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BBC「性加害報道」後もジャニーズが講談社にかけてきた「圧力」

伊藤喜之(ノンフィクション作家)

ジャニー喜多川氏の性加害問題について、出版業界では週刊文春の独走状態がつづいている。週刊文春をのぞく週刊誌では真正面から問題を取り上げた記事は今でもほとんどない。なぜ、このような状況が生まれているのか。

そこには明らかに出版界の「ジャニーズ忖度」の構造がある。

講談社の関係者が「あれはわかりやすい出来事だった」と振り返る事件がある。


ジャニーズが激怒した「大麻疑惑」記事

問題が起きたのは2008年7月。物議を呼んだのは講談社が発行する週刊現代に掲載された記事だった。

ジャニーズのトップアイドルグループに所属する人気メンバーが大麻を使用した疑惑があることを伝えていた。大麻を吸引しながら女性2人と性的行為にも及んでいたというショッキングな内容だった。女性2人に挟まれてキスされる写真も掲載されていた。

ジャニーズ事務所は発行元の講談社に「事実無根」と抗議した。出版社は通常、十分な取材に基づいていれば「報道には自信を持っている」などと強気なコメントで反論する。翌週以降も続報が出されることが多い。

しかし、当時を知る講談社関係者によると、翌週の週刊現代の記事のラインナップを話し合う会議の場で編集長(当時)は悔しげにこう明かしたという。

「上のほうから言われたので、今週は(続報は)出せなくなった」

講談社関係者は「編集長があえて会議で編集部員もいる前で、それを口にしたので驚きました。よほど腹に据えかねたのでしょう」と証言する。

ジャニーズ側から当該記事への抗議はあったものの、その後、記事は訂正もされていない。かといって名誉毀損や損害賠償請求などの訴訟に発展することもなかった。

この時、何が起きていたのか。今回、その一端がわかる内部告発が私のもとに寄せられた。

ここから先は有料会員限定です。意外なかたちで講談社にかけてきた「圧力」、BBC報道後も反省なくメディア報道を操ろうとした手口など、ジャニーズ支配の構造を明らかにしていきます。ぜひお読みください。

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