X(旧ツイッター)などで最近流行っているのが、リポストするだけで応募できる懸賞である。
ボタンでポチっとすると応募できる分、ハードルが低い。お菓子やビールがその場で当たるので応募しやすいが、砂漠で砂金を探すようなものではないか……とも思う。
雑誌の販売部数が下がっている今、アナログな方法で懸賞に応募したほうが当選確率は上がるのでは……?
・昔雑誌の懸賞に関わったことがある
雑誌がなんのために読者プレゼントをするのか。読者へのサービスももちろんあるが、それは「アンケートに答えてほしいから」に他ならない。アンケートは読者の生の声が聞ける貴重な機会。
昔、雑誌の編集部でバイトをしていたときに、懸賞ハガキの仕分けをしたことがあるのだが担当者からは「感想が書いてないものは弾いてほしい」と言われた。
ひとりで何十枚もはがきを出そうが、ハガキの四隅におまじないで★マークを書いていようが、感想ナシの時点で当選確率が下がる。そのくらい、読者からの感想ってのは重要なのだ。
で、私は自分でいうのも何だが、感想を書くのが得意である。ラジオやイベントなどでハガキが読まれることが多いのは密かな自慢だ。
このコメント力をもって編集者はこんな意見が聞きたいのではないか……と分析しながら、懸賞ハガキに応募していきたい。
・いざ、雑誌を買いに行く
というわけで近所で女性向け雑誌を買ってきた。
一応、プレゼントコーナーがある雑誌を選んで買ってきたのだが……まずここで衝撃の事実が発覚する。
いま、プレゼントコーナーのある女性誌自体が少ないのだ。昔は必ずといっていいほどプレゼントページがあったと思うんだけど……。
さらにテレビや最新の美容家電といった豪華なプレゼントが並んでいたと思うのだが、そうした豪華な景品は少なく、プレゼントの数も減っている。
部数も減って、広告も減っている昨今の雑誌不況を考えれば当然なのだが、昔を知るものとしてはこれはショックだった。雑誌の内容は昔と変わらず、たくさんの情報にあふれているというのに!
おそらく、女性誌は最近付録が豪華だからプレゼントより付録に予算をつけているのだろう。
・元気な雑誌はないのか…
なにかもっと景気のいいプレゼントはないのか……と、思いながら編集部を見ていて目に入ったのが「ヤングジャンプ(以下ヤンジャン)」であった。
ロケットニュース編集部のメンバーは『キングダム』のファンが多く、みんな毎週楽しみにヤンジャンを読んでいるのだ。
ふと、プレゼントコーナーを見ると……めっちゃ豪華!!
バックナンバーを見ても、だいたい毎週ニンテンドースイッチ、グルメ券、バルミューダのトースターなどが出ているではないか。さすが、漫画は景気がいいぞ。
40代女性の私はヤンジャンのターゲット層からズレているものの、毎週根気よく応募すればなにかゲットできるかもしれない。
ずっと欲しかった「バルミューダ」のために、本気で読んでヤンジャンに回答してやらあ!
・いざ応募じゃ
雑誌とはいえ、こうしたアンケートはQRコードから回答できるものも多い。
ところがどっこい、回答欄の多さよ……! ファッション誌ならば20問近い質問は当たり前。
・好きな特集3つ
・嫌いな特集3つ
・好きなコーディネートとその理由
・嫌いなコーディネートとその理由
……などなどかなり雑誌を読み込まないと回答できないものが多い。
挙句の果てに
・ここ1ヶ月で買った服のブランド3つ
・1ヶ月で買ったコスメ3つ
である。世の女性は一ヶ月で3つも服やコスメを買っているのか……? ここでユニクロとか書いたら振り落とされるのでは? 解答欄を埋めようと回答すればするほど、現実の自分と乖離していくような気がする。
・自由記述欄に渾身の力を込める
もはやこの記入だけでヘトヘトなのだが、腕の見せどころは自由記述欄である。読み手と書き手、両方の気持ちを知っているからこそ書けるものを書いていく。
まず、雑誌の中でも参考になった記事や読んでいて面白かった部分を「具体的に」書いていく。作り手にとって読者の感想ほど嬉しいものはないのだ。
さらに、次号以降で「こんな特集があったら嬉しい」という希望を書く。編集やライターは基本、ネタに困っているのでヒントを貰えるとありがたいのだ。
当てたいので本気も本気の回答である。ここまで自分のライター力を使ったのは久しぶりかもしれない。その勢いで記事書けよって話なんだが。
気づけば雑誌1冊につき30分ほどの時間が経っていた。
ここまでの時間を使ったのだから絶対当てたい。死んでも当てたい。
ツイッターでポチッとリツイートすれば応募できるのとは労力があまりにも違いすぎる。果たして、この苦労のかいあって、私は懸賞を当てることができるのか……?
懸賞の結果が分かる3月以降に続報をお知らせしたいと思うので乞うご期待!
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.