明 細 書
表示装置用フィルム、偏光板及びその製造方法、液晶表示装置 技術分野
[0001] 本発明は、表示装置用フィルム、偏光板及びその製造方法、液晶表示装置に関す る。
背景技術
[0002] 近年、ノートパソコンの薄型軽量化、大型画面化、高精細化の開発が進んでいる。
それに伴って、様々な表示装置用フィルム、特に、液晶偏光板用の保護フィルムもま すます薄膜化、広幅化、高品質ィ匕の要求が強くなつてきている。偏光板用保護フィル ムには、一般的にセルロースエステルフィルムが広く使用されている。セルロースエス テルフィルムは通常卷芯に巻かれてフィルム原反となり、保存、輸送されている。
[0003] これらのセルロースエステルフィルムは、これまで、専ら溶液流延法によって製造さ れてきた。溶液流延法とは、セルロースエステルを溶媒に溶解した溶液を流延してフ イルム形状を得た後、溶媒を蒸発 ·乾燥させてフィルムを得ると ヽつた製膜方法であ る。溶液流延法で製膜したフィルムは平面性が高いため、これを用いてムラのない高 画質な液晶ディスプレイを得ることができる。
[0004] しかし、溶液流延法は多量の有機溶媒を必要とし、環境負荷が大き 、ことも課題と なっていた。セルロースエステルフィルムは、その溶解特性から、環境負荷の大きい ノ、ロゲン系溶媒を用いて製膜されているため、特に溶剤使用量の削減が求められて おり、溶液流延製膜によってセルロースエステルフィルムを増産することは困難となつ てきている。
[0005] また、フィルム内部に残存する溶媒を除去しなければならな 、ため、乾燥ライン、乾 燥エネルギー、及び蒸発した溶媒の回収及び再生装置等、製造ラインへの設備投 資及び製造コストが膨大になっており、これらを削減することも重要な課題となってい る。
[0006] また、一方、セルロースエステルにヒンダードフエノール酸化防止剤、ヒンダードアミ ン光安定剤、酸掃去剤をある添加量比で加えることによって、分光特性、機械特性の
改善を図った技術が開示されている(例えば、特許文献 1参照)。可塑剤として多価 アルコールエステル系可塑剤を用いる技術 (例えば、特許文献 2参照)、さらに多価 アルコールエステル系可塑剤を特定の構造に限定した技術 (例えば、特許文献 3参 照)も公開されている。
[0007] また、有機材料の劣化を防止する技術として、各種安定剤と亜燐酸エステル類を含 有する安定剤組成物が知られて ヽる(例えば、特許文献 4参照)。
[0008] し力し、 、ずれにしても光学用セルロースエステルフィルムにつ!/、ては、その製造 工程での溶媒使用に伴う製造負荷、設備負荷があり、また光学特性、機械特性も不 十分な状態にある。
[0009] 近年、銀塩写真用あるいは偏光子保護フィルム用として、セルロースエステルを溶 融製膜する試みが行われているが、セルロースエステルは溶融時の粘度が非常に高 い高分子であり、かつ、ガラス転移温度も高いため、セルロースエステルを溶融して ダイス力も押出し、冷却ドラムまたは冷却ベルト上にキャスティングしてもレべリングが し難い、光学特性、機械特性が溶液流延フィルムよりも低いといった課題を有してい ることが判明している(例えば、特許文献 5及び特許文献 6参照)。
[0010] このため、溶融製膜されたフィルムを卷芯に巻いたフィルム原反の状態で長期間保 存すると、馬の背故障やフィルム原反の卷芯部分には卷芯転写と呼ばれる故障及び 卷始めるときにフィルムにシヮが発生しやす!/、問題があることが判明した。
[0011] 馬の背故障とは、馬の背中のようにフィルム原反が U字型に変形し、中央部付近に 2〜3cm程度のピッチで帯状の凸部ができる故障で、フィルムに変形が残ってしまう ため、偏光板にカ卩ェすると表面が歪んで見えてしまうため問題である。今まで、馬の 背故障はベース同士の動摩擦係数を低くしたり、両サイドにあるナーリング加工 (ェン ボス加工)の高さを調節することによって発生を低減させてきた。
[0012] また、卷芯転写は、卷芯ゃフィルムの凹凸によって発生するフィルム変形故障であ る。このようなフィルムの変形があると、偏光板に加工した場合、表面が歪んで見えて しまうため、問題である。
[0013] また液晶ディスプレイの最表面に設置するセルロースエステルフィルムは、クリアノヽ ードコート加工やアンチグレア加工、アンチリクレクシヨン力卩ェが施されている。これら
のカロ工を行うとき、セルロースエステルフィルムの表面が変形していると、塗布ムラや 蒸着ムラとなり、製品収率を大幅に劣化させる原因となる。
[0014] 従来の溶液流延で作製したフィルムではこれらの故障は、大きな問題にならなかつ たが、溶融製膜で作製したフィルムでは、フィルムの平面性が低いため大きな問題と なることが分力つた。
[0015] 特に、近年、大型画面化に伴って、フィルム原反の幅は広ぐ卷長は長くすることが 要望されている。そのため、フィルム原反は幅広となり、フィルム原反荷重は増加する 傾向にあり、これらの故障がより発生しやすい状況のため、改良が望まれている。 特許文献 1 :特開 2003— 192920号公報
特許文献 2 :特開 2003— 12823号公報
特許文献 3:特開 2003 - 96236号公報
特許文献 4:特開平 11― 222493号公報
特許文献 5:特表平 6 - 501040号公報
特許文献 6:特開 2000— 352620号公報
発明の開示
[0016] 本発明の目的は、長期間保存しても馬の背故障や凸状故障等のフィルム原反の変 形故障が発生しない表示装置用フィルム、特に、セルロースエステルフィルムを使用 した偏光板保護フィルム、偏光板及びその製造方法、該偏光板を用いた液晶表示装 置を提供することにある。
[0017] 上記目的を達成するための、本発明の態様の一つは、セルロースエステル及び下 記一般式 (I)又は一般式 (la)で表される化合物を含有することを特徴とする表示装 置用フィルムにある。
図面の簡単な説明
[0018] [図 1]本発明に係る表示装置用フィルムの製造方法を実施する装置の 1つの実施形 態を示す概略フローシートである。
[図 2]図 1の製造装置の要部拡大フローシートである。
[図 3]図 3 (a)は流延ダイの要部の外観図、図 3 (b)は流延ダイの要部の断面図である
[図 4]挟圧回転体の第 1実施形態の断面図である。
[図 5]挟圧回転体の第 2実施形態の回転軸に垂直な平面での断面図である。
[図 6]挟圧回転体の第 2実施形態の回転軸を含む平面での断面図である。
[図 7]液晶表示装置の構成図の概略を示す分解斜視図である。
[図 8]表示装置用フィルム原反の保管の状態を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
[0020] (1) セルロースエステル及び下記一般式 (I)又は一般式 (la)で表される化合物を 含有することを特徴とする表示装置用フィルム。
[0022] (式中、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。なお、 R
2 5 2 と R、 Rと R、又は Rと Rとは、互いに結合して環を形成しても良い。 Rは水素原子
3 3 4 4 5 6 または置換基を表し、 nは 1〜4の整数を表す。 nが 1であるとき、 Rは置換基を表し、 n力 〜 4であるとき、 Rは 2〜4価の連結基を表す。)
[0024] (式中、 nは 2〜4の整数を表す。 mは 1〜3の整数を表す。 R 及び R はおのおの互
いに独立して水素原子又は置換基を表す。 R は水素原子又は置換基を表す。なお ta
、R 同士が互いに結合して環を形成しても良い。 R は 2〜4価の連結基を表す。) ta ka
(2) 前記一般式 (I)中、 nが 1である場合の R、又は、前記一般式 (la)中の R は、
1 la 共役系の置換基であることを特徴とする前記(1)に記載の表示装置用フィルム。
[0025] (3) 前記一般式 (I)で表される化合物力 下記一般式 (I 1)で表される化合物で あることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の表示装置用フィルム。
[0027] (式中、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。 R〜R
2 5 7 11 はおのおの互いに独立して水素原子、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基、炭素原 子数 1ないし 18のアルコキシ基を表す。)
(4) 前記一般式 (1-1)中、 R〜R のハメットの σ 値の総和が 0以下であることを
7 11 Ρ
特徴とする前記(1)〜(3)の 、ずれか 1項に記載の表示装置用フィルム。
(5) 前記一般式 (I)で表される化合物が、下記一般式 (I 2)で表される化合物で あることを特徴とする前記(1)〜 (4)の 、ずれか 1項に記載の表示装置用フィルム。
[0028] [化 4]
[0029] (式中、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。 )
(6) 前記一般式 (I)中、 Rが水素原子であることを特徴とする前記(1)〜(5)のい
5
ずれか 1項に記載の表示装置用フィルム。
(7) 前記一般式 (la)で表される化合物が、下記一般式 (I 3)で表される化合物で あることを特徴とする前記(1)に記載の表示装置用フィルム。
[0031] (式中、 R、 R、 R、 R、 Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表
1 2 3 5 6
す。なお、 Rと Rは、互いに結合して環を形成しても良い。 Xは 2価の連結基を表す
2 3
o )
(8) 下記一般式 (A)で表される化合物を含有することを特徴とする前記(1)〜 (7) のいずれか 1項に記載の表示装置用フィルム。
[0032] [化 6]
[0033] (式中、 R 〜R はおのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。)
11 16
(9) ホスホナイト系化合物を含有することを特徴とする前記(1)〜(8)の 、ずれか 1項に記載の表示装置用フィルム。
[0034] (10) 前記表示装置用フィルムの 450nmの光束の透過率が 90%以上であること を特徴とする前記(1)〜(9)の 、ずれか 1項に記載の表示装置用フィルム。
(11) 前記セルロースエステルは、混合脂肪酸エステルである事を特徴とする前記(
1)〜(10)の 、ずれか 1項に記載の表示装置用フィルム。
[0035] (12) 前記セルロースエステルのァシル基総炭素数力 6. 1以上、 7. 5以下であ ることを特徴とする前記(1)〜(11)の 、ずれか 1項に記載の表示装置用フィルム。
(13) 前記表示装置用フィルムは、長尺状のフィルムをロール状にしたものであるこ とを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれ力 1項に記載の表示装置用フィルム。
(14) 前記表示装置用フィルムは、液晶表示装置用の偏光板保護フィルムであるこ とを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれ力 1項に記載の表示装置用フィルム。
[0036] (15) 前記(14)に記載の偏光板保護フィルムを偏光子の少なくとも一方の面に有 することを特徴とする偏光板。
[0037] (16) 前記偏光板保護フィルムをロール状の長尺に卷取り、その後巻き状態から 繰り出して偏光子と貼り合わせることを特徴とする前記(15)に記載の偏光板の製造 方法。
[0038] (17) 前記偏光板保護フィルムが、セルロースエステルと前記一般式 (1)、 (la)、(I
- 1) , (1- 2)または (I 3)で表される化合物から選択される少なくとも一種を含有 する溶融物を用いて溶融流延法によって製造されたセルロースエステルフィルムで あることを特徴とする前記(15)に記載の偏光板の製造方法。
[0039] (18) 前記(15)に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に用いることを 特徴とする液晶表示装置。
[0040] (19) 前記(16)または(17)に記載の偏光板の製造方法で製造された偏光板を 液晶セルの少なくとも一方の面に用いることを特徴とする液晶表示装置。
[0041] 本発明により、長期間保存しても馬の背故障や凸状故障等のフィルム原反の変形 故障が発生しない表示装置用フィルムを使用した偏光板保護フィルム、偏光板及び その製造方法、該偏光板を用いた液晶表示装置を提供することができる。
[0042] 以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する力 本発明は これらに限定するものではない。
[0043] 本発明は、表示装置用フィルムにおいて、表示装置用フィルムがセルロースエステ ル及び前記一般式 (I)又は (la)で表される化合物を含有することが特徴である。
[0044] 表示装置用フィルムとは、液晶表示装置やプラズマディスプレイパネル、有機 ELデ
イスプレイなどで用いられる各種フィルムを言うものである。例えば、液晶表示装置で 用いられる偏光板保護フィルム、無配向フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム 、反射防止フィルム又は防眩フィルム等の各種フィルム力 表示装置用フィルムに含 まれる。特に好ましくは、本発明のフィルム力 液晶表示装置の偏光板保護フィルム に用いられることである。
[0045] 表示装置用フィルムは、液晶表示装置に用いられる偏光板保護フィルムとして用い られる液晶表示装置のサイズのフィルム、及び、長尺状のフィルムを含むものとする。 長尺状のフィルムとしては、長さが 100m以上、 lOOOOm以下であることが好ましい。 特に、長尺状のフィルムをロール状にして扱う場合、本発明の効果がより発揮される。 好ましくは、本発明の表示装置用フィルム力 セルロースエステルフィルムを有し、当 該セルロースエステルフィルム力 一般式 (I)又は (la)で表される化合物を含有する ことである。尚、表示装置用フィルムは、セルロースエステルフィルムのみからなって V、てもよ 、し、セルロースエステルフィルムに他の層を設けたものであっても良 、。
[0046] 次に本発明の一般式 (I)の化合物にっ 、て説明する。
[0047] 前記一般式 (I)において、 R 〜Rはおのおの互に独立して水素原子または置換基
2 5
を表す。 Rと R 、 Rと R、または Rと Rは、互いに結合して環を形成してもよい。 R
2 3 3 4 4 5 6 は水素原子または置換基を表し、 nは 1〜4の整数を表し、 nが 1であるとき、 Rは置 換基を表し、 nが 2〜4であるとき、 Rは 2〜4価の連結基を表す。
[0048] R 〜Rで表される置換基は、特に制限はな!/、が、例えば、アルキル基 (例えば、メ
1 6
チル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 t ブチル基、ペンチル基、へキシ ル基、ォクチル基、ドデシル基、トリフルォロメチル基等)、シクロアルキル基 (例えば、 シクロペンチル基、シクロへキシル基等)、ァリール基(例えば、フエ-ル基、ナフチル 基等)、ァシルァミノ基 (例えば、ァセチルァミノ基、ベンゾィルァミノ基等)、アルキル チォ基 (例えば、メチルチオ基、ェチルチオ基等)、ァリールチオ基 (例えば、フエ二 ルチオ基、ナフチルチオ基等)、ァルケ-ル基 (例えば、ビニル基、 2—プロぺニル基 、 3 ブテュル基、 1ーメチルー 3 プロぺ-ル基、 3 ペンテ-ル基、 1ーメチルー 3 ーブテニル基、 4一へキセ -ル基、シクロへキセニル基等)、ハロゲン原子(例えば、 フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基 (例えば、プロパル
ギル基等)、複素環基 (例えば、ピリジル基、チアゾリル基、ォキサゾリル基、イミダゾリ ル基等)、アルキルスルホ -ル基(例えば、メチルスルホ -ル基、ェチルスルホ -ル基 等)、ァリールスルホ -ル基(例えば、フエ-ルスルホ-ル基、ナフチルスルホ -ル基 等)、アルキルスルフィエル基(例えば、メチルスルフィエル基等)、ァリールスルフィ- ル基(例えば、フエ-ルスルフィエル基等)、ホスホノ基、ァシル基(例えば、ァセチル 基、ビバロイル基、ベンゾィル基等)、力ルバモイル基 (例えば、ァミノカルボ-ル基、 メチルァミノカルボ-ル基、ジメチルァミノカルボ-ル基、ブチルァミノカルボ-ル基、 シクロへキシルァミノカルボ-ル基、フエ-ルァミノカルボ-ル基、 2—ピリジルァミノ力 ルポ-ル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホ -ル基、メチルアミノスルホ- ル基、ジメチルアミノスルホ -ル基、ブチルアミノスルホ -ル基、へキシルアミノスルホ -ル基、シクロへキシルアミノスルホ -ル基、ォクチルアミノスルホ -ル基、ドデシルァ ミノスルホ-ル基、フエ-ルアミノスルホ -ル基、ナフチルアミノスルホ -ル基、 2—ピリ ジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基 (例えば、メタンスルホンアミド基、ベン ゼンスルホンアミド基等)、シァノ基、アルコキシ基 (例えば、メトキシ基、エトキシ基、 プロポキシ基等)、ァリールォキシ基 (例えば、フエノキシ基、ナフチルォキシ基等)、 複素環ォキシ基、シロキシ基、ァシルォキシ基 (例えば、ァセチルォキシ基、ベンゾィ ルォキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、ァミノカルボニルォキシ基、アミノ基 (例えば、アミノ基、ェチルァミノ基、ジメチルァミノ基、プチルァミノ基、シクロペンチ ルァミノ基、 2—ェチルへキシルァミノ基、ドデシルァミノ基等)、ァ-リノ基 (例えば、フ ェ-ルァミノ基、クロ口フエ-ルァミノ基、トルイジノ基、ァ-シジノ基、ナフチルァミノ基
、 2—ピリジルァミノ基等)、イミド基、ウレイド基 (例えば、メチルウレイド基、ェチルウレ イド基、ペンチルゥレイド基、シクロへキシルウレイド基、ォクチルゥレイド基、ドデシル ウレイド基、フエ-ルゥレイド基、ナフチルウレイド基、 2—ピリジルアミノウレイド基等) 、アルコキシカルボ-ルァミノ基(例えば、メトキシカルボ-ルァミノ基、フエノキシカル ボ-ルァミノ基等)、アルコキシカルボ-ル基(例えば、メトキシカルボ-ル基、ェトキ シカルボ-ル基、フエノキシカルボ-ル等)、ァリールォキシカルボ-ル基(例えば、 フエノキシカルボ-ル基等)、複素環チォ基、チォウレイド基、カルボキシル基、カル ボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。これらの
置換基は同様の置換基によってさらに置換されて 、てもよ 、。
[0049] 前記一般式 (I)にお 、て、 R〜Rは水素原子またはアルキル基が好ま 、。
2 5
[0050] 前記一般式 (I)にお 、て、 Rは水素原子または置換基を表し、 Rで表される置換
6 6
基は、 R〜Rが表す置換基と同様な基を挙げることができる。 Rは置換基であって
2 5 5 もよいが、水素原子である事が好ましい。特に、 Rは水素原子が好ましい。
6
[0051] 前記一般式 (I)において、 nは 1〜4の整数を表す力 nが 1であるとき、 Rは置換基 を表し、上記で説明した通りである。 nが 2〜4の整数であるとき、 Rはそれぞれ対応 して 2〜4価の連結基を表す。
[0052] 尚、 nが 1である場合、 Rは、共役系の置換基である事が好ましい。共役系の置換 基の例としては、エチレン、アセチレン、ブタジエン、ピリジン、アントラセン、ピレン、フ ラン、ベンゼン環、ナフタレンなどの芳香族炭化水素ゃ複素環などが挙げられる。好 ましくは、ベンゼン環、ナフタレンなどの芳香族炭化水素である。
[0053] R力^〜 4価の連結基を表すとき、 2価の連結基として例えば、置換基を有してもよ い 2価のアルキレン基、置換基を有してもよい 2価のァリーレン基、酸素原子、窒素原 子、硫黄原子、あるいはこれらの連結基の組み合わせを挙げることができる。
[0054] 3価の連結基としては、例えば、置換基を有してもよ!、3価のアルキレン基、置換基 を有してもよい 3価のァリーレン基、窒素原子、あるいはこれらの連結基の組み合わ せを挙げることができ、 4価の連結基として例えば、置換基を有してもよい 4価のアル キレン基、置換基を有してもよい 4価のァリーレン基、あるいはこれらの連結基の組み 合わせを挙げることができる。
[0055] 前記一般式 (I)において、 nは 1が好ましぐその時の Rは置換または無置換のフエ -ル基が好ましい。より具体的には、前述の一般式 (1—1)であることが好ましい。前 記一般式 (I 1)において、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子または置換
2 5
基を表す。 R〜R はおのおの互いに独立して水素原子、炭素原子数 1ないし 18の
7 11
アルキル基、炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基を表す。
[0056] 前記一般式(I 1)において、 R〜R のハメットの σ 値の総和が 0以下である事
7 11 Ρ
が好ましい。ここで、本明細書中で用いられる σ ρ値について説明する。ハメット則 はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるため
に 1935年 L. P. Hammettにより提唱された経験則である力 これは今日広く妥当 性が認められている。ノ、メット則により求められた置換基定数には σ p値と σ m値が あり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができる力 例え «J. A. Dean 編、「Lange's Handbook of Chemistry」第 12版、 1979年(McGraw— Hill)や「ィ匕学の 領域」増刊、 122号、 96〜103頁、 1979年 (南光堂)に詳しい。なお、本発明におい て各置換基をハメットの置換基定数 σ ρ値により限定したり、説明したりするが、これ は上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味 ではなぐその値が文献未知であってもノ、メット則に基づ 、て測定した場合にその範 囲内に含まれるであろう置換基をも含むことは 、うまでもな 、。本明細書にぉ 、て、 σ ρ値はこの意味を表わす。
[0057] 前記一般式 (I 1)の好ましい一例として、前記一般式 (I 2)の化合物が挙げられ る。前記一般式(I 2)において、 R 〜Rはおのおの互いに独立して水素原子また
2 5
は置換基を表す。
[0058] 次に本発明の一般式 (la)の化合物にっ 、て説明する。
[0059] 前記一般式(la)にお!/、て、 nは 2〜4の整数を表す。 mは 1〜3の整数を表す。 R la 及び R
oaは各々独立して水素原子又は置換基を表す。 R
taは水素原子又は置換基を 表す。なお、 R
ta同士が互いに結合して環を形成してもよい。 R
kaは 2〜4価の連結基 を表す。
[0060] R 及び R の具体例については、上述した R及び Rについての説明を適用できる la 6a 1
。尚、 nが 1である場合、 R は、共役系の置換基である事が好ましい。共役系の置換 la
基の例としては、エチレン、アセチレン、ブタジエン、ピリジン、アントラセン、ピレン、フ ラン、ベンゼン環、ナフタレンなどの芳香族炭化水素ゃ複素環などが挙げられる。好 ましくは、ベンゼン環、ナフタレンなどの芳香族炭化水素である。
[0061] 前記一般式 (la)の好ましい一例として、前記一般式 (I 3)の化合物が挙げられる 前記一般式(1— 3)において、 R , R , R , R , Rはおのおの互いに独立して水素
1 2 3 5 6
原子または置換基を表す。なお、 Rと Rは、互いに結合して環を形成してもよい。 X
2 3
は 2価の連結基を表す。
[0062] 次に、一般式 (I)について別の観点力も詳細に説明する。
[0063] nは 1または 2が好ましく; nが 1であるとき、 Rはおのおの未置換の、または炭素原 子数 1ないし 4のアルキル基、炭素原子数 1ないし 4のアルコキシ基、炭素原子数 1な いし 4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、炭素原子数 1ないし 4のアルキルアミノ基、フエ-ルァミノ基またはジ (炭素原子数 1な 、し 4のアルキル) —ァミノ基で置換された、ナフチル基、フエナントリル基、アントリル基、 5, 6, 7, 8— テトラヒドロー 2 ナフチル基、 5, 6, 7, 8—テトラヒドロー 1 ナフチル基、チェ-ル 基、ベンゾ [b]チェニル基、ナフト [2, 3— b]チェニル基、チアントレ-ル基、ジベン ゾフリル基、クロメニル基、キサンテュル基、フエノキサンチニル基、ピロリル基、イミダ ゾリル基、ピラゾリル基、ビラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニ ル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、ィ ソキノリル基、キノリル基、フタルアジ二ル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キ ナゾリニル基、シノリル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、 e カルボリニル基、フ 工ナンチリジ-ル基、アタリジ-ル基、ペリミジ -ル基、フエナント口リニル基、フエナジ -ル基、イソチアゾリル基、フ ノチアジ-ル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、ビ フエ-ル基、テルフエ-ル基、フルォレニル基またはフエノキサジ-ル基を表す力、あ るいは Rは下記式 (II)で表される基
[0064] [化 7]
[0065] を表し、ならびに; nが 2であるとき、 Rは未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のァ ルキル基もしくはヒドロキシ基により置換されたフエ-レン基、またはナフチレン基を表 すか;または— R — X— R —(基中、 Xは直接結合;酸素原子、硫黄原子もしくは—
12 13
NR —を表す。)を表す。
[0066] R、 R、 R及び Rはおのおの互いに独立して水素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、
2 3 4 5
炭素原子数 1な 、し 25のアルキル基、炭素原子数 7な!、し 9のフエ-ルアルキル基、 未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フ -ル基、未置換のもし くは炭素原子数 1な 、し 4のアルキル—置換炭素原子数 5な!、し 8のシクロアルキル 基;炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキルチオ 基、炭素原子数 1ないし 4のアルキルアミノ基、ジ (炭素原子数 1ないし 4のアルキル) アミノ基、炭素原子数 1ないし 25のアルカノィルォキシ基、炭素原子数 1ないし 25の アルカノィルァミノ基、炭素原子数 3ないし 25のアルケノィルォキシ基;酸素原子、硫 黄原子もしくは— N (R )—を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし 25のアルカノィ
14
ルォキシ基;炭素原子数 6な!、し 9のシクロアルキルカルボ-ルォキシ基、ベンゾィル ォキシ基または炭素原子数 1ないし 12のアルキル 置換ベンゾィルォキシ基を表し 、あるいは置換基 R及び Rまたは、 R及び Rまたは R及び Rは、互いに結合して
2 3 3 4 4 5
環を形成してもよい。
[0067] なお、環を形成してもよいという、その具体的な環をしては下記の様なものが挙げら れる。
[0068] 該環としては、 5〜6員の環が好ましぐ例えば、シクロペンテン環、シクロへキセン 環、ベンゼン環、ピリジン環、ジヒドロピラン環、テトラヒドロピリジン環、ナフタレン環等 が挙げられる。
[0069] Rはさらに一(CH ) p— COR または一(CH ) qOH (式中、 pは 0、 1または 2を表
4 2 15 2
し; qは 1、 2、 3、 4、 5及び 6を表す。)を表し;あるいは R、 R及び Rが水素原子を表
3 5 6
す場合、 Rはさらに下記式 (III)
4
[0070] [化 8]
[0071] (式中、 Rは n= lに対して上記で定義されたと同じ意味を表す。)で表される基を表
す。
[0072] Rは水素原子または下記式 (IV)
6
[0073] [化 9]
[0074] (式中、 Rは式 (III)の基でなく及び Rは n= 1に対して上記で定義されたと同じ意味
4 1
を表す。)で表される基を表す。
[0075] R、 R、 R、 R 及び R はおのおの互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒド
7 8 9 10 11
ロキシ基、炭素原子数 1ないし 25のアルキル基;酸素原子、硫黄原子もしくは— N (R ) -を炭素鎖の中に含む炭素原子数 2な 、し 25のアルキル基;炭素原子数 1な!、し
14
25のアルコキシ基;酸素原子、硫黄原子もしくは— N (R )—を炭素鎖の中に含む
14
炭素原子数 2ないし 25のアルコキシ基;炭素原子数 1ないし 25のアルキルチオ基、 炭素原子数 3な!、し 25のァルケ-ル基、炭素原子数 3な!、し 25のァルケ-ルォキシ 基、炭素原子数 3ないし 25のアルキニル基、炭素原子数 3ないし 25のアルキニルォ キシ基、炭素原子数 7ないし 9のフエニルアルキル基、炭素原子数 7ないし 9のフエ- ルアルコキシ基、未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フエ-ル 基、未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フヱノキシ基;未置換の もしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキ ル基;未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換炭素原子数 5ないし 8のシクロアルコキシ基;炭素原子数 1ないし 4のアルキルアミノ基、ジ (炭素原子数 1 ないし 4アルキル)アミノ基、炭素原子数 1ないし 25のアルカノィル基;酸素原子、硫 黄原子もしくは— N (R )—を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし 25のアルカノィ
14
ル基;炭素原子数 1な 、し 25のアルカノィルォキシ基;酸素原子、硫黄原子もしくは — N (R )—を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし 25のアルカノィルォキシ基;炭
14
素原子数 1な!/、し 25のアルカノィルァミノ基、炭素原子数 3な!/、し 25のァルケノィル
基;酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ない
14
し 25のアルケノィル基;炭素原子数 3な!、し 25のアルケノィルォキシ基;酸素原子、 硫黄原子もしくは— N (R )—を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし 25のァルケ
14
ノィルォキシ基;炭素原子数 6な!、し 9のシクロアルキルカルボ-ル基、炭素原子数 6 な!、し 9のシクロアルキルカルボ-ルォキシ基、ベンゾィル基または炭素原子数 1な V、し 12のアルキル置換ベンゾィル基;ベンゾィルォキシ基または炭素原子数 1な!、し 12のアルキル置換ベンゾィルォキシ基;
[0076] [化 10] ¾1
C—0 - R23
[0077] を表すか、また、式 (Π)中、置換基 R及び Rまたは R及び R のおのおのの対は、結
7 8 8 11
合して 、る炭素原子と一緒になつて、ベンゼン環を形成してもよ 、。
[0078] R 及び R はおのおの互いに独立して未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のァ
12 13
ルキルー置換フエ-レン基またはナフチレン基を表し; R は水素原子または炭素原
14
子数 1ないし 8のアルキル基を表し; R はヒドロキシ基、下記基
15
[0079] [化 11]
[ -0 -^-ΜΓ+ ]
[0080] (基中、 Μは r価の金属カチオンを表し、及び rは 1、 2もしくは 3を表す。 )、炭素原子 数 1ないし 18のアルコキシ基または
[0081] [化 12]
—
[0082] を表し; R 及び R はおのおの互いに独立して水素原子、 CF3、炭素原子数 1ない
16 17
し 12のアルキル基またはフエ-ル基を表す力 あるいは R 及び R は結合している
16 17
炭素原子と一緒になつて、未置換のもしくは 1な 、し 3個の炭素原子数 1な 、し 4のァ
ルキル基により置換された炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキリデン環を形成し; R
18 及び R はおのおの互いに独立して、水素原子、炭素原子数 1ないし 4のアルキル基
19
、フエ-ル基を表し; R は水素原子または炭素原子数 1ないし 4のアルキル基を表し
20
; R は水素原子、未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フヱニル
21
基、炭素原子数 1ないし 25のアルキル基;酸素原子、硫黄原子もしくは— N (R ) -
14 を炭素鎖の中に含む炭素原子数 2な 、し 25のアルキル基;未置換のもしくはフエ- ル部分にぉ 、て 1な 、し 3個の炭素原子数 1な 、し 4のアルキル基で置換された炭素 原子数 7ないし 9のフエ-ルアルキル基;酸素原子、硫黄原子もしくは— N (R )—を
14 炭素鎖の中に含み、かつ、未置換のもしくはフ -ル部分において 1ないし 3個の炭 素原子数 1な 、し 4のアルキル基で置換された炭素原子数 7な!、し 25のフエ-ルァ ルキル基を表し;あるいは R 及び R は結合している炭素原子と一緒になつて、未置
20 21
換のもしくは 1ないし 3個の炭素原子数 1ないし 4のアルキル基により置換された炭素 原子数 5ないし 12のシクロアルキレン環を形成し; R は水素原子または炭素原子数
22
1ないし 4のアルキル基を表し; R は水素原子、炭素原子数 1ないし 25のアルカノィ
23
ル基、炭素原子数 3ないし 25のァルケノィル基;酸素原子、硫黄原子もしくは— N (R ) -を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3な 、し 25のアルカノィル基;ジ (炭素原子数
14
1ないし 6のアルキル) ホスホネート基により置換された炭素原子数 2ないし 25のァ ルカノィル基;炭素原子数 6ないし 9のシクロアルキルカルボ-ル基、テノィル基、フロ ィル基、ベンゾィル基または炭素原子数 1な 、し 12のアルキル置換ベンゾィル基; [化 13]
0 0 O
— ll— _ » _ . . . _ n _ _
一 C— FE g ¾ C一
[0084] (基中、 sは 1または 2を表す。)を表し; R 及び R はおのおの互いに独立して水素
24 25
原子または炭素原子数 1ないし 18のアルキル基を表し; R は水素原子または炭素
26
原子数 1ないし 8のアルキル基を表し; R は直接結合、炭素原子数 1ないし 18のァ
27
ルキレン基;酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子
14
数 2ないし 18のアルキレン基;炭素原子数 2ないし 18のァルケ-レン基、炭素原子数 2ないし 20のアルキリデン基、炭素原子数 7ないし 20のフエ-ルアルキリデン基、炭 素原子数 5な!、し 8のシクロアルキレン基、炭素原子数 7な!、し 8のビシクロアルキレン 基、未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フエ-レン基、
[0086] を表し; R はヒドロキシ基、
28
[0087] [化 15]
[0088] 、炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基または
[0090] を表し; R は酸素原子、—NH—または
29
[0092] を表し; R は炭素原子数 1ないし 18のアルキル基またはフエ-ル基を表し; R は水
30 31 素原子または炭素原子数 1ないし 18のアルキル基を表す。
[0093] nが 1であるとき、 Rは、前記式(II)で表される基、おのおの未置換の、または炭素
1
原子数 1ないし 4のアルキル基、炭素原子数 1ないし 4のアルコキシ基、炭素原子数 1 ないし 4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、炭素原子数 1ない し 4のアルキルアミノ基またはジ (炭素原子数 1な 、し 4のアルキル)ーァミノ基で置換 された、ナフチル基、フエナントリル基、アントリル基、 5, 6, 7, 8—テトラヒドロ一 2— ナフチル基、 5, 6, 7, 8—テトラヒドロー 1 ナフチル基、チェニル基、ベンゾ [b]チ ェ-ル基、ナフト [2, 3— b]チェ-ル基、チアントレ-ル基、ジベンゾフリル基、クロメ -ル基、キサンテュル基、フ ノキサンチニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ビラゾリ ル基、ピラジュル基、ピリミジ -ル基、ピリダジ -ル基、インドリジニル基、イソインドリル 基、インドリル基、インダゾリル基、プリ-ル基、キノリジ -ル基、イソキノリル基、キノリ ル基、フタルアジニル基、ナフチリジ-ル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シノ リル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、 13 カルボリニル基、フ ナンチリジニル基 、アタリジ-ル基、ペリミジニル基、フエナント口リニル基、フエナジ-ル基、イソチアゾ リル基、フ ノチアジ-ル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、ビフヱ-ル基、テルフ ェニル基、フルォレニル基またはフエノキサジ-ル基は、代表的には 1 ナフチル基 、 2 ナフチル基、 1 フエ-ルァミノー 4 ナフチル基、 1ーメチルナフチル基、 2— メチルナフチル基、 1ーメトキシ 2—ナフチル基、 2—メトキシ 1 ナフチル基、 1
ージメチルアミノー 2 ナフチル基、 1, 2 ジメチルー 4 ナフチル基、 1, 2 ジメチ ルー 6 ナフチル基、 1, 2 ジメチルー 7 ナフチル基、 1, 3 ジメチルー 6 ナフ チル基、 1, 4 ジメチルー 6 ナフチル基、 1, 5 ジメチルー 2 ナフチル基、 1, 6 ジメチルー 2—ナフチル基、 1ーヒドロキシ 2—ナフチル基、 2—ヒドロキシ 1 ナフチル基、 1, 4 ジヒドロキシ— 2 ナフチル基、 7—フエナントリル基、 1—アントリ ル基、 2 アントリル基、 9 アントリル基、 3 べンゾ [b]チェ-ル基、 5 べンゾ [b] チェ-ル基、 2 べンゾ [b]チェ-ル基、 4ージベンゾフリル基、 4, 7 ジベンゾフリ ル基、 4ーメチルー 7 ジベンゾフリル基、 2 キサンテュル基、 8—メチルー 2 キサ ンテュル基、 3 キサンテュル基、 2 フエノキサンチュル基、 2, 7 フエノキサンチ -ル基、 2 ピロリル基、 3 ピロリル基、 5—メチルー 3 ピロリル基、 2 イミダゾリル 基、 4 イミダゾリル基、 5 イミダゾリル基、 2—メチルー 4 イミダゾリル基、 2 ェチ ルー 4 イミダゾリル基、 2 ェチルー 5 イミダゾリル基、 3 ピラゾリル基、 1ーメチ ルー 3 ピラゾリル基、 1 プロピルー4 ピラゾリル基、 2 ピラジュル基、 5, 6 ジ メチルー 2 ピラジュル基、 2 インドリジ-ル基、 2—メチルー 3 イソインドリル基、 2 —メチルー 1—イソインドリル基、 1—メチル 2—インドリル基、 1—メチル 3—イン ドリル基、 1, 5 ジメチルー 2 インドリル基、 1ーメチルー 3 インダゾリル基、 2, 7 ジメチルー 8 プリ-ル基、 2—メトキシー7—メチルー 8 プリ-ル基、 2 キノリジ -ル基、 3—イソキノリル基、 6—イソキノリル基、 7—イソキノリル基、イソキノリル基、 3 ーメトキシー6 イソキノリル基、 2 キノリル基、 6 キノリル基、 7 キノリル基、 2—メ トキシー 3 キノリル基、 2—メトキシー6 キノリル基、 6 フタラジュル基、 7 フタラ ジ-ル基、 1ーメトキシー6 フタラジュル基、 1, 4ージメトキシー 6 フタラジュル基、 1, 8 ナフチリジニー 2—ィル基、 2 キノキサリニル基、 6 キノキサリニル基、 2, 3 ジメチルー 6 キノキサリニル基、 2, 3 ジメトキシー 6 キノキサリニル基、 2 キ ナゾリ-ル基、 7 キナゾリ-ル基、 2 ジメチルアミノー 6 キナゾリニル基、 3 シノ リニル基、 6 シノリ-ル基、 7 シノリ-ル基、 3—メトキシー7 シノリ-ル基、 2 プ テリジ-ル基、 6 プテリジニル基、 7 プテリジニル基、 6, 7 ジメトキシ— 2 プテ リジ-ル基、 2—力ルバゾリル基、 2—力ルバゾリル基、 9ーメチルー 2—力ルバゾリル 基、 9ーメチルー 3—力ルバゾリル基、 β カルボリ- 3—ィル基、 1ーメチルー β
カルボリ- 3—ィル基、 1ーメチルー β カルボリ- 6—ィル基、 3 フエ-アン トリジニル基、 2—アタリジニル基、 3—アタリジニル基、 2 ペリミジニル基、 1 メチル 5 ペリミジ -ル基、 5 フエナント口リ-ル基、 6 フエナント口リ-ル基、 1 フエナ ジニル基、 2—フエナジ-ル基、 3 イソチアゾリル基、 4 イソチアゾリル基、 5 イソ チアゾリル基、 2 フエノチアジ-ル基、 3 フエノチアジ-ル基、 10—メチルー 3 フ エノチアジニル基、 3—イソキサゾリル基、 4 イソキサゾリル基、 5—イソキサゾリル基 、 4ーメチルー 3 フラザ-ル基、 2 フエノキサジ-ル基または 10—メチルー 2 フ エノキサジニル基が好まし 、。
特別に好ま 、上記置換基は、前記式 (II)で表される基、おのおの未置換の、また は炭素原子数 1ないし 4のアルキル基、炭素原子数 1ないし 4のアルコキシ基、炭素 原子数 1ないし 4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、フエニルァミノ基またはジ (炭素原 子数 1ないし 4のアルキル)ーァミノ基で置換された、ナフチル基、フエナントリル基、 アントリノレ基、 5, 6, 7, 8—テトラヒドロー 2 ナフチノレ基、 5, 6, 7, 8—テトラヒドロー 1 ナフチル基、チェ-ル基、ベンゾ [b]チェニル基、ナフト [2, 3— b]チェ-ル基、 チアントレ-ル基、ジベンゾフリル基、クロメニル基、キサンテュル基、フエノキサンチ
-ル基、ピロリル基、イソインドリル基、インドリル基、フヱノチアジ-ル基、ビフヱ-ル 基、テルフエ-ル基、フルォレニル基またはフエノキサジ-ル基であり、代表的には 1 ナフチル基、 2 ナフチル基、 1 フエ-ルァミノー 4 ナフチル基、 1 メチルナフ チル基、 2—メチルナフチル基、 1ーメトキシ 2—ナフチル基、 2—メトキシ 1ーナ フチル基、 1ージメチルアミノー 2 ナフチル基、 1, 2 ジメチルー 4 ナフチル基、 1 , 2 ジメチルー 6 ナフチル基、 1, 2 ジメチルー 7 ナフチル基、 1, 3 ジメチル 6 ナフチル基、 1, 4 ジメチルー 6 ナフチル基、 1, 5 ジメチルー 2 ナフチ ル基、 1, 6 ジメチルー 2 ナフチル基、 1ーヒドロキシ 2 ナフチル基、 2 ヒドロ キシ— 1—ナフチル基、 1, 4 ジヒドロキシ— 2 ナフチル基、 7 フエナントリル基、 1—アントリル基、 2 アントリル基、 9 アントリル基、 3 ベンゾ [b]チェ-ル基、 5— ベンゾ [b]チェ-ル基、 2 べンゾ [b]チェ-ル基、 4ージベンゾフリル基、 4, 7 ジ ベンゾフリル基、 4ーメチルー 7 ジベンゾフリル基、 2 キサンテュル基、 8 メチル 2 キサンテュル基、 3 キサンテュル基、 2 フエノキサンチュル基、 2, 7 フエ
ノキサンチュル基、 2—ピロリル基、 3—ピロリル基、 2—フエノチアジ-ル基、 3—フエ ノチアジ-ル基、 10—メチルー 3—フエノチアジ-ル基である。
[0095] ハロゲン置換基は、都合よくは、塩素置換基、臭素置換基またはヨウ素置換基であ る。塩素置換基が好ましい。
[0096] 25個までの炭素原子をもつアルカノィル基は枝分かれしたまたは枝分かれして ヽ ない基であり、例えば、ホルミル基、ァセチル基、プロピオニル基、ブタノィル基、ペン タノィル基、へキサノィル基、ヘプタノィル基、オタタノィル基、ノナノィル基、デカノィ ル基、ゥンデカノィル基、ドデカノィル基、トリデカノィル基、テトラデカノィル基、ペン タデカノィル基、へキサデカノィル基、ヘプタデカノィル基、ォクタデカノィル基、エイ コサノィル基またはドコサノィル基である。
[0097] 2ないし 18個の、より好ましくは 2ないし 12個の、特に 2ないし 6個の炭素原子のァ ルカノィル基が好まし ヽ。ァセチル基が特別に好まし!/ヽ。
[0098] ジ (炭素原子数 1な 、し 6のアルキル)ホスホネート基により置換されて 、る炭素原 子数 2ないし 25のアルカノィル基は代表的には、(CH CH O) POCH CO—、 (CH
3 2 2 2
O) POCH CO—、 (CH CH CH CH O) POCH CO—、 (CH CH O) POCH
3 2 2 3 2 2 2 2 2 3 2 2 2
CH CO—、 (CH O) POCH CH CO—、 (CH CH CH CH O) POCH CH CO
2 3 2 2 2 3 2 2 2 2 2 2 一、 (CH CH O) PO (CH ) CO—、 (CH CH O) PO (CH ) CO—または(CH C
3 2 2 2 4 3 2 2 2 8 3
H O) PO (CH ) CO—である。
2 2 2 17
[0099] 25個までの炭素原子を持つアルカノィルォキシ基は、枝分かれしたまたは枝分か れしていない基であり、例えば、ホルミルォキシ基、ァセトキシ基、プロピオ二ルォキ シ基、ブタノィルォキシ基、ペンタノィルォキシ基、へキサノィルォキシ基、ヘプタノィ ルォキシ基、オタタノィルォキシ基、ノナノィルォキシ基、デカノィルォキシ基、ゥンデ カノィルォキシ基、ドデカノィルォキシ基、トリデカノィルォキシ基、テトラデカノィルォ キシ基、ペンタデカノィルォキシ基、へキサデカノィルォキシ基、ヘプタデカノィルォ キシ基、ォクタデカノィルォキシ基、ェキコサノィルォキシ基またはドコサノィルォキシ 基である。
[0100] 2ないし 18個の、より好ましくは 2ないし 12個の、例えば 2ないし 6個の炭素原子の アルカノィルォキシ基が好まし 、。ァセトキシ基が特別に好まし 、。
[0101] 3個な 、し 25個の炭素原子を持つアルケノィル基は枝分かれしたまたは枝分かれ していない基であり、例えば、プロぺノィル基、 2 ブテノィル基、 3 ブテノィル基、 イソブテノィル基、 n—2, 4 ペンタジエノィル基、 3—メチルー 2 ブテノィル基、 n 2—ォクテノィル基、 n—2—ドデセノィル基、ィソードデセノィル基、ォレオイル基、 n— 2 オタダデカノィル基または n— 4 ォクタデカノィル基である。
[0102] 3ないし 18個の、より好ましくは 3ないし 12個の、例えば 3ないし 6個の、最も好ましく は 3な 、し 4個の炭素原子のアルケノィル基が好まし 、。
[0103] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし
14
25のアルケノィル基は代表的には CH OCH CH CH = CHCO または CH OCH
3 2 2 3
CH OCH = CHCO である。
2 2
[0104] 3な 、し 25個の炭素原子をもつアルケノィルォキシ基は枝分かれしたまたは枝分か れしていない基であり、例えば、プロぺノィルォキシ基、 2 ブテノィルォキシ基、 3— ブテノィルォキシ基、イソブテノィルォキシ基、 n—2, 4—ペンタジエノィルォキシ基、 3—メチル 2 ブテノィルォキシ基、 n—2—ォクテノィルォキシ基、 n—2 ドデセノ ィルォキシ基、ィソードデセノィルォキシ基、ォレオイルォキシ基、 n—2—ォクタデセ ノィルォキシ基または n— 4—ォクタデセノィルォキシ基である。
[0105] 3ないし 18個の、より好ましくは 3ないし 12個の、代表的には 3ないし 6個の、最も好 ましくは 3な 、し 4個の炭素原子のアルケノィルォキシ基が好ま U 、。
[0106] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし
14
25のアルケノィルォキシ基は代表的には CH OCH CH CH=CHCOO または C
3 2 2
H OCH CH OCH二 CHCOO— 酸素原子、硫黄原子もしくは— N (R )—を炭素
3 2 2 14 鎖の中に含む炭素原子数 3ないし 25のアルカノィル基は代表的には CH -O-CH
3
CO—, CH -S -CH CO—、 CH NH— CH CO—、 CH N (CH ) CH C
2 3 2 3 2 3 3 2
O—、 CH -O-CH CH -OCH CO、 CH (O-CH CH ) O-CH CO—、 C
3 2 2 2 3 2 2 2 2
H (O-CH CH一) O-CH CO または CH— (O-CH CH
3 2 2 3 2 3 2 2
一) O— CH CO である。
4 2
[0107] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 3ないし
14
25のアルカノィルォキシ基は代表的には CH -O-CH COO—、 CH— S— CH
COO—、 CH -NH-CH COO—、 CH N (CH ) CH COO—、 CH O— C
3 2 3 3 2 3
H CH一 OCH COO—、 CH一(O— CH CH ) O— CH COO—、 CH一(O— C
2 2 2 3 2 2 2 2 3
H CH一) O-CH COO また
2 2 3 2
は CH - (O-CH CH -) O-CH COO である。
3 2 2 4 2
[0108] 炭素原子数 6ないし 9のシクロアルキルカルボ-ル基の例は、シクロペンチルカルボ ニル基、シクロへキシルカルボ-ル基、シクロへプチルカルボ-ル基及びシクロオタ チルカルボ-ル基である。シクロへキシルカルボ-ル基が好まし 、。
[0109] 炭素原子数 6ないし 9のシクロアルキルカルボ-ルォキシ基の例は、シクロペンチル カルボ-ルォキシ基、シクロへキシルカルボニルォキシ、シクロへプチルカルポ-ル ォキシ基及びシクロォクチルカルボ-ルォキシ基である。シクロへキシルカルボ-ル 才キシ基が好ましい。
[0110] 好ましくは 1ないし 3個の、最も好ましくは 1ないし 2個のアルキル基をもつ、炭素原 子数 1な 、し 12のアルキル—置換ベンゾィル基は o—、 m—もしくは p メチルベンゾ ィル基、 2, 3 ジメチルベンゾィル基、 2, 4 ジメチルベンゾィル基、 2, 5 ジメチ ルベンゾィル基、 2, 6 ジメチルベンゾィル基、 3, 4 ジメチルベンゾィル基、 3, 5 ージメチルベンゾィル基、 2—メチルー 6 ェチルベンゾィル基、 4 第三ブチルー ベンゾィル基、 2 ェチルベンゾィル基、 2, 4, 6 トリメチルベンゾィル基、 2, 6 ジ メチル 4 第三ブチルベンゾィル基または 3, 5—ジ第三ブチル ブチルベンゾィ ル基である。
[0111] 好ましい置換基は炭素原子数 1ないし 8のアルキル基、最も好ましくは炭素原子数 1な!、し 4のアルキル基である。
[0112] 好ましくは 1ないし 3個の、最も好ましくは 1ないし 2個のアルキル基をもつ、炭素原 子数 1な!、し 12のアルキル—置換ベンゾィルォキシ基は o—、 m—もしくは p メチル ベンゾィルォキシ基、 2, 3 ジメチルベンゾィルォキ基、 2, 4 ジメチルベンゾィル ォキシ基、 2, 5 ジメチルベンゾィルォキシ基、 2, 6 ジメチルベンゾィルォキシ基 、 3, 4ージメチルベンゾィルォキシ基、 3, 5 ジメチルベンゾィルォキシ基、 2—メチ ルー 6 ェチルベンゾィルォキシ基、 4 第三ブチルベンゾィルォキシ基、 2 ェチ ルベンンゾィルォキシ基、 2, 4, 6 トリメチルベンゾィルォキシ基、 2, 6 ジメチル
4 第三ブチルベンゾィルォキシ基及び 3 , 5 ジ第三ブチルベンゾィルォキシ基 である。
[0113] 好ましい置換基は炭素原子数 1ないし 8のアルキル基、最も好ましくは炭素原子数 1な!、し 4のアルキル基である。
[0114] 25個までの炭素原子をもつアルキル基は枝分かれしたまたは枝分かれして 、な ヽ 基であり、例えばメチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 η ブチル基、 第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、 2—ェチルブチル基、 η—ペンチル基 、イソペンチル基、 1ーメチルペンチル基、 1, 3 ジメチルブチル基、 η キシル基 1 メチルへキシル基、 η プチル基、イソへプチル基、 1, 1, 3, 3—テトラメチル ブチル基、 1 メチルヘプチル基、 3 メチルヘプチル基、 η—ォクチル基、 2 ェチ ルへキシル基、 1, 1, 3 トリメチルへキシル基、 1, 1, 3, 3—テトラメチルペンチル 基、ノニル基、デシル基、ゥンデシル基、 1ーメチルゥンデシル基、ドデシル基、 1, 1, 3, 3, 5, 5—へキサメチルへキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル 基、へキサデシル基、ヘプタデシル基、ォクタデシル基、エイコシル基またはドコシル 基である。
[0115] 好ましい R及び Rの意味は代表的には、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基であ
2 4
る。特に好ましい Rの意味は炭素原子数 1ないし 4のアルキル基である。
4
[0116] 3個な 、し 25個の炭素原子を持つアルケ-ル基は枝分かれしたまたは枝分かれし ていない基であり、例えば、プロぺニル基、 2 ブテニル基、 3 ブテニル基、イソブ テュル基、 η—2, 4 ペンタジェ-ル基、 3—メチルー 2 ブテュル基、 η—2—オタ テニル基、 η— 2—ドデセニル基、イソドデセニル基、ォレイル基、 η— 2—オタダデカ -ル基または η— 4 ォクタデ力-ル基である。
[0117] 3ないし 18個の、より好ましくは 3ないし 12個の、代表的には 3ないし 6個の、最も好 ましくは 3な 、し 4個の炭素原子のアルケニル基が好まし 、。
[0118] 3個な 、し 25個の炭素原子を持つアルケ-ルォキシ基は枝分かれしたまたは枝分 かれしていない基であり、例えば、プロべ-ルォキシ基、 2 ブテュルォキシ基、 3— ブテュルォキシ基、イソブテュルォキシ基、 η— 2, 4 ペンタジェ-ルォキシ基、 3— メチルー 2—ブテュルォキシ基、 η— 2—オタテュルォキシ基、 η— 2—ドデセ -ルォ
キシ基、イソドデセ-ルォキシ基、ォレイルォキシ基、 n— 2—オタダデ力-ルォキシ 基または n— 4—ォクタデカニルォキシ基である。
[0119] 3ないし 18個の、より好ましくは 3ないし 12個の、代表的には 3ないし 6個の、最も好 ましくは 3な 、し 4個の炭素原子のアルケニルォキシ基が好まし 、。
[0120] 3個な 、し 25個の炭素原子を持つアルキニル基は枝分かれしたまたは枝分かれし ていない基であり、例えば、プロピ-ル基( CH— C≡CH)、 2—プチ-ル基、 3—
2
ブチュル基、 n— 2—ォクチ-ル基、 n— 2—ドデシ-ル基である。
[0121] 3ないし 18個の、より好ましくは 3ないし 12個の、代表的には 3ないし 6個の、最も好 ましくは 3な 、し 4個の炭素原子のアルキニル基が好まし 、。
[0122] 3個な 、し 25個の炭素原子を持つアルキニルォキシ基は枝分かれしたまたは枝分 かれしていない基であり、例えば、プロピ-ルォキシ基(一 OCH— C≡CH)、 2—ブ
2
チュルォキシ基、 3 ブチュルォキシ基、 n— 2—ォクチ-ルォキシ基、 n— 2 ドデ シ-ルォキシ基である。
[0123] 3ないし 18個の、より好ましくは 3ないし 12個の、代表的には 3ないし 6個の、最も好 ましくは 3な 、し 4個の炭素原子のアルキニルォキシ基が好まし 、。
[0124] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 2ないし
14
25のァノレキノレ基は、代表的には CH -O-CH 一, CH—S— CH —、 CH—NH
3 2 3 2 3
-CH 一、 CH -N (CH ) CH —、 CH O— CH CH O— CH —、 CH (O
2 3 3 2 3 2 2 2 3
-CH CH ) O-CH 一、 CH (O-CH CH一) O— CH または CH—(O—
2 2 2 2 3 2 2 3 2 3
CH CH -) O-CH—である。
2 2 4 2
[0125] 炭素原子数 7ないし 9のフ -ルアルキル基は代表的には、ベンジル基、 α—メチ ルベンジル基、 α , α—ジメチルベンジル基及び 2—フエ-ルェチル基である。ベン ジル基及び α , α ジメチルベンジル基が好まし!/、。
[0126] 未置換のまたはフエ-ル部分で 1な!、し 3個の炭素原子数 1な!、し 4のアルキル基 で置換されている炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルキル基は代表的には、ベンジ ル基、 α メチルベンジル基、 α , α—ジメチルベンジル基、 2—フエ-ルェチル基 、 2 メチルベンジル基、 3 メチルベンジル基、 4 メチルベンジル基、 2, 4 ジメ チルベンジル基、 2, 6 ジメチルベンジル基または 4 第三ブチルベンジル基であ
る。ベンジル基が
好ましい。
[0127] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R )—を炭素鎖の中に含み、かつ、未置換のま
14
たはフエ-ル部分で 1な 、し 3個の炭素原子数 1な!、し 4のアルキル基で置換されて いる炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルキル基は、例えばフエノキシメチル基、 2— メチルフエノキシメチル基、 3—メチルフエノキシメチル基、 4 メチルフエノキシメチル 基、 2, 4 メチルフエノキシメチル基、 2, 3 メチルフエノキシメチル基、フエニルチ オメチル基、 N—メチルー N フエ-ルーメチル基、 N ェチルー N フエ-ルメチ ル基、 4 第三ブチルフエノキシメチル基、 4 第三ブチルフエ-キシエトキシメチル 基、 2, 4 ジ—第三ブチルフエノキシメチル、 2, 4 ジ—第三ブチルフエノキシエト キシメチル基、フエノキシエトキシエトキシエトキシメチル基、ベンジルォキシメチル基 、ベンジルォキシエトキシメチル基、 N べンジルー N ェチルメチル基または N— ベンジルー N—イソプロピルメチル基のような、枝分かれしたまたは枝分かれして!/ヽ ない基である。
[0128] 炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルコキシ基は代表的には、ベンジルォキシ基、 α メチルベンジルォキシ基、 α , α—ジメチルベンジルォキシ基及び 2—フエ-ル エトキシ基である。ベンジルォキシ基が好ましい。
[0129] 好ましくは 1ないし 3個、特に 1または 2個のアルキル基を含む、炭素原子数 1ないし 4のアルキル基で置換されたフエ-ル基の例は、 ο—、 m—もしくは ρ メチルフエ- ル基、 2, 3 ジメチルフエ-ル基、 2, 4 ジメチルフエ-ル基、 2, 5 ジメチルフエ- ル基、 2, 6 ジメチルフエ-ル基、 3, 4 ジメチルフエ-ル基、 3, 5 ジメチルフエ- ル基、 2—メチル—6 ェチルフエ-ル基、 4 第三ブチルフエ-ル基、 2 ェチルフ ェ-ル基及び 2, 6 ジェチルフエ-ル基である。
[0130] 好ましくは 1ないし 3個、特に 1または 2個のアルキル基を含む、炭素原子数 1ないし 4のアルキル基で置換されたフエノキシ基の例は、 o—、 m—もしくは p—メチルフエノ キシ基、 2, 3 ジメチルフエノキシ基、 2, 4 ジメチルフエノキシ基、 2, 5 ジメチル フエノキシ基、 2, 6 ジメチルフエノキシ基、 3, 4 ジメチルフエノキシ基、 3, 5 ジメ チルフエノキシ基、 2—メチルー 6 ェチルフエノキシ基、 4 第三ブチルフエノキシ基
、 2 ェチルフエノキシ基及び 2, 6 ジェチルフエノキシ基である。
[0131] 未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル基で置換された炭素原子数 5な いし 8のシクロアルキル基の例は、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメ チルシクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロへキシル基、ジメチルシクロ へキシル基、トリメチルシクロへキシル基、第三ブチルシクロへキシル基、シクロヘプ チル基及びシクロォクチル基である。シクロへキシル基及び第三ブチルシクロへキシ ル基が好ましい。
[0132] 未置換のもしくは炭素原子数 1な!、し 4のアルキル基で置換された炭素原子数 5な いし 8のシクロアルコキシ基の例は、シクロペントキシ基、メチルシクロペントキシ基、ジ メチルシクロペントキシ基、シクロへクソキシ基、メチルシクロへクソキシ基、ジメチルシ クロへクソキシ基、トリメチルシクロへクソキシ基、第三ブチルシクロへクソキシ基、シク 口ヘプトキシ基及びシクロオタトキシ基である。シクロへクソキシ基及び第三ブチルシ クロへキシキシ基が好まし ヽ。
[0133] 25個までの炭素原子をもつアルコキシ基は枝分かれしたまたは枝分かれして 、な い基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、 n—ブ トキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、へキソキシ基、ヘプトキシ 基、オタトキシ、デシルォキシ基、テトラデシルォキシ基、へキサデシルォキシ基また はォクタデシルォキシ基である。 1ないし 12個の、好ましくは 1ないし 8個の、例えば 1 な!、し 6個の炭素原子のアルコキシ基が好まし 、。
[0134] 酸素原子、硫黄原子もしくは N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 2ないし
14
25のァノレコキシ基は代表的には、 CH -O-CH CH O—、 CH— S— CH CH O
3 2 2 3 2 2 一、 CH -NH-CH CH O—、 CH— N (CH )— CH CH O—、 CH— O— CH
3 2 2 3 3 2 2 3 2
CH -O-CH CH O—、 CH (O-CH CH ) O— CH CH O—、 CH 一(O— CH
2 2 2 3 2 2 2 2 2 3
CH -) O-CH CH O または CH - (O— CH CH -) O— CH CH O であ
2 2 3 2 2 3 2 2 4 2 2 る。
[0135] 25個までの炭素原子をもつアルキルチオ基は枝分かれしたまたは枝分かれして ヽ ない基であり、例えばメチルチオ基、ェチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチ ォ基、 n—ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、
へキシルチオ基、へプチルチオ基、ォクチルチオ基、デシルチオ基、テトラデシルチ ォ基、へキサデシルチオ基またはォクタデシルチオ基である。 1ないし 12個の、好ま しくは 1な!、し 8個の、例えば 1な 、し 6個の炭素原子のアルキルチオ基が好まし 、。
[0136] 4個までの炭素原子をもつアルキルアミノ基は枝分かれしたまたは枝分かれして ヽ ない基であり、例えばメチルァミノ基、ェチルァミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピル アミノ基、 n—プチルァミノ基、イソプチルァミノ基または第三プチルァミノ基である。
[0137] ジ (炭素原子数 1な 、し 4のアルキルァミノ)基もまた、おのおの他方と独立した 2つ の部分は枝分かれしたまたは枝分かれしていないことを意味し、代表的には、ジメチ ルァミノ基、メチルェチルァミノ基、ジェチルァミノ基、メチルー n—プロピルアミノ基、 メチルイソプロピルアミノ基、メチルー n—ブチルァミノ基、メチルイソブチルァミノ基、 ェチルイソプロピルアミノ基、ェチルー n—ブチルァミノ基、ェチルイソブチルァミノ基 、ェチル一第三ブチルァミノ基、ジェチルァミノ基、ジイソプロピルアミノ基、イソプロピ ルー n—ブチルァミノ基、イソプロピルイソブチルァミノ基、ジー n—ブチルアミノ基ま たはジイソプチルァミノ基である。
[0138] 25個までの炭素原子を持つアルカノィルァミノ基は、枝分かれしたまたは枝分かれ していない基であり、例えば、ホルミルアミノ基、ァセチルァミノ基、プロピオ-ルァミノ 基、ブタノィルァミノ基、ペンタノィルァミノ基、へキサノィルァミノ基、ヘプタノィルアミ ノ基、オタタノィルァミノ基、ノナノィルァミノ基、デカノィルァミノ基、ゥンデカノィルアミ ノ基、ドデカノィルァミノ基、トリデカノィルァミノ基、テトラデカノィルァミノ基、ペンタデ カノィルァミノ基、へキサデカノィルァミノ基、ヘプタデカノィルァミノ基、ォクタデカノ ィルァミノ基、ェキコサノィルァミノ基またはドコサノィルァミノ基である。
[0139] 2ないし 18個の、好ましくは 2ないし 12個の、例えば 2ないし 6個の炭素原子のアル カノィルァミノ基が好まし 、。
[0140] 炭素原子数 1ないし 18の炭素原子をもつアルキレン基は枝分かれしたまたは枝分 かれしていない基であり、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン 基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、へキサメチレン基、ヘプタメチレン基、ォクタ メチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基またはォクタデカメチレン基である。
[0141] 炭素原子数 1ないし 12のアルキレン基が好ましぐ及び炭素原子数 1ないし 8のァ
ルキレン基が特に好まし 、。
[0142] 1ないし 3個の、好ましくは 1ないし 2個の枝分かれしたまたは枝分かれしていない基 を含む、炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換炭素原子数 5ないし 12のシクロアル キレン環の例は、シクロペンチレン、メチルシクロペンチレン、ジメチルシクロペンチレ ン、シクロへキシレン、メチルシクロへキシレン、ジメチルシクロへキシレン、トリメチル シクロへキシレン、第三ブチルシクロへキシレン、シクロへプチレン、シクロオタチレン またはシクロデシレン環である。シクロへキシレン及び第三ブチルシクロへキシレン環 が好ましい。
[0143] 酸素原子、硫黄原子または N (R ) を炭素鎖の中に含む炭素原子数 2ないし 1
14
8のァノレキレン基の例は一 CH -O-CH -CH -S-CH CH— NH
2 2 2 2 2
-CH -CH -N (CH ) CH CH O CH CH O CH C
2 2 3 2 2 2 2 2
H (O-CH CH -) O-CH -CH O CH CH ) O CH CH
2 2 2 2 2 2 2 2 3 2 2
- (O-CH CH ) O-CH—及び— CH CH— S— CH CH—である。
2 2 4 2 2 2 2 2
[0144] 炭素原子数 1ないし 18のァルケ-レン基は代表的にはビ-レン基、メチルビ-レン 基、オタテュルエチレン基またはドデセニルエチレン基である。炭素原子数 2ないし 8 のァノレケニレン基が好まし 、。
[0145] 2ないし 20個の炭素原子を持つアルキリデン基は代表的には、ェチリデン基、プロ ピリデン基、ブチリデン基、ペンチリデン基、 4ーメチルペンチリデン基、ヘプチリデン 基、ノニリデン基、トリデシリデン基、ノナデシリデン基、 1ーメチルェチリデン基、 1 ェチルプロピリデン基及び 1ーェチルペンチリデン基である。炭素原子数 2な!、し 8の アルキリデン基が好ましい。
[0146] 7ないし 20個の炭素原子を持つフエ-ルアルキリデン基の例はべンジリデン基、 2 フエニルェチリデン基及び 1 フエニル基 2—へキシリデン基である。炭素原子 数 7な!、し 9のフエ-ルアルキリデン基が好まし!/、。
[0147] 炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキレン基は 2つの自由電子価及び少なくとも 1つ の環単位をもつ不飽和炭化水素基であり、例えば、シクロペンチレン基、シクロへキ シレン基、シクロへプチレン基またはシクロオタチレン基である。シクロへキシレン基が 好ましい。
[0148] 炭素原子数 7な!、し 8のビシクロアルキレン基はビシクロへプチレン基及びビシクロ オタチレン基である。
[0149] 未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フエ-レン基またはナフ チレン基の例は 1, 2—, 1, 3—及び 1, 4 フエ-レン基; 1, 2—, 1, 3—, 1, 4—, 1, 6- , 1, 7- , 2, 6 または 2, 7 ナフチレン基である。 1, 4 フエ二レン基が好 ましい。
[0150] 好ましくは 1ないし 3個の、最も好ましくは 1または 2個の、枝分かれしたまたは枝分 かれして ヽな 、アルキル基を含む、炭素原子数 1な!、し 4のアルキル 置換炭素原 子数 5ないし 8のシクロアルキリデン環の例は、シクロペンチリデン、メチルシクロペン チリデン、ジメチルシクロペンチリデン、シクロへキシリデン、メチルシクロへキシリデン 、ジメチルシクロへキシリデン、トリメチルシクロへキシリデン、第三ブチルシクロへキシ リデン、シクロへプチリデン及びシクロオタチリデンである。シクロへキシリデン及び第 三ブチルシクロへキシリデンが好まし!/、。
[0151] 1価、 2価または 3価の金属カチオンは好ましくはアルカリ金属カチオン、アルカリ土 類金属カチオンまたはアルミニウムカチオンであり、例えば Na+、 K+、 Mg 、 Ca また は Al +である。
[0152] 興味深い一般式 (I)で表される化合物は、 nが 1であるとき、 R力 おのおの未置換
1
の、またはパラ位において、炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基、炭素原子数 1な V、し 18のアルキルチオ基もしくはジ (炭素原子数 1な 、し 4のアルキル)—ァミノ基に より置換されたフエ-ル基; 1ないし 5個のアルキル置換基中で同時に最大数 18個の 炭素原子数を含む一な 、し五置換されたアルキルフエ-ル基;おのおの未置換の、 または炭素原子数 1ないし 4のアルキル基、炭素原子数 1ないし 4のアルコキシ基、炭 素原子数 1ないし 4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基またはァミノ基で置換された、ナ フチル基、ビフヱ-ル基、テルフ -ル基、フ ナントリル基、アントリル基、フルォレ -ル基、カルバゾリル基、チェ-ル基、ピロリル基、フヱノチアジ-ル基または 5, 6, 7 , 8—テトラヒドロナフチル基を表す、化合物である。
[0153] 別の好ましい一般式 (I)で表される化合物は、 nが 2であるとき、 Rがー R — X— R
1 12 13
—を表し; R 及び R 力 Sフエ-レン基を表し; Xが酸素原子または— NR —を表し;及
び R が炭素原子数 1ないし 4のアルキル基を表す、化合物である。
31
[0154] さらに好ましい一般式 (I)で表される化合物は、 nが 1であるとき、 R力 おのおの未
1
置換の、または炭素原子数 1ないし 4のアルキル基、炭素原子数 1ないし 4のアルコキ シ基、炭素原子数 1ないし 4のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基 、炭素原子数 1な 、し 4のアルキルアミノ基またはジ (炭素原子数 1な 、し 4のアルキ ル)—ァミノ基で置換された、ナフチル基、フエナントリル基、チェ-ル基、ジベンゾフ リル基、カルバゾリル基、フルォレニル基を表すか、あるいは式(II)
[0155] [化 18]
[0156] で表される基を表し;
R、 R、 R、 R 及び R はおのおの互いに独立して水素原子、塩素原子、臭素原子
7 8 9 10 11
、ヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基;酸素原子もしくは硫黄原子で 中断された炭素原子数 2ないし 18のアルキル基;炭素原子数 1ないし 18のアルコキ シ基;酸素原子もしくは硫黄原子で中断された炭素原子数 2ないし 18のアルコキシ 基;炭素原子数 1ないし 18のアルキルチオ基、炭素原子数 3ないし 12のァルケ-ル ォキシ基、炭素原子数 3ないし 12のアルキ-ルォキシ基、炭素原子数 7ないし 9のフ ェ-ルアルキル基、炭素原子数 7ないし 9のフエ-ルアルコキシ基、未置換のもしくは 炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換フエ-ル基、フエノキシ基、シクロへキシル基 、炭素原子数 5ないし 8のシクロアルコキシ基;炭素原子数 1ないし 4のアルキルアミノ 基、ジ (炭素原子数 1ないし 4アルキル)アミノ基、炭素原子数 1ないし 12のアルカノィ ル基;酸素原子もしくは硫黄原子で中断された炭素原子数 3な ヽし 12のアルカノィル 基;炭素原子数 3な ヽし 12のアルカノィルォキシ基;酸素原子もしくは硫黄原子で中 断された炭素原子数 3ないし 12のアルカノィルォキシ基;炭素原子数 1ないし 12のァ ルカノィルァミノ基、炭素原子数 3ないし 12のァルケノィル基、炭素原子数 3ないし 1
2のァルケノィルォキシ基、シクロへキシルカルポ-ル基、シクロへキシルカルポ-ル ォキシ基、ベンゾィル基または炭素原子数 1な 、し 4のアルキル 置換ベンゾィル基 ;ベンゾィルォキシ基または炭素原子数 1な 、し 4のアルキル置換ベンゾィルォキシ 基;
[0157] [化 19]
O-C— C-R15 または
[0158] を表すか、また、式(Π)中、置換基 R及び Rまたは R及び R のおのおのの対は、結
7 8 8 11
合している炭素原子と一緒になつて、ベンゼン環を形成してもよい。 R はヒドロキシ
15
基、炭素原子数 1ないし 12のアルコキシ基または
[0159] [化 20]
— N
[0160] を表し; R 及び R はおのおの互いに独立して、水素原子または炭素原子数 1ないし
18 19
4のアルキル基を表し; R は水素原子を表し; R は水素原子、フ -ル基、炭素原
20 21
子数 1ないし 18のアルキル基、酸素原子もしくは硫黄原子で中断された炭素原子数 2な!、し 18のアルキル基、炭素原子数 7な!、し 9のフ -ルアルキル基;酸素原子も しくは硫黄原子で中断され、かつ、未置換のもしくはフエニル部分において 1ないし 3 個の炭素原子数 1ないし 4のアルキル基で置換された炭素原子数 7ないし 18のフエ -ルアルキル基を表し;あるいは R 及び R は結合している炭素原子と一緒になつて
20 21
、未置換のもしくは 1ないし 3個の炭素原子数 1ないし 4のアルキル基により置換され たシクロへキシレン環を形成し; R は水素原子または炭素原子数 1ないし 4のアルキ
22
ル基を表し; R は水素原子、炭素原子数 1ないし 18のアルカノィル基、炭素原子数
23
3な!、し 12のアルケノィル基;酸素
原子もしくは硫黄原子で中断された炭素原子数 3な ヽし 12のアルカノィル基;ジ (炭 素原子数 1ないし 6のアルキル) ホスホネート基により置換された炭素原子数 2ない
し 12のアルカノィル基;炭素原子数 6ないし 9のシクロアルキル力ルポ-ル基、ベンゾ ィル基;
[0161] [化 21]
[0162] (基中、 sは 1または 2を表す。)を表し; R 及び R はおのおの互いに独立して水素原
24 25
子または炭素原子数 1ないし 12のアルキル基を表し; R は水素原子または炭素原
26
子数 1ないし 4のアルキル基を表し; R は炭素原子数 1ないし 12のアルキレン基、炭
27
素原子数 2ないし 8のァルケ-レン基、炭素原子数 2ないし 8のアルキリデン基、炭素 原子数 7ないし 12のフエ-ルアルキリデン基、炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキレ ン基、フエ-レン基を表し; R はヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 12のアルコキシ基
28
または
[0163] [化 22]
— N
\
[0164] を表し; R は酸素原子または— NH—を表し; R は炭素原子数 1ないし 18のアルキ
29 30
ル基またはフエ二ル基を表す、化合物である。
[0165] また、好ましいものは、 nが 1であるとき、 R力 フエナントリル基、チェニル基、ジべ
1
ンゾフリル基;未置換のもしくは炭素原子数 1ないし 4のアルキル 置換カルバゾリル 基;またはフルォレニル基を表す力、あるいは式(II)
[0166] [化 23]
[0167] で表される基を表し; R、R、R、R 及び R はおのおの互いに独立して水素原子、
7 8 9 10 11
塩素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキル基、炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキルチオ基、炭素原子数 3ないし 4 のァルケ-ルォキシ基、炭素原子数 3ないし 4のアルキ-ルォキシ基、フエ-ル基、 ベンゾィル基、ベンゾィルォキシ基または
[0168] [化 24]
I I
一 0— C― C - 0 - R23
[0169] を表す。
[0170] R は水素原子を表し; R は水素原子、フエ二ル基、炭素原子数 1ないし 18のアル
20 21
キル基を表し;あるいは R 及び R は結合している炭素原子と一緒になつて、未置換
20 21
のもしくは 1ないし 3個の炭素原子数 1ないし 4のアルキル基により置換されたシクロへ キシレン環を形成し; R は水素原子または炭素原子数 1ないし 4のアルキル基を表し
22
; R は水素原子、炭素原子数 1ないし 12のアルカノィル基またはベンゾィル基を表
23
す、一般式 (I)で表される化合物である。
[0171] 尺、!^、1^、1^ 及ひ はおのおの互いに独立して水素原子、炭素原子数 1ないし
7 8 9 10 11
4のアルキル基、または原子数 1ないし 8のアルコキシ基を表す、一般式 (I)で表され る化合物は特別に好ましい。
[0172] 特別に興味深い一般式 (I)で表される化合物は、 R、 R、 R及び Rはおのおの互
2 3 4 5
いに独立して水素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキル 基、ベンジル基、フ ニル基、炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキル基、炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルキルチオ基、炭素原子数 1 ないし 18のアルカノィルォキシ基、炭素原子数 1ないし 18のアルカノィルァミノ基、炭 素原子数 3な!、し 18のアルケノィルォキシ基またはベンゾィルォキシ基を表し;ある いは置換基 R及び Rまたは、 R及び Rまたは R及び Rは結合している炭素原子と
2 3 3 4 4 5
一緒になつて、ベンゼン環を形成し; Rはさらに一(CH ) -COR または一(CH )
4 2 p 15 2 q
OH (式中、 pは 1または 2を表し; qは 2、 3、 4、 5または 6を表す。)を表し;あるいは R
3
、 R及び Rが水素原子を表す場合、 Rはさらに式 (III)で表される基を表し; R はヒド
5 6 4 15 ロキシ基、炭素原子数 1ないし 12のアルコキシ基または
[0174] を表し; R 及び R はメチル基を表す力 または結合している炭素原子と一緒になつ
16 17
て、未置換のもしくは 1ないし 3個の炭素原子数 1ないし 4のアルキル基により置換さ れた炭素原子数 5ないし 8のシクロアルキリデン環を形成し; R 及び R はおのおの
24 25
互いに独立して水素原子または炭素原子数 1ないし 12のアルキ
ル基を表す、化合物である。
[0175] 特に好ましい一般式 (I)で表される化合物はまた、 R、 R、 R及び Rの少なくとも 2
2 3 4 5
つが水素原子である、化合物である。
[0176] 非常に特別に好ましい一般式 (I)で表される化合物は、 Rが炭素原子数 1ないし 4
2
のアルキル基を表し; Rが水素原子を表し; Rが炭素原子数 1ないし 4のアルキル基
3 4
を表す力または、 Rが水素原子を表す場合、 Rはさらに式 (III)で表される基を表し;
6 4
Rは水素原子を表す化合物である。
5
[0177] 次に、詳細に本発明の一般式 (1—1)の化合物について説明する。
[0178] 前記一般式 (I 1)において、 R〜Rは前記一般式 (I)における R〜Rと同義であ
り、おのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。 R〜Rで表される置換
2 5
基は、特に制限はないが、例えば前記一般式 (I)における R〜Rで表される置換基
2 5
と同様の基を挙げることができる。
[0179] 前記一般式 (1—1)において、 R〜Rが置換基を表すとき、置換基としては未置換
2 5
のもしくは置換の炭素原子数 1ないし 18のアルキル基が好ましぐ未置換のもしくは 置換の炭素原子数 1ないし 8のアルキル基がより好ましぐ未置換のもしくは置換の炭 素原子数 1な 、し 4のアルキル基が特に好まし 、。
[0180] R〜R はおのおの互いに独立して水素原子、炭素原子数 1ないし 18のアルキル
7 11
基、炭素原子数 1ないし 18のアルコキシ基をあらわす。
[0181] 次に、詳細に本発明の一般式 (1— 2)の化合物について説明する。
[0182] 前記一般式 (I 2)において、 R〜Rは前記一般式 (I)における R〜Rと同義であ
2 5 2 5 り、おのおの互いに独立して水素原子または置換基を表す。 R〜Rで表される置換
2 5
基は、特に制限はないが、例えば前記一般式 (I)における R〜Rで表される置換基
2 5
と同様の基を挙げることができる。
[0183] 前記一般式 (1— 2)において、 R〜Rが置換基を表すとき、置換基としては未置換
2 5
のもしくは置換の炭素原子数 1ないし 18のアルキル基が好ましぐ未置換のもしくは 置換の炭素原子数 1ないし 8のアルキル基がより好ましぐ未置換のもしくは置換の炭 素原子数 1な 、し 4のアルキル基が特に好まし 、。
[0184] 前記一般式(I 3)において、 R、 R、 R、 R、 Rはおのおの互いに独立して水素
1 2 3 5 6
原子または置換基を表す。なお、 Rと Rは互いに結合して環を形成しても良い。置
2 3
換基は一般式 (I)の R〜Rで表される置換基と同義である。 Rは特に水素原子が好
1 6 6
ましい。 Xは 2価の連結基を表す。 2価の連結基としては、例えば、置換基を有しても 良い 2価のアルキレン基、置換基を有しても良い 2価のァリーレン基、酸素原子、硫 黄原子、あるいはこれらの連結基の組み合わせを挙げることができる。
[0185] 本発明の一般式 (1)、 (la) , (1- 1) , (I 2)及び (I 3)で表される化合物の添カロ 量は、セルロースエステルに対して、 0. 01〜10質量%添加することが好ましぐ更に 、 0. 1〜5質量%添加することが好ましぐ更に、 0. 2〜2質量%添加することが好ま しい。これらは、 2種類以上を併用しても良い。
[0186] 本発明の一般式 (1)、 (la) , (1—1)、(I 2)及び (I 3)で表される本発明による化 合物はそれ自体公知の方法によって製造できる。
[0187] 本発明の一般式 (1)、 (la) , (1- 1) , (I 2)及び (I 3)で表される化合物の具体 例を以下に示す力 本発明はこれらに限定されるものではない。
[0188] [化 26]
[0191] [化 29]
[0194] [化 32]
[0195] [化 33]
化合物
No. R2 R3 R4
152 — CH3 — H — C4H9(s) — H
153 — C4Hg(s) — H — C4H9(t) — H
154 — C4H9(s) — H —Cs (t) — H
155 — CeHn lt) — H — CsH"(t) — H
156 -C4H9(t) — H — CsHnW —H
157 — C4H9(s) — H — C4H9(s) — H
158 — C4H9(t) — H — (CH2)2C02C8H17(tl) — H
159 — C4H9(t) — H — (CH2>2C02C8H17W — H
160 — C4H9(t) — H — (CH2)2COz(CH2)IOC4H9(n) — H
161 — Ci2H2S — H — CH3 — H
162 ― CaHi7 — H — CH3 — H
163 ― C16H33 — H — CH4 — H
164 — H — CH6 — H
165 — C
4H
9(t) — H —CI — H
167 — C
4H
9(t) — H — 0-C
8H,
7(n) — H
171 — H -H — CH, — H ]
[se ] [Ζ6ΐ0]
H— H— J(CH0)N- H— 88 ί
10— H— (u)UH¾-0- H— LBi.
— H—— (!) uHS0-O- 981
H— H— (u)"H3。- O- S2V
H— 10— (u)"H«0-0- H—
H— H— (u)6H"OO0HN- H— C8L
H— H— (!)ilH80-O- H— Z9l
H— H—— (u) H80-0- H— 2V
n
H- Ήο— 9L\.
H - H—
H- (») H90- H- H— ε
H- (l)6H*0- H- H— Zll
■O
^ q>
fI£SS0/.00Zdf/13d 17 lひ 6ΐ動 OAV
化合物
No. R2 R3 R5
189 — H — C8H17(t) — H
H O ^ ~ F
190 — H — CH3 — CH3 — H
191 — H — H ― (CH2)2OH — H
192 — H — H — (CH2)2OCOC7H1B(n) — H
193 — H — H — (CH2)3OH — H
194 一 C4Hs《t) — H 一 (CH2)2OH — H
195 -C4H9(t) — H —— (CH2)2OCOCH3 ——H
196 ——H — 0(CH2)2OH 一 C4H3《" — H
197 — H — H 一 C3H7(i) — H
198 — H — 0(CH2}2OCH3 一 H 一 H
199 — OCJHB — H — H — H
200 — H — H -o -c ^ — H
202 一 Ci — H — CI — H
203 — H —CI —ci — H
204 — C4H9(t) — H — H — H
205 — H — H ——F — H
206 — H — H —CM — H
207 — CH3 — H — CH3 — H
208 — OCH3 — H 一 C2H5 — H
209 — H — H — COCH3 — H
210 — H — H ― C0
2C
4H
9{n) — H
6]
化合物
No. R2 R3 R4 5
212 — H — H — CH2OH — H 213 — H — H — CH2OH — H 214 — H — H — S02C8H17(i) — H 215 — H — C15H31(n) — H — H 216 ― CgH19 — H ― C9H19 — H 217 — CF, — H — H
(t)
225 — H — H ― (CH2)2C02ClaH35(n) — H
H9(t)
233 — C8H17(t) — H — C8H17(t) 一 H ]
[0200] [化 38]
[0201] [化 39]
[0202] [化 40]
[0203] 《セルロースエステル》
次に、本発明に用いられるセルロースエステルについて、詳述する。
[0204] 本発明に用いられるセルロースエステルフィルムは、溶液流延法、または溶融流延 法により製造される。溶液流延法は、セルロースエステルを溶媒中に溶解した溶液( ドープ)を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。溶融流延法で は、セルロースエステルを加熱により溶融したもの (メルト)を支持体上に流延してフィ ルムを形成する。
[0205] 溶融流延法はフィルム製造時の有機溶媒使用量を、大幅に少なくすることができる ため、従来の有機溶媒を多量に使用する溶液流延法に比較して、環境適性が大幅
に向上したフィルムが得られるため、溶融流延法により、セルロースエステルフィルム を製造することが好ましい。
[0206] 本発明における溶融流延とは、実質的に溶媒を用いずにセルロースエステルを流 動性を示す温度まで加熱溶融しこれを用いて製膜する方法であり、例えば流動性の セルロースエステルをダイス力も押し出して製膜する方法である。
[0207] なお溶融セルロースエステルを調製する過程の一部で溶媒を使用してもよいが、フ イルム状に成形を行う溶融製膜プロセスにおいては実質的に溶媒を用いずに成形カロ ェする。
[0208] 表示装置用フィルムを構成するセルロースエステルとしては、溶融製膜可能なセル ロースエステルであれば特に限定はされず、例えば芳香族カルボン酸エステル等も 用いられる力 光学特性等の得られるフィルムの特性を鑑みると、セルロースの低級 脂肪酸エステルを使用するのが好まし 、。
[0209] 本発明にお ヽてセルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原 子数が 5以下の脂肪酸を意味し、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオ ネート、セルロースブチレート、セルロースピバレート等がセルロースの低級脂肪酸ェ ステルの好まし!/、ものとして挙げられる。
[0210] 炭素原子数が 6以上の脂肪酸で置換されたセルロースエステルでは、溶融製膜性 は良好であるものの、得られるセルロースエステルフィルムの力学特性が低ぐ実質 的に光学フィルムとして用いることが難 、ためである。
[0211] 力学特性と溶融製膜性の双方を両立させるために、セルロースアセテートプロピオ ネートやセルロースアセテートブチレート等のように混合脂肪酸エステルを用いてもよ い。即ち、ァセチル基以外のァシル基を有するセルロースエステルである事が好まし い。
[0212] 本発明において、セルロースエステルフィルムを構成するセルロースエステルは、 セルロースエステルのァシル基総炭素数力 6. 1以上、 7. 5以下である事が好まし い。更に好ましくは、炭素数 2以上の脂肪族ァシル基を有するセルロースエステルで あり、かつ、セルロースエステルのァシル基総炭素数が 6. 2〜7. 5であるセルロース エステルである。セルロースエステルのァシル基総炭素数は、好ましくは、 6. 5〜7.
2であり、さらに好ましくは 6. 7〜7. 1である。
[0213] ただし、ァシル基総炭素数は、セルロースエステル中の各ァシル基の置換度と炭素 数の積の総和である。さらに、脂肪族ァシル基の炭素数は、セルロース合成の生産 性、コストの観点から、 2〜6が好ましい。
[0214] セルロースァシレートは、グルコース単位の 2、 3及び 6位の炭素に結合している水 酸基の一部または全部をァシル基によりエステルイ匕した重合体 (ポリマー)である。こ こで、「ァシル基の置換度」とは、 3n個(重合度を nとして)の水酸基のうちどのくらいァ シル基が結合されているかを示す尺度である力 置換度は、グルコース単位当たり、 2位、 3位および 6位の 3個の水酸基のうち、平均的にいくつの水酸基がァシル基によ つて置換されているかで表す。従って、当該 3個の水酸基が全てァシル基によりエス テルイ匕された場合には、最大値 3. 0であるとする。
[0215] なお、ァシル基で置換されて 、な 、部分は通常水酸基として存在して!/、る。これら は公知の方法で合成することができる。
[0216] ァシル基としては、例えば、ァセチル基、プロピオ-ル基、ブチリル基、ペンタネート 基、へキサネート基等が挙げられ、セルロースエステルとしては、セルロースプロピオ ネート、セルロースブチレート、セルロースペンタネート等が挙げられる。
[0217] また、上述の側鎖炭素数を満たせば、セルロースアセテートプロピオネート、セル口 ースアセテートブチレート、セルロースアセテートペンタネート等のように混合脂肪酸 エステルでもよい。
[0218] この中でも、特にセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレ ートが好ま Uヽ。なお溶液流延製膜で一般に用いられて ヽるセルロースエステルであ るトリアセチルセルロース、ジァセチルセルロースについては、側鎖炭素数の条件を 満たさないため、本発明には含まない。
[0219] 一般に、セルロースエステルのァシル基の総置換度に対し、セルロースエステルフ イルムの機械物性及びケン化性と、セルロースエステルの溶融製膜性は、トレードォ フの関係にある。
[0220] 例えば、セルロースアセテートプロピオネートにおいて、ァシル基の総置換度を上 げると機械物性が低下し、溶融製膜性が向上するため、両立は困難である。本発明
では、セルロースエステルのァシル基総炭素数を 6. 2〜7. 2とすることで、フィルム 機械物性、ケンィ匕性、溶融製膜性を両立できることを見出した。この機構の詳細は不 明であるが、ァシル基の炭素数により、フィルム機械物性、ケンィ匕性、溶融製膜性へ の影響が異なるためと推測される。
[0221] すなわち、同置換度の場合、ァセチル基よりもプロピオニル基、プチリル基といった 長鎖のァシル基の方が、より疎水性となり、溶融製膜性を向上させる。
[0222] 従って、同じ溶融製膜性を達成する場合、プロピオ-ル基、プチリル基の置換度は ァセチル基よりも低置換度でよぐそのため機械物性、ケンィ匕性の低下が抑えられる と推測される。
[0223] 本発明で用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量 MwZ数平均分子量 Mn比が 1. 0〜5. 5のものが用いられ、特に好ましくは 1. 4〜5. 0であり、さらに好ま しくは 2. 0〜3. 0である。また、 Mwは 10万〜 50万、中でも 15万〜 30万のものが好 ましく用いられる。
[0224] セルロースエステルの平均分子量及び分子量分布は、高速液体クロマトグラフィー を用いて公知の方法で測定することができる。これを用いて数平均分子量、重量平 均分子量を算出する。測定条件は以下の通りである。
[0225] 溶媒: テトラヒドロフラン
装置: HLC— 8220 (東ソー (株)製)
カラム: TSKgel SuperHM— M (東ソ一(株)製)
カラム温度: 40°C
試料温度: 0. 1質量%
注入量: 10 1
流量: 0. 6mレ mm
校正曲線: 標準ポリスチレン: PS— 1 (Polymer Laboratorie
s社製) Mw= 2, 560, 000〜580までの 9サンプルによる校正曲線を使用した。
[0226] 本発明で用いられるセルロースエステルの原料セルロースは、木材パルプでも綿花 リンターでもよぐ木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ま しい。
[0227] 製膜の際の、剥離性の点力もは綿花リンターが好ましく用いられる。
[0228] これら力 作られたセルロースエステルは適宜混合して、あるいは単独で使用する ことができる。
[0229] 例えば、綿花リンター由来セルロースエステル:木材パルプ (針葉樹)由来セルロー スエステル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエステルの比率が 100: 0: 0、 90: 10:0、 85:15:0、 50:50:0、 20:80:0、 10:90:0、 0:100:0、 0:0:100、 80:10 :10、 85:0:15、 40 :30 :30で用いることができる。
[0230] セルロースエステルは、例えば、原料セルロースの水酸基を無水酢酸、無水プロピ オン酸及び Zまたは無水酪酸を用いて常法によりァセチル基、プロピオ-ル基及び zまたはブチル基を上記の範囲内に置換することで得られる。
[0231] このようなセルロースエステルの合成方法は、特に限定はないが、例えば、特開平 10—45804号あるいは特表平 6— 501040号に記載の方法を参考にして合成する ことができる。
[0232] ァセチル基、プロピオ-ル基、ブチル基等のァシル基の置換度は、 ASTM— D81 7— 96に準じて測定することができる。
[0233] また、工業的にはセルロースエステルは硫酸を触媒として合成されている力 この 硫酸は完全には除去されておらず、残留する硫酸が溶融製膜時に各種の分解反応 を引き起こし、得られるセルロースエステルフィルムの品質に影響を与えるため、本発 明に用いられるセルロースエステル中の残留硫酸含有量は、硫黄元素換算で 0.1 〜40ppmの範囲である。
[0234] これらは塩の形で含有していると考えられる。残留硫酸含有量が 40ppmを超えると 熱溶融時のダイリップ部の付着物が増加するため好ましくない。また、熱延伸時や熱 延伸後でのスリツティングの際に破断しやすくなるため好ましくない。
[0235] 少ない方が好ましいが、 0. 1未満とするにはセルロースエステルの洗浄工程の負 担が大きくなりすぎるため好ましくないだけでなぐ逆に破断しやすくなることがあり好 ましくない。
[0236] これは洗浄回数が増えることが榭脂に影響を与えているの力もしれないがよく分か つていない。さらに 0. l〜30ppmの範囲が好ましい。残留硫酸含有量は、同様に A
STM— D817— 96により測定することができる。
[0237] また、その他の残留酸 (酢酸等)を含めたトータル残留酸量は lOOOppm以下が好 ましぐ 500ppm以下がさらに好ましぐ lOOppm以下がより好ましい。
[0238] 合成したセルロースエステルの洗浄を、溶液流延法に用いられる場合に比べて、さ らに十分に行うことによって、残留酸含有量を上記の範囲とすることができ、溶融流 延法によってフィルムを製造する際に、リップ部への付着が軽減され、平面性に優れ るフィルムが得られ、寸法変化、機械強度、透明性、耐透湿性、後述する Rt値、 Ro 値が良好なフィルムを得ることができる。
[0239] また、セルロースエステルの洗浄は、水に加えて、メタノール、エタノールのような貧 溶媒、あるいは結果として貧溶媒であれば貧溶媒と良溶媒の混合溶媒を用いること ができ、残留酸以外の無機物、低分子の有機不純物を除去することができる。
[0240] さらに、セルロースエステルの洗浄は、ヒンダードァミン、亜リン酸エステルといった 酸ィ匕防止剤の存在下で行うことが好ましぐセルロースエステルの耐熱性、製膜安定 性が向上する。
[0241] また、セルロースエステルの耐熱性、機械物性、光学物性等を向上させるため、セ ルロースエステルの良溶媒に溶解後、貧溶媒中に再沈殿させ、セルロースエステル の低分子量成分、その他不純物を除去することができる。この時、前述のセルロース エステルの洗浄同様に、酸化防止剤の存在下で行うことが好ま 、。
[0242] さらに、セルロースエステルの再沈殿処理の後、別のポリマーあるいは低分子化合 物を添カ卩してもよい。
[0243] また、本発明で用いられるセルロースエステルはフィルムにした時の輝点異物が少 ないものであることが好ましい。輝点異物とは、 2枚の偏光板を直交に配置し (クロス ニコル)、この間にセルロースエステルフィルムを配置して、一方の面から光源の光を 当てて、もう一方の面からセルロースエステルフィルムを観察した時に、光源の光が 漏れて見える点のことである。
[0244] このとき評価に用いる偏光板は輝点異物がな 、保護フィルムで構成されたものであ ることが望ましぐ偏光子の保護にガラス板を使用したものが好ましく用いられる。
[0245] 輝点異物はセルロースエステルに含まれる未酢化もしくは低酢化度のセルロースが
その原因の 1つと考えられ、輝点異物の少ないセルロースエステルを用いる(置換度 の分散の小さ 、セルロースエステルを用いる)ことと、溶融したセルロースエステルを 濾過すること、あるいはセルロースエステルの合成後期の過程や沈殿物を得る過程 の少なくともいずれか〖こおいて、一度溶液状態として同様に濾過工程を経由して輝 点異物を除去することもできる。溶融榭脂は粘度が高いため、後者の方法の方が効 率がよい。
[0246] フィルム膜厚が薄くなるほど単位面積当たりの輝点異物数は少なくなり、フィルムに 含まれるセルロースエステルの含有量が少なくなるほど輝点異物は少なくなる傾向が あるが、輝点異物は、輝点の直径 0. 01mm以上が 200個 Zcm2以下であることが好 ましぐ 100個 Zcm2以下であることがより好ましぐ 50個 Zcm2以下であることがさら に好ましぐ 30個/ cm2以下であることがさらにより好ましぐ 10個/ cm2以下であるこ とがさらに好ましいが、皆無であることが最も好ましい。
[0247] また、 0. 005〜0. 01mm以下の輝点についても 200個 Zcm2以下であることが好 ましぐ 100個 Zcm2以下であることがより好ましぐ 50個 Zcm2以下であることがさら により好ましぐ 30個/ cm2以下であることがさらに好ましぐ 10個/ cm2以下であるこ とがさらに好ましいが、皆無であることが最も好ましい。
[0248] 輝点異物を溶融濾過によって除去する場合、セルロースエステルを単独で溶融さ せたものを濾過するよりも可塑剤、劣化防止剤、酸ィ匕防止剤等を添加混合したセル ロースエステル組成物を濾過することが輝点異物の除去効率が高く好ましい。
[0249] もちろん、セルロースエステルの合成の際に溶媒に溶解させて濾過により低減させ てもよい。紫外線吸収剤、その他の添加物も適宜混合したものを濾過することができ る。濾過はセルロースエステルを含む溶融物の粘度が 10000P以下で濾過されるこ と力 S好ましく、 5000P以下がより好ましぐ 1000P以下がさらに好ましぐ 500P以下 であることがさらにより好ましい。
[0250] 濾材としては、ガラス繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化工チレン榭脂等の弗素 榭脂等従来公知のものが好ましく用いられるが、特にセラミックス、金属等が好ましく 用いられる。絶対濾過精度としては 50 m以下のものが好ましく用いられ、 30 /z m以 下のものがより好ましぐ 10 m以下のものがさらにより好ましぐ 5 m以下のものが
さらに好ましく用いられる。
[0251] これらは適宜組み合わせて使用することもできる。濾材はサーフェースタイプでもデ ブスタイプでも用いることができる力 デプスタイプの方が比較的目詰まりしに《好ま しく用いられる。
[0252] 別の実施態様では、原料のセルロースエステルは少なくとも一度溶媒に溶解させた 後、溶媒を乾燥させたセルロースエステルを用いてもよい。その際には可塑剤、紫外 線吸収剤、劣化防止剤、酸化防止剤及びマット剤の少なくとも 1つ以上と共に溶媒に 溶解させた後、乾燥させたセルロースエステルを用いる。
[0253] 溶媒としては、メチレンクロライド、酢酸メチル、ジォキソラン等の溶液流延法で用い られる良溶媒を用いることができ、同時にメタノール、エタノール、ブタノール等の貧 溶媒を用いてもよい。溶解の過程で— 20°C以下に冷却したり、 80°C以上に加熱した りしてもよい。このようなセルロースエステルを用いると、溶融状態にした時の各添カロ 物を均一にしゃすく、光学特性を均一にできることがある。
[0254] 本発明の表示装置用フィルムはセルロースエステル以外の高分子成分を適宜混合 したものでもよ ヽ。混合される高分子成分はセルロースエステルと相溶性に優れるも のが好ましぐフィルムにした時の透過率が 80%以上、さらに好ましくは 90%以上、さ らに好ましくは 92%以上であることが好ましい。
[0255] 《酸化防止剤》
セルロースエステルは、熱だけでなく酸素によっても分解が促進されるため、本発 明の偏光板保護フィルムにおいては安定化剤として酸ィ匕防止剤を含有することが好 ましい。
[0256] 特に、溶融製膜が行われるような高温環境下では、セルロースエステルフィルム成 形材料の熱、及び酸素による分解が促進されるため、酸化防止剤を含有することが 好ましい。
[0257] また、本発明にお 、て、セルロースエステルの貧溶媒による懸濁洗浄時に酸ィ匕防 止剤存在下で洗浄することも好ましい。使用される酸化防止剤は、セルロースエステ ルに発生したラジカルを不活性ィ匕する、あるいはセルロースエステルに発生したラジ カルに酸素が付加したことが起因のセルロースエステルの劣化を抑制する化合物で
あれば制限なく用いることができる。
[0258] セルロースエステルの懸濁洗浄に使用する酸ィ匕防止剤は、洗浄後セルロースエス テル中に残存していてもよい。残存量は 0. 01〜2000ppm力 Sよく、より好ましくは 0. 05〜: LOOOppmである。さらに好ましくは 0. 1〜: LOOppmである。
[0259] 本発明において有用な酸ィ匕防止剤としては、酸素によるセルロースエステルフィル ム成形材料の劣化を抑制する化合物であれば制限なく用いることができるが、中でも 有用な酸化防止剤としては、フエノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系 化合物、ィォゥ系化合物、耐熱加工安定剤、酸素スカベンジャー等が挙げられ、これ らの中でも、特にフ ノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物が好 ましい。
[0260] これらの化合物を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなぐ熱 や熱酸化劣化等による成形体の着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止 剤は、それぞれ単独で、あるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0261] (フ ノール系化合物)
フエノール系化合物は既知の化合物であり、例えば、米国特許第 4, 839, 405号 明細書の第 12〜14欄に記載されており、 2, 6—ジアルキルフエノール誘導体化合 物が含まれる。このような化合物のうち好ましい化合物として、下記一般式 (A)で表さ れる化合物が好ましい。
[0262] [化 41] 般式 (A)
式中、 R 〜R は置換基を表す。置換基としては、水素原子、ハロゲン原子 (例え
11 16
ばフッ素原子、塩素原子等)、アルキル基 (例えばメチル基、ェチル基、イソプロピル 基、ヒドロキシェチル基、メトキシメチル基、トリフルォロメチル基、 t—ブチル基等)、シ クロアルキル基 (例えばシクロペンチル基、シクロへキシル基等)、ァラルキル基 (例え
ばべンジル基、 2—フエネチル基等)、ァリール基(例えばフエ-ル基、ナフチル基、 p
—トリル基、 p クロ口フエニル基等)、アルコキシ基 (例えばメトキシ基、エトキシ基、ィ ソプロポキシ基、ブトキシ基等)、ァリールォキシ基 (例えばフエノキシ基等)、シァノ基
、ァシルァミノ基 (例えばァセチルァミノ基、プロピオ-ルァミノ基等)、アルキルチオ 基 (例えばメチルチオ基、ェチルチオ基、プチルチオ基等)、ァリールチオ基 (例えば フエ-ルチオ基等)、スルホ -ルァミノ基(例えばメタンスルホ -ルァミノ基、ベンゼン スルホ -ルァミノ基等)、ウレイド基 (例えば 3—メチルウレイド基、 3, 3—ジメチルウレ イド基、 1, 3 ジメチルウレイド基等)、スルファモイルァミノ基 (ジメチルスルファモイ ルァミノ基等)、力ルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、ェチルカルバモイル 基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えばェチルスルファモイル基 、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボ-ル基(例えばメトキシカルボ-ル 基、エトキシカルボニル基等)、ァリールォキシカルボ-ル基 (例えばフエノキシカル ボ-ル基等)、スルホ -ル基(例えばメタンスルホ-ル基、ブタンスルホ-ル基、フエ- ルスルホニル基等)、ァシル基 (例えばァセチル基、プロパノィル基、ブチロイル基等 )、アミノ基 (メチルァミノ基、ェチルァミノ基、ジメチルァミノ基等)、シァノ基、ヒドロキ シ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンォキシド基 (例えばピリジン一才キシド基)、イミド基( 例えばフタルイミド基等)、ジスルフイド基 (例えばベンゼンジスルフイド基、ベンゾチア ゾリルー 2—ジスルフイド基等)、カルボキシル基、スルホ基、ヘテロ環基 (例えば、ピ ロール基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル 基、ベンズチアゾリル基、ベンズォキサゾリル基等)等が挙げらる。これらの置換基は さらに置換されてもよい。
また、 R は水素原子、 R 、 R は t ブチル基であるフエノール系化合物が好まし
11 12 16
い。フエノール系化合物の具体例としては、 n—ォクタデシル 3— (3, 5—ジー tーブ チルー 4ーヒドロキシフエ-ル) プロピオネート、 n—ォクタデシル 3—(3, 5—ジ t —ブチルー 4—ヒドロキシフエ-ル)一アセテート、 n—ォクタデシル 3, 5—ジ一 t ブチル 4—ヒドロキシベンゾエート、 n—へキシル 3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒ ドロキシフエ-ルペンゾエート、 n—ドデシル 3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフ ェ-ルベンゾエート、ネオードデシル 3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ
-ル)プロピオネート、ドデシル j8 (3, 5—ジ— t ブチル—4—ヒドロキシフ ェニル)プロピオネート、ェチル α— (4—ヒドロキシ— 3, 5—ジ— t ブチルフエ-ル )イソプチレート、ォクタデシル α—(4ーヒドロキシ—3, 5—ジー t ブチルフエ-ル) イソブチレート、ォクタデシル α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロ キシフエ-ル)プロピオネート、 2 (n—ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジー t ブチル 4ーヒドロキシ一べンゾエート、 2 (n—ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジー tーブチ ルー 4ーヒドロキシ一フエ-ルアセテート、 2—(n—ォクタデシルチオ)ェチル 3, 5— ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ルアセテート、 2- (n—ォクタデシルチオ)ェチ ル 3, 5 ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシ一べンゾエート、 2—(2 ヒドロキシェチル チォ)ェチル 3, 5—ジー tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、ジェチルダリコール ビス—(3, 5 ジ— t ブチル—4 ヒドロキシ—フエ-ル)プロピオネート、 2— (n— ォクタデシルチオ)ェチル 3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロ ピオネート、ステアルアミド N, N—ビス— [エチレン 3— (3, 5—ジ— t ブチル—4— ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 n—ブチルイミノ N, N ビス一 [エチレン 3— (3 , 5 ジ— t—ブチル—4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 2— (2—ステアロイ ルォキシェチルチオ)ェチル 3, 5 ジー tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、 2 一(2—ステアロイルォキシェチルチオ)ェチル 7—(3—メチルー 5—t—ブチルー 4 —ヒドロキシフエ-ル)ヘプタノエート、 1, 2 プロピレングリコールビス一 [3— (3, 5 ージー t ブチル 4 ヒドロキシフエニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス
[3—(3, 5—ジー tーブチ
ルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコールビス [3— (3 , 5—ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、エチレングリコール ビス—(3, 5 ジ— t ブチル—4 ヒドロキシフエ-ルアセテート)、グリセリン— 1—n —ォクタデカノエートー 2, 3 ビス一(3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシフエニル アセテート)、ペンタエリトリトール—テトラキス— [3— (3' , 5' —ジ— t ブチル—4 ' —ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 1, 1, 1—トリメチロールェタン一トリス一 [3 (3, 5—ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ソルビトールへ キサー[3—(3, 5 ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 2 ヒ
ドロキシェチル 7— ( 3—メチル— 5— t ブチル— 4—ヒドロキシフエ-ル)プロビオネ ート、 2—ステアロイルォキシェチル 7—(3—メチルー 5—t—ブチルー 4ーヒドロキシ フエ-ル)ヘプタノエート、 1, 6— n—へキサンジオール一ビス [ (3' , 5' —ジ一 t— ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ペンタエリトリトールーテトラキス(3 , 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシヒドロシンナメート)が含まれる。上記タイプのフ ェノール化合物は、例えば、 Ciba Specialty Chemicalsから、 "IRGANOX 10 76"及び" IRGANOX 1010"という商品名で市販されている。
[0265] (ヒンダードアミン系化合物)
本発明にお 、て有用な酸化防止剤の一つとして、下記一般式 (B)で表されるヒン ダードアミン系化合物が好まし 、。
[0266] [化 42]
-般式 (B)
[0267] 式中、 R 〜R は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で表さ
21 27 11 16 れる置換基と同義である。 R
4は水素原子、メチル基、 R
27は水素原子、 R 、R 、R 、
2 22 23 25
R はメチル基が好ましい。
26
[0268] ヒンダードアミン系化合物の具体例としては、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4 ピペリジル)セバケート、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)スクシネート 、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N—オタトキ シ一 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N ベンジルォキ シ一 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N シクロへキシル ォキシ—2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル)セノ ケート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 —ペンタメチル一 4 ピペリジル) 2— (3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジ ル)ー2 ブチルマロネート、ビス(1ーァクロイルー 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピ ペリジル) 2, 2 ビス(3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 2 ブチル
マロネート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル一 4 ピペリジル)デカンジ才エート、 2 , 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジルメタタリレート、 4— [3— (3, 5 ジ— t—ブ チル— 4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ルォキシ]— 1— [2— (3— (3, 5 ジ— t— ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ルォキシ)ェチル ] 2, 2, 6, 6—テトラメ チルピペリジン、 2—メチルー 2—(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)ァミノ — N— (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2, 2 , 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル) 1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボキシレート、テ トラキス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル— 4 ピペリジル) 1, 2, 3, 4 ブタンテトラ力 ルポキシレート等が挙げられる。
また、高分子タイプの化合物でもよぐ具体例としては、 N, Ν' , Ν , Ν ' —テ トラキスー [4, 6 ビス 〔ブチルー(Ν—メチルー 2, 2, 6, 6—テトラメチルピベリジ ン— 4—ィル)ァミノ〕—トリァジン— 2—ィル]—4, 7 ジァザデカン— 1, 10 ジアミ ン、ジブチノレアミンと 1, 3, 5 トリアジンー Ν, N' ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチノレ 4ーピペリジル)ー1, 6 へキサメチレンジァミンと Ν—(2, 2, 6, 6—テトラメチル 4ーピペリジル)ブチルァミンとの重縮合物、ジブチルァミンと 1, 3, 5 トリアジンと Ν, N' ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)ブチルァミンとの重縮合 物、ポリ〔{ (1, 1, 3, 3—テトラメチルブチル)アミノー 1, 3, 5 トリアジン 2, 4 ジ ィル } { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)イミノ}へキサメチレン { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)ィミノ }〕、 1, 6 へキサンジァミン一 Ν, N' —ビス (2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル)とモルフォリン— 2, 4, 6 トリクロ口 1 , 3, 5 トリァジンとの重縮合物、ポリ [ (6 モルフォリノ s トリァジン— 2, 4 ジィ ル)〔(2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル)ィミノ〕—へキサメチレン〔(2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4—ピペリジル)ィミノ〕]等の、ピぺリジン環がトリァジン骨格を介し て複数結合した高分子量 HALS ;コハク酸ジメチルと 4ーヒドロキシ 2, 2, 6, 6—テ トラメチルー 1ーピペリジンエタノールとの重合物、 1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボン 酸と 1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピベリジノールと 3, 9 ビス(2 ヒドロキシー 1, 1ージメチルェチル)—2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカンとの混 合エステルイ匕物等の、ピぺリジン環がエステル結合を介して結合したィ匕合物等が挙
げられる力 これらに限定されるものではない。
[0270] これらの中でも、ジブチルァミンと 1, 3, 5 トリァジンと N, N' —ビス(2, 2, 6, 6 —テトラメチル一 4 ピペリジル)プチルァミンとの重縮合物、ポリ〔{ (1, 1, 3, 3—テト ラメチノレブチノレ)アミノー 1, 3, 5 トリアジンー 2, 4 ジィル } { (2, 2, 6, 6—テトラメ チル一 4 ピペリジル)イミノ}へキサメチレン { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリ ジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと 4ーヒドロキシ 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 1ーピ ペリジンエタノールとの重合物等で、数平均分子量(Mn)が 2, 000〜5, 000のもの が好ましい。
[0271] 上記タイプのヒンダードフエノール化合物は、例えば、 Ciba Specialty Chemica Isから、 "TINUVIN 144"及び" TINUVIN 770"、旭電化工業株式会社から" A DK STAB LA— 52"という商品名で市販されている。
[0272] (リン系化合物)
本発明において有用な酸ィ匕防止剤の一つとして、下記一般式 (C— 1)、(C— 2)、 ( C 3)、(C 4)、(C 5)で表される部分構造を分子内に有する化合物が好ましい
[0273] [化 43] 一般式 {C— 1 )
0— Ph,
/ i
→\ ί ,
O— Ph ,
[0274] 式中、 Ph及び Ph' は 2価の置換基を表す。より好ましくは、 Ph及び P はフエ
1 1 1 1 二レン基を表し、該フエ-レン基の水素原子はフエ-ル基、炭素数 1〜8のアルキル 基、炭素数 5〜8のシクロアルキル基、炭素数 6〜 12のアルキルシクロアルキル基ま たは炭素数 7〜 12のァラルキル基で置換されて 、てもよ 、。
[0275] Ph及び PI は互いに同一でもよぐ異なってもよい。 Xは単結合、硫黄原子また
1 1
は CHR—基を表す。 Rは水素原子、炭素数 1〜8のアルキル基または炭素数 5
6 6
〜8のシクロアルキル基を表す。また、これらは前記一般式 (A)の R 〜R で表され
11 16 る置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
[0276] [化 44] 一般式 (C_2)
O— Ph,
I
、0— Ph'2
[0277] 式中、 Ph及び P は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R
2 2 11 16 で表される置換基と同義である。より好ましくは、 Ph及び P はフエ-ル基または
2 2
ビフエ-ル基を表し、該フエ-ル基またはビフエニル基の水素原子は炭素数 1〜8の アルキル基、炭素数 5〜8のシクロアルキル基、炭素数 6〜 12のアルキルシクロアル キル基または炭素数 7〜 12のァラルキル基で置換されて 、てもよ 、。
[0278] Ph及び PI は互いに同一でもよぐ異なってもよい。また、これらは前記一般式(
2 2
A)の R 〜R で表される置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
11 16
[0279] [化 45] 一般式 (C一 3)
I
Ph3— 0 - R.
O——
[0280] 式中、 Phは置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で表される
3 11 16 置換基と同義である。より好ましくは、 Phはフエニル基またはビフエ-ル基を表し、該
3
フエニル基またはビフヱ-ル基の水素原子は炭素数 1〜8のアルキル基、炭素数 5〜 8のシクロアルキル基、炭素数 6〜 12のアルキルシクロアルキル基または炭素数 7〜 12のァラルキル基で置換されて!、てもよ!/、。
[0281] また、これらは前記一般式 (A)の R 〜R で表される置換基と同義の置換基により
11 16
置換されてもよい。
[0283] 式中、 Phは置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で表される
4 11 16 置換基と同義である。より好ましくは、 Phは炭素数 1〜20のアルキル基またはフエ-
4
ル基を表し、該アルキル基またはフ 二ル基は前記一般式 (A)の R 〜R で表され
11 16 る置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
[0284] [化 47]
[0285] 式中、 Ph、Ph' 及び Ph" は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の
5 5 5
R 〜R で表される置換基と同義である。より好ましくは、 Ph、Ph^ 及び Phグ は炭
〜20のアルキル基またはフ -ル基を表し、該アルキル基またはフ -ル基 は前記一般式 (A)の R 〜R で表される置換基と同義の置換基により置換されて
11 16
ちょい。
[0286] リン系化合物の具体例としては、トリフエ-ルホスフアイト、ジフエ-ルイソデシルホス ファイト、フエ-ルジイソデシルホスフアイト、トリス(ノ -ルフエ-ル)ホスファイト、トリス( ジノ-ルフエ-ル)ホスファイト、トリス(2, 4 ジ一 t—ブチルフエ-ル)ホスファイト、 1 0— (3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 9, 10 ジヒドロ一 9—ォキ サ一 10 ホスファフェナントレン一 10—オキサイド、 6— [3— (3— t—ブチル 4 ヒ ドロキシ 5 メチルフエ-ル)プロポキシ ] 2, 4, 8, 10—テトラー tーブチルジベン ズ [d, f] [l. 3. 2]ジォキサホスフエピン、トリデシルホスファイト等のモノホスファイト 系化合物; 4, 4' ーブチリデンービス(3—メチルー 6— t ブチルフエ-ルージートリ デシルホスフアイト)、 4, 4' —イソプロピリデン—ビス(フエ-ル―ジ—アルキル(C1 2〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物;トリフエ-ルホスホナイト、テトラキ
ス(2, 4 ジ— tert—ブチルフエ-ル) [1, 1—ビフエ-ル]— 4, 4' —ジィルビスホ スホナイト、テトラキス(2, 4 ジ tert ブチルー 5 メチルフエ-ル) [1, 1ービフエ -ル]—4, 4' —ジィルビスホスホナイト等のホスホナイト系化合物;トリフエ-ルホス フィナイト、 2, 6 ジメチルフエ-ルジフエ-ルホスフイナイト等のホスフィナイト系化 合物;トリフエ-ルホスフィン、トリス(2, 6 ジメトキシフエ-ル)ホスフィン等のホスフィ ン系化合物;等が挙げられる。特に、ホスホナイト系化合物が好ましい。
[0287] 上記タイプのリン系化合物は、例えば、住友ィ匕学工業株式会社から、 "Sumilizer GP"、旭電化工業株式会社から" ADK STAB PEP— 24G"、 "ADK STAB P EP— 36"及び" ADK STAB 3010"、チノく'スペシャルティ'ケミカルズ株式会社 力 " IRGAFOS P— EPQ"、堺化学工業株式会社から" GSY—P101"という商品 名で市販されている。
[0288] また、下記化合物が挙げられる。
[0289] [化 48]
[0290] [化 49]
[0291] [化 50]
[0292] [化 51]
[0293] [化 52]
[0294] (ィォゥ系化合物)
本発明にお 、て有用な酸化防止剤の一つとして、下記一般式 (D)で表されるィォ ゥ系化合物が好ましい。
[0295] [化 53] 一般式 (D)
。一 R,:
[0296] 式中、 R及び R は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で
31 32 11 16 表される置換基と同義である。
[0297] ィォゥ系化合物の具体例としては、ジラウリル 3, 3—チォジプロピオネート、ジミリス チル 3, 3' —チォジプロピピオネート、ジステアリル 3, 3—チォジプロピオネート、ラ ゥリルステアリル 3, 3—チォジプロピオネート、ペンタエリスリトールーテトラキス(j8—
ラウリル チォープロピオネート)、 3, 9 ビス(2 ドデシルチオェチル)
- 2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカン等が挙げられる。
[0298] 上記タイプのィォゥ系化合物は、例えば、住友ィ匕学工業株式会社から、 "Sumilize r TPL— R"及び" Sumilizer TP— D"という商品名で市販されている。
[0299] 耐熱カ卩ェ安定剤としては、例えば、 2—t—ブチノレー 6—(3— t—ブチルー 2 ヒド 口キシ一 5—メチルベンジル) 4—メチルフエ-ルアタリレート、 2— [1— (2 ヒドロ キシ—3, 5—ジ t—ペンチルフエ-ル)ェチル ]—4, 6—ジ—t—ペンチルフエ-ル アタリレート等が挙げられる。上記タイプの耐熱加工安定剤は、住友化学工業株式会 社力 、" Sumilizer GM"及び" Sumilizer GS"という商品名で市販されている。
[0300] 酸ィ匕防止剤は、前述のセルロースエステル同様に、製造時力も持ち越される、ある いは保存中に発生する残留酸、無機塩、有機低分子等の不純物を除去することが 好ましぐより好ましくは純度 99%以上である。残留酸及び水としては、 0. 01-100 ppmであることが好ましぐセルロースエステルを溶融製膜する上で、熱劣化を抑制 でき、製膜安定性、フィルムの光学物性、機械物性が向上する。
[0301] 酸ィ匕防止剤はセルロースエステルに対して 0. 1〜10質量%添加することが好まし ぐさらに 0. 2〜5質量%添加することが好ましぐさらに 0. 5〜2質量%添加すること が好ましい。これらは 2種以上を併用してもよい。
[0302] 酸化防止剤の添加量が少なすぎると溶融時に安定化作用が低いために、効果が 得られず、また添カ卩量が多すぎるとセルロースエステルへの相溶性の観点カゝらフィル ムとしての透明性の低下を引き起こし、またフィルムが脆くなることがあるため好ましく ない。
[0303] 《酸捕捉剤》
セルロースエステルは溶融製膜が行われるような高温環境下では酸によっても分解 が促進されるため、本発明の表示装置用フィルムにおいては安定化剤として酸捕捉 剤を含有することが好ましい。本発明において有用な酸捕捉剤としては、酸と反応し て酸を不活性ィ匕する化合物であれば制限なく用いることができるが、中でも米国特許 第 4, 137, 201号明細書に記載されているような、エポキシ基を有する化合物が好 ましい。
[0304] このような酸捕捉剤としてのエポキシィ匕合物は当該技術分野において既知であり、 種々のポリグリコールのジグリシジルエーテル、特にポリグリコール 1モル当たりに約 8 〜40モルのエチレンォキシド等の縮合によって誘導されるポリグリコール、グリセロー ルのジグリシジルエーテル等、金属エポキシィ匕合物(例えば、塩ィ匕ビ二ルポリマー組 成物において、及び塩ィ匕ビュルポリマー組成物と共に、従来から利用されているもの )、エポキシ化エーテル縮合生成物、ビスフエノール Aのジグリシジルエーテル(即ち 、 4, 4' ージヒドロキシジフエ-ルジメチルメタン)、エポキシ化不飽和脂肪酸エステ ル (特に、炭素原子数 2〜22個の脂肪酸の 4〜2個程度の炭素原子のアルキルのェ ステル (例えば、ブチルエポキシステアレート)等)、及び種々のエポキシィ匕長鎖脂肪 酸トリグリセリド等 (例えば、エポキシィ匕大豆油、エポキシィ匕亜麻仁油等)の組成物に よって代表され例示され得るエポキシ化植物油及び他の不飽和天然油(これらはとき としてエポキシィ匕天然グリセリドまたは不飽和脂肪酸と称され、これらの脂肪酸は一 般に 12〜22個の炭素原子を含有している)が含まれる。
[0305] また、市販のエポキシ基含有エポキシド榭脂化合物として、 EPON 815C、及び 下記一般式(5)の他のエポキシィ匕エーテルオリゴマー縮合生成物も好ましく用いるこ とがでさる。
[0306] [化 54] 一般式は 1
[0307] 式中、 nは 0〜12の整数である。用いることができるその他の酸捕捉剤としては、特 開平 5— 194788号公報の段落 87〜105に記載されているものが含まれる。
[0308] 酸捕捉剤はセルロースエステルに対して 0. 1〜: L0質量%添加することが好ましぐ さらに 0. 2〜5質量%添加することが好ましぐさらに 0. 5〜2質量%添加することが 好ましい。これらは 2種以上を併用してもよい。
[0309] なお酸捕捉剤は、酸掃去剤、酸捕獲剤、酸キャッチャー等と称されることもあるが、 本発明にお ヽてはこれらの呼称による差異なく用いることができる。
[0310] 《紫外線吸収剤》
紫外線吸収剤は、偏光子や表示装置の紫外線に対する劣化防止の観点から、波 長 370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ液晶表示性の観点から、波長 400nm以上の可視光の吸収が少な!/、ものが好まし!/、。
[0311] 本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、ォキシベンゾフエノン系化合 物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフエノン系化 合物、シァノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物等を 挙げることができるが、ベンゾフエノン系化合物や着色の少な!/、ベンゾトリアゾール系 化合物、トリアジン系化合物が好ましい。また、特開平 10— 182621号、同 8— 3375 74号公報記載の紫外線吸収剤、特開平 6— 148430号、特開 2003— 113317号 公報記載の高分子紫外線吸収剤を用いてもょ ヽ。
[0312] ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例として、 2— (2' —ヒドロキシ一 5' - メチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ— 3' , 5' —ジ— tert— ブチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2—(2' —ヒドロキシ—3' —tert—ブチルー 5 ' —メチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ— 3' , 5' —ジ— ter t ブチルフエ-ル)ー5 クロ口べンゾトリアゾール、 2—(2' —ヒドロキシ 3' —( 3" , " , 5 Q" —テトラヒドロフタルイミドメチル) 5, —メチルフエニル)ベンゾ トリァゾール、 2, 2—メチレンビス(4— ( 1 , 1 , 3, 3—テトラメチルブチル) 6— (2H —ベンゾトリアゾール 2—ィル)フエノール)、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' —tert— ブチル 5' —メチルフエニル) 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2— (2H ベンゾトリ ァゾールー 2 ィル)ー6 (直鎖及び側鎖ドデシル)ー4 メチルフエノール、 2— (2 ' —ヒドロキシ— 3' , 5' —ジ—(1—メチル—1—フエ-ルェチル)—フエ-ル)ベン ゾトリァゾール、 6—(2 べンゾトリアゾル)—4—tーォクチルー 6' —t—ブチルー 4 ' ーメチルー 2, 2' メチレンビスフエノール、ォクチルー 3—〔3—tert—ブチルー 4 —ヒドロキシ— 5— (クロ口 2H ベンゾトリアゾール 2—ィル)フエ-ル〕プロビオネ ートと 2 ェチルへキシル 3—〔3— tert—ブチル 4 ヒドロキシ一 5— (5 クロ口
2H—べンゾトリァゾールー 2—ィル)フエ-ル〕プロピオネートの混合物、 2—(2' —ヒドロキシ一 3' — (1—メチル 1—フエ-ルェチル)一 5' — (1, 1, 3, 3—テトラ メチルブチル)一フエ-ル)ベンゾトリァゾール、等を挙げることができる力 これらに 限定されない。
[0313] また、市販品として、チヌビン (TINUVIN) 171、チヌビン (TINUVIN) 234、チヌ ビン(TINUVIN) 360、チヌビン(TINUVIN) 928、チヌビン(TINUVIN) 109 ( ヽ ずれもチノく'スペシャルティ'ケミカルズ社製)、 LA31 (旭電化社製)、 JAST— 500 ( 城北化学工業社製)、 Sumisorb 250 (住友ィ匕学工業社製)が挙げられる。
[0314] ベンゾフエノン系化合物の具体例として、 2, 4 ジヒドロキシベンゾフエノン、 2, 2' —ジヒドロキシ一 4—メトキシベンゾフエノン、 2 ヒドロキシ一 4—メトキシ一 5—スルホ ベンゾフエノン、ビス(2 メトキシ 4 ヒドロキシ 5 ベンゾィルフエ-ルメタン)等 を挙げることができる力 S、これらに限定されるものではない。
[0315] 本発明においては、紫外線吸収剤はセルロースエステルに対して 0. 1〜5質量% 添加することが好ましぐさらに 0. 2〜3質量%添加することが好ましぐさらに 0. 5〜 2質量%添加することが好ま 、。これらは 2種以上を併用してもょ 、。
[0316] またこれらのベンゾトリアゾール構造やべンゾフエノン構造力 ポリマーの一部、ある いは規則的にポリマーへペンダントされていてもよぐ可塑剤、酸化防止剤、酸掃去 剤等の他の添加剤の分子構造の一部に導入されて 、てもよ 、。
[0317] 従来公知の紫外線吸収性ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、 RUVA
93 (大塚化学製)を単独重合させたポリマー及び RUVA— 93と他のモノマーとを 共重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、 RUVA—93とメチルメタクリレ ートを 3: 7の比(質量比)で共重合させた PUVA— 30M、 5: 5の比(質量比)で共重 合させた PUVA—50M等が挙げられる。更には、特開 2003— 113317号公報に記 載のポリマー等が挙げられる。
[0318] 《可塑剤》
本発明に係る表示装置用フィルム、特に、セルロースエステルフィルムの製造にお V、ては、フィルム形成材料中に少なくとも 1種の可塑剤を添加することが好まし 、。
[0319] 可塑剤とは、一般的には高分子中に添加することによって脆弱性を改良したり、柔
軟性を付与したりする効果のある添加剤である力 本発明においては、セルロースェ ステル単独での溶融温度よりも溶融温度を低下させるため、また同じ加熱温度にお いてセルロース榭脂単独よりも可塑剤を含むフィルム構成材料の溶融粘度を低下さ せるために、可塑剤を添加する。
[0320] また、セルロースエステルの親水性を改善し、セルロースエステルフィルムの透湿度 を低下させるためにも添加されるため透湿防止剤としての機能を有する。
[0321] ここで、フィルム構成材料の溶融温度とは、該材料が加熱され流動性が発現された 状態の温度を意味する。セルロースエステルを溶融流動させるためには、少なくとも ガラス転移温度よりも高い温度に加熱する必要がある。ガラス転移温度以上におい ては、熱量の吸収により弾性率あるいは粘度が低下し、流動性が発現される。
[0322] しかしセルロースエステルでは高温下では溶融と同時に熱分解によってセルロース エステルの分子量の低下が発生し、得られるフィルムの力学特性等に悪影響を及ぼ すことがあるため、なるべく低い温度でセルロースエステルを溶融させることが好まし い。
[0323] フィルム構成材料の溶融温度を低下させるためには、セルロースエステルのガラス 転移温度よりも低い融点またはガラス転移温度をもつ可塑剤を添加することで達成 することができる。
[0324] 本発明に係る表示装置用フィルムは、可塑剤として、下記一般式(1)で表される有 機酸と 3価以上 20価以下のアルコールが縮合した構造を有するエステルイ匕合物を、 1〜25質量0 /0含有することを特徴とするセルロースエステルフィルムであることが好ま しい。
[0325] 1質量%よりも少ないと平面性改善の効果が認められず、 25質量%よりも多いとプリ ードアウトが発生しやすくなり、フィルムの経時安定性が低下するために好ましくない
[0326] より好ましくは可塑剤をセルロースエステルに対して 3〜20質量%含有するセル口 ースエステルフィルムであり、さらに好ましくは 5〜 15質量0 /0含有するセルロースエス テルフィルムである。
[0328] 式中、 R〜Rはおのおの互いに独立して水素原子またはシクロアルキル基、ァラ
1 5
ルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ァリールォキシ基、ァラルキルォキシ 基、ァシル基、カルボ-ルォキシ基、ォキシカルボ-ル基、ォキシカルボ-ルォキシ 基を表し、これらはさらに置換基を有していてよい。 Lは連結基を表し、置換または無 置換のアルキレン基、酸素原子、または直接結合を表す。
[0329] R〜Rで表されるシクロアルキル基としては、炭素数 3〜8のシクロアルキル基が好
1 5
ましぐ具体的にはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル等の基である。こ れらの基は置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、ハロゲン原子、例えば、 塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、シ クロアルコキシ基、ァラルキル基(このフエ-ル基にはアルキル基またはハロゲン原子 等によってさらに置換されていてもよい)、ビニル基、ァリル基等のアルケニル基、フエ -ル基 (このフエニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさらに置換さ れていてもよい)、フエノキシ基(このフエ-ル基にはアルキル基またはハロゲン原子 等によってさらに置換されていてもよい)、ァセチル基、プロピオニル基等の炭素数 2 〜8のァシル基、またァセチルォキシ基、プロピオ-ルォキシ基等の炭素数 2〜8の 無置換のカルボニルォキシ基等が挙げられる。
[0330] R〜Rで表されるァラルキル基としては、ベンジル基、フエネチル基、 Ύ フエニル
1 5
プロピル基等の基を表し、また、これらの基は置換されていてもよぐ好ましい置換基 としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
[0331] R〜Rで表されるアルコキシ基としては、炭素数 1〜8のアルコキシ基が挙げられ、
1 5
具体的には、メトキシ、エトキシ、 n—プロポキシ、 n—ブトキシ、 n—ォクチルォキシ、 イソプロポキシ、イソブトキシ、 2—ェチルへキシルォキシ、もしくは t—ブトキシ等の各 ァノレコキシ基である。
[0332] また、これらの基は置換されて 、てもよく、好ま 、置換基としては、ハロゲン原子、
例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロ アルコキシ基、ァラルキル基 (このフエ-ル基にはアルキル基またはハロゲン原子等 を置換していてもよい)、ァルケ-ル基、フエ-ル基(このフエ-ル基にはアルキル基 またはハロゲン原子等によってさらに置換されていてもよい)、ァリールォキシ基 (例 えばフエノキシ基 (このフエニル基にはアルキル基またはハロゲン原子等によってさら に置換されていてもよい))、ァセチル基、プロピオ-ル基等のァシル基、ァセチルォ キシ基、プロピオニルォキシ基等の炭素数 2〜8の無置換のァシルォキシ基、またべ ンゾィルォキシ基等のァリールカルボ-ルォキシ基が挙げられる。
[0333] R〜Rで表されるシクロアルコキシ基としては、無置換のシクロアルコキシ基として
1 5
は炭素数 1〜8のシクロアルコキシ基基が挙げられ、具体的には、シクロプロピルォキ シ、シクロペンチルォキシ、シクロへキシルォキシ等の基が挙げられる。
[0334] また、これらの基は置換されて 、てもよく、好ま 、置換基としては、前記のシクロア ルキル基に置換してもよい基を同様に挙げることができる。
[0335] R〜Rで表されるァリールォキシ基としては、フエノキシ基が挙げられる力 このフエ
1 5
-ル基にはアルキル基またはハロゲン原子等前記シクロアルキル基に置換してもよ
V、基として挙げられた置換基で置換されて 、てもよ 、。
[0336] R〜Rで表されるァラルキルォキシ基としては、ベンジルォキシ基、フエネチルォキ
1 5
シ基等が挙げられ、これらの置換基はさらに置換されていてもよぐ好ましい置換基と しては、前記のシクロアルキル基に置換してもよ 、基を同様に挙げることができる。
[0337] R〜Rで表されるァシル基としては、ァセチル基、プロピオニル基等の炭素数 2〜
1 5
8の無置換のァシル基が挙げられ (ァシル基の炭化水素基としては、アルキル、アル ケニル、アルキ-ル基を含む。)、これらの置換基はさらに置換されていてもよぐ好ま し 、置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換してもよ 、基を同様に挙げるこ とがでさる。
[0338] R〜Rで表されるカルボ-ルォキシ基としては、ァセチルォキシ基、プロピオ-ル
1 5
ォキシ基等の炭素数 2〜8の無置換のァシルォキシ基 (ァシル基の炭化水素基として は、アルキル、ァルケ-ル、アルキ-ル基を含む。)、またベンゾィルォキシ基等のァ リールカルボ-ルォキシ基が挙げられる力 これらの基はさらに前記シクロアルキル
基に置換してもよ 、基と同様の基により置換されて 、てもよ 、。
[0339] R〜Rで表されるォキシカルボ-ル基としては、メトキシカルボ-ル基、エトキシカ
1 5
ルボニル基、プロピルォキシカルボ-ル基等のアルコキシカルボ-ル基、またフエノ キシカルボニル基等のァリールォキシカルボ二ル基を表す。これらの置換基はさらに 置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置換して もよ 、基を同様に挙げることができる。
[0340] また、 R〜Rで表されるォキシカルボ-ルォキシ基としては、メトキシカルボ-ルォ
1 5
キシ基等の炭素数 1〜8のアルコキシカルボ二ルォキシ基を表し、これらの置換基は さらに置換されていてもよぐ好ましい置換基としては、前記のシクロアルキル基に置 換してもょ ヽ基を同様に挙げることができる。
[0341] R〜Rのうちの!/、ずれか同士で互いに連結し、環構造を形成して 、てもよ 、。
1 5
[0342] また、 Lで表される連結基としては、置換または無置換のアルキレン基、酸素原子、 または直接結合を表す力 アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレ ン基等の基であり、これらの基は、さらに前記の R〜Rで表される基に置換してもよ
1 5
V、基としてあげられた基で置換されて 、てもよ 、。
[0343] 中でも、 Lで表される連結基として特に好ましいのは直接結合であり芳香族カルボ ン酸である。
[0344] また、これら本発明にお!/ヽて可塑剤となるエステル化合物を構成する、前記一般式
(1)で表される有機酸としては、 R〜Rが水素原子、または、少なくとも 1つが前記ァ
1 5
ルコキシ基、ァシル基、ォキシカルボ-ル基、カルボ-ルォキシ基、またはォキシ力 ルポニルォキシ基であることが好まし ヽ。また複数の置換基を有する化合物も好まし い。
[0345] なお本発明にお!/、ては 3価以上 20価以下のアルコールの水酸基を置換する有機 酸は単一種であっても複数種であってもよ 、。
[0346] 本発明において、前記一般式(1)で表される有機酸と反応して多価アルコールェ ステルイ匕合物を形成する 3価以上 20価以下のアルコールィ匕合物としては、好ましく は 3〜20価の脂肪族多価アルコールであり、本発明おいて 3価以上 20価以下のァ ルコールは下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
[0347] 一般式(3) R' - (OH)
m
式中、 は m価の有機基、 mは 3以上 20以下の正の整数、 OH基はアルコール 性水酸基を表す。特に好ましいのは、 mとしては 3または 4の多価アルコールである。
[0348] 好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができ る力 S、本発明はこれらに限定されるものではない。
[0349] アド-トール、ァラビトール、 1, 2, 4 ブタントリオール、 1, 2, 3 へキサントリオ一 ノレ、 1, 2, 6 へキサン卜リオ一ノレ、グリセリン、ジグリセリン、エリスジ卜一ノレ、ペン夕エリ スリトーノレ、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトーノレ、ガラクチトール、ダルコ一 ス、セロビオース、イノシトール、マンニトール、 3—メチルペンタン 1, 3, 5 トリオ 一ノレ、ピナコーノレ、ソノレビトーノレ、トリメチローノレプロパン、トリメチローノレエタン、キシリ トール等を挙げることができる。
[0350] 特に、グリセリン、トリメチロールェタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール が好ましい。
[0351] 一般式(1)で表される有機酸と 3価以上 20価以下の多価アルコールのエステルは 、公知の方法により合成できる。実施例に代表的合成例を示したが、前記一般式(1) で表される有機酸と、多価アルコールを例えば、酸の存在下縮合させエステル化す る方法、また、有機酸を予め酸クロライドあるいは酸無水物としておき、多価アルコー ルと反応させる方法、有機酸のフ -ルエステルと多価アルコールを反応させる方法 等があり、 目的とするエステルイ匕合物により、適宜、収率のよい方法を選択することが 好ましい。
[0352] 一般式(1)で表される有機酸と 3価以上 20価以下の多価アルコールのエステルか らなる可塑剤としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ま U、。
[0353] [化 56]
[0354] 式中、 R〜R はおのおの互いに独立して水素原子またはシクロアルキル基、ァラ
6 20
ルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ァリールォキシ基、ァラルキルォキシ 基、ァシル基、カルボ-ルォキシ基、ォキシカルボ-ル基、ォキシカルボ-ルォキシ 基を表し、これらはさらに置換基を有していてよい。 R〜R は水素原子またはアルコ
6 20
キシ基を表す事が好ましい。 R は水素原子またはアルキル基を表す。
21
[0355] R〜R のシクロアルキル基、ァラルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ァ
6 20
リールォキシ基、ァラルキルォキシ基、ァシル基、カルボニルォキシ基、ォキシカルボ
-ル基、ォキシカルボ-ルォキシ基については、前記一般式(1)の R〜Rと同様の
1 5 基が挙げられる。
[0356] このようにして得られる多価アルコールエステルの分子量には特に制限はないが、 300〜1500であることが好ましぐ 400〜1000であることがさらに好ましい。分子量 が大きい方が揮発し難くなるため好ましぐ透湿性、セルロースエステルとの相溶性の 点では小さい方が好ましい。
[0357] 以下に、本発明に係わる多価アルコールエステルの具体的化合物を例示する。
[0358] [化 57]
[0359] [化 58]
[0360] [化 59]
[09^ ] [I9S0]
[0362] [化 61]
[0363] [化 62]
[S9^ ] 9S0]
[0365] [化 64]
[0366] [化 65]
[0367] [化 66]
[0368] [化 67]
[0369] [化 68]
T
[0370] 前記一般式(1)で表される有機酸と 3価以上 20価以下の多価アルコール力もなる エステル化合物は、セルロースエステルに対する相溶性が高ぐ高添加率で添加す ることができる特徴があるため、他の可塑剤や添加剤を併用してもブリードアウトを発 生することがなぐ必要に応じて他種の可塑剤や添加剤を容易に併用することができ る。
[0371] なお、他の可塑剤を併用する際には、上記可塑剤が、可塑剤全体の少なくとも 50 質量%以上含有されることが好ましい。より好ましくは 70%以上、さらに好ましくは 80 %以上含有されることが好ましい。このような範囲で用いれば、他の可塑剤との併用 によっても、溶融流延時のセルロールエステルフィルムの平面性を向上させることが できるという、一定の効果を得ることができる。
[0372] 併用するその他の可塑剤としては、脂肪族カルボン酸 多価アルコール系可塑剤 、特開 2003— 12823号公報段落 30〜33に記載されているような、無置換の芳香
族カルボン酸またはシクロアルキルカルボン酸 多価アルコールエステル系可塑剤 、あるいはジォクチルアジペート、ジシクロへキシルアジペート、ジフエニルサクシネー ト、ジ 2 ナフチル一 1, 4 シクロへキサンジカルボキシレート、トリシクロへキシルトリ 力ルバレート、テトラ 3 メチルフエ-ルテトラヒドロフラン 2, 3, 4, 5—テトラカルボ キシレート、テトラプチルー 1, 2, 3, 4ーシクロペンタンテトラカルボキシレート、トリフ ェ-ルー 1, 3, 5 シクロへキシルトリカルボキシレート、トリフエ-ルベンゼン 1, 3, 5—テトラカルボキシレート、フタル酸系可塑剤(例えばジェチルフタレート、ジメトキ シェチルフタレート、ジメチルフタレート、ジォクチルフタレート、ジブチルフタレート、 ジ 2—ェチルへキシルフタレート、ジォクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレ一 ト、ジシクロへキシルテレフタレート、メチルフタリルメチルダリコレート、ェチルフタリル ェチルダリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチノレフタリノレブチノレグリ コレート等)、クェン酸系可塑剤(タエン酸ァセチルトリメチル、クェン酸ァセチルトリエ チル、タエン酸ァセチルトリブチル等)等の多価カルボン酸エステル系可塑剤、トリフ ェ-ルホスフェート、ビフエ-ルジフエ-ルホスフェート、ブチレンビス(ジェチノレホスフ エート;)、エチレンビス(ジフエ二ノレホスフェート;)、フエ-レンビス(ジブチノレホスフエー ト)、フエ-レンビス(ジフヱ-ルホスフェート)(旭電化製アデカスタブ PFR)、フエ-レ ンビス(ジキシレニルホスフェート)(旭電化製アデカスタブ FP500)、ビスフエノール A ジフヱ-ルホスフェート(旭電化製アデカスタブ FP600)等のリン酸エステル系可塑 剤、炭水化物エステル系可塑剤、ポリマー可塑剤、例えば特開 2002— 22956号の 段落番号 49〜56に記載のポリマーポリエステル等、ポリエーテル系可塑剤、等が挙 げられる。
[0373] 炭水化物エステル系可塑剤について説明する。炭水化物とは、糖類カ^ラノースま たはフラノース(6員環または 5員環)の形態で存在する単糖類、二糖類または三糖 類を意味する。
[0374] 炭水化物の非限定的例としては、グルコース、サッカロース、ラタトース、セロビオー ス、マンノース、キシロース、リボース、ガラクトース、ァラビノース、フルクトース、ソル ボース、セロトリオース及びラフイノース等が挙げられる。
[0375] 炭水化物エステルとは、炭水化物の水酸基とカルボン酸が脱水縮合してエステル
化合物を形成したものを指し、詳しくは、炭水化物の脂肪族カルボン酸エステル、或 いは芳香族カルボン酸エステルを意味する。
[0376] 脂肪族カルボン酸として、例えば酢酸、プロピオン酸等を挙げることができ、芳香族 カルボン酸として、例えば安息香酸、トルィル酸、ァニス酸等を挙げることができる。
[0377] 炭水化物は、その種類に応じた水酸基の数を有するが、水酸基の一部とカルボン 酸が反応してエステルイヒ合物を形成しても、水酸基の全部とカルボン酸が反応して エステルイ匕合物を形成してもよ 、。
[0378] 本発明においては、水酸基の全部とカルボン酸が反応して得られる炭水化物エス テルが好ましく用いられ、それらの例としては、メタクリル酸メチルとメタクリル酸 2— ヒドロキシェチルとの共重合体、アクリル酸とメタクリル酸メチルとメタクリル酸 2—ヒ ドロキシェチルとの共重合体等のアクリル系ポリマー、ポリビュルイソブチルエーテル
、ポリ N—ビュルピロリドン等のビュル系ポリマー、ポリスチレン、ポリ 4ーヒドロキシスチ レン等のスチレン系ポリマー、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、 ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレンォキシド、ポリプロピレンォキ シド等のポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレァ等が挙げられる。
[0379] 数平均分子量 ίま 1000〜500000程度力 S好まし <、特に好まし <ίま、 5000〜2000 00である。 1000未満では揮発性が大きくなり過ぎ、 500000を超えると可塑ィ匕能力 が低下し、セルロースエステルフィルムの機械的性質に悪影響を及ぼす。
[0380] これらポリマー可塑剤は 1種の繰り返し単位力 なる単独重合体でも、複数の繰り返 し構造体を有する共重合体でもよい。また、上記ポリマーを 2種以上併用して用いて ちょい。
[0381] しかし、リン酸系可塑剤は加水分解によって強酸を発生し、可塑剤自身及びセル口 ースエステルの加水分解を促進する。このため、保存安定性が悪い、セルロースエス テルの溶融製膜に使用するとフィルムの着色が発生しやす 、等の問題により、フタル 酸エステル系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、クェン酸エステル系可塑 剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤を使用することが好ましい。
[0382] なお、本発明に係る表示装置用フィルムは、着色すると光学用途として影響を与え るため、好ましくは黄色度 (イェローインデックス、 ΥΙ)が 3. 0以下、より好ましくは 1. 0
以下である。黄色度 ¾JIS—K7103に基づいて測定することができる。これらの可塑 剤は、単独で用いても良ぐまた必要に応じて 2種類以上を併用して用いてもよい。ま た可塑剤の添カ卩量は、表示装置用フィルムがセルロースエステルフィルムである場合 、セルロースエステルに対して、 1〜30質量%含有させることが好ましぐより好ましく は 2〜25質量%、特に好ましくは 7〜20質量%である。また、本発明の表示装置用 フィルムは、 450nmの光束の透過率が 90%以上である事が好ましい。尚、表示装置 用フィルムが、セルロースエステルフィルムと他の層からなる場合、セルロースエステ ルフィルム単体での 450nmの光束の透過率が 90%以上である事が好ましい。
[0383] 《マット剤》
本発明に係る表示装置用フィルムは、滑り性や光学的、機械的機能を付与するた めにマット剤を添加することができる。マット剤としては、無機化合物の微粒子または 有機化合物の微粒子が挙げられる。
[0384] マット剤の形状は、球状、棒状、針状、層状、平板状等の形状のものが好ましく用い られる。マット剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸ィ匕アルミニウム、 酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケィ酸カルシウム、水和ケ ィ酸カルシウム、ケィ酸アルミニウム、ケィ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の金属 の酸化物、リン酸塩、ケィ酸塩、炭酸塩等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙げ ることが
できる。
[0385] 中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを低くできるので好ましい。これらの微粒 子は有機物により表面処理されていることが、フィルムのヘイズを低下できるため好ま しい。
[0386] 表面処理は、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサン等で行うこと が好ましい。微粒子の平均粒径が大きい方が滑り性効果は大きぐ反対に平均粒径 の小さ 、方は透明性に優れる。
[0387] また、微粒子の一次粒子の平均粒径は 0. 01-1. 0 μ mの範囲である。好ましい 微粒子の一次粒子の平均粒径は 5〜50nmが好ましぐさらに好ましくは、 7〜14nm である。これらの微粒子は、フィルム表面に 0. 01〜: L の凹凸を生成させるた
めに好ましく用いられる。
[0388] 二酸化ケイ素の微粒子としては、日本ァエロジル (株)製のァエロジル (AEROSIL ) 200、 200V、 300、 R972、 R972V、 R974、 R202、 R812、 0X50、 TT600、 NA X50等、日本触媒 (株)製の KE— P10、 KE— P30、 KE— P100、 KE— P150等を 挙げることができ、好ましくはァエロジル 200V、 R972V、 NAX50、 KE— P30、 KE — P100である。これらの微粒子は 2種以上併用してもよい。
[0389] 2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。平均粒径や 材質の異なる微粒子、例えば、ァエロジル 200Vと R972Vを質量比で 0. 1 : 99. 9〜 99. 9 : 0. 1の範囲で使用できる。
[0390] これらのマット剤の添加方法は混練する等によって行うことが好ま U、。また、別の 形態として予め溶媒に分散したマット剤とセルロースエステル及び Zまたは可塑剤及 び Zまたは紫外線吸収剤を混合分散させた後、溶媒を揮発または沈殿させた固形 物を得て、これをセルロースエステル溶融物の製造過程で用いること力 マット剤が セルロース榭脂中で均一に分散できる観点力も好ましい。
[0391] 上記マット剤は、フィルムの機械的、電気的、光学的特性改善のために添加するこ とちでさる。
[0392] なお、これらの微粒子を添加するほど、得られる表示装置用フィルムの滑り性は向 上するが、添加するほどヘイズが上昇するため、含有量は好ましくはセルロースエス テルに対して 0. 001〜5質量%が好ましぐより好ましくは 0. 005〜1質量%であり、 さらに好ましくは 0. 01-0. 5質量%である。
[0393] なお、本発明に係る表示装置用フィルムとしては、ヘイズ値が 1. 0%を超えると光 学用材料として影響を与えるため、好ましくはヘイズ値は 1. 0%未満、より好ましくは 0. 5%未満である。ヘイズ値 ίお IS— K7136に基づいて測定することができる。
[0394] フィルム構成材料は溶融及び製膜工程にお!ヽて、揮発成分が少な!/ヽまたは発生し ないことが求められる。これは加熱溶融時に発泡して、フィルム内部の欠陥やフィル ム表面の平面性劣化を削減または回避するためである。
[0395] フィルム構成材料が溶融されるときの揮発成分の含有量は、 1質量%以下、好まし くは 0. 5質量%以下、さらに好ましくは 0. 2質量%以下、さらにより好ましくは 0. 1質
量%以下であることが望まれる。
[0396] 本発明にお ヽては、示差熱重量測定装置 (セイコー電子工業社製 TGZDTA200 )を用いて、 30°Cから 250°Cまでの加熱減量を求め、その量を揮発成分の含有量と している。
[0397] 用いるフィルム構成材料は、前記水分や前記溶媒等に代表される揮発成分を、製 膜する前に、または加熱時に除去することが好ましい。除去する方法は、公知の乾燥 方法が適用でき、加熱法、減圧法、加熱減圧法等の方法で行うことができ、空気中ま たは不活性ガスとして窒素を選択した雰囲気下で行ってもよい。
[0398] これらの公知の乾燥方法を行うとき、フィルム構成材料が分解しない温度領域で行 うことがフィルムの品質上好ましい。
[0399] 製膜前に乾燥することにより、揮発成分の発生を削減することができ、榭脂単独、ま たは樹脂とフィルム構成材料の内、榭脂以外の少なくとも 1種以上の混合物または相 溶物に分割して乾燥することもできる。乾燥温度は 70°C以上が好ま 、。
[0400] 乾燥する材料にガラス転移温度を有する物が存在するときには、そのガラス転移温 度よりも高い乾燥温度に加熱すると、材料が融着して取り扱いが困難になることがあ るので、乾燥温度は、ガラス転移温度以下であることが好ましい。
[0401] 複数の物質がガラス転移温度を有する場合は、ガラス転移温度が低!ヽ方のガラス 転移温度を基準とする。より好ましくは 70°C以上、(ガラス転移温度 5)°C以下、さら に好ましくは 110°C以上、(ガラス転移温度 20) °C以下である。
[0402] 乾燥時間は、好ましくは 0. 5〜24時間、より好ましくは 1〜18時間、さらに好ましく は 1. 5〜12時間である。乾燥温度が低くなりすぎると揮発成分の除去率が低くなり、 また乾燥するのに時間に力かり過ぎることになる。
[0403] また、乾燥工程は 2段階以上にわけてもよぐ例えば、乾燥工程が、材料の保管の ための予備乾燥工程と、製膜する直前〜 1週間前の間に行う直前乾燥工程を含むも のであってもよい。
[0404] 《溶融流延法》
本発明に係る表示装置用フィルムはセルロースエステルの溶融流延によって形成 することが好ましい。溶液流延法において用いられる溶媒 (例えば塩化メチレン等)を
用いずに、加熱溶融する溶融流延による成形法は、さらに詳細には、溶融押出成形 法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法等 に分類できる。
[0405] これらの中で、機械的強度及び表面精度等に優れる偏光板保護フィルムを得るた めには、溶融押し出し法が優れている。
[0406] 以下、溶融押し出し法を例にとり、本発明のフィルムの製造方法について説明する
[0407] 図 1は、本発明に係る表示装置用フィルムの製造方法を実施する装置の全体構成 を示す概略フローシートであり、図 2は、流延ダイ力 冷却ロール部分の拡大図であ る。
[0408] 図 1と図 2において、セルロースエステルフィルムの製造方法は、セルロース榭脂等 のフィルム材料を混合した後、押出し機 1を用いて、流延ダイ 4から第 1冷却ロール 5 上に溶融押し出し、第 1冷却ロール 5に外接させるとともに、さらに、第 2冷却ロール 7 、第 3冷却ロール 8の合計 3本の冷却ロールに順に外接させて、冷却固化してフィル ム 10とする。
[0409] ついで、剥離ロール 9によって剥離したフィルム 10を、ついで延伸装置 12によりフィ ルムの両端部を把持して幅方向に延伸した後、卷取り装置 16により巻き取る。また、 平面性を矯正するために溶融フィルムを第 1冷却ロール 5表面に挟圧するタツチロー ル 6が設けられている。
[0410] このタツチロール 6は表面が弾性を有し、第 1冷却ロール 5との間で-ップを形成し て 、る。タツチロール 6につ!/、ての詳細は後述する。
[0411] セルロースエステルフィルムの製造方法にお!、て、溶融押し出しの条件は、他のポ リエステル等の熱可塑性榭脂に用いられる条件と同様にして行うことができる。材料 は予め乾燥させておくことが好ま 、。真空または減圧乾燥機や除湿熱風乾燥機等 で水分を lOOOppm以下、好ましくは 200ppm以下に乾燥させることが望ましい。
[0412] 例えば、熱風や真空または減圧下で乾燥したセルロースエステル系榭脂を押出し 機 1を用いて、押し出し温度 200〜300°C程度で溶融し、リーフディスクタイプのフィ ルター 2等で濾過し、異物を除去する。
[0413] 供給ホッパー(図示略)から押出し機 1へ導入する際は、真空下または減圧下ゃ不 活性ガス雰囲気下にして、酸ィ匕分解等を防止することが好ましい。
[0414] 可塑剤等の添加剤を予め混合しない場合は、押出し機の途中で練り込んでもよい 。均一に添加するために、スタチックミキサー 3等の混合装置を用いることが好ましい
[0415] 本発明において、セルロース榭脂と、その他必要により添加される安定化剤等の添 加剤は、溶融する前に混合しておくことが好ましい。セルロース榭脂と安定化剤を最 初に混合することがさらに好ましい。
[0416] 混合は、混合機等により行ってもよぐまた、前記したようにセルロース榭脂調製過 程において混合してもよい。混合機を使用する場合は、 V型混合機、円錐スクリュー 型混合機、水平円筒型混合機、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー等、一般的な混 合機を用いることができる。
[0417] 上記のようにフィルム構成材料を混合した後に、その混合物を押出し機 1を用いて 直接溶融して製膜するようにしてもよいが、一旦、フィルム構成材料をペレツトイ匕した 後、該ペレットを押出し機 1で溶融して製膜するようにしてもよい。
[0418] また、フィルム構成材料が、融点の異なる複数の材料を含む場合には、融点の低 ヽ 材料のみが溶融する温度でー且、いわゆるおこし状の半溶融物を作製し、半溶融物 を押出し機 1に投入して製膜することも可能である。
[0419] フィルム構成材料に熱分解しやす!ヽ材料が含まれる場合には、溶融回数を減らす 目的で、ペレットを作製せずに直接製膜する方法や、上記のようなおこし状の半溶融 物を作って力も製膜する方法が好ま 、。
[0420] 押出し機 1は、市場で入手可能な種々の押出し機を使用可能であるが、溶融混練 押出し機が好ましぐ単軸押出し機でも 2軸押出し機でもよい。
[0421] フィルム構成材料からペレットを作製せずに、直接製膜を行う場合、適当な混練度 が必要であるため 2軸押出し機を用いることが好ましいが、単軸押出し機でも、スクリ ユーの形状をマドック型、ュ-メルト、ダルメージ等の混練型のスクリューに変更する ことにより、適度の混練が得られるので、使用可能である。
[0422] フィルム構成材料として、ー且、ペレットやおこし状の半溶融物を使用する場合は、
単軸押出し機でも 2軸押出し機でも使用可能である。
[0423] 押出し機 1内及び押出した後の冷却工程は、窒素ガス等の不活性ガスで置換する 力 あるいは減圧することにより、酸素の濃度を下げることが好ましい。
[0424] 押出し機 1内のフィルム構成材料の溶融温度は、フィルム構成材料の粘度や吐出 量、製造するシートの厚み等によって好ましい条件が異なる力 一般的には、フィル ムのガラス転移温度 Tgに対して、 Tg以上、 Tg+ 130°C以下、好ましくは Tg+ 10°C 以上、 Tg+ 120°C以下である。押出し時の溶融粘度は、 10〜: LOOOOOボイズ、好ま しくは 100〜10000ボイズである。
[0425] また、押出し機 1内でのフィルム構成材料の滞留時間は短い方が好ましぐ 5分以 内、好ましくは 3分以内、より好ましくは 2分以内である。滞留時間は、押出し機 1の種 類、押出す条件にも左右されるが、材料の供給量や LZD、スクリュー回転数、スクリ ユーの溝の深さ等を調整することにより短縮することが可能である。
[0426] 押出し機 1のスクリューの形状や回転数等は、フィルム構成材料の粘度や吐出量等 により適宜選択される。本発明において押出し機 1でのせん断速度は、 1/秒〜 100 ooZ秒、好ましくは 5Z秒〜 loooZ秒、より好ましくは 10Z秒〜 looZ秒である。
[0427] 本発明に使用できる押出し機 1としては、一般的にプラスチック成形機として入手可 能である。
[0428] 押出し機 1から押し出されたフィルム構成材料は、流延ダイ 4に送られ、流延ダイ 4 のスリットからフィルム状に押し出される。流延ダイ 4はシートやフィルムを製造するた めに用いられるものであれば特に限定はされな 、。
[0429] 流延ダイ 4の材質としては、ノ、一ドクロム、炭化クロム、窒化クロム、炭化チタン、炭 窒化チタン、窒化チタン、超鋼、セラミック(タングステンカーバイド、酸化アルミ、酸ィ匕 クロム)等を溶射もしくはメツキし、表面加工としてパフ、 # 1000番手以降の砲石を用 いるラッピング、 # 1000番手以上のダイヤモンド砲石を用いる平面切削(切削方向 は榭脂の流れ方向に垂直な方向)、電解研磨、電解複合研磨等の加工を施したもの 等が挙げられる。
[0430] 流延ダイ 4のリップ部の好ましい材質は、流延ダイ 4と同様である。またリップ部の表 面精度は 0. 5S以下が好ましぐ 0. 2S以下がより好ましい。
[0431] この流延ダイ 4のスリットは、そのギャップが調整可能なように構成されている。これ を図 3に示す。流延ダイ 4のスリット 32を形成する一対のリップのうち、一方は剛性の 低い変形しやすいフレキシブルリップ 33であり、他方は固定リップ 34である。そして、 多数のヒートボルト 35が流延ダイ 4の幅方向すなわちスリット 32の長さ方向に一定ピ ツチで配列されている。
[0432] 各ヒートボルト 35には、埋め込み電気ヒータ 37と冷却媒体通路とを具えたブロック 3 6が設けられ、各ヒートボルト 35が各ブロック 36を縦に貫通している。ヒートボルト 35 の基部はダイ本体 31に固定され、先端はフレキシブルリップ 33の外面に当接してい る。
[0433] そしてブロック 36を常時空冷しながら、埋め込み電気ヒータ 37の入力を増減してブ ロック 36の温度を上下させ、これによりヒートボルト 35を熱伸縮させて、フレキシブル リップ 33を変位させてフィルムの厚さを調整する。
[0434] ダイ後流の所要箇所に厚さ計を設け、これによつて検出されたウェブ厚さ情報を制 御装置にフィードバックし、この厚さ情報を制御装置で設定厚み情報と比較し、同装 置力 来る補正制御量の信号によってヒートボルトの発熱体の電力またはオン率を制 御するよう〖こすることもできる。ヒートボルトは、好ましくは、長さ 20〜40cm、直径 7〜 14mmを有し、複数、例えば数十本のヒートボルトが、好ましくはピッチ 20〜40mm で配
列されている。
[0435] ヒートボルトの代わりに、手動で軸方向に前後動させることによりスリットギャップを調 節するボルトを主体とするギャップ調節部材を設けてもょ 、。ギャップ調節部材によつ て調節されたスリットギャップは、通常 200〜1000 μ m、好ましくは 300〜800 μ m、 より好ましくは 400〜600 μ mである。
[0436] 第 1〜第 3冷却ロールは、肉厚が 20〜30mm程度のシームレスな鋼管製で、表面 が鏡面に仕上げられている。その内部には、冷却液を流す配管が配置されており、 配管を流れる冷却液によってロール上のフィルム力 熱を吸収できるように構成され ている。この第 1乃至第 3冷却ロールの内、第 1冷却ロール 5が本発明の回転支持体 に相当する。
[0437] 一方、第 1冷却ロール 5に当接するタツチロール 6は、表面が弾性を有し、第 1冷却 ロール 5への押圧力によって第 1冷却ロール 5の表面に沿って変形し、第 1ロール 5と の間に-ップを形成する。すなわち、タツチロール 6が本発明の挟圧回転体に相当す る。
[0438] 図 4に、タツチロール 6の一実施形態(以下、タツチロール A)の概略断面を示す。図 に示すように、タツチロール Aは、可撓性の金属スリーブ 41の内部に弾性ローラ 42を 配したものである。
[0439] 金属スリーブ 41は厚さ 0. 3mmのステンレス製であり、可撓性を有する。金属スリー ブ 41が薄すぎると強度が不足し、逆に厚すぎると弾性が不足する。これらのこと力 、 金属スリーブ 41の厚さとしては、 0. 1〜1. 5mmが好ましい。
[0440] 弾性ローラ 42は、軸受を介して回転自在な金属製の内筒 43の表面にゴム 44を設 けてロール状としたものである。そして、タツチロール Aが第 1冷却ロール 5に向けて 押圧されると、弾性ローラ 42が金属スリーブ 41を第 1冷却ロール 5に押しつけ、金属 スリープ 41及び弾性ローラ 42は第 1冷却ロール 5の形状になじんだ形状に対応しつ つ変形し、第 1冷却ロールとの間に-ップを形成する。金属スリーブ 41の内部で弾性 ローラ 42との間に形成される空間には、冷却水 45が流される。
[0441] 図 5、図 6は挟圧回転体の別の実施形態であるタツチロール Bを示している。タツチ ロール Bは、可撓性を有する、シームレスなステンレス鋼管製 (厚さ 4mm)の外筒 51 と、この外筒 51の内側に同一軸心状に配置された高剛性の金属内筒 52とから概略 構成されている。外筒 51と内筒 52との間の空間 53には、冷却液 54が流される。
[0442] 詳しくは、タツチロール Bは、両端の回転軸 55a、 55bに外筒支持フランジ 56a、 56 bが取付けられ、これら両外筒支持フランジ 56a、 56bの外周部間に薄肉金属外筒 5 1が取付けられている。また、一方の回転軸 55aの軸心部に形成されて流体戻り通路 57を形成する流体排出孔 58内に、流体供給管 59が同一軸心状に配設され、この 流体供給管 59が薄肉金属外筒 51内の軸心部に配置された流体軸筒 60に接続固 定されている。
[0443] この流体軸筒 60の両端部に内筒支持フランジ 6 la、 6 lbがそれぞれ取付けられ、 これら内筒支持フランジ 61a、 61bの外周部間から他端側外筒支持フランジ 56bにわ
たって約 15〜20mm程度の肉厚を有する金属内筒 52が取付けられている。
[0444] そしてこの金属内筒 52と薄肉金属外筒 51との間に、例えば 10mm程度の冷却液 の流送空間 53が形成され、また金属内筒 52に両端部近傍には、流送空間 53と内 筒支持フランジ 61a、 61b外側の中間通路 62a、 62bとを連通する流出口 52a及び流 入口 52bがそれぞれ形成されて!、る。
[0445] また、外筒 51は、ゴム弾性に近い柔軟性と可撓性、復元性をもたせるために、弾性 力学の薄肉円筒理論が適用できる範囲内で薄肉化が図られている。この薄肉円筒 理論で評価される可撓性は、肉厚 tZロール半径 rで表されており、 tZrが小さいほど 可撓性が高まる。
[0446] このタツチロール Bでは tZr≤0. 03の場合に可撓性が最適の条件となる。通常、 一般的に使用されて 、るタツチロールは、ロール径1^= 200〜500mm (ロール半径 r =R/2)、ロール有効幅 = 500〜1600111111で、 r/L< 1で横長の形状である。
[0447] そして図 6に示すように、例えばロール径 R= 300mm、ロール有効幅 L= 1200m mの場合、肉厚 tの適正範囲は 150 X 0. 03=4. 5mm以下であるが、溶融シート幅 を 1300mmに対して平均線圧を 98NZcmで挟圧する場合、同一形状のゴムロール と比較して、外筒 51の肉厚を 3mmとすることで相当ばね定数も等しぐ外筒 51と冷 却ロールとの-ップのロール回転方向の-ップ幅 kも約 9mmで、このゴムロールの- ップ幅約 12mmとほぼ近い値を示し、同じような条件下で挟圧できることが分かる。
[0448] なお、この-ップ幅 kにおけるたわみ量は 0. 05〜0. 1mm程度である。
[0449] ここで、 tZr≤0. 03とした力 一般的なロール径 R= 200〜500mmの場合では、 特に 2mm≤t≤5mmの範囲とすると、可撓性も十分に得られ、また機械加工による 薄肉ィヒも容易に実施でき、極めて実用的な範囲となる。肉厚が 2mm以下ではカロェ 時の弾性変形で高精度な加工ができな 、。
[0450] この 2mm≤t≤ 5mmの換算値は、一般的なロール径に対して 0. 008≤t/r≤0.
05となる力 実用にあたっては tZr^O. 03の条件下でロール径に比例して肉厚も 大きくするとよい。例えばロール径: R= 200では t = 2〜3mm、ロール径: R= 500で は t = 4〜 5mmの範囲で選択する。
[0451] このタツチロール A、 Bは不図示の付勢手段により第 1冷却ロールに向けて付勢さ
れる。その付勢手段の付勢力を F、 -ップにおけるフィルムの、第 1冷却ロール 5の回 転軸に沿った方向の幅 Wを除した値 FZW (線圧)は、 9. 8〜147NZcmに設定さ れる。本実施の形態によれば、タツチロール A、 Bと第 1冷却ロール 5との間に-ップ が形成され、当該二ップをフィルムが通過する間に平面性を矯正すればよい。
[0452] 従って、タツチロールが剛体で構成され、第 1冷却ロールとの間に-ップが形成され ない場合と比べて、小さい線圧で長時間かけてフィルムを挟圧するので、平面性をよ り確実に矯正することができる。すなわち、線圧が 9. 8NZcmよりも小さいと、ダイラ インを十分に解消することができなくなる。
[0453] 逆に、線圧が 147NZcmよりも大きいと、フィルムが-ップを通過しにくくなり、フィ ルムの厚さにかえってムラができてしまう。
[0454] また、タツチロール A、 Bの表面を金属で構成することにより、タツチロールの表面が ゴムである場合よりもタツチロール A、 Bの表面を平滑にすることができるので、平滑 性の高いフィルムを得ることができる。なお、弾性ローラ 42の弾性体 44の材質として は、エチレンプロピレンゴム、ネオプレンゴム、シリコンゴム等を用いることができる。
[0455] さて、タツチロール 6によってダイラインを良好に解消するためには、タツチロール 6 力 Sフィルムを挟圧するときのフィルムの粘度が適切な範囲であることが重要となる。ま た、セルロースエステルは温度による粘度の変化が比較的大きいことが知られている
[0456] 従って、タツチロール 6がセルロースエステルフィルムを挟圧するときの粘度を適切 な範囲に設定するためには、タツチロール 6がセルロースフィルムを挟圧するときのフ イルムの温度を適切な範囲に設定することが重要となる。
[0457] そしてセルロースエステルフィルムのガラス転移温度を Tgとしたとき、フィルムがタツ チロール 6に挟圧される直前のフィルムの温度 Tを、 Tg<T<Tg+ 110°Cを満たす ように設定することが好まし 、。
[0458] フィルム温度 Tが Tgよりも低いとフィルムの粘度が高すぎて、ダイラインを矯正でき なくなる。逆に、フィルムの温度 Tが Tg+ 110°Cよりも高いと、フィルム表面とロールが 均一に接着せず、やはりダイラインを矯正することができない。好ましくは Tg+ 10°C < T< Tg + 90°C、さらに好ましくは Tg + 20°C < T< Tg + 70°Cである。
[0459] タツチロール 6がセルロースエステルフィルムを挟圧するときのフィルムの温度を適 切な範囲に設定するには、流延ダイ 4から押し出された溶融物が第 1冷却ロール 5に 接触する位置 P1から第 1冷却ロール 5とタツチロール 6との-ップの、第 1冷却ロール
5の回転方向に沿った長さ Lを調整すればょ 、。
[0460] 本発明において、第 1ロール 5、第 2ロール 6に好ましい材質は、炭素鋼、ステンレス 鋼、榭脂、等が挙げられる。また、表面精度は高くすることが好ましく表面粗さとして 0
. 3S以下、より好ましくは 0. 01S以下とする。
[0461] 本発明においては、流延ダイ 4の開口部(リップ)から第 1ロール 5までの部分を 70k
Pa以下に減圧させることにより、上記、ダイラインの矯正効果がより大きく発現するこ とを発見した。好ましくは、減圧は 50〜70kPaである。
[0462] 流延ダイ 4の開口部(リップ)から第 1ロール 5までの部分の圧力を 70kPa以下に保 つ方法としては、特に制限はないが、流延ダイ 4からロール周辺を耐圧部材で覆い、 減圧する等の方法がある。
[0463] このとき、吸引装置は、装置自体が昇華物の付着場所にならないようヒータで加熱 する等の処置を施すことが好ましい。本発明では、吸引圧が小さすぎると昇華物を効 果的に吸引できないため、適当な吸引圧とする必要がある。
[0464] 本発明にお 、て、 Tダイ 4から溶融状態のフィルム状のセルロースエステル系榭脂 を、第 1ロール (第 1冷却ロール) 5、第 2冷却ロール 7、及び第 3冷却ロール 8に順次 密着させて搬送しながら冷却固化させ、未延伸のセルロースエステル系榭脂フィルム
10を得る。
[0465] 図 1に示す本発明の実施形態では、第 3冷却ロール 8から剥離ロール 9によって剥 離した冷却固化された未延伸のフィルム 10は、ダンサーロール (フィルム張力調整口 ール) 11を経て延伸機 12に導き、そこでフィルム 10を横方向(幅方向)に延伸する。 この延伸により、フィルム中の分子が配向される。
[0466] フィルムを幅方向に延伸する方法は、公知のテンター等を好ましく用いることができ る。特に延伸方向を幅方向とすることで、偏光フィルムとの積層がロール形態で実施 できるので好ましい。幅方向に延伸することで、セルロースエステル系榭脂フィルムか らなるセルロースエステルフィルムの遅相軸は幅方向になる。
[0467] 一方、偏光フィルムの透過軸も、通常、幅方向である。偏光フィルムの透過軸と光 学フィルムの遅相軸とが平行になるように積層した偏光板を液晶表示装置に組み込 むことで、液晶表示装置の表示コントラストを高くすることができるとともに、良好な視 野角が得られるのである。
[0468] フィルム構成材料のガラス転移温度 Tgはフィルムを構成する材料種及び構成する 材料の比率を異ならしめることにより制御できる。セルロースエステルフィルムとして位 相差フィルムを作製する場合、 Tgは 120°C以上、好ましくは 135°C以上とすることが 好ましい。
[0469] 液晶表示装置にお!、ては、画像の表示状態にお!、て、装置自身の温度上昇、例 えば光源由来の温度上昇によってフィルムの温度環境が変化する。このときフィルム の使用環境温度よりもフィルムの Tgが低いと、延伸によってフィルム内部に固定され た分子の配向状態に由来するリタデーシヨン値及びフィルムとしての寸法形状に大き な変化を与えることとなる。
[0470] フィルムの Tgが高過ぎると、フィルム構成材料をフィルム化するとき温度が高くなる ために加熱するエネルギー消費が高くなり、またフィルム化するときの材料自身の分 解、それによる着色が生じることがあり、従って、 Tgは 250°C以下が好ましい。
[0471] また延伸工程には公知の熱固定条件、冷却、緩和処理を行ってもよぐ目的とする 光学フィルムに要求される特性を有するように適宜調整すればよ!、。
[0472] 位相フィルムの物性と液晶表示装置の視野角拡大のための位相フィルムの機能付 与するために、上記延伸工程、熱固定処理は適宜選択して行われている。このような 延伸工程、熱固定処理を含む場合、加熱加圧工程は、それらの延伸工程、熱固定 処理の前に行うようにする。
[0473] セルロースエステルフィルムとして位相差フィルムを製造し、さらに偏光板保護フィ ルムの機能を複合させる場合、屈折率制御を行う必要が生じるが、その屈折率制御 は延伸操作により行うことが可能であり、また延伸操作が好ましい方法である。以下、 その延伸方法について説明する。
[0474] 位相差フィルムの延伸工程において、セルロース榭脂の 1方向に 1. 0〜2. 0倍及 びフィルム面内にそれと直交する方向に 1. 01-2. 5倍延伸することで、必要とされ
るリタデーシヨン Ro及び Rtを制御することができる。ここで、 Roとは面内リタデーショ ンを示し、面内の長手方向 MDの屈折率と幅方向 TDの屈折率との差に厚みを乗じ たもの、 Rtとは厚み方向リタデーシヨンを示し、面内の屈折率 (長手方向 MDと幅方 向 TDの平均)と厚み方向の屈折率との差に厚みを乗じたものである。
[0475] 延伸は、例えばフィルムの長手方向及びそれとフィルム面内で直交する方向、即ち 幅方向に対して、逐次または同時に行うことができる。このとき少なくとも 1方向に対し ての延伸倍率が小さ過ぎると十分な位相差が得られず、大き過ぎると延伸が困難とな りフィルム破断が発生してしまう場合がある。
[0476] 互いに直交する 2軸方向に延伸することは、フィルムの屈折率 nx、 ny、 nzを所定の 範囲に入れるために有効な方法である。ここで、 nxとは長手 MD方向の屈折率、 ny とは幅手 TD方向の屈折率、 nzとは厚み方向の屈折率である。
[0477] 例えば溶融流延方向に延伸した場合、幅方向の収縮が大き過ぎると、 nzの値が大 きくなり過ぎてしまう。この場合、フィルムの幅収縮を抑制、あるいは幅方向にも延伸 することで改善できる。幅方向に延伸する場合、幅方向で屈折率に分布が生じること がある。
[0478] この分布は、テンター法を用いた場合に現れることがあり、フィルムを幅方向に延伸 したことで、フィルム中央部に収縮力が発生し、端部は固定されていることにより生じ る現象で、いわゆるボーイング現象と呼ばれるものと考えられる。この場合でも、流延 方向に延伸することで、ボーイング現象を抑制でき、幅方向の位相差の分布を少なく できる。
[0479] 互いに直行する 2軸方向に延伸することにより、得られるフィルムの膜厚変動が減 少できる。位相差フィルムの膜厚変動が大き過ぎると位相差のムラとなり、液晶ディス プレイに用いたとき着色等のムラが問題となることがある。
[0480] セルロースエステルフィルムの膜厚変動は、 ± 3%、さらに ± 1%の範囲とすること が好ましい。以上のような目的において、互いに直交する 2軸方向に延伸する方法は 有効であり、互いに直交する 2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的には流延方向 に 1. 0〜2. 0倍、幅方向に 1. 01-2. 5倍の範囲とすることが好ましぐ流延方向に 1. 01〜: L 5倍、幅方向に 1. 05〜2. 0倍に範囲で行うことが必要とされるリタデーシ
ヨン値を得るためにより好ま ヽ。
[0481] 長手方向に偏光子の吸収軸が存在する場合、幅方向に偏光子の透過軸が一致す ることになる。長尺状の偏光板を得るためには、位相差フィルムは、幅方向に遅相軸 を得るように延伸することが好ま U、。
[0482] 応力に対して、正の複屈折を得るセルロースエステルを用いる場合、上述の構成か ら、幅方向に延伸することで、位相差フィルムの遅相軸が幅方向に付与することがで きる。この場合、表示品質の向上のためには、位相差フィルムの遅相軸力 幅方向に あるほうが好ましぐ 目的とするリタデーシヨン値を得るためには、式、(幅方向の延伸 倍率) > (流延方向の延伸倍率)の条件を満たすことが必要である。
[0483] 延伸後、フィルムの端部をスリツター 13により製品となる幅にスリットして裁ち落とし た後、エンボスリング 14及びバックロール 15よりなるナールカ卩ェ装置によりナールカ口 ェ (ェンボッシンダカ卩ェ)をフィルム両端部に施し、卷取り機 16によって巻き取ること により、セルロースエステルフィルム (元巻き) F中の貼り付きや、すり傷の発生を防止 する。
[0484] ナール加工の方法は、凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱や加圧に より加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、変形 しており、フィルム製品として使用できないので、切除されて、原料として再利用され る。
[0485] 次に、フィルムの卷取り工程は、円筒形巻きフィルムの外周面とこれの直前の移動 式搬送ロールの外周面との間の最短距離を一定に保持しながらフィルムを卷取り口 一ルに卷き取るものである。かつ卷取りロールの手前には、フィルムの表面電位を除 去または低減する除電ブロア等の手段が設けられている。
[0486] 本発明の偏光板保護フィルムの製造に係わる卷取り機は一般的に使用されている ものでよぐ定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプロ グラムテンションコントロール法等の卷取り方法で巻き取ることができる。なお、偏光板 保護フィルムの卷取り時の初期卷取り張力が 90. 2-300. 8NZmであるのが好ま しい。
[0487] 本発明の方法におけるフィルムの卷取り工程では、温度 20〜30°C、湿度 20〜60
%RHの環境条件にて、フィルムを巻き取ることが好ましい。このように、フィルムの卷 取り工程での温度及び湿度を規定することにより、厚み方向リタデーシヨン (Rt)の湿 度変化の耐性が向上する。
[0488] 卷取り工程における温度が 20°C未満であれば、シヮが発生し、フィルム卷品質劣 化のため実用に耐えないので、好ましくない。フィルムの卷取り工程における温度が 30°Cを超えると、やはりシヮが発生し、フィルム卷品質劣化のため実用に耐えないの で、好ましくない。
[0489] また、フィルムの卷取り工程における湿度が 20%RH未満であれば、帯電しやすく 、フィルム卷品質劣化のため実用に耐えないので、好ましくない。フィルムの卷取りェ 程における湿度が 60%RHを超えると、卷品質、貼り付き故障、搬送性が劣化するの で、好ましくない。
[0490] 偏光板保護フィルムをロール状に巻き取る際の、巻きコアとしては、円筒上のコアで あれは、どのような材質のものであってもよいが、好ましくは中空プラスチックコアであ り、プラスチック材料としては加熱処理温度にも耐える耐熱性プラスチックであればど のようなものであってもよぐフエノール榭脂、キシレン榭脂、メラミン榭脂、ポリエステ ル榭脂、エポキシ榭脂等の樹脂が挙げられる。
[0491] またガラス繊維等の充填材により強化した熱硬化性榭脂が好ましい。例えば、中空 プラスチックコア: FRP製の外径 6インチ(以下、インチは 2. 54cmを表す。)、内径 5 インチの巻きコアが用いられる。
[0492] これらの巻きコアへの巻き数は、 100巻き以上であることが好ましぐ 500巻き以上 であることがさらに好ましぐ巻き厚は 5cm以上であることが好ましぐフィルム基材の 幅は 80cm以上であることが好ましぐ lm以上であることが特に好ましい。
[0493] 位相差フィルムを偏光板保護フィルムとする場合、該保護フィルムの厚さは、 10〜5 00 μ mが好ましい。特に、下限は 20 μ m以上、好ましくは 35 μ m以上である。上限 ίま 150 m以下、好ましく ίま 120 m以下である。特【こ好まし!/ヽ範囲 ίま 25〜90 /z m である。
[0494] 位相差フィルムが厚いと、偏光板加工後の偏光板が厚くなり過ぎ、ノート型パソコン ゃモパイル型電子機器に用いる液晶表示においては、特に薄型軽量の目的に適さ
ない。一方、位相差フィルムが薄いと、位相差フィルムとしてのリタデーシヨンの発現 が困難となり、加えてフィルムの透湿性が高くなり、偏光子を湿度から保護する能力 が低下してしまうために好ましくな 、。
[0495] 位相差フィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向とのなす 角度を 0 1とすると、 0 1は一1〜+ 1° 、好ましくは一 0. 5〜+ 0. 5° となるようにす る。
[0496] この θ 1は配向角として定義でき、 θ 1の測定は、自動複屈折計 KOBRA—21AD
H (王子計測機器社製)を用いて行うことができる。
[0497] θ 1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏 れを抑制または防止することに寄与し、カラー液晶表示装置においては忠実な色再 現に寄与する。
[0498] 位相差フィルムがマルチドメインィ匕された VAモードに用いられるとき、位相差フィル ムの配置は、位相差フィルムの進相軸が Θ 1として上記領域に配置することで、表示 画質の向上に寄与し、偏光板及び液晶表示装置として MVAモードとしたとき、例え ば図 7に示される構成をとることができる。
[0499] 図 7にお!/ヽて、 21a、 21biま保護フイノレム、 22a, 22b ίま位ネ目差フイノレム、 25a, 25b は偏光子、 23a、 23bはフィルムの遅相軸方向、 24a、 24bは偏光子の透過軸方向、 26a、 26bは偏光板、 27は液晶セル、 29は液晶表示装置を示している。
[0500] 表示装置用フィルム、特に、セルロースエステルフィルムの面内方向のリタデーショ ン Ro分布は、 5%以下に調整することが好ましぐより好ましくは 2%以下であり、特に 好ましくは、 1. 5%以下である。また、フィルムの厚み方向のリタデーシヨン Rt分布を 10%以下に調整することが好ましいが、さらに好ましくは、 2%以下であり、特に好ま しくは、 1. 5%以下である。
[0501] 位相差フィルムにおいて、リタデーシヨン値の分布変動が小さい方が好ましぐ液晶 表示装置に位相差フィルムを含む偏光板を用いるとき、該リタデーシヨン分布変動が 小さ!/、ことが色ムラ等を防止する観点で好ま 、。
[0502] 位相差フィルムを、 VAモードまたは TNモードの液晶セルの表示品質の向上に適 したリタデーシヨン値を有するように調整し、特に VAモードとして上記のマルチドメイ
ンに分割して MVAモードに好ましく用いられるようにするには、面内リタデーシヨン R oを 30nmよりも大きく、 95nm以下に、かつ厚み方向リタデーシヨン Rtを 70nmよりも 大きぐ 400nm以下の値に調整することが求められる。
[0503] 上記の面内リタデーシヨン Roは、 2枚の偏光板がクロス-コルに配置され、偏光板 の間に液晶セルが配置された、例えば図 7に示す構成であるときに、表示面の法線 方向から観察するときを基準にしてクロス-コル状態にあるとき、表示面の法線から斜 めに観察したとき、偏光板のクロス-コル状態からのずれが生じ、これが要因となる光 漏れを、主に補償する。
[0504] 厚さ方向のリタデーシヨンは、上記 TNモードや VAモード、特に MVAモードにおい て液晶セルが黒表示状態であるときに、同様に斜めから見たときに認められる液晶セ ルの複屈折を主に補償するために寄与する。
[0505] 図 7に示すように、液晶表示装置において、液晶セルの上下に偏光板が二枚配置 された構成である場合、図中の 22a及び 22bは、厚み方向リタデーシヨン Rtの配分を 選択することができ、上記範囲を満たしかつ厚み方向リタデーシヨン Rtの両者の合計 値が 140nmよりも大きくかつ 500nm以下にすることが好ましい。
[0506] このとき 22a及び 22bの面内リタデーシヨン Ro、厚み方向リタデーシヨン Rtが両者 同じであることが、工業的な偏光板の生産性向上において好ましい。特に好ましくは 面内リタデーシヨン Roが 35nmよりも大きくかつ 65nm以下であり、かつ厚み方向リタ デーシヨン Rtが 90nmよりも大きく 180nm以下で、図 7の構成で MVAモー ドの液晶セルに適用することである。
[0507] 液晶表示装置において、一方の偏光板に例えば市販の偏光板保護フィルムとして 面内リタデーシヨン Ro = 0〜4nm及び厚み方向リタデーシヨン Rt= 20〜50nmで厚 さ 35〜85 μ mの TACフィルム力 例えば図 7の 22bの位置で使用されている場合、 他方の偏光板に配置される偏光フィルム、例えば、図 7の 22aに配置する位相差フィ ルムは、面内リタデーシヨン Roが 30nmよりも大きく 95nm以下であり、かつ厚み方向 リタデーシヨン Rtが 140nmよりも大きく 400nm以下であるものを使用するようにする。 表示品質が向上し、かつフィルムの生産面からも好ましい。
[0508] 《液晶表示装置》
本発明の偏光板保護フィルム (位相差フィルムを兼ねる)を含む偏光板は、通常の 偏光板と比較して高 、表示品質を発現させることができ、特にマルチドメイン型の液 晶表示装置、より好ましくは複屈折モードによってマルチドメイン型の液晶表示装置 への使用に適している。
[0509] 本発明の偏光板は、 MVA(Multi—domain Vertical Alignment)モード、 PV A (Patterned Vertical Alignment)モード、 CPA (Continuous Pinwheel A lignment)モード、 OCB (Optical Compensated Bend)モード等に用いることが でき、特定の液晶モード、偏光板の配置に限定されるものではない。
[0510] 液晶表示装置はカラー化及び動画表示用の装置としても応用されつつあり、本発 明により表示品質が改良され、コントラストの改善や偏光板の耐性が向上したことによ り、疲れに《忠実な動画像表示が可能となる。
[0511] 位相差フィルムを含む偏光板を少なくとも含む液晶表示装置においては、本発明 の偏光板保護フィルムを含む偏光板を、液晶セルに対して、一枚配置するか、あるい は液晶セルの両側に二枚配置する。
[0512] このとき偏光板に含まれる本発明の偏光板保護フィルム側が液晶表示装置の液晶 セルに面するように用いることで表示品質の向上に寄与できる。図 7においては 22a 及び 22bのフィルムが液晶表示装置の液晶セルに面することになる。
[0513] このような構成において、本発明の偏光板保護フィルムは、液晶セルを光学的に補 償することができる。本発明の偏光板を液晶表示装置に用いる場合は、液晶表示装 置の偏光板の内の少なくとも一つの偏光板を、本発明の偏光板とすればよい。本発 明の偏光板を用いることで、表示品質が向上し、視野角特性に優れた液晶表示装置 が提供できる。
[0514] 本発明の偏光板において、偏光子力 みて本発明の偏光板保護フィルムとは反対 側の面には、セルロース誘導体の偏光板保護フィルムが用いられ、汎用の TACフィ ルム等を用いることができる。
[0515] 液晶セル力 遠い側に位置する偏光板保護フィルムは、表示装置の品質を向上す る上で、他の機能性層を配置することも可能である。
[0516] 例えば、反射防止、防眩、耐キズ、ゴミ付着防止、輝度向上のためにディスプレイと
しての公知の機能層を構成物として含むフィルムや、または本発明の偏光板表面に 貼付してもよ 、がこれらに限定されるものではな 、。
[0517] 一般に位相差フィルムでは、上述のリタデーシヨン値として Roまたは Rtの変動が少 な 、ことが安定した光学特性を得るために求められて 、る。特に複屈折モードの液晶 表示装置は、これらの変動が画像のムラを引き起こす原因となることがある。
[0518] 本発明において、表示装置用フィルムであるセルロースエステルフィルムを有する 偏光板保護フィルムを、ロール状の長尺に巻き取って、巻き状態力 繰り出すとは、 溶液流延法または溶融流延法で形成されたセルロースエステルフィルムを、巻きコア (円筒状のコア)を軸として、該卷きコアの外周面に 10m以上の長尺にセルロースェ ステルフィルム巻き回して、ロール状の巻物としたのち、巻き状態力 繰り出して偏光 板力卩ェに供したセルロースエステルフィルムを有する偏光板保護フィルムのことをさ す。
[0519] ロール状の長尺に卷取り、巻き状態力 繰り出したセルロースエステルフィルムを用 いた場合、本発明により得られる効果が大きい。
[0520] 本発明において製造された偏光板保護フィルムは、セルロースエステルを主体とし て構成されるため、セルロースエステル固有のケンィ匕を活用してアルカリ処理工程を 活用することができる。これは、偏光子を構成する榭脂がポリビニルアルコールである とき、従来の偏光板保護フィルムと同様に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を 用いて偏光板保護フィルムと貼合することができる。
[0521] このために本発明は、従来の偏光板加工方法が適用できる点で優れており、特に 長尺状であるロール偏光板が得られる点で優れている。
[0522] 本発明により得られる製造的効果は、特に 100m以上の長尺の巻物においてより 顕著となり、 1500m, 2500m, 5000mとより長尺化する程、偏光板製造の製造的効 果を得る。
[0523] 例えば、偏光板保護フィルム製造において、ロール長さは、生産性と運搬性を考慮 すると、 10〜5000m、好ましくは 50〜4500mであり、このときのフィルムの幅は、偏 光子の幅や製造ラインに適した幅を選択することができる。
[0524] 0. 5〜4. 0m、好ましくは 0. 6〜3. Omの幅でフィルムを製造してロール状に卷取
り、偏光板加工に供してもよぐまた、目的の倍幅以上のフィルムを製造してロールに 巻き取った後、断裁して目的の幅のロールを得て、このようなロールを偏光板力卩ェに 用いるようにしてもよい。
[0525] 偏光板保護フィルム製造に際し、延伸の前及び Zまたは後で帯電防止層、ハード コート層、易滑性層、接着層、防眩層、ノリア一層等の機能性層を塗設してもよい。こ の際、コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等の各種表面処理を必要に応じて 施すことができる。
[0526] 製膜工程にぉ ヽて、カットされたフィルム両端のクリップ把持部分は、粉砕処理され た後、あるいは必要に応じて造粒処理を行った後、同じ品種のフィルム用原料として または異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。
[0527] 前述の可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤等の添加物濃度が異なるセルロースエス テルを含む組成物を共押出しして、積層構造のセルロースエステルフィルムを作製 することちでさる。
[0528] 例えば、スキン層 Zコア層 Zスキン層といった構成のセルロースエステルフィルムを 作ることができる。例えば、マット剤は、スキン層に多ぐまたはスキン層のみに入れる ことができる。可塑剤、紫外線吸収剤はスキン層よりもコア層に多く入れることができ、 コア層のみに入れてもよ 、。
[0529] また、コア層とスキン層で可塑剤、紫外線吸収剤の種類を変更することもでき、例え ば、スキン層に低揮発性の可塑剤及び Zまたは紫外線吸収剤を含ませ、コア層に可 塑性に優れた可塑剤、あるいは紫外線吸収性に優れた紫外線吸収剤を添加するこ とちでさる。
[0530] スキン層とコア層のガラス転移温度が異なっていてもよぐスキン層のガラス転移温 度よりコア層のガラス転移温度が低いことが好ましい。このとき、スキンとコアの両者の ガラス転移温度を測定し、これらの体積分率より算出した平均値を上記ガラス転移温 度 Tgと定義して同様に扱うこともできる。また、溶融流延時のセルロースエステルを 含む溶融物の粘度もスキン層とコア層で異なっていてもよぐスキン層の粘度 >コア 層の粘度でも
、コア層の粘度≥スキン層の粘度でもよい。
[0531] 本発明に係る表示装置用フィルムは、寸度安定性が、 23°C55%RHに 24時間放 置したフィルムの寸法を基準としたとき、 80°C90%RHにおける寸法の変動値が ± 2 . 0%未満であり、好ましくは 1. 0%未満であり、さらに好ましくは 0. 5%未満である。
[0532] 本発明に係る表示装置用フィルムを位相差フィルムとして偏光板保護フィルムに用 いる際に、位相差フィルム自身に上記の範囲以上の変動を有すると、偏光板としての リタデーシヨンの絶対値と配向角が当初の設定とずれるために、表示品質の向上能 の減少あるいは表示品質の劣化を引き起こすことがある。
[0533] 本発明に係る表示装置用フィルム、特に、セルロースエステルフィルムを偏光板保 護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法 で作製することができる。得られたセルロースエステルフィルムをアルカリ処理し、ポリ ビュルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完 全酸ィ匕ポリビニルアルコール水溶液を用いて、偏光子の両面に偏光板保護フィルム を貼り合わせる方法があり、少なくとも片面に本発明の偏光板保護フィルムが偏光子 に直接貼合する。
[0534] 上記アルカリ処理の代わりに特開平 6— 94915号公報、同 6— 118232号公報に 記載されて!ヽるような易接着加工を施して偏光板加工を行ってもょ ヽ。
[0535] 偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、さらに該 偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構 成することができる。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製 品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。
[0536] この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板 を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板 へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶セルへ貼合する面 側に用いられる。
[0537] なお、偏光板の主たる構成要素である偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを 通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏 光フィルムで、これはポリビュルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二 色性染料を染色させたものがある。
[0538] 偏光子は、ポリビュルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色する 力 染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったも のが用いられている。該偏光子の面上に、本発明の偏光板保護フィルムの片面を貼 り合わせて偏光板を形成する。
[0539] 好ましくは完全酸ィ匕ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって 貼り合わせる。偏光子の膜厚は 10〜30 mのものが好ましく用いられる。
実施例
[0540] 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定される ものではない。
[0541] 実施例 1〜4に用いるセルロースエステル C—1〜C—11、可塑剤及び添加剤を以 下の合成例 1〜28に従って合成した。
[0542] (合成例 1:セルロースエステル C 1)
特表平 6— 501040号公報の例 Bを参考にして合成した。
[0543] 以下のような混合液 A〜Eを作製した。
[0544] A:プロピオン酸:濃硫酸 = 5 : 3 (質量比)
B:酢酸:純水 = 3 : 1 (質量比)
C :酢酸:純水 = 1 : 1 (質量比)
D:酢酸:純水:炭酸マグネシウム = 12 : 11 : 1 (質量比)
E :純水 14. 6kg中に、炭酸カリウム 0. 5モル、クェン酸 1. 0モルを溶解した水溶液 機械式撹拌機を備えた反応容器に、綿花カゝら精製したセルロース 100質量部、酢 酸 317質量部、プロピオン酸 67質量部を添加し、 55°Cで 30分間攪拌した。反応容 器の温度を 30°Cに低下させた後、溶液 Aを 2. 3質量部添加し、 30分間攪拌した。
[0545] 反応容器の温度を 20°Cに冷却した後、無水酢酸 100質量部及び無水プロピオ ン酸 250質量部を添加し、 1時間攪拌した。反応容器の温度を 10°Cに昇温した後、 溶液 Aを 4. 5質量部添加し、 60°Cに昇温して 3時間攪拌した。
[0546] さらに溶液 Bを 533質量部添加し、 17時間攪拌した。さらに溶液 Cを 333質量部、 溶液 Dを 730質量部添加し、 15分間攪拌した。
[0547] 不溶物をろ過した後、溶液を攪拌しながら、沈殿物の生成が終了するまで水を添加
した後、生成した白色沈殿をろ過した。得られた白色固体は、洗浄液が中性になるま で純水で洗浄した。この湿潤生成物に、溶液 Eを 1. 8質量部添加し、次いで真空下 70°Cで 3時間乾燥し、セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート) C — 1を得た。
[0548] 得られたセルロースエステルの置換度を ASTM -D817- 96に基づ!/、て算出す ると、ァセチル基による置換度が 2. 08、プロピオニル基による置換度が 0. 72であつ た。また下記の条件で GPCを測定したところ、重量平均分子量は 20万であった。
[0549] セルロースエステルのァシル基総炭素数は 6. 32であった。
く GPC測定条件〉
溶媒: テトヒドロフラン
装置: HLC— 8220 (東ソー (株)製)
カラム: TSKgel SuperHM— M (東ソ一(株)製)
カラム温度: 40°C
試料濃度: 0. 1質量%
注入量: 10 1
流量: 0. 6mレ mm
校正曲線: 標準ポリスチレン: PS— 1 (Polymer Laboratories社製) Mw= 2, 5 60, 000〜580までの 9サンプルによる校正曲線を使用した。
[0550] (合成例 2 :セルロースエステル C 2)
綿花力も精製したセルロース 30gに酢酸 87g、プロピオン酸 20gをカ卩え、 54°Cで 30 分撹拌した。混合物を冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸 51g、無水プロピオ ン酸 50g、硫酸 1. 2gをカ卩えてエステル化を行った。エステル化において、 40°Cを超 えないように調節しながら、撹拌を 150分行った。反応終了後、酢酸 30gと水 10gの 混合液を 20分かけて滴下して過剰の無水物を加水分解した。反応液の温度を 40°C に保持しながら、酢酸 90gと水 30gをカ卩えて 1時間撹拌した。酢酸マグネシウム 2gを 含有した水溶液中に混合物をあけてしばらく撹拌した後にろ過、乾燥し、セルロース エステル C— 2を得た。得られたセルロースエステルのァセチル置換度は 2. 45、プロ ピオ-ル置換度は 0. 43、重量平均分子量は 211000であった。なお、セルロースェ
ステルのァシル基総炭素数は表 1に示す。
[0551] (合成例 3〜8:セルロースエステル C 3〜C 8)
表 1記載の酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、無水プロピオン酸、酪酸、無水酪酸を 用い、合成例 2と同様の操作を行い、セルロースエステル C— 3〜C— 8を得た。
[0552] [表 1]
[0553] ァシル基置換度 Ac:ァセチル基、 Pr:プロピオ-ル基、 Bu:ブチリル基
脂肪酸 I:酢酸、 II:プロピオン酸、または、酪酸
無水脂肪酸 I:無水酢酸、 II:無水プロピオン酸、または、無水 n 酪酸
Mw:重量平均分子量
なお、重量平均分子量の測定は、合成例 1 :セルロースエステル C 1に記載した 方法で行った。
[0554] (合成例 9〜: L 1:セル口ースエステル C 9〜C 11 )
実施例 1と同様に、相当する脂肪酸及び無水脂肪酸を用いて、下記のセルロース エステノレ C— 9〜C— 11を作成した。
[0555] C— 9 :セルロースアセテートプロピオネート(ァセチル基置換度 1. 4、プロピオ-ル 基置換度 1. 3、分子量 Mw= 220, 000、 Mw/Mn= 2. 5、ァシル基総炭素数 6
. 7)
C— 10 :セルロースアセテートプロピオネート(ァセチル基置換度 1. 3、プロピオ- ル基置換度 1. 2、分子量 Mw= 200, 000、 Mw/Mn= 3. 0、ァシル基総炭素数 6. 2)
C— 11 :セルロースアセテートプロピオネート(ァセチル基置換度 1. 7、プロピオ- ル基置換度 1. 0、分子量 Mw= 200, 000、 Mw/Mn= 2. 9、ァシル基総炭素数
6. 4)
(合成例 12:可塑剤、トリメチロールプロパントリべンゾエート(TMPTB)の合成) 100°Cに保持した 45質量部のトリメチロールプロパン、 101質量部のトリェチルアミ ンの混合溶液を攪拌しながら、 71質量部の塩ィ匕ベンゾィルを 30分間かけて滴下し、 さらに 30分間攪拌した。
[0556] 反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、酢酸ェチル ·純水を加えて洗 浄し、有機相を分取して酢酸ェチルを減圧留去し、 126質量部(収率 85%)の白色 の結晶を得た。なお、この化合物の分子量は 446である。
[0557] (合成例 13:可塑剤、化合物例 2)
180質量部のフタル酸モノメチル、トルエン 180質量部、 1質量部のジメチルホルム アミド、 130質量部の塩ィ匕チォニルを混合し、 60°Cで 30分間攪拌した。反応終了後 に冷却し、淡黄色の液体を得た。
[0558] 31質量部のグリセリンと、 101質量部のトリェチルァミンと、 200質量部の酢酸ェチ ルの溶液に対し、上記の反応で得た淡黄色の液体を室温下で 30分かけて滴下し、 そのまま 1時間攪拌を続けた。
[0559] 生成した白色沈殿をろ過した後、純水を加えて洗浄した後、有機相を分取して有機 溶媒を減圧留去し、 116質量部(収率 60%)の白色結晶を得た。なお、この化合物 の分子量は 579である。
[0560] (合成例 14:可塑剤、化合物例 9)
10°Cに保持した 54質量部のトリメチロールプロパン、 127質量部のピリジン、 500 質量部の酢酸ェチルの混合溶液を攪拌しながら、 240質量部の o—メトキシベンゾィ ルクロライドを 30分間かけて滴下し、その後、 80°Cまで加熱して、 3時間攪拌した。
[0561] 反応終了後、室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、 1モル ZL HC1水溶液を加 えて洗浄し、さらに l%Na CO水溶液を加えて洗浄した後、有機相を分取して酢酸
2 3
ェチルを減圧留去し、 193質量部(収率 90%)の透明液体を得た。なお、この化合物 の分子量は 537である。
[0562] (合成例 15:可塑剤、化合物例 7)
10°Cに保持した 27質量部のトリメチロールプロパン、 111質量部のピリジン、 300
質量部の酢酸ェチルの混合溶液を攪拌しながら、 180質量部のァセチルサリシロイ ルクロライドを酢酸ェチル 200質量部に溶解した溶液を 30分間かけて滴下し、その 後、 80°Cまで加熱して、 5時間攪拌した。
[0563] 反応終了後、室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、 1モル ZL HC1水溶液を加 えて洗浄し、さらに l%Na CO水溶液を加えて洗浄した後、有機相を分取して酢酸
2 3
ェチルを減圧留去し、 99質量部(収率 80%)の透明液体を得た。なお、この化合物 の分子量は 621である。
[0564] (合成例 16:可塑剤、化合物例 48)
10°Cに保持した 36質量部のトリメチロールプロパン、 107質量部のピリジン、 300 質量部の酢酸ェチルの混合溶液を攪拌しながら、 250質量部の 3, 4, 5 トリメトキシ ベンゾイルク口ライドを酢酸ェチル 300質量部に溶解した溶液を 30分間かけて滴下 し、その後、 80°Cまで加熱して、 5時間攪拌した。
[0565] 反応終了後、室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、 1モル ZL HC1水溶液を加 えて洗浄し、さらに l%Na CO水溶液を加えて洗浄した後、有機相を分取して酢酸
2 3
ェチルを減圧留去し、 153質量部(収率 80%)の白色結晶を得た。なお、この化合物 の分子量は 717である。
[0566] (合成例 17:可塑剤、化合物例 51)
10°Cに保持した 37質量部のグリセリン、 111質量部のピリジン、 500質量部のトル ェンの混合溶液を攪拌しながら、 277質量部の 3, 4, 5 トリメトキシベンゾイルクロラ イドをトルエン 500質量部に溶解した溶液を 30分間かけて滴下し、その後、 110°Cま で加熱して、 5時間攪拌した。
[0567] 反応終了後、室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、 1モル ZL HC1水溶液を加 えて洗浄し、更に 1% Na CO水溶液をカ卩えて洗浄した後、有機相を分取してトル
2 3
ェンを減圧留去した後、精製を行い 224質量部 (収率 83%)の白色結晶を得た。な お、この化合物の分子量は 675である。
[0568] (合成例 18:可塑剤、化合物例 61)
10°Cに保持した 60質量部の 2 ヒドロキシメチル 2 メチル プロパン 1 , 3ジ オール、 140質量部のピリジン、 500質量部の酢酸ェチルの混合溶液を攪拌しなが
ら、 210質量部の塩ィ匕ベンゾィルを 30分間かけて滴下し、その後、 100°Cまで加熱し て、 5時間攪拌した。
[0569] 反応終了後、室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、 1モル ZL HC1水溶液を加 えて洗浄し、さらに l%Na CO水溶液を加えて洗浄した後、有機相を分取して酢酸
2 3
ェチルを減圧留去し、 193質量部(収率 90%)の白色固体を得た。なお、この化合物 の分子量は 433である。
[0570] (合成例 19:可塑剤、化合物例 62)
10°Cに保持した 37質量部のグリセリン 120質量部のピリジン及び 450質量部の酢 酸ェチルの混合溶液を攪拌しながら、 210質量部の p—メトキシベンゾイルク口ライド を 30分間かけて滴下し、その後、 80°Cまで加熱して、さらに 3時間攪拌した。
[0571] 反応終了後室温まで冷却して沈殿物を炉別した後、 1モル ZL HC1水溶液を加え て洗浄し、さらに l%Na CO水溶液を加えて洗浄した後、有機相を分取して酢酸ェ
2 3
チルを減圧留去し、 目的の化合物を得た。なお、この化合物の分子量は 494である。
[0572] (合成例 20 :可塑剤、ペンタエリスリトールテトラビバレート(PETP) )
特許文献 5において PL2として実施例に用いられているペンタエリスリトールテトラビ パレートを合成した。
[0573] 34質量部のペンタエリスリトールと、 101質量部のトリェチルァミンと、 2000質量部 の酢酸ェチルの溶液に対し、 121質量部の塩化ビバロイルを室温下で 30分かけて 滴下し、そのまま 1時間攪拌を続けた。
[0574] 生成した白色沈殿をろ過した後、純水を加えて洗浄し、有機相を分取したのち有機 溶媒を減圧留去して 89質量部(収率 75%)の白色結晶を得た。なお、この化合物の 分子量は 473である。
[0575] [化 69]
PETP
[0576] (合成例 21 :—般式 (I)で表される化合物、化合物 101)
5, 7 ジ tert— Bu— 3 ヒドロキシ 3H べンゾフランー2 オン、 p キシレ ンならびに触媒としてフルキャット(Fulcat) 22Bから出発して、 5, 7 ジ tert— Bu - 3- (2, 5 ジメチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 101)を合 成した。
[0577] a) 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3 ヒドロキシ一 3H ベンゾフラン一 2—オンの合成
1, 2 ジクロロェタン 300ml中の 2, 4 ジ一 tert— Bu—フエノール(97%) 212. 5g (l. 00mol)、 50%水性ダリオキシル酸 163. 0g (l. lOmol)及び p トルエンス ルホン酸一水塩 0. 5g (2. 6mmol)を水分離器
上で 3. 5時間、窒素気流中で還流した。
[0578] その後、反応混合物を減圧ロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をへキサン 800mlに溶解し、そして水で 3回洗浄した。分液漏斗中、水相を分離し、さらにへキ サン 300mlで抽出した。有機相を集め、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧エバポレー ターで濃縮した。残渣カも濃い黄色の榭脂の形態の、分析的に精製された 5, 7—ジ — tert— Bu— 3 ヒドロキシ一 3H ベンゾフラン一 2—オン 262. 3g (〜: L00%)を 得た。
[0579] b) 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3— (2, 5 ジメチルフエ-ル)一 3H ベンゾフラン一 2
—オン (ィ匕合物(101) )の合成
p キシレン 500ml (4. 05mol)中の 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3 ヒドロキシ一 3H— ベンゾフラン一 2—オン 262. 3g (l. OOmol)溶液にフルキャット 22B40gを加え、及 び混合物を水分離器上で 1. 5時間還流した。フルキャット 22B触媒を次にろ過により 除去し、過剰 p -キシレンを減圧エバポレーターで留去した。
[0580] メタノール 400mlからの残渣の結晶化により、融点 93— 97°Cの 5, 7 ジ—第三ブ チル一 3— (2, 5 ジメチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 101)
280. 6g (80%)を得た。
[0581] (合成例 22 :—般式 (I)で表される化合物、化合物 103、 134の混合物の合成) 2
, 4ージ tert— Bu—フエノール、グリオキシル酸及び o キシレンならびに触媒とし てフルキャットまたはフルモント(Fulmont)から出発して、 3— (3, 4—ジメチルフエ-
ル) 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3H ベンゾフラン一 2—オン
(化合物 103)及び 3— (2, 3 ジメチルフエ-ル) 5, 7 ジ— tert— Bu— 3H ベ ンゾフラン— 2—オン異性体 (ィ匕合物 134)の約 5. 7 : 1混合物を合成した。
[0582] 水分離器を備えた 1500mlの二層反応器に 2, 4 ジ—tert—Bu—フエノール 20 6. 3g (l. Omol)、 o キシレン 485g (5. 5mol)、 p トルエンスルホン酸一水塩 0. 5g (2. 6mmol)及び 50%水性ダリオキシル酸 163g (l. lmol)を入れた。
[0583] 攪拌しながら、混合物を 85〜90°Cに加熱しそして装置を同時に約 450mbarに排 気した。反応器中の温度が 85〜90°Cになると直ちに、 キシレン Z水混合物が蒸 留され始め、 o キシレンは還流され及び水は系から除去された。
[0584] 反応器の温度を 85〜90°Cに保てるように減圧を連続的に高めた。水約 90〜: L00 mlの全てが 3ないし 4時間かけて蒸留された。減圧を窒素により解除し、触媒 (フルキ ャット 30もしくは 40、フルモント XMP— 3もしくは XMP— 4) 40gを透明な黄色の溶液 に加えた。
[0585] 装置を 700mbarの圧力に排気しそして懸濁物を 165°Cの加熱浴温度で攪拌した
。約 128°Cの温度力も反応水が共沸物として系から留去され始めた。装置の温度は 最後の方で最大 140°Cに昇温させた。
[0586] 総量約 20mlの水が系から 1ないし 2時間かけて留去された。次に減圧を窒素により 解除した。反応混合物を 90〜100°Cに冷却し及びろ過した。装置及びフィルター残 渣を o キシレン lOOgですすいだ。ろ液を二層反応器に移しそして減圧下で濃縮し
、 o キシレン 360gで回収した。
[0587] やや赤い黄色の残渣を 70°Cに冷却し、温度を 60〜65°Cに保ちながら、メタノール
636gを滴下漏斗から注意してカ卩えた。溶液に結晶種を入れ、 60〜65°Cで約 30分 間攪拌して結晶化させた。次に結晶ィ匕スラリーを 2時間かけて— 5°Cに冷却し、そし てこの温度で攪拌をさらに 1時間続けた。
[0588] 結晶を吸引ろ過で集め、残渣を冷メタノール(一 5°C) 400mlを使用して 5回に分け て洗浄した。十分に乾圧された生成物を 50〜60°Cの真空乾燥機で乾燥して、白色 固体 266gを得た。
[0589] ガスクロマトグラフィーによる分析は、この物質が 3— (3, 4ージメチルフエ-ル) 5
, 7 ジ一 tert— Bu— 3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 103)約 85%、ならびに 3- (2, 3 ジメチルフエ-ル) 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3— H ベンゾフラン一 2—ォ ン異性体 (ィ匕合物 134)約 15 %からなることを示す。
[0590] (合成例 23 :—般式 (I)で表される化合物、化合物 105の合成)
5, 7 ジ一 tert— Bu— 3 ヒドロキシ一 3H ベンゾフラン一 2—オン、ェチノレベン ゼンならびに触媒としてフルキャット 22Bから出発して、 5, 7 ジ tert— Bu— 3—( 4 -ェチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン 2 オン(化合物 105)を合成した。
[0591] ェチルベンゼン 500ml (4. 08mol)中の 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3 ヒドロキシ一 3 H ベンゾフラン— 2—オン 262. 3g (l. OOmol)溶液にフルキャット 22B 40gをカロ え、そして混合物を水分離器上で 1. 5時間還流した。フルキャット 22B触媒を次にろ 過により除去し、過剰ェチルベンゼンを減圧エバポレーターで留去した。
[0592] GC— MS分析はパラ一異性体 (ィ匕合物 105) 59. 2%、メタ一異性体 (ィ匕合物 105 A) 10. 8%及びオルト 異性体 (ィ匕合物 105B) 21. 1%の混合物からなる残渣を示 した。
[0593] メタノール 400mlからの残渣の結晶化により、 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3— (4 ェ チルフエ-ル) 3H べンゾフラン 2 オン(ィ匕合物 105) (パラー異性体) 163. 8 g (47%)が得られ、それはさらにメタ 異性体 5, 7—ジー 61^—811—3—(3—ェチ ルフエ-ル) 3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 105A) 5. 6%、及びオルト一異 性体 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3— (2 ェチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン一 2—ォ ン (ィ匕合物 105B) 1. 3%を含む。メタノール力ものさらなる結晶化から、融点 127— 1 32°Cのほとんど純粋なパラ異性体 (ィ匕合物 105)を得た。
[0594] [化 70]
105A 105B
[0595] (合成例 24 :—般式 (I)で表される化合物、化合物 111)
5, 7 ジ tert— Bu— 3 ヒドロキシ 3H べンゾフランー2 オン、ペンタメチ ルベンゼンならびに触媒として四塩化錫から出発して、 5, 7—ジ tert— Bu— 3—( 2, 3, 4, 5, 6 ペンタメチルフエ-ル) 3H べンゾフラン 2 オン(ィ匕合物(11 1) )を合成した。
[0596] ペンタメチルベンゼン 11. 5g (77. 511111101)及び四塩化錫101111 (85. Ommol)を 1 , 2 ジクロロメタン 50ml中の 5, 7 ジ一 tert— Bu— 3 ヒドロキシ一 3H ベンゾフ ランー2 オン 19. 7g (75. Ommol)の溶液に加え、そして反応混合物を 1時間還流 した。
[0597] 反応混合物を水で稀釈しそしてトルエンで 3回抽出した。有機相を集め、水で洗浄 し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧エバポレーターで濃縮した。エタノールから の残 の結晶ィ匕により融点、185— 190。Cの、 5, 7 ジー tert— Bu—(2, 3, 4, 5, 6 -ペンタメチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン 2 オン(化合物 111) 26
. 3g (89%)が得られた。
[0598] (合成例 25 :—般式 (I)で表される化合物、化合物 108)
室温にて 15. 2gのマンデル酸、及び 20. 6gの 2, 4 ジ— t—ブチルフエノールを 混ぜその後、加熱して常圧、 160°Cで 30分還流した。その後、真空ポンプで圧力を 減じ、減圧下で 5時間加熱した後、昇温し 180°Cで 4時間加熱して反応を終了した。
[0599] 放冷した後、エタノールを加え撹拌して溶解した。その後室温で撹拌することで結 晶が析出、冷蔵庫で一晩冷却した。結晶をろ過、洗浄、乾燥することで 21. 6gの化 合物 108を得た。
[0600] (合成例 26 :—般式 (I)で表される化合物、化合物 104)
5, 7 ジ tert— Bu— 3 ヒドロキシ 3H べンゾフランー2 オン、グリオキシ ル酸及びトルエンならびに触媒としてフルキャット 22Bから出発して、 5, 7 ジー tert — Bu— 3— (4—メチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合物 104)を合 成した。
[0601] 2, 4 ジ— tert— Buフエノール(97%) 21. 2g (0. lOmol)、 50%水性ダリオキシ ル酸 16. 3g (0. l lmol)、フルキャット 22B 2. Og及びトルエン 50mlの混合物を水
分離器上、窒素気流中で 8時間還流した。
[0602] フルキャット 22B触媒を次にろ過により除去し、過剰トルエンを減圧エバポレーター で留去した。エタノール 40mlからの残渣の結晶化により、融点 130〜133°Cの 5, 7 —ジ一 tert— Bu— 3— (4—メチルフエ-ル) 3H ベンゾフラン一 2—オン(ィ匕合 物 104) 14. 2g (42%)を得た。
[0603] (合成例 27 :可塑剤、脂肪族一芳香族コポリエステルィ匕合物 A1)
冷却凝縮器を装着した反応器に、 648質量部のエチレングリコール、 58質量部の ジエチレングリコール、 1121質量部のコハク酸、 83質量部のテレフタル酸、 0. 03質 量部のテトラブチルチタネートを投入し、 140°Cで 2時間、 220°Cで 2時間、冷却凝縮 器を外して 220°Cでさらに 20時間、脱水縮合反応を行って、数平均分子量 1500の 脂肪族 芳香族コポリエステル化合物 A1を得た。これに使用したジオールの炭素数 平均は 2. 1、ジカルボン酸の炭素数平均は 4であった。
[0604] (合成例 28;可塑剤、脂肪族ポリエステルィ匕合物 A2)
冷却凝縮器を装着した反応器に、 699質量部のエチレングリコール、 1180質量部 のコハク酸、 0. 03質量部のテトラブチルチタネートを投入し、 140°Cで 2時間、 220 °Cで 2時間、冷却凝縮器を外して 220°Cでさらに 20時間、脱水縮合反応を行って、 数平均分子量 2000の脂肪族ポリエステルィ匕合物 A2を得た。これに使用したジォー ルの炭素数平均は 2、ジカルボン酸の炭素数平均は 4であった。
[0605] 実施例 1
(セルロースエステルフィルム 1 1の作製)
上記合成例で作製した各種化合物、また市販の各種ィ匕合物を可塑剤として用いて 、溶融流延によりセルロースエステルフィルム 1 1を作製した。
[0606] セルロースエステル C—1 100質量部
GTB 10質量部
IRGANOX 1010 (チノく'スペシャルティ'ケミカルズ社製) 0. 5質量部 合成例 22の 3— (3, 4 ジメチノレフエ-ノレ)ー 5, 7 ジ— tert— Bu— 3H ベンゾ フラン一 2—オン(ィ匕合物 103)及び 3— (2, 3 ジメチルフエ-ル) 5, 7 ジ一 tert Bu— 3H ベンゾフラン 2 オン(化合物 103 A異性体の約 5. 7 : 1混合物)
0. 3質量部
TINUVIN 928 1. 8質量部
セルロースエステルを 70°C、 3時間減圧下で乾燥を行い室温まで冷却した後、添 加剤を混合した。
[0607] 以上の混合物を 2軸式押出し機を用いて 230°Cで溶融混合しペレツトイ匕した。なお 、このペレットのガラス転移温度 Tgは 141°Cであった。
[0608] このペレットを用いて窒素雰囲気下、 250°Cにて溶融して流延ダイ 4力 第 1冷却口 ール 5上に押し出し、第 1冷却ロール 5とタツチロール 6との間にフィルムを挟圧して成 形した。また押出し機 1中間部のホッパー開口部から、滑り剤としてシリカ粒子 200V ( 日本ァエロジル社製)を 0. 5質量部となるよう添加した。
[0609] 流延ダイ 4のギャップの幅がフィルムの幅方向端部から 30mm以内では 0. 5mm、 その他の場所では lmmとなるようにヒートボルトを調整した。タツチロールとしては、タ ツチロール Aを使用し、その内部に冷却水として 80°Cの水を流した。
[0610] 流延ダイ 4から押し出された榭脂が第 1冷却ロール 5に接触する位置 P1から第 1冷 却ロール 5とタツチロール 6との-ップの第 1冷却ロール 5回転方向上流端の位置 P2 までの、第 1冷却ローラ 5の周面に沿った長さ Lを 20mmに設定した。
[0611] その後、タツチロール 6を第 1冷却ロール 5から離間させ、第 1冷却ロール 5とタツチ ロール 6との-ップに挟圧される直前の溶融部の温度 Tを測定した。第 1冷却ロール 5 とタツチロール 6との-ップに挟圧される直前の溶融部の温度 Tは、 -ップ上流端 P2 よりもさらに lmm上流側の位置で、温度計 (安立計器株式会社製 HA— 200E)によ り測定した。
[0612] 本実施例では測定の結果、温度 Tは 146°Cであった。タツチロール 6の第 1冷却口 ール 5に対する線圧は 14. 7NZcmとした。
[0613] さらに、テンターに導入し、巾方向に 160°Cで 1. 3倍延伸した後、巾方向に 3%緩 和しながら 30°Cまで冷却し、その後クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落とし、 フィルム両端に幅 10mm、高さ 5 μ mのナーリング力卩ェを施し、卷取り張力 220NZ m、テーパー 40%で卷芯に巻き取った。
[0614] なお、フィルムは、厚さ力 0 mとなるように、押出し量及び引き取り速度を調整し、
仕上がりのフィルム幅は、 1430mm幅になるようにスリットし、巻き取った。卷芯の大き さは、内径 152mm、外径 165mm、長さ 1550mmであった。
[0615] この卷芯母材として、エポキシ榭脂をガラス繊維、カーボン繊維に含浸させたプリプ レグ榭脂を用いた。卷芯表面にはエポキシ導電性榭脂をコーティングし、表面を研磨 して、表面粗さ Raは 0. 3 μ mに仕上げた。なお、卷長は 2500mとした。この本発明 のフィルム原反試料を No. 1— 1とする。
[0616] さらに、表 2に記載の添加剤、添カ卩量に変更する以外は、フィルム原反試料を No.
1 1と同様な方法で、本発明のセルロースエステルフィルム原反試料 1 2〜1 1
6、比較のセルロースエステルフィルム原反試料 1— 17〜1— 21を作製した。
[0617] ただし、常温で液体の添加剤については、 2軸押出し機に入る直前でフィーダ一に よって添カ卩した。
[0618] 得られたセルロースエステルフィルム原反試料に対して、下記方法で評価を行った
。評価の結果を表 2に示す。
[0619] (馬の背故障、卷芯転写)
巻き取ったセルロースエステルフィルム原反試料をポリエチレンシートで 2重に包み 、図 8に示すような保存方法で、 25°C、 50%の条件下で 30日間保存した。その後、 箱から取り出し、ポリエチレンシートを開け、フィルム原反試料表面に点灯している蛍 光灯の管を反射させて映し、その歪みあるいは細かい乱れを観察し、馬の背故障を 下記レベルにランク分けした。
[0620] A:蛍光灯が真つすぐに見える
B:蛍光灯が部分的に曲がって見える
C:蛍光灯がまだらに映って見える
また、保存後のフィルム原反試料を巻き返して、 50 m以上の点状の変形、または 幅手方向の帯状の変形がはっきり見える卷芯転写が、卷芯部分より何 mまで発生し て 、るかを測定し、下記レベルにランク分けを行った。
[0621] A:卷芯部分より 15m未満
B:卷芯部分より 15〜30m未満
C :卷芯部分より 30〜50m未満
D:卷芯部分より 50m以上
(卷始めシヮ)
卷芯に原反フィルムを巻き取る作業を行 、、卷始めでシヮが発生して不良となった 場合は卷芯から原反フィルムを取り外して、再度巻き取る作業を行った。この時の不 良回数をカウントした。この作業を 10回行い平均値を求め、下記レベルにランク分け を行った。
[0622] A: 0回以上 1回未満
B: l回以上 3回未満
C : 3回以上 5回未満
D: 5回以上
なお、図 8中、 110は卷芯本体、 117は支え板、 118は架台、 120はセルロースェ ステルフィルム原反を表す。
[0623] [表 2]
表より、本発明に係る一般式 (I)で表される化合物を含有するセルロースエステル フィルム原反試料 No. 1—:! 1 16は、長期間保存しても馬の背故障、巻芯転写 が少なぐ卷始めシヮ等のフィルム原反の変形故障が発生しにく!/、セルロースエステ
ルフィルムであることが分かる。
[0625] 実施例 2
表 3〜6に記載の添加剤、添加量に変更する以外は、実施例 1のセルロースエステ ルフィルム原反試料 1 1と同様な方法で、本発明のセルロースエステルフィルム原 反試料 2— 1〜2— 57、比較のセルロースエステルフィルム原反試料 2— 58〜2— 61 を作製した。
[0626] 作製したセルロースエステルフィルム原反試料に対して、実施例 1と同様な評価を 行った。評価の結果を 7、 8に示す。
[0627] [表 3]
試料 第一可塑剤 第 2可塑剤 添加剤
No. 種類 量 種類 量 種類 量 一 1 GTB 10 一 - I RGANOX 1010 0.5 - 2 GTB 10 一 一 I RGANOX 1010 0.5 - 3 GTB 10 一 i RGANOX 1010 0.5 - 4 6TB 12 - 一 ] RGANOX 1010 0.5 — 5 GTB 10 一 一 1 RGANOX 1010 0.5 - 6 GTB to 一 - 1 GANOX 1010 0.5 — 7 TMPTB & ― 一 1 RGANOX 1010 0.5 - 8 TMPTB 8 一 一 1 RGANOX 1010 0.5 - 9 T PTB β 一 1 RGANOX 1010 0-5 -10 48 12 一 一 1 RGANOX 1010 0.5 — 11 4 & 12 ― - 1 GANOX 1010 0.5 -12 61 10 一 Sum\ 1 izer BP -76 0.5 -13 62 10 - 一 TINUVIN 120 0,5 -14 51 12 - 一 SuinM izer GA— 80 0,5 -15 ジ一 2—ェチルへキシルアジぺ一ト 8 一 ― 1 GANOX 1010 0,5 -16 PETP & - 一 1 RGANOX 1010 0,5
2 -17 TPP 3 - 一 IRGAN0X 1010 0,5 - 18 GTB 10 - - ADK STAB LA— 52 0,5 -19 GTB 10 一 一 ADK STAB LA -52 0.5 一 20 GTB io 一 一 ADK STAB LA— 52 0.5
2 -Z1 GTB 12 ― - TINUViN 1 4 0.5 -22 GTB 10 一 ― TINUVI 144 0.5
2 -23 GTB 12 一 一 TINUVIH 1 4 0.5
2—24 TMPTB 8 - - TINUVIN 144 0.5
2—25 TMPTB 8 - 一 ADK STAB LA-63P 0.5
2 —26 48 12 ― 一 TINUVIN 770 0.5
2 -2? 61 10 ― 一 CHIMASSORB 944LD 0.5
2 -28 51 12 - - CHIMASSORB 20Z0FDL 0.5
2—29 GTB 7 A 1 3 I RGANOX 1010 0.5
2 -30 GTB 7 A 2 3 I RGANOX 1010 0.5
2 —3, fiTB 7 A 1 3 1 RGANOX 1010 0.5
2 —32 48 7 A 1 3 I GANOX 1010 0,5
2 -33 TMPTB 7 A 2 3 1 GANOX 1010 0.5
2 -34 TWPTB 7 A 1 3 1 GANOX 1010 0.5
2 -35 GTB 10 ― SLimi f izer BP— 76 0.5
2一 36 GTB 10 - - I GANOX 1010 0.5
2一 37 GIB 10 一 一 1 RGANOX 1010 1
種類 量 種類 量 種類 量
2一 38 TMPTB 8 一 ― I rganoxlOlO 0.5
2一 39 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2 -40 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2一 41 TMPTB 8 ― ― 1 rganoxlOlO 0.5
2 -42 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2 -43 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2 -44 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2一 45 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2 -46 TMPTB 8 ― I rganoxlOlO 0.5
2 -47 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2一 48 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2 -49 TMPTB 8 一 ― I rganoxlOlO 0.5
2一 50 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2一 51 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2一 52 TMPTB 8 ― 一 I rganoxlOlO 0.5
2一 53 TMPTB 8 ― 一 1 rganoxlOlO 0.5
2 - 54 TMPTB 8 ― 1 rganoxlOlO 0.5
2 - 55 TMPTB 8 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2 -56 TMPTB 8 ― 一 I rganoxlOlO 0.5
2 -57 TMPTB 8 ― 一 I rganoxlOlO 0.5
2 - 58 GTB 10 一 ― I rganoxlOlO 0.5
2 -59 GTB 10 ― ― I rganoxlOlO 0.5
2 -60 GTB 10 一 ― I rganoxlOlO 0.5
2 -61 GTB 10 ― ― I rganoxlOlO 0.5
添加剤 一般式 (I)で表される化合物 試料 No. 備 考 種類 量 種類 量 οαM ( GSY-PIOI 0.3 103 0.3 本発明
1
GSY— P101 0.3 122 0.3 本発明
2 -40 GSY-PIOI 0.3 123 0.3 本発明
2 -41 GSY-PIOI 0.3 124 0.3 本発明
2 -42 GSY-PIOI 0.3 125 0.3 本発明
2 -43 GSY-PIOI 0.3 127 0.3 本発明
2 -44 GSY-PIOI 0.3 128 0.3 本発明
2一 45 GSY-PIOI 0.3 129 0.3 本発明
2 -46 GSY-PIOI 0.3 130 0.3 本発明
2 -47 GSY-PIOI 0.3 131 0.3 本発明
2一 48 GSY-PIOI 0.3 132 0.3 本発明
GSY-PIOI 0.3 133 0.3 本発明
2 -50 GSY-PIOI 0.3 134 0.3 本発明
2 -51 GSY-PIOI 0.3 135 0.3 本発明
2 -52 GSY-PIOI 0.3 136 0.3 本発明
2 -53 GSY-PIOI 0.3 137 0.3 本発明
2一 54 GSY-PIOI 0.3 138 0.3 本発明
2一 55 GSY— P101 0.3 142 0.3 本発明
2—56 GSY-PIOI 0.3 108 0.3 本発明
2 -57 GSY-PIOI 0.3 145 0.3 本発明
2 -58 Sumi 1 izer— GP 0.5 ― ― 比 較
2 -59 Sumi 1 izer— GP 0.5 £ 一力プロラクト ン 0.5 比 較
2—60 GSY-PIOI 0.3 £ 一力プロラク ト ン 0.5 比 較
GSY-PIOI 0.3 ― ― 比 較
試料 No. 馬の背故障 巻き始めのシヮ 卷, t、fc写 備 考
2一 1 A A A 本発明
2 - 2 A A A 本発明
2 -3 A A A 本発明
2 -4 A A A 本発明
2 - 5 A A A 本発明
2-6 A A B 本発明
2-7 A A A 本発明
2-8 A A A 本発明
2 9 A A A 本発明
2 -10 A A A 本発明
2 -11 A A A 本発明
2 -12 A A B 本発明
2—13 A A B 本発明
2 -14 A A B 本発明
2 -15 A A A 本発明
2 -16 A A B 本発明
2—17 A A B 本発明
2-18 A A A 本発明
2 -19 A A A 本発明
2 -20 A A A 本発明
2—21 A B A 本発明
2 -22 A B A 本発明
2—23 A A A 本発明
2一 24 A A A 本発明
2 -25 A A B 本発明
2 -26 A A B 本発明
2—27 A A B 本発明
2 -28 A A B 本発明
2 -29 A A A 本発明
2—30 A A A 本発明
2一 31 A A A 本発明
2 -32 A A A 本発明
2 -33 A A A 本発明
2 -34 A A A 本発明
2—35 A A A 本発明
2 -36 A A A 本発明
[0633] 表より、可塑剤や酸化防止剤を併用した、本発明に係る一般式 (I)で表される化合 物を含有するセルロースエステルフィルム原反試料 2— 1〜2— 57は、長期間保存し ても馬の背故障、卷芯転写が少なぐ卷始めシヮ等のフィルム原反の変形故障が発 生しにくいセルロースエステルフィルムであることが分力る。
[0634] 実施例 3
表 9、 10に記載の添加剤、添加量に変更する以外は、実施例 1のセルロースエステ ルフィルム原反試料を No. 1— 1と同様な方法で、本発明のセルロースエステルフィ ルム原反試料 3— 1〜3— 27、比較のセルロースエステルフィルム原反試料 3— 28、 3— 29を作製した。
[0635] 作製したセルロースエステルフィルム原反試料に対して、実施例 1と同様な評価を 行った。評価の結果を表 11に示す。
[0636] [表 9]
[0637] [表 10]
¾063
試料 No. 馬の背故障 巻き始めのシヮ 巻芯転写 備 考
3- 1 A A A 本発明
3 - 2 A A A 本発明
3 -3 A A A 本発明
3 -4 A A A 本発明
3- 5 A A A 本発明
3 - 6 A A A 本発明
3— 7 A A A 本発明
3 - 8 A A A 本発明
3- 9 A A A 本発明
3 -10 A A A 本発明
3 -11 A A B 本発明
3—12 A A B 本発明
3 -13 A A B 本発明
3— 14 A A A 本発明
3 -15 A A A 本発明
3 -16 A A A 本 5¾明
3 -17 A A A 本発明
3 -18 A A A 本発明
3 -19 A A A 本発明
3 -20 A A A 本発明
3 -21 A A A 本発明
3 -22 A A A 本発明
3 -23 A A A 本発明
3 -24 A A A 本発明
3 -25 A A A 本発明
3 -26 A A A 本発明
3 -27 A A A 本発明
3 -28 C C D 比 較
3一 29 C C D 比 較 1]
D— VII— 3
[0640] 表より、別の種類の可塑剤や酸ィ匕防止剤を併用した、本発明に係る一般式 (I)で表 される化合物を含有するセルロースエステルフィルム原反試料 3— 1〜3— 27は、長 期間保存しても馬の背故障、卷芯転写が少なぐ卷始めシヮ等のフィルム原反の変 形故障が発生しにくいセルロースエステルフィルムであることが分かる。
[0641] 実施例 4
実施例 2の試料 2— 9の作製において、表 12に示すように、セルロースエステルお よび一般式 (I)で表される化合物を変更する以外は同様にしてフィルムを作製し、本 発明のセルロースエステルフィルム原反試料 4— 1〜4— 19を作製した。
[0642] 作製したセルロースエステルフィルム原反試料に対して、実施例 1と同様な評価を 行った。評価の結果を表 12に示す。
[0643] [表 12]
表より、ァシル基置換度を変更したセルロースエステルフィルムにおいても、本発明 に係る一般式 (I)で表される化合物を含有するセルロースエステルフィルム原反試料 4— 1 4— 19は、長期間保存しても馬の背故障、卷芯転写ゃ卷始めシヮ等のフィル ム原反の変形故障が発生しな!/、セルロースエステルフィルムであることが分かる。ま た、本発明に係るフィルムのうち、少なくとも添加剤として IRGANOX1010を含むも
のは、全て 450nmの光束の透過率が 90%以上であった。
[0645] 実施例 5
下記の組成物を調製した。
[0646] (帯電防止層塗布組成物(1) )
ポリメチルメタアタリレート(重量平均分子量 55万、 Tg : 90°C) 0. 5部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 60部 メチルェチルケトン 16部 乳酸ェチル 5部 メタノーノレ 8部 導電性ポリマー榭脂 P— 1 (0. 1 0. 3 μ m粒子) 0. 5部
[0647] [化 72] 導電性ポリマー樹脂 P -1
m:n = 93:7
[0648] (ハードコート層塗布組成物(2) )
ジペンタエリスリトールへキサアタリレート単量体 60部 ジペンタエリスリトールへキサアタリレート 2量体 20部 ジペンタエリスリトールへキサアタリレート 3量体以上の成分 20部 ジエトキシベンゾフエノン光反応開始剤 6部 シリコーン系界面活性剤 1部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 75部 メチルェチルケトン 75部
(カール防止層塗布組成物(3) )
アセトン 35部
酢酸ェチル 45部
イソプロピルアルコール 5部
ジァセチノレセノレロース 0. 5部
超微粒子シリカ 2%アセトン分散液 (ァエロジル: 200V、日本ァエロジル (株)製) 0. 1部
下記に従って、機能付与した偏光板保護フィルムを作製した。
[0649] (偏光板保護フィルム)
実施例で作製したセルロースエステルフィルム原反試料 1 - 1をポリエチレンシート で 2重に包み、図 8に示すような保存方法で 25°C、 50%RHの条件下で 30日間、こ の後、 40°C、 80%RHの条件下で 10日間保存した。
[0650] その後、それぞれポリエチレンシートを外して、それぞれの原反試料から巻き出した セルロースエステルフィルムの片面に、カール防止層塗布組成物(3)をウエット膜厚 1
3 /z mとなるようにグラビアコートし、乾燥温度 80 ± 5°Cにて乾燥させた。これを試料 1 1 Aとする。
[0651] このセルロースエステルフィルムのもう 1方の面に帯電防止層塗布組成物(1)を 28 。C、 82%RHの環境下でウエット膜厚で mとなるようにフィルムの搬送速度 30mZ minで塗布幅 lmで塗布し、次 、で 80士 5°Cに設定された乾燥部で乾燥して乾燥膜 厚で約 0. 2 mの榭脂層を設け、帯電防止層付きセルロースエステルフィルムを得 た。これを試料 1 1Bとする。
[0652] さらに、この帯電防止層の上にハードコート層塗布組成物(2)をウエット膜厚で 13
/z mとなるように塗設し、乾燥温度 90°Cにて乾燥させた後、紫外線を 150miZm2と なるように照射して、乾燥膜厚で 5 mのクリアハードコート層を設けた。これを試料 1 1Cとする。
[0653] 得られた本発明のセルロースエステルフィルム試料 1 1A、試料 1 1B、試料 1 1Cはともにブラッシングを起こすこともなぐ乾燥後の亀裂の発生も認められず、塗布 '性は良好であった。
[0654] セルロースエステルフィルム原反試料 1 1に代えて、セルロースエステルフィルム 原反試料 1— 8、 2- 2, 2- 7, 2- 9, 2—10、 2- 27, 2- 54, 2- 56, 2- 57, 3- 1、 3— 9、 3— 10、 4— 1〜4— 19に変更した以外は同様の方法で塗布を行った。そ の結果、何れも良好な塗布性が確認された。
[0655] 比較として、比較のセルロースエステルフィルム原反試料 2— 58、 2— 59及び 2— 6 0について、上記と同様な方法で塗布を行った。
[0656] カール防止層塗布組成物(3)を塗布したものを試料 2— 58A、 2— 59A、及び 2— 60A、さらに帯電防止層塗布組成物(1)を塗布したものを試料 2— 58B、 2— 59B、 及び 2— 60B、さらにこの帯電防止層の上にハードコート層塗布組成物(2)を塗布し たものを試料 2— 58C、 2— 59C及び 2— 60Cとした。
[0657] その結果、高湿度環境で塗布したとき、試料 2— 58A、 2— 59 A及び 2— 60Aでブ ラッシングが起こった。また、試料 2— 58B、 2— 59B及び 2— 60Bでは乾燥後微細な 亀裂が認められることがあり、試料 2— 58C、 2— 59じ及び2— 60じでは乾燥後微細 な亀裂が明確に認められた。
(偏光板の作製と評価)
厚さ 120 mのポリビュルアルコールフィルムを沃素 1質量部、沃化カリウム 2質量 部、ホウ酸 4質量部を含む水溶液に浸漬し 50°Cで 4倍に延伸し偏光子を作製した。
[0658] 実施例 1、 2、 3および 4で作製した本発明のセルロースエステルフィルム原反試料 1— 1、 1— 8、 2— 2、 2— 7、 2— 9、 2—10、 2— 27、 2— 54、 2— 56、 2— 57、 3—1 、 3— 9、 3— 10、 4 1〜4 19及び比較のセルロースエステルフィルム原反試料 2 58、 2— 59及び 2— 60をポリエチレンシートで 2重に包み、図 8に示すような保存 方法で 25°C、 50%RHの条件下で 30日間、この後、 40°C、 80%RHの条件下で保 存した。
[0659] その後、それぞれポリエチレンシートを外して、それぞれの原反試料から巻き出した セルロースエステルフィルムを 40°Cの 2. 5molZL水酸化ナトリウム水溶液で 60秒間 アルカリ処理し、さらに水洗乾燥して表面をアルカリ処理した。
[0660] 前記偏光子の両面に、本発明の試料 1 1、 1 8、 2— 2、 2— 7、 2— 9、 2— 10、 2 — 27、 2— 54、 2— 56、 2— 57、 3— 1、 3— 9、 3— 10、 4— 1〜4— 19及び、比較の
試料の 2— 58、 2— 59及び 2— 60のアルカリ処理面を、完全鹼化型ポリビュルアルコ ール 5%水溶液を接着剤として両面力ゝら貼合し、保護フィルムが形成された本発明の 偏光板 1— 1、 1— 8、 2- 2, 2- 7, 2- 9, 2—10、 2- 27, 2- 54, 2- 56, 2- 57 、 3— 1、 3— 9、 3— 10、 4— 1〜4— 19及び、比較の偏光板の 2— 58、 2— 59及び 2 —60を作製した。
(液晶表示装置としての特性評価)
15型 TFT型カラー液晶ディスプレイ LA— 1529HM (NEC製)の偏光板を剥がし 、上記で作製した各々の偏光板を液晶セルのサイズに合わせて断裁した。液晶セル を挟むようにして、前記作製した偏光板 2枚を偏光板の偏光軸が元と変わらな ヽよう に互いに直交するように貼り付け、 15型 TFT型カラー液晶ディスプレイを作製し、セ ルロースエステルフィルムの偏光板としての特性を評価した。
《評価》
(高温高湿下での保存によるコントラスト評価)
23°C55%RHの環境で、このディスプレイのバックライトを点灯して 30分そのまま放 置してから測定を行った。測定には ELDIM社製 EZ— Contrastl60Dを用いて、デ イスプレイで白表示と黒表示の表示画面の法線方向力 の輝度を測定し、その比を 正面コントラストとする。
各々の偏光板を用いた場合の正面コントラストを評価し、同一のセルロースエステル フィルムを使用して作成した偏光板の、 23°C、 55%RH条件下と 80°C、 90%RH条件 下で保管した場合の正面コントラストの比を求めた。値が 1に近いほど、高温高湿下 での保存によるコントラスト変動が小さく好ましいことを表す。高温高湿条件での保存 によるコントラスト変動 = (80°C、 90%RHの条件下で 7日保存した偏光板を用いた 時のコントラスト) / (23°C、 55%RHの条件下で 7日保存した偏光板を用いた時のコ ントラスト)
以上の結果を表 13に示す。
(リタデーシヨン Ro、 Rtばらつきの評価)
実施例 1、 2、 3および 4で作製した本発明のセルロースエステルフィルム原反試料 1 —1、 1— 8、 2— 2、 2— 7、 2— 9、 2—10、 2— 27、 2— 54、 2— 56、 2— 57、 3— 1、
3— 9、 3— 10、 4 1〜4 19及び比較のセルロースエステルフィルム原反試料 2— 58、 2— 59及び 2— 60を幅手方向に lcm間隔でリタデーシヨンを測定し、下記式より 得られたリタデーシヨンの変動係数 (CV)で表したものである。測定には、自動複屈 折計 KOBURA.21ADH (王子計測器 (株)製)を用いて、 23°C、 55%RHの環境 下で、波長が 590nmにおいて、試料の幅手方向に lcm間隔で 3次元複屈折率測定 を行い、測定値を次式に代入して求めた。
面内リタデーシヨン Ro= (nx-ny) X d
厚み方向リタデーシヨン Rt= { (nx+ny) Z2— nz} X d
(式中、 nxは、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、 nyは、フィルム面内の進 相軸方向の屈折率であり、 nzはフィルム厚み方向の屈折率であり、 dはフィルムの厚 さ(nm)である。 )
得られた面内および厚み方向のリタデーシヨンをそれぞれ (n— 1)法による標準偏差 を求めた。リタデーシヨン分布は以下で示される変動係数 (CV)を求め、指標とした。 実際の測定に当たっては、 nとしては、 130〜140に設定した。
変動係数 (CV) =標準偏差 Zリタデーシヨン平均値
A:ばらつき(CV)が、 1. 5%未満
B :ばらつき(CV)が、 1. 5%以上、 5%未満
C:ばらつき(CV)力 5%以上、 10%未満
D :ばらつき(CV)が、 10%以上
以上の結果を表 13に示す。
[表 13]
高温高湿条件下での保存による リタデ一ションばらつき
試料 No. 備 考
コントラスト変動 R 0 R t
1- 1 0.90 B B 本発明
1-8 0.90 C C 本発明
2-2 0.99 A A 本発明
2-7 0.93 B A 本発明
2-9 0.98 B A 本発明
2-10 1.00 A A 本発明
2一 27 0.90 B A 本発明
2 -54 0.97 B A 本発明
2一 56 0.99 A A 本発明
2— 57 0.97 B A 本発明
3- 1 1.00 A A 本発明
3-9 1.00 A A 本発明
3一 10 1.00 A A 本発明
4- 1 0.97 B A 本発明
4-2 0.97 B A 本発明
4-3 0.97 B A 本発明
4-4 0.97 B A 本発明
4-5 0.97 B A 本発明
4-6 0.97 B B 本発明
4-7 0.96 B B 本発明
4-8 0.96 B A 本発明
4-9 1.00 A A 本発明
一 10 0.98 B A 本発明
4-11 0.98 B A 本発明 一 12 0.99 B A 本発明
4一 13 1.00 A A 本発明
4 -14 0.98 B A 本発明
一 15 0.98 B A 本発明 一 16 0.98 B A 本発明
4一 17 1.00 A A 本発明
一 18 0.98 B A 本発明
4 -19 0.98 B A 本発明
2一 58 0.80 D D 比 較
2一 59 0.82 D D 比 較
2 -60 0.86 D D 比 較 本発明の表示装置用フィルムであるセルロースエステルフィルム 1一 1、 1-8, 2- 2、 2— 7、 2— 9、 2—10、 2— 27、 2— 54、 2— 56、 2— 57、 3— 1、 3— 9、 3— 10、 4 - 1〜4一 19を用いた偏光板をディスプレイに使用した場合、比較のセルロースエス
テルフィルム 2— 58、 2— 59及び 2— 60を用いた偏光板をディスプレイ使用した場合 よりも、偏光板を高温高湿条件下に保存した場合のコントラストの変動が小さぐリタ デーシヨンの均一性に優れて 、ることが判る。