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異次元空間を走る! ハイボラ相場で「勝つための5銘柄」最強選抜 <株探トップ特集>

特集
2020年2月15日 19時30分

―新型肺炎の逆風に負けない、株高材料内包し上値指向鮮明の要注目株をエントリー―

東京株式市場は厳しい相場環境を余儀なくされている。 新型肺炎の感染拡大に対する思惑が全体相場を支配しているということは確かだ。しかし、これは新型肺炎自体が相場の命運を握っているということではない。肺炎がもたらす健康面での被害やサプライチェーン・リスクなど企業活動へ与える影響に恐怖する人の心、つまり相場の活力を削いでいる本当の正体は揺れ動く投資家マインドそのものである。

●心理バイアスに流されず我が道を行く

国内でも新型コロナウイルスの感染が相次いで確認されている。既に市中で感染が広がっているという状況が想定されるなか、命を落としている人も出ていることで恐怖心が煽られている。しかし、一方で世界保健機関(WHO)による約1万7000人を対象とした分析ではその8割以上が軽症、重篤な患者は3%という実態が明らかとなっている。例えばインフルエンザと比較して、新型コロナウイルスへの感染はどの程度ネガティブインパクトが強いものなのか。これを冷静に比較するような論調は少なくとも国内では見当たらない。もちろん予断を許さないとはいえ、現在はさながらメディア報道の断片を切り取って、虫眼鏡で拡大して見ているような状態であり、悲観に傾き過ぎている嫌いもある。

株式市場は下値リスクを意識せざるを得ない局面で、それだけに個別株も物色対象の間口は狭く、選ばれし銘柄がより存在感を強める相場といってよい。しかし、日々のメディア報道を横にらみに防疫関連株(新型肺炎の対策関連株)で売り買いを繰り返すのは、マネーゲームというより、むしろ丁半博打的な意味合いが強くなっている。板読みに特化したデイトレードで対応するのであればそれも良しといえるが、少なくとも実を伴う戦略ではない。株式投資の原点ともいえる材料やテーマといった企業のファンダメンタルズ面へのアプローチは、本来こういう場面でこそ価値が高い。

今回は肺炎対策関連からは距離を置く銘柄で、なおかつ、これまでの全体“ハイボラ相場”にあって心理バイアスに流されず強調展開を維持している銘柄に着目。中期で上値が見込める株高材料満載の有望5銘柄を選抜した。

●乱調相場でも強さを発揮する選ばれし5銘柄

【アクモスは中期株価変貌に向け仕込み好機到来】

アクモス <6888> [JQ]は400円台で売り買いを交錯させているが、ここでのもみ合いは中期的な株価変貌に向けた踊り場との見方で強気に対処してみたい。

ITソリューションを軸にM&A戦略を駆使してベンチャー企業連合を構築し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の投資需要を取り込むことに成功している。システムインテグレーション・ソフト開発分野は更新需要や公共案件が好調で収益を押し上げているほか、ネットワーク構築分野では情報セキュリティーのほか、医療系システム分野で新たな案件を開拓している。また、健康・教育分野でも強みを発揮、クラウド型健康管理システム「LIFEDESK」のバージョンアップで中小企業などを中心にニーズを獲得しており、今後一段と付加価値化を図り営業展開に傾注していく構えだ。20年6月期第2四半期(19年7-12月)営業利益は前年同期比46%増の2億700万円と絶好調で再評価余地は大きい。

【クレスコはAIと既存コア技術の融合で株価飛躍へ】

クレスコ <4674> はジリジリと下値を切り上げており、早晩2000円台乗せから上げ足を加速することになりそうだ。

同社は金融系に強い独立系のソフト受託開発会社で、組み込みソフト系にも展開。人工知能(AI)ロボティクス分野にも積極的に踏み込み、従来有するアプリケーション開発などのコア技術にこれらを融合して事業領域を広げており、DX関連の有力銘柄として頭角を現してきた。マシーンラーニングを活用し医療画像から高い精度で疾患を分類するAI関連特許を米国で取得するなど今後の展開力に注目が集まっている。業績も11年3月期以降、増収営業増益を続ける筋金入りの成長株だ。19年4-12月期は大口顧客のIT投資拡大を背景に営業利益段階で前年同期比15%増の26億5300万円と2ケタ成長を確保、20年3月期34億円予想は増額修正の公算がある。21年3月期も得意の金融向けで新規需要開拓が見込まれ、利益成長トレンドに陰りはない。

【正興電は豊富な材料性魅力、本格上放れの機熟す】

正興電機製作所 <6653> は1100円近辺で踊り場を形成していたが、満を持して上放れを鮮明としてきた。

電力向け受変電設備や関連装置を手掛けるが、九州電力 <9508> と日立製作所 <6501> を主要納入先としており、安定した収益基盤が強み。IoT技術を駆使したソリューションを展開、電力の供給をサポートする監視制御システムなどの収益寄与で20年12月期営業利益は前期比65%増の15億円と大幅な伸びを見込む。自社データセンターを擁し、これを核とした金融、流通など幅広い分野を対象としたクラウドサービス事業を展開している。発電所の巡回ロボットなども手掛けるが、5Gを活用したロボット警備サービスでは昨年10月にNTTドコモ <9437> と実用化に向け協業の覚書を締結している点は注目。また、トヨタ自動車 <7203>電気自動車(EV)の使用済み電池を家庭で蓄電するシステムに本腰を入れているが、同社は家庭用蓄電システムなども手掛けており、同関連株としての思惑も浮上している。

【A&Dは大勢二段上げ、ホロンと親子鷹の上昇へ】

エー・アンド・デイ <7745> は4ケタ大台絡みで売り物をこなし、二段上げ前夜のムードを漂わせている。

計測器大手メーカーで特に電子天秤の商品競争力では国内随一。また、高度な技術力をベースにDSP(高速演算処理装置)に傾注しており、計測・制御・シミュレーション用プラットフォームとして引き合いが旺盛、自動車制御システムの開発プロセスなどで受注獲得を進めている。また、同社がTOBで過半の株式を取得し子会社化したホロン <7748> [JQ]は、半導体向け電子ビーム測定・検査装置を手掛け、EUV関連で収益を急拡大させている。今後、半導体製造装置市況が回復に向かうなか、A&DもEUV市場拡大に伴う収益面での追い風が意識されやすい。20年3月期営業利益は前期比16%増の32億円を計画。PER12倍は業態を考慮して割安感があり、18年6月につけた1229円の戻り高値をクリアすれば、株式需給面で滞留出来高がほとんどない真空地帯に突入する。

【アルトナーは開発系人材需要追い風に4ケタ突破へ】

アルトナー <2163> は目先押し目買いチャンス、戻り相場はここから佳境に入る。1月20日につけた高値970円を払拭し、4ケタ大台復帰から更なる高みを目指すことになりそうだ。

機械設計やシステム開発など人材ニーズの高い業界向けを主要ターゲットに技術者派遣を展開し足もとの業績は好調だ。同社が得意とする研究開発や製品開発分野の人材不足は構造的に顕著であり、追い風が強い。稼働率は高水準をキープしており、新卒技術者の配属で稼働人員も前期を上回るレベル。単価上昇も加わり、20年1月期第3四半期(19年2-10月)営業利益は前年同期比16%増の6億9800万円と2ケタ伸長を達成した。通期では前期比11%増の8億7000万円を見込み、21年3月期も増収増益基調は不変だ。900円台後半から1100円近辺のゾーンは戻り売り圧力も限定的で、時価総額100億円以下で浮動株比率も低いだけに上げ足が一気に強まる場面も想定される。

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