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【マリオ64】16枚RTAで人類初の大快挙! アッキー氏が47,823回リセットした末に15分切り!

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まえがき

2020年5月10日。スーパーマリオ64の人気カテゴリ『16枚RTA』にて、ついに、人類初の15分切りが達成された。

プレイヤーはアッキー氏で、タイムは14分59秒33

【FIRST EVER!!!/WR】Super mario 64 16 star 14:59.33 Speedrun

人類が初めて16分切りを達成したのが2011年8月。そこから世界記録が少しずつ更新されていき、9年弱の時間を経てようやく15分の壁を破った。

2011年頃にタイプスリップして「未来では15分を切ってるよ」なんて言っても、当時の人は誰も信じてくれないだろう――過去の人からすると、そのぐらい想像の域を超えたタイムなのだ。

今回は、直近1年の16枚RTAの過酷さと、15分切りを達成したアッキー氏が何者なのかを語り、そして最後に、アッキー氏へのインタビューを紹介しよう!

【追記】 アッキー氏による本記録の解説動画はこちら『【RTA】スーパーマリオ64 16枚RTA 14:59.33 世界記録をガチ解説

1ミスが世界記録を決める過酷な世界!

本日からちょうど1年前。2019年5月10日からの16枚RTAは、本当に過酷なものだった。

どれぐらい過酷だったのかというと、1つのミスで世界記録が決まるぐらい過酷だったのだ。

……どういう意味なのか、説明しよう。

まず、今回アッキー氏が達成した記録は、2019年5月10日から数えて5回目の世界記録更新となる。

この記録に至るまでの更新履歴を並べたのが以下だ。

  • 2019.05.10 15分04秒40 by アッキー氏
  • 2019.11.17 15分04秒27 by Drozdowsky氏
  • 2020.02.27 15分03秒76 by sl1pperynip氏
  • 2020.03.26 15分03秒20 by アッキー氏
  • 2020.05.01 15分00秒43 by アッキー氏
  • 2020.05.10 14分59秒33 by アッキー氏

ご覧の通り、世界記録が詰めに詰められたせいで、3秒以下の更新が普通になっていることが分かるだろう。

マリオ64RTAに精通している人間がこれを見たら「どこまで詰めれば気が済むんだ!」となるのだが、マリオ64RTAをあまり見ない方は「大差ないのでは?」という感想を抱くかもしれない。

その認識を改めていただくために、ひとつ具体的な話をしよう。

マリオ64RTAでは、タイムロスの基準として『細かい1ミス = 2秒程度のロス』という基準がある。この基準を念頭によくあるミス例を2つ見てみる。

例. 『バッタンキングのとりで ひとっとびスター』で、上の足場に頭をぶつけてしまった場合は、2.2秒程度のタイムロス

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例. 『やみにとけるどうくつ ドッシースター』の箱三段(テクニック)で、三段ジャンプを出すのに失敗した場合は、2.6秒程度のタイムロス

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3秒以下の更新がどれぐらいのものか、想像できただろうか。

直近1年の16枚RTAは、詰められすぎたせいで、このようなミスを1つすることすら許されないようなレベルになっているのである。

こんな過酷な世界で、アッキー氏はついに15分を切るに至ったわけだが、一体どれぐらいストイックに16枚RTAをやればこんな記録が出るのか――次のセクションで確認してみよう。

16枚RTAを47,823回リセットしたアッキー氏

アッキー氏は、16枚RTAをメインに走る日本人プレイヤーだ。

などで何度か話題になったことがあるので、ご存じの方が多いかもしれない。

同氏は、2016年9月からマリオ64のRTAを始め、急成長を遂げた結果、2年も経たずして初めて16枚RTAの世界記録を手に入れた。(その時の記録は2018年3月に達成された15分22秒)

そして今回、悲願の15分切りを果たしたわけなのだが……、15分切りのリアクション動画を見てみると、すごいことが分かる。(赤枠に注目)

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なんと、同氏は16枚RTAを47,823回もリセットしているのだ!

47,823回分のプレイ時間は1,939時間で、これはおおよそ80.8日分にあたる。つまり、同氏はたった15分のために80日の時間をリセットに費やしたのである。

こんなストイックに記録を求めるRTAプレイヤーは、世の中にどれぐらいいるのだろうか。

アッキー氏は”超”が付くほど動きが安定している!

先のセクションでは『アッキー氏のストイックさ』を述べたが、同氏のすごさを語るにはもう1点紹介しなければならない特長がある。

それは、16枚RTAにおける各動きがロボットの如く安定しているという特長だ。

この特長がよく分かるのが『階段BLJ(ケツワープ)』。階段BLJとは、後ろ方向に幅跳びを出し、うまく幅跳び(ケツ)を階段に引っかけることで超加速するバグ技のことだ。

このバグ技には「こうやればケツが引っかかりやすいよ!」というコツはあれど、安定させるのは至難の業なのだが――。

アッキー氏は、大半の記録において、正確に階段1段目にケツを引っかけているのである。(以下の画像は15分切りの動画から)

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この特長こそが、15分切りを達成できた最大の理由なのではないだろうか。

その他の特長については割愛するが、『【RTA in Japan 2019向け】今のマリオ64 16枚RTAはこうなっている!』にて、アッキー氏(現状の16枚RTA)のすごさを語っているので、気になる方は読んでみてほしい。

さて、ここまで読んだあなたは、『直近1年の16枚RTAの過酷さ』『アッキー氏が何者なのか』がおおよそ理解できたと思う。

最後に、皆さんお待ちかねの『アッキー氏へのインタビュー』を紹介しよう。

アッキー氏に話を聞いてみた

15分切り達成のすごさを伝えるには、本人に話を聞くのが一番! ということで、アッキー氏に話を聞いてみた。(以降は敬称略)

 

―― まずは、人類初の15分切りを達成した感想をお聞かせください。

アッキー: とんでもない功績・歴史・伝説を残したという意味でめちゃくちゃ嬉しいです。

 

―― 今回の記録で、緊張し始めたのはどこからですか?

アッキー: 1ステージ進むごとに緊張が増していきました。一番緊張したのは天空(てんくうのたたかい!)ですね、今までで一番速いペースで天空に入場したので。

でも実際は、天空に入場した後はとにかく集中していて、緊張のことはほぼ忘れていました。手は震えていましたが(笑)

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(補足) 天空(てんくうのたたかい!)とは、最後のクッパステージのことである。

 

―― 今回の記録では、『てんくうのたたかい!』の終盤のリフトの移動でミスしてしまったと思います。ミスした時、どんなことを考えましたか?

アッキー: 「14分台はあるのかなー、とりあえず土管に入るまでしっかりやろう! 土管に入るタイムを確認しておこう」と考えてました。

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(補足) 今回の記録では、終盤のリフトで三段ジャンプを出せずに崖掴まりしてしまっている。

 

―― 2019年5月10日に15分04秒を出して以降、記録を更新するのに苦戦しているようにうかがえました。しかし、今年の3月頃からは、3回も記録を更新しています。何か変わったことがあったのでしょうか?

アッキー: 1つは『基礎動作が上がったこと』です。やり続けていたら自然と上がりました。未だに成長を実感できて本当に楽しいです。

あとは、『最近モチベーションが上がったこと』ですね。

去年の11月は、16枚RTAの配信を270時間行ない、15分切りペースを何度も経験しました。この時からいつ15分を切ってもおかしくない状態だったのですが、記録を出すことができず……。結局、1ヶ月以上モチベーションを保つことができずに終わってしまいました。

ただ、最近になり、とあることをきっかけにモチベーションが上がり、記録狙いを再開することにしたのです。そして、半月ほど継続して記録を狙ったところ、記録を更新できたので、『継続して取り組むこと』の大切さに気づきました。

ここ1ヶ月ほどはそれを意識して『1日1回は16枚RTA配信を行なう』という継続意思を持って取り組み、最終的に15分切りを達成しました。

 

―― 「とあることをきっかけに」とは、どのようなきっかけですか? 差し支えなければ教えてください。

アッキー: とあるマリオ64プレイヤーが、1ヶ月ほど前から16枚RTAを再開したんですよ。その方は技術を多く持っているプレイヤーで、実際何度か15分切りペースも出していました。

なので、「この人が15分切り狙いを続けていたら、先に出されてしまうのでは」という危機感が湧き、モチベーションが上がりました。

 

―― 記録が更新できない日々が続くと、投げ出してしまうプレイヤーが多いと思います。アッキーさんは、なぜ16枚RTAをやり続けられるのでしょうか? モチベーションを保つ秘訣があったりしますか?

アッキー: おそらく私は、マリオ64走者の中でも、モチベーションを保つのが苦手なほうだと思います。 調べれば分かりますが、少し前までは継続的な記録狙いをしていませんでした。

ただ、最近は、「15分を切りたい!」という強い思いと、モチベーションに繋がるきっかけが重なり爆発した感じです。このような感じで、モチベーションに繋がるきっかけがあると、私の中にあるモチベーションの種が短期間、爆発するんだと思います。

 

―― 今後も16枚RTAの世界記録の更新を続けるつもりですか?

アッキー: これからは120枚RTAを始めるための練習もしつつ、配信ではたま~に16枚RTAをやろうかなと考えています。

ただ、これはあくまで現段階の予定なので、この通りにするかは未来の僕の気分次第ですけどね(笑)

実際に120枚RTAを練習してみたら「ダメだ」と感じて16枚RTAに戻る可能性もありますし、別のゲームのRTAを私のメイン競技として始める可能性もあると思います。

今まで好きにやってきたので、今後も好きにやっていきたいと思います。

 

―― ご回答いただき有難うございました! 今後もアッキーさんのRTAの活動を楽しみにしています。

むすび

私はインタビューを通して、『RTAプレイヤーにとってモチベーションを保つことは永遠の課題だ』ということを再認識させられたのだが、読者の方々はどのような感想を抱いただろうか。

さて、今回の15分切りの記録だが、実はアッキー氏による解説動画が上がっているようだ。マリオ64に詳しくなくても楽しく視聴できる動画だと思うので、ぜひ視聴してみてほしい。

【RTA】スーパーマリオ64 16枚RTA 14:59.33 世界記録をガチ解説

また、今回15分切りを達成したアッキー氏は、Twitchとニコニコ生放送でよく配信している。

この記事(インタビュー)を読んで同氏のことが気になった方は、視聴してみてはいかがだろうか。

(本記事で使用している画像は、アッキー氏からご許可をいただいて使用&私の手持ちの動画から)

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