ロータス『エヴォーラ』に搭載するエンジンは、トヨタ製の3.5リットルV6。いわゆる「2GR」だ。
「通常このエンジンはAT用で、MTと組み合わせません。しかし、私たちが改良を加えてMTを組み合わせています」。というのは、ロータスエンジニアリングでビークル・エンジニアリング・ディレクターを務めエヴォーラの開発を担当したロジャーベッカーさん。
「エンジンそのものは、大量生産でトヨタが作っているのと同じもの。しかし、改良を施したので、通常のトヨタ車のエンジンではありえない、同じエンジンとは考えられないほどのフィーリングです」
「インテークマニホールド、エキゾーストマニホールド……、それからエンジンマネージメント。同じエンジンを積むトヨタのクルマは静かでトルクを効かせることを重視していますが、私たちに静かさは必要ない。トルクやフィーリングを重視しました」
システムのハードウェア部分はイタリアのEFI社が開発し、味付けはロータスが担当。エンジンの制御プログラムが社外に持ち出されることは稀だが、トヨタはロータスにエンジン制御プログラムを開放し、スポーツカーに最適化したロータス専用のエンジン制御をおこなうことができたという。
出力は280馬力で、1350kgのボディを加速させる性能は「社内測定で0-100km/hの加速は5秒以内」とアナウンスされている。
なおエンジンは同じ2GR系でも、レクサスなどに積む直噴の「2GR-FSE」ではなく、通常のポート噴射の「2GR-FE」だ。
「2GR-FSEは魅力的な選択肢ですが、残念ながら横置き用がありませんでした」(ロジャーベッカーさん)