Appleのノートパソコンで画面が大きいモデルといえばMacBook Pro 16インチですが、画面サイズが15インチから16インチに大きくなったことで、マルチタスクによる作業効率が向上しています。
また、CPUも第9世代のCore i7またはCore i9プロセッサを搭載して最大64GBのメインメモリを搭載できるようになったことで、クリエイター用途としても十分に使えるスペックを手に入れたことになります。
ということで、この記事ではMacBook Pro 16インチモデルのデザイン・サイズ・スペック・性能をレビューしているので、MacBook Pro 16インチを検討している方は参考にしてみてください。なお、MacBook Pro 15インチとの違いについても比較しています。
この記事の目次
MacBook Pro 16インチ レビュー
MacBook Pro 16インチの特徴
MacBook Proのラインナップは13インチと15インチの二つの画面サイズとなっていましたが、今回のMacBook Pro 16インチの発売により15.4インチが廃止となりました。
- MacBook Pro 13.3インチ
- MacBook Pro 15.4インチ(←廃止・整備済製品で購入可能)
- MacBook Pro 16インチ(←新モデル)
2016年10月にMacBook Proは現行のスタイルになったのでこのデザインを採用してから2019年で3年となります。まだ、しばらくはこのデザインで走ることになるのかもしれません。
画面サイズが15.4インチ → 16インチになっただけでなく、キーボードがシザー構造型の新しいMagic KeyboardとなってTouch Barの表示だったESCキーが物理ボタンに変更、矢印キーが逆T字方に変更となっています。
- ディスプレイサイズが15.4インチ → 16インチに
- 本体サイズが少しだけ大きくなって重くなった
- CPUは15インチと同じ第9世代Coreプロセッサ
- GPUはRadeon Pro 5000シリーズ(GDDR6)に
- メインメモリは最大64GBに増設可能に
- ストレージは最小構成で256GB → 512GBに
- ストレージは最大8TBに増設可能
- シザー構造の新しいMagic Keyboardを搭載
- ESCキーが物理キーに変更
- 矢印キーが逆T字型配列に変更
- 内蔵スピーカーが6スピーカーシステムに
- 価格が248,800円と1万円安くなった
CPUは15インチと同じですが筐体が少しだけ大きくなったことで排熱性能が向上したおかげで性能が少しだけ向上しているので、動画編集などクリエティブな作業をすることが多い方にとっては嬉しいアップデートといえるでしょう。
また、メインメモリは標準で16GBとなっていますが32GB、64GBまでカスタマイズできるようになってマルチタスクでの作業もなんのその、まさに「プロの名にふさわしい」マシンになっています。
MacBook Pro 16インチはキーボードが完全に刷新されました。従来のバタフライ構造のキーボードが苦手だったユーザーさんにとっては最高のアップデートになったことは間違いないでしょう。
MacBook Pro 16インチは、最小ストレージ容量が256GB → 512GBに増えたのに価格が1万円も値下げされて248,800円で買えるように。今までよりも性能が向上して買いやすくなったのも見逃せないポイント。
画面サイズが15インチから16インチに大きくなって本体サイズが少しだけ大きく、重くなってしまいました。しかし、よりパワフルになり作業領域が広くなったのでデザイン作業や動画編集のしやすさは向上しています。
モバイル性能よりも作業のしやすさを重視したいならMacBook Pro 16インチは最高のモバイルノートMacなのかなと感じます。
では、MacBook Pro 16インチを詳しくレビューしていきたいと思います。
パッケージと付属品
MacBook Pro 16インチは正面から眺めた画像が採用されたパッケージデザインとなっています。
15インチモデルは横から薄さをアピールしたデザインでしたが、やはり16インチは画面の大きさを推しているようですね。(というか薄さをアピールできなくなった…。)
開封するといつものようにMacBook Proが正面でお出迎えしてくれます。気持ちが高まる瞬間ですね。
充電アダプタは96Wの高出力に
付属品は「Desiged by Apple in California」、「96W USB-C電源アダプタ」、「USB-C充電ケーブル(2m)」となっています。
MacBook Pro 16インチのMacBook Pro 16インチはバッテリー容量が増えていて電池持ちが改善されていますが快速で充電するために充電アダプタは出力が86W → 96Wに増えています。
しかも、出力が増えているのに充電アダプタの大きさはほぼ同じとなっています。どうせなら小型化してくれ…って思ってしまったけどバッテリー容量が増えた時点でその願いは叶うことはないのでしょう。
USB-Cポートの材質が金属から樹脂に変更されています。
MacBook Pro 13インチの61W充電アダプタでもこのような仕様変更が起きていましたが、16インチの発売というタイミングでAppleの充電アダプタは全てこのような仕様に統一されることになりました。
筐体デザインは変わらず
MacBook Pro 16インチのデザインは基本的には従来の15インチモデルを踏襲していてパッと見ただけでは、どちらのモデルを使っているのか判別はできません。
どこからどう見ても大画面サイズのMacBook Proですが、キーボードを見ればこの端末がMacBook Pro 16インチであることはわかります。バタフライ構造のキーボードではなくシザー構造の新しいMagic Keyboardを搭載しています。
キーの高さが0.55mm → 1mmになったことでしっかりとした打鍵感がしっかりし、従来のペラペラのキーボードが苦手だった方も問題なくタイピングできるようになりました。
ESCキーもTouch Barから分離して物理キーに変更されたのでプロの方で多用している方にとっては嬉しい仕様変更となっています。
16インチ・15インチの本体サイズを比較
MacBook Pro 16インチの画面サイズが15インチ → 16インチになったことで本体サイズがどれくらい大きくなってしまったのか、15インチモデルと比較してみました。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
本体サイズ | 35.79 × 24.59 × 1.62cm | 34.93 × 24.07 × 1.55cm |
重量 | 2.0kg | 1.83kg |
画面サイズが0.6インチサイズアップしたことで本体サイズも横幅が0.9cm、奥行きが0.6cmほど大きくなっています。
幅と奥行きだけでなく厚みも増えていて1.55cm → 1.62cmにおデブちゃんに。このように比較すると数値以上にサイズアップしているように感じます。
本体の分厚くなったということはパープレストの高さも高くなったことになるので、今までずっと15インチを使っていた方が16インチに乗り換えると最初は違和感を覚えるかもしれません。
本体左側にUSB-C(Thunderbolt 3)を2ポート搭載。MacBook Pro 16インチ(下)のポート間隔は15インチモデル(上)と同じなのでUSB-C対応の変換ハブはそのまま使うことができます。
本体右側に3.5mmオーディオジャック、USB-C(Thunderbolt 3)を2ポート搭載しています。
こちらもポート間隔は同じなので従来のMacBook Proの周辺機器・アクセサリーをそのまま使うことができるでしょう。
15インチも十分に重いモデルだったこともあり、16インチになって本体サイズが大きくなって重量が重くなったとはいえ、ほんとに微妙な差なので1日も使えばMacBook Pro 16インチのサイズ感・重量感に慣れます。
ただ、一つだけ注意したいのがMacBook Pro 15インチで持ち運び用のカバンにギリギリ入れて使ってた場合は、16インチに乗り換えるとカバンに入れることができなくなる可能性もあります。
購入前にしっかりとサイズを確認したほうがいいでしょう。
16インチと15インチの画面サイズを比較
MacBook Pro 16インチは画面サイズが15.4インチ → 16インチになったことでベゼル幅が狭くなり画面占有率が向上しています。
ディスプレイの解像度は画面が大きくなったことで、2,880 × 1,800 → 3,072 × 1,920ピクセルに拡大して、画素密度が220ppi → 226ppiと少しだけ高画素化しています。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
画面サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
解像度 | 3,072 × 1,920(226ppi) | 2,880 × 1,800(220ppi) |
仕様 | Retinaディスプレイ、広色域 P3対応、500ニトの輝度 |
もう4Kディスプレイを搭載してしまえばいいのに…って思うんですが。Appleは独自の解像度のパネルを使いたがるポリシーのようなものがあるんでしょうかね。
画面解像度が変更となったことで疑似解像度も向上しています。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
画面サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
解像度 | 3,072 × 1,920(226ppi) | 2,880 × 1,800(220ppi) |
疑似解像度 | 2,048 × 1,280 1,792 × 1,120(デフォルト) 1,536 × 960 1,344 × 840 1,152 × 720 |
1,920 × 1,200 1,680 × 1,050(デフォルト) 1,440 × 900 1,024 × 640 |
デフォルトの表示領域を比較してみました。
MacBook Pro 16インチのほうが縦横120pxほど解像度が高く表示領域が広くなっているので1画面に表示できる情報量が15インチよりも16インチの方が多くなっていますね。
16インチ(2,048 × 1,280ピクセル)、15インチ(1,920 × 1,200ピクセル)でウィンドウを並べてみました。
MacBook Pro 16インチのほうが表示領域が広いので当然ながらウィンドウの重なりを最小限にすることができるので、マルチタスク作業の効率向上が期待できそう。
Premier Proの画面も広く使うことができるので、ウィンドウの幅を調整することで効率よく作業することができます。最近はFinal Cut Pro Xで動画編集することが増えたのですが、画面が広いので作業はしやすいですね。
また、デザイン作業も作業領域が広くなることで効率が上がります。Adobe IllustratorやPhotoshopを2,048 × 1,280ピクセルの擬似解像度で使うと作業しやすいと感じました。
リフレッシュレートを変更可能に
MacBook Pro 16インチはリフレッシュレートをデフォルトの「60Hz」の他に「59.94Hz、50Hz、48Hz、47.95Hz」に変更が可能となっています。
「システム」の「ディスプレイ」の「解像度」の「変更」を「optionキー」を押しながらクリックすることでリフレッシュレートの変更ができます。
リフレッシュレートの変更はマニアックな機能となっていてプロの動画編集のワークフローで使われることがあり、例えば映画制作では24fpsで撮影されますが48Hz駆動にすることで高度な編集ができるようになります。
一般的に使うことはない機能ですが、MacBook Pro 16インチはまさにプロのマシンとして使うことを想定しているということでしょう。
シザー構造のMagic Keyboardに
MacBook Proは2015年モデルまで一般的なシザー構造のキーボードでしたが、MacBook Pro(2016)からバタフライ構造のキーボードを搭載していました。
しかし、不具合などが頻発したことからついにMacBook Pro 16インチはシザー構造となった新しいMagic Keyboardを採用しています。
キーの高さが0.5mm → 1mmと高くなり、しっかりしたタイピング感を得ることができるようになり、タイピングしやすいキーボードに。従来のバタフライ構造のキーボードが使いにくかったという方も安心して使えるキーボードとなっています。
ちなみに、iMacに付属しているMagic Keyboardと同じ名称ですがキーの高さが抑えられた新しいマジックキーボードとなっています。
ESCキーとTouch Barが分離型に
MacBook Pro 16インチにも引き続きTouch Barを搭載していて、Touch IDはMacBook Air(Intel・2020)と同じ分離型のボタンとして搭載しています。
Touch IDは非光沢のマットな素材に変更となっています。2016年のMacBook Proより採用されているタッチバーですが、当初は「使いにくい」、「必要ない」の批判の嵐でしたが次第にタッチバーに慣れた方も多いんじゃないでしょうかね。
実際に音楽や動画など直感的に操作できるので使いやすい一面もありますし、Touch Barの操作に慣れることでそんな批判すべきモノではないのかなとも思います。(だいぶ洗脳された。)
また、ESCキーがTouch Barから分離して物理キーとなっています。
ESCキーはファンクションキーの中でもよく使うものらしいのでプロユーザーにとっては歓喜の改善ポイント。僕自身はESCキーをあまり使わないので物理キーになった良さは分かりませんが…。
矢印キーの形状が4つの矢印キー(逆T字型配列)に変更となっています。
もともとMacの矢印キーは逆T字型になっていましたがバタフライ構造のキーボードになって左右のキーだけ大きくなりました。しかし、MacBook Pro 16インチで逆T字型に戻した形となります。
個人的には左右キーが大きいタイプに慣れてしまっていたようで誤タップしています。いずれ慣れると思いますが、ちょっと使いにくいかも。
バックライトの光り方
なお、MacBook Pro 16インチのMagic Keyboardはシザー型になったことで隙間ができたおかげで暗いところで使ったときのバックライトの漏れが多くなりカッコイイ感じになりました。
やっぱり、暗いところのキーボードはこれくらい光が漏れないとね…!
キーボードのタイピング音と打鍵感を比較
MacBook Pro 16インチの新しくなったMagic Keyboardと、従来のバタフライ構造のキーボードのタイピング音を比較してみました。
タイピング音は16インチのMagic Keyboardの方が騒がしいかもしれないですね。15インチのバタフライ構造のキーボードの方がポチポチと静かなタイプ音になってるような気がします。
打鍵感はMacBook Pro 16インチのMagic Keyboardの方が間違いなく上です。タイプした時の跳ね返りしっかりしていてタイピングしやすいのでキーボードで不満を感じることはないでしょう。
ただ、従来のバタフライ構造のキーボードもなでるように高速タイピングできるので個人的には好きなんですよ。ほんとにどっちが良いか難しいですが、バタフライ構造のキーボードは言うほど悪くないと思うんですけどね。
MacBook Pro 16インチ スペック・性能
MacBook Pro 16インチのプロセッサには第9世代のIntelのCoffee Lake Refresh(6コア・8コア)を、グラフィクスチップにはRadeon Pro 5300M/5500Mを採用しています。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
画面サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
CPU | 第9世代 Core i7 2.6GHz(6コア) 第9世代 Core i9 2.3GHz(8コア) |
|
dGPU | Radeon Pro 5300M(4GB GDDR6) | Radeon Pro 555X(4GB GDDR5) |
iGPU | Intel UHD Graphics 630 | |
RAM | 16/32/64GB 2,666MHz DDR4 | 16/32GB 2,400MHz DDR4 |
SSD | 512GB/1TB/2TB/4TB/8TB | 256/512GB/1TB/2TB/4TB |
16インチのCPUプロセッサは15.4インチと同じものですが、グラフィックスチップがRadeon Pro 5000Mシリーズを採用したことで2倍近い高速処理が可能となっています。
iMac 27インチも6コア、8コアのプロセッサを搭載していますが、モバイルノートのMacBook Pro 16インチも同等の物理コアプロセッサを採用したことで負荷のかかる作業も軽々とこなせるようになりました。
CPU・GPUの性能を比較
Geekbench 5でMacBook Pro 16インチの性能を計測してみました。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
画面サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
CPU | 第9世代 Core i7 2.6GHz(6コア) | |
dGPU | Radeon Pro 5300M(4GB GDDR6) | Radeon Pro 555X(4GB GDDR5) |
iGPU | Intel UHD Graphics 630 | |
RAM | 16GB 2,666MHz DDR4 | 16GB 2,400MHz DDR4 |
シングルコアCPU | 1074 | 925 |
マルチコアCPU | 5667 | 5261 |
OpenCL(iGPU) | 4873 | 4596 |
OpenCL(dGPU) | 22955 | 13196 |
Metal(dGPU) | 22086 | 13578 |
GPUがRadeon Pro 555X → Radeon Pro 5300Mになったことでグラフィックス性能が1.7倍向上。グラフィック専用のメモリもGDDR5 → GDDR6と規格が変わって高速化されているのも影響しているのでしょう。
また、全く同じCPUプロセッサなのにMacBook Pro 16インチの方がCPUの処理速度が10%ほど高速化しています。これは内部の排熱処理が上手くいっている影響とみて良いでしょう。
MacBook Pro 15インチモデルは8コアのCore i9プロセッサや高性能なグラフィックチップを選択可能でしたが、熱によるスペックダウンが指摘されてました。
そんな中で、MacBook Pro 16インチは35%大きくなったヒートシンクと新しい構造による空気の流れが28%も増えて冷却能力が向上しています。
排熱処理の向上が結果的に同じCPUプロセッサの処理速度の向上に繋がっているので、カスタマイズモデルのCore i9の8コア + Radeon Pro 5500M(8GB GDDR6)でも快適に使うことができるでしょう。
とくに動画編集の書き出しなど負荷がかかる作業で差が出てくることになりそうです。なお、2020年6月にRadeon Pro 5600M(8GB HBM2)を選ベるようになりました。
GDDR6 → HBM2メモリになることで394GB/sのメモリ帯域幅となり5500Mと比べて最大75%速いパフォーマンスを発揮できるので、動画編集をより快適にしたいならCTOカスタマイズするのがいいでしょう。
SSDストレージの性能を比較
SSDストレージの性能を比較していました。MacBook Pro 16インチは512GBが最小構成モデルなので、必然的に15インチの256GBモデルよりも16インチの方が性能は上となります。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
画面サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
SSD | 512GB | 256GB |
書込速度(WRITE) | 2506MB/s | 1231MB/s |
読込速度(READ) | 2582MB/s | 2621MB/s |
SSDは容量が多いほどフラッシュメモリのチップ数が増えて並列でデータ転送できるので容量が多いほど転送速度も向上しますが、読込速度はほぼ同じですが書き込み速度は倍近い性能差となりました。
書き込み速度が速いとデータ保存速度が速くなるのでIllustratorのデザインデータや動画書き出しが速くなる恩恵があります。
読み込み速度はさほど差がないのでアプリの起動や使用の体感速度に差はあまりない感じですね。実際に16インチと15インチ と使い比べても速度が速くなったとは感じません。
→ Macのストレージについて
メインメモリは最大64GBまで増設可能に
MacBook Pro 16インチのメインメモリは「2,400MHz DDR4 → 2,666MHz DDR4」と高速化しています。
標準モデルは16GBですが、32GB・64GBに増設ができるようになったのでデザイン制作や動画編集などクリエティブな作業をするユーザーにとっては最高のモバイルノートになること間違いなしでしょう。
メインメモリの容量の違いによって動作がどれだけ違うか比較しているので詳しくはこちらをどうぞ。
→ MacBook メモリについて
トータル性能は20%ほど向上
総合性能としてNovabenchによるスコアも計測してみました。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
画面サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
CPU | 第9世代 Core i7 2.6GHz(6コア) | |
dGPU | Radeon Pro 5300M | Radeon Pro 555X |
RAM | 16GB 2,666MHz DDR4 | 16GB 2,400MHz DDR4 |
CPUスコア | 1159 | 1066 |
GPUスコア | 539 | 307 |
RAMスコア | 266 | 260 |
Diskスコア | 164 | 124 |
トータル | 2128 | 1757 |
MacBook Pro 16インチは排熱処理が向上したことによりCPUの性能が10%ほど向上し、グラフィックス性能も1.7倍ほど向上しトータルで1.2倍ほど性能が向上していることになります。
macOSの起動速度、アプリの起動速度、動画の書き出し速度をMacBook Pro 16インチと15インチで比較してみました。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
画面サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
CPU | 第9世代 Core i7 2.6GHz(6コア) | |
dGPU | Radeon Pro 5300M | Radeon Pro 555X |
RAM | 16GB 2,666MHz DDR4 | 16GB 2,400MHz DDR4 |
macOS起動 | 39.7秒 | 34.74秒 |
Illustrator起動(500MB) | 22.19秒 | 21.86秒 |
Premier Pro起動 | 15.9秒 | 17.51秒 |
動画書き出し(5分・フルHD) | 2分35秒 | 3分55秒 |
IllustratorやPhotoshopなどの速度向上はあまり感じることはできませんが、グラフィックに関連するアプリや動画編集のPremier Proの動作はMacBook Pro 16インチの方が快適に動作するように感じます。
5分ほどのフルHD動画を書き出してみましたが15インチは3分55秒かかったところ、16インチは1分20秒も速い2分35秒ほどで動画を書き出しができるので作業効率を向上したいならおすすめです。
バッテリー持ちは少し向上した
MacBook Pro 16インチは100Wh(27027mAh)の大容量バッテリーを搭載しています。この100Whという数値は飛行機の機内持ち込み可能なギリギリの容量となっています。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
バッテリー容量 | 100Wh | 83.6Wh |
最大駆動時間 | 11時間 | 10時間 |
電源アダプタ | 96W USB-C | 87W USB-C |
83.6Wh → 100Whにバッテリー容量が大幅に増えたので電池持ちも向上しています。
実際に使ってみてどれくらいバッテリー持ちが良くなったのか計測。使用環境は画面の明るさ6〜7割程度で普通にブログ記事を書いてPhotoshopやIllustratorで画像処理をしていました。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
0:00 | 100% | 100% |
1:00 | 85% | 76% |
2:00 | 64% | 58% |
3:00 | 44% | 39% |
4:00 | 24% | 18% |
5:00 | 5% | 0% |
MacBook Pro 15インチは4時間30分くらいでバッテリーが切れましたが、16インチは5時間ちょっとまで電池が持ったので30分ほど耐えることができる感じ。
確かに、MacBook Pro 16インチの方がバッテリー持ちが良いですが期待したほどではないみたい。画面サイズが大きくなったことで電力消費も増えているので仕方ないのかもしれません。
そもそも11時間のバッテリー持ちってなんだよ…。ちなみに、Final Cut Pro Xで動画編集すると2.5時間ほどしかバッテリーが持たないので外で作業する場合は電源のあるところを見つけるのが良さそうです。
それぞれの充電アダプタを使って本体バッテリーへの充電時間も比較してみました。
モデル | MacBook Pro | |
---|---|---|
サイズ | 16インチ(96W) | 15.4インチ(87W) |
0:00 | 0% | 0% |
0:30 | 30% | 40% |
1:00 | 59% | 65% |
1:30 | 85% | 82% |
2:00 | 100% | 95% |
2:15 | – | 100% |
フル充電までのトータルでかかる時間は高出力の充電アダプタ(96W)のMacBook Pro 16インチの方が速いみたいですが、立ち上がりは15インチ(87W)の方がいいみたいですね。
96Wの充電器を採用したことでMacBook Pro 16インチをフルスピードで給電できる社外製の充電アダプタはほとんどない状態ですが、61Wの充電アダプタだと出力電力がどれほど違うものか比較してみました。
96Wの電源アダプタは(19.5V × 4.52A = 88W)、61Wの電源アダプタは(19.7V × 2.94A = 58W)で出力していました。で、実際の充電速度がどれくらい差があるものなのか比較もしてみました。
モデル | MacBook Pro 16インチ | |
---|---|---|
サイズ | 96W充電アダプタで充電 | 61W充電アダプタで充電 |
0:00 | 10% | 10% |
0:30 | 40% | 33% |
1:00 | 68% | 57% |
1:30 | 90% | 81% |
2:00 | 100% | 97% |
2:15 | – | 100% |
意外と61Wの充電アダプタでも普通に充電できるもんですね。1時間ほどで40%ほどバッテリー補給ができるので、外に持ち出す時はよりコンパクトな60Wくらいの充電器をカバンに入れていくのがいいのかもしれません。
なお、100Wに対応した電源アダプタはいくつかあるのでこちらを参考にしてみてください。
6スピーカーシステムで音質向上
MacBook Pro 16インチの内蔵スピーカーはフォースキャンセリングウーファーを搭載した6スピーカーシステムに進化しています。
iPad Proは4スピーカーシステムで音質はかなり良くなっていますが、、MacBook Proも複数のスピーカーを内蔵することで大幅に音質向上を実現しています。
実際にMacBook Pro 16インチのサウンドを聴いてみたのですが…
スゴイ。めちゃくちゃ音質が良くなってる。モバイルノートでここまで音質が良くすることができたことに驚きのひとことです。
複数のスピーカーを搭載したことで低音から高音までキレイな音を再生できるようになったのでしょう。Dolby Atmos再生にも対応しているので音の広がりが15インチよりも16インチの方が明らかに良くなっています。
お手頃価格のワイヤレススピーカーよりもMacBook Pro 16インチの方がホントにスピーカーの音質はいいですよ。ただし、いくら6スピーカーを搭載したMacBook Pro 16インチでもスマートスピーカー・HomePodの音質には敵わないです。
さらに高みを目指すならHomePodは必要なアイテムなのかな…。
また、スピーカーだけでなく指向性ビームフォーミングを持ったスタジオ品質の3マイクアレイを内蔵したことで録音音声の品質も向上しているそうです。
スペック・価格を比較
サイズ | 16インチ | 15.4インチ |
---|---|---|
解像度 | 3,072 × 1,920 (226ppi) |
2,880 × 1,800 (226ppi) |
仕様 | Retinaディスプレイ、広色域 P3対応、500ニトの輝度 | |
CPU | 第9世代 Core i7 2.6GHz(6コア) Core i9 2.3GHz(8コア) |
|
dGPU | Radeon Pro 5300M/5500M (4/8GB GDDR6) |
Radeon Pro 555X (4GB GDDR5) |
iGPU | Intel UHD Graphics 630 | |
RAM | 16/32/64GB 2,666MHz DDR4 |
16/32GB 2,400MHz DDR4 |
SSD | 512GB 1TB 2TB 4TB 8TB |
256GB 512GB 1TB 2TB 4TB |
キーボード | Magic keyboard(シザー構造) ストローク:1mm |
バタフライ構造 ストローク:0.55mm |
カメラ | 720p FaceTime HDカメラ | |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) | |
ポート | Thunderbolt 3(USB-C)× 4 Thunderbolt(最大40Gb/s) USB 3.1 Gen 2(最大10Gb/s) 3.5mmオーディオジャック |
|
Bluetooth | 5.0 | |
スピーカー | 6スピーカーシステム(フォースキャンセリングウーファー内蔵)、Dolby Atmos再生に対応、 | ハイダイナミックレンジステレオスピーカー |
マイク | ビームフォーミングを内蔵したスタジオ品質の3マイクアレイ | 3つのマイクロフォン |
バッテリー | 100Wh(最大11時間) | 83.6Wh(最大10時間) |
電源アダプタ | 96W USB-C | 87W USB-C |
本体サイズ | 35.79 × 24.59 × 1.62cm | 34.93 × 24.07 × 1.55cm |
重量 | 2.0kg | 1.83kg |
価格 | 6コア:248,800円〜 8コア:288,800円〜 |
258,800円〜 302,800円〜 |
MacBook Pro 15.4インチは256GBのストレージ容量で258,800円となっていましたが、MacBook Pro 16インチは512GBなのに248,800円と1万円安い価格で買うことができるようになりました。
30万円超えになるのではないかと噂されていたので、まさか安くなっているとは思ってもいなかったので嬉しい価格設定ですよね。
MacBook Pro 16インチ レビュー・評価:まとめ
真のプロのマシンに進化した
MacBook Pro 16インチは画面サイズが15インチから16インチに大きくなってシザー構造のMagic Keyboardを搭載した新世代のMacBook Proとなりました。
MacBook Pro 15インチよりも本体サイズが大きく重くなりましたが、ここまできたら誤差範囲。元々が重量級のモバイルノートPCなので持ち運び感はほぼ同じです。(無理矢理感)
そもそも、MacBook Pro 16インチはモバイルノートというよりも現場で作業するMacとして使うのがベストな使い方ではないでしょうか。仕事道具としてどんな現場でも設置場所を気にすることなくフルスペックのmacOSで作業できます。
持ち運ぶことよりも現場での作業効率を優先する。そんな使い方ができるのがMacBook Pro 16インチなんだと思います。喫茶店でブログ書くために使うMacではなく、職場・自宅でどこにでも設置できるiMacとして使えるモデルが16インチです。
Appleはなぜ15.4インチ → 16インチと画面を大きくしたのか?かつてMacBook Proには17インチのディスプレイを搭載したモデルが存在し、13インチ、15インチ、17インチの3つのサイズから選べました。
しかし、Retinaディスプレイの登場によって17インチモデルは消滅、2015年〜2019年7月までは12インチ、13インチ、15インチの3ラインナップとなっていました。
先日、MacBook 12インチは販売終了しモバイル端末はiPad Proにバトンを渡すことになったのは記憶に新しいところです。
つまり、モバイルマシンはiPad Proに託してmacOSは画面の大きいシステムで使うことを想定したものにシフトする…という考え方もできます。
- 2011年以前:11インチ、13インチ、15インチ、17インチ
- 2012年〜2015年:11インチ、13インチ、15インチ
- 2016年〜2019年7月:12インチ、13インチ、15インチ
- 2019年7月〜11月:13インチ、15インチ
- 2019年11月〜:13インチ、16インチ
- 2021年〜:14インチ(?)、16インチ
最近は動画編集をするユーザーさんも増えてきたので意外と15.4インチ → 16インチに画面サイズが大きくなることで作業効率は良くなるはずです。
- 16インチの大画面で効率よく作業ができる
- iMacと同等レベルの処理能力がある
- 最大64GBのメインメモリに購入時に増設できる
- シザー構造の新しいMagic Keyboardを搭載
- Touch BarからESCキーが分離して物理キーに
- スピーカーの音質がめちゃくちゃ良くなった
- 価格が15インチモデルよりも安くなった
6コアのCPUを内蔵している第9世代Core i7はiMac 27インチ(2019)なみの高性能プロセッサです。動画編集やグラフィックス処理も難なくこなすことができるスペックとなっています。
- 本体サイズが大きくなった
- 重量が重くなって肩が壊れる
- スタバで使うと大きすぎて目立つ
- 動画編集すると発熱がすごい
- バッテリー駆動時間が短い
- SDカードスロットがない
ただし、発熱がそこそこあってMacBook Pro 15インチよりも電池持ちは向上したとはいえ、AppleシリコンのM1チップを搭載したMacBook Pro 13インチと比べるとバッテリー駆動時間はかなり短めです。
また、筐体サイズもとにかく大きくて重いので持ち運びには適さないですが、日々の運動不足を解消したいなら頼もしいパートナーになってくれること間違いなしでしょう。
個人的にSDカードスロットは筐体をリサイズしたなら搭載して欲しかったですね。クラウド環境が整ってきたとはいえカメラで撮影したデータをWi-Fi経由で転送するのは時間がかかりすぎます。
なので、USB-Cに対応しているSDカードリーダーを毎日のように使っています。
まあ、よく考えてみればUSB-C対応のミラーレスを使えばケーブルと接続するだけでデータを高速転送できるので以前よりもSDカードの必要性は減ってきたのかな。
13インチは14インチになったりして
MacBook Proは2016年にモデルチェンジをした際にベゼルが少しだけ狭くなって本体サイズが少しだけ小さくなりましたが、まだまだベゼルを狭くすることができますよね。
しかし、MacBook Pro 15.4インチ → 16インチと画面サイズが大きくなったということは13インチモデルも14インチに大型化する可能性はありそう。
モバイル用としてはMacBook Airやタブレット型のiPad Proに役目を担いMacBook Proは画面の大型化に舵を切ったと見てもいいのかもしれない。果たして、次期MacBook Pro 13インチモデルはどんなモデルとして登場することになるのか。とても気になるところです。
https://sin-space.com/entry/macbookpro2021
→ MacBookの比較はこちら
SDカードスロットはマジでいらない。
使わないものを搭載するとかそんなのmacbookじゃないよね