や仲間内の本など、あとは実在しない奇書(「強化外骨格『宮武』」とか「戦艦綾波零号」とか)の名前を書いて遊ぼうと思ったが、気がつけば、当時すきだった電脳コイル系や、ガンダム関係の実在しない歴史書などのタイトルが多い。「EGコンバット・ファイナル」とか、昔聞いた話ではこれくらいまで刊行されて完結すると聞いていた「アップルシード8巻」など、若干の恨みがこもったものもある。

以下、挿絵を紹介していこう。

 

 


「足をどけろですって?」

 

 


ともかく、小学校卒業の頃には俺が淡い想いを抱いた女の子はすでに影も形もなくなり、残ったのは問答無用で図書館や古本屋に俺を連れ回す横暴な偏書狂の変人女だけだった。

 

 


「まだよ!この本を早く隠さないと!」

 

 


更新していなかった範囲だと、3冊の本に関わらせていただいている。
直近の販売は、


コミックマーケット74(8月17日(日)3日目)

西地区れ-05ab「ジャンク・ヤード」



にて。

手にとっていただけたら感謝である。




ところで、「図書館」の絵を描いていたころは、まだ長女の晶ちゃんは生後半年ほどだった。
それが、「高橋ひより」の頃にはもう靴をはくようになったし、「マヨヒガ」を描いてるときには外で遊ぶようになった。

子供の成長は早い。



「図書館へ行こう」のあとがきに使ったこの画像を見ながら、しみじみとそう思った。









2008年07月22日

東方永夜城日記・8



大詰めである。
もうおおよその仕様は決定している。
あとは、ただ進めるだけだ。


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twoさんへ

天野です。
エンディング絵のカラーイメージを「朝焼け」にしてみました。
リアルな朝焼けだと空以外真っ黒になってしまいますので、こんな感じにちょっとファンタジーっぽく仕上げました。(成功しているかどうかはともかく)新海誠風の処理です。



御検討ください。

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ほどなくしてお返事。


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> http://air.niu.ne.jp/touhou/ending_colored_verSHINKAI
>
空の色が気に入りました。

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さらに、とくそんさんからも報告が。


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進捗は、永夜返し3つ目が終了ということで、残るはスクリプト3つ(道中、永夜返し4, 5)、Midiが2つのようです。いよいよ終盤、週末は少し追い込んでみようかと思います。

では、また

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OKの出た色彩で、霊夢と魔理沙のエンディング絵をすすめる。





こんな感じだ。
これも、ごく短い文章でOKが出た。
追い込みをかけているのが分かる。

そして、とくそんさんからも連絡。


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週末仕事でちゃんと見れなかったのですが、スクリプト本体とmidi自体は昨日ようやく完成したようです。
今日、天野さんの絵を組み込みとβの仕上げを指示しました。今日ないし明日にはお送りできると思います

お手数をおかけしていますが、どうぞよろしくお願いします

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そして、

夏休みは終わっていたが、まだ夏だった時期だったと思う。
依頼画のすべてが一応の完成をみて、

そしてベータ版が完成した。






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天野さんへ

こんばんは。
永夜城β版が完成しました。
(ファイルのURLアリ)
テストプレイをしていただけませんか。
それでは、おやすみします。

Twoより

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とくそんさんによると「まだまだ調整余地はあるのですが、全てのスクリプトと会話がありMidiと絵がさし変わったことで、曲がりなりにも評価ができるようになりました。ようやく土俵に上がった感じ」とのこと。

このときの「β版」は、正直なところ修正すべき点が多く、決して驚くべき出来映えではなかった。(ただ「小学生が」と考えると、これは恐るべきことではある)

ちょっとだけ残念だったことを憶えている。

だが、これには続きがあった。
β版の完成をもって、この「宿題」も一区切りとなったが、夏が終わり、今年の春、中学へ進学してからも彼はこの作業を続けていたのだ。
先日も、自機キャラのドット絵を、実の母に描いてもらったそうである。(お母さんの日記を見る限り大変そうだった)

そして最近、最新版が限定的に公開された。

これが、驚くほどちゃんとゲームになっていた。
スクリプト自体は、それほど変わってないように思える。

だが、背景、自機、演出など「プレイする側の満足」を考えた仕様にブラッシュアップされているのだ。

驚いた。
スクリプトというか構文を作成できる、というのも凄いが、その成果は個人の計算能力によるものが大きいと思う。
だが、後半の進歩は違う。これは明らかに「使用者の立場に立った視点を持った」上での改善だ。

この結果が出ていることと、そしてとくそんさんが「そこまで導いた」という事実に驚いた。



コンピュータ関係の仕事は、結局、そのシステムを使用する人間が意図していることを、コンピュータに実現してもらうために翻訳するような仕事だと思う。

そのとき必要なのは、要点を過不足無く正確につたえること。(しかも形になっていないものを)
そして、使用者にとって使いやすいインターフェースであることだと思う。


もちろん始まったばかりだが、この両方を、彼は身につけつつある。

そのお手伝いができたことが嬉しい。
いまだ「β版」という表記を外さないままの「東方永夜城」をプレイして、あらためてそう思った。




こうしていまも完成に向けて磨かれている「東方永夜城」だが、これを果たして何らかの形で世に出すかどうか。それはまだ判らない。
最近またバージョンアップが進んでいるらしく、先日も新しいバージョンを見せてもらった。
ゲームの背景など、格段に良くなっている。この宿題は、ちゃんと、完成に向けて進行しているようだ。




面白かった。

すごく面白い「夏休みの宿題」だった。

もし、Rに焼いて配るーなんてことになったら、そのときにはお祝いにジャケ絵を描いてあげようと思っている。


もちろん、一度や二度は没にしてもらうことは、覚悟ずみだ。









2008年07月20日

東方永夜城日記・7


仮にこのゲームができたとして、配布することはアリだろうか?
ということを考えだしたころだったと思う。

twoさんが熱をだした。

医者の見立てでは夏風邪とのこと。手紙の返事を書くのは、そうとうに大変だったのだろう。

案じてとくそんさんに聞くと、こんな返事が。


************

よしんばそれが負荷になってるとしても、いつかは彼が正面から向かいあわねばならない壁です。
むしろ、甘えさせて頂いてる間に、そういうストレスを知って欲しいというのが本音です。
親からでは伝えにくいことでもあり、大変ありがたく思っています。

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本当に立派だと思う。
立ち位置を確認した上で、配布についても話してみた。
お返事は「どう展開するか自体も彼に決めさせる」という方向性。

「自分以外の人にも手伝ってもらったものを下手なやり方で公開すると、描いた天野さんの迷惑になるので安易な行動はしない」みたいなことを話していただけたようだ。

「これはとても高度な問題ですが、それだけに通過しておくとよいことですね」とはじめて、返事を書いた。


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以前に、わたしの日記のある内容についての感想メールが来て、それに返事を出したら、その内容が感想メールの差し出し主の常駐している掲示板で公開されたことがありました。内容にうそも偽りもなく、公開されても問題はないのですが、彼個人に宛てて書いた内容だったので、驚いたのを覚えています。

「あの人から返事が来たぞ!」という感じで、本人は嬉々として投稿した様子なのですが、ここに欠けているのは、個人と公の線引きでした。誰でも閲覧できる環境に出した瞬間に、全体に公開されるということ。私自身もたまにやってしまって謝罪するのですが、この線引きは意外に難しく、理屈によってというより痛い思いをして感覚的に判断できるようになる、という種類のものに思えます。

これを学べる機会は貴重です。
今回のゲーム製作は、一見すると内側にこもる性質のものと目されている作業なのに、実際にはコミュニケーション能力が不可欠であることを学べる、よい機会だと思います。この能力は、経験一回ではなく、こういう対他人の状況を何度もくぐって身についていくものだと思いますが、そういう経験をほとんどなく社会に出る人を思えば、とても大切なことです。

御自分の趣味の範囲かもしれませんが、それでも「その分野を活かして御子息に社会勉強をさせる」というところに着地させるとくそんさんは、やっぱり立派な人だなあと思います。

こちらも、ちょっと体調を崩したり、仕事関係の急な葬式で時間がなくなったりしております。
絵はちょっとだけ遅れ気味になるかもしれませんが、最後まで描かせていただきますので、よろしくお願いします。

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あらためてモチベーションが上がる。
がんばろう。
そう思った矢先、さっそく回復したtwoさんからメールがきた。


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天野さんへ

こんにちは。

心配してくれてありがとうございます。
もう結構直りました。
熱は下がりましたけど
ぶつぶつができてしまいました。

β版のタイトル画像ありがとうございます。
タイトルの字の並び方を、少し変えていただけませんか。

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リテイクである。

それでこそ two さんだ。


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申し訳ありませんが、
よろしくお願いします。

こちらもがんばって玉の枝を完成させます。

よいお返事お待ちしております。

twoより

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ちゃんと励ましてくれるのもわすれていない。


ゴールの前には試練が来るものだ。
そして、そこを超えればゴールは近い。

輝夜さんと永琳も描けたので、あとはエンディング絵だけだ。




せっかくなので、そのお二人を。





※えーりんの絵ですが、服の柄に描かれているのは八卦と、東方・西方・北方・南方の七宿星座ではないかと推察して描いております。これで合っているだろうか・・・。公式の絵って、どこかにないものでしょうかね。