ROAD TO THE DERBY 2018BACK NUMBER
ダノンプレミアムは真にプレミアム。
中内田調教師が生かす海外での経験。
posted2018/02/28 07:30
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Photostud
この連載では、毎回、期待の新鋭をピックアップ。その知られざる馬と人との物語をお届けします。第2回は3月4日の弥生賞(GII、中山、芝2000m)の最有力馬の1頭ダノンプレミアムのストーリーです。
デビューから3連勝。いずれも好時計で楽勝を続け、JRA賞最優秀2歳牡馬に選出されたのがダノンプレミアムだ。
昨年の6月25日。2歳戦が始まって間もない時期の新馬戦で初めてターフに姿を現した。
阪神競馬場の芝1800m。この時期の2歳馬には決して楽ではない条件に、出走馬はダノンプレミアムを含めて10頭。7番枠から好スタートを決めると序盤は少し掛かり気味。一気に先頭へ立とうと思えば行ける勢いだったが、そこは鞍上の川田将雅が無理をさせない。2番手から3番手に抑えてコーナーへ。
ADVERTISEMENT
それでも4コーナー手前では早くも先頭に並びに行くと直線は突き放す一方。終わってみれば2着に4馬身の差。1分48秒7の好時計でデビュー勝ちを飾ってみせた。
将来性を考慮して、抑える競馬。
2戦目は約3カ月半後。10月7日の東京競馬場、芝1600m。GIIIのサウジアラビアRCに駒を進めた。
デビュー戦で476kgだった体は6kg増えて482kg。1番人気こそ2連勝中のステルヴィオに譲ったが、2番枠から好発を決めると、初戦同様、掛かり気味に先行してみせた。
いや、掛かるというよりは、能力の違いでいくらでも行けるのを、将来性を考慮した鞍上が我慢させているという感じだろうか。
直線に向いても、2番手を追走した同馬がスパートをかけたのはラスト2ハロン(400m)の手前あたりから。アッと言う間に前との差を詰めると残り300mでは早くも先頭。あとは放す一方で、1番人気のステルヴィオが最後の最後に追い上げてきた時はすでに大勢が決していた。最後はセーブ気味のゴールながらも1分33秒0のレコードで、2着に1と4分の3馬身差をつけ悠々とゴールした。