本当に頭のいい人の特徴は何か。精神科医の和田秀樹さんは「私の知り合いには、東大を卒業した賢くない医者がたくさんいる。医者であれ、弁護士であれ、その肩書を手に入れた時点では賢くて優秀だったかもしれないが、今でも優秀であるとは限らない。本当の意味で賢い人には共通点がある」という――。

※本稿は、和田秀樹『仕事も対人関係も落ち着けば、うまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

大学の卒業式の角帽
写真=iStock.com/witsarut sakorn
※写真はイメージです

数学なんて、考えたって、どうせわからない

「捨てる神あれば、拾う神あり」と考える

自分が正しいと思って行動したことでも、人の受け取り方は千差万別です。

きちんと評価してくれることもあれば、予想もしなかった角度から批判されて、ボコボコにされることもあります。

人に合わせようとしても、自分を見失って、焦りや不安が増すばかりですから、同じことをしても、「評価」や「見方」は人によって違う……と考えることが大切です。

大事なポイントは、「捨てる神あれば、拾う神あり」という視点を持つことです。

私がそう考えるようになったきっかけは、1987年に『受験は要領』という受験生向けの本を出版したことにあります。

この本は、「数学なんて、考えたって、どうせわからない」という自分の体験を元にして、「数学は自力で解かず、解答を暗記せよ」とか、「英単語を覚えるより、英短文を丸暗記せよ」など、実践的なテクニックを紹介したものです。

私からすれば、ごく当たり前のことを書いたつもりですから、「効果的な勉強法を教えてくれて、ありがとう」という反響が来るものと思っていました。