JPWO2008010607A1 - 芳香族ポリエステルおよびその製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに近年、技術の高度化により物理的、化学的に高性能を有する素材の要求が高まっている。例えばポリエチレンテレフタレートは樹脂、繊維、フィルムなどに幅広く使用されており、フィルムにおいては耐熱性、強度、ヤング率に優れており広く利用されている。しかし用途によっては未だ十分な特性を有しているとは言い難い。一方、液晶ポリエステルは、高いヤング率、高い融点、高い流動性を有し、優れた素材であるが溶融成形すると一軸方向に配向しやすく、ポリエチレンテレフタレートのような二軸フィルムを得ることは困難である。
ポリエチレンナフタレートよりもさらに高性能のポリエステルとして、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸(以下、NEO−Hと呼ぶことがある)をジカルボン酸成分とする芳香族ポリエステルが提案されている。NEO−Hは、酸の形態ではエチレングリコールなどのジオール成分への溶解度が低く、重合反応時の取り扱いが難しい。そのためエチルエステル(以下、NEO−エステルと呼ぶことがある)の形態で、エチレングリコールとエステル交換した後、重縮合され芳香族ポリエステルを製造することが提案されている(特許文献1〜4)。
しかし、この場合のエステル交換反応は、反応により生成するエタノールを排出しながら行なうため、反応の進行と共にエチレングリコールが減少し、反応により生成するポリエステル前駆体が結晶化して固化し、攪拌が困難になり、反応時間が長くなるという欠点がある。また得られる芳香族ポリエステル中には、式(D)で表されるジエチレングリコール成分が含まれ易く、物性を低下させ易いという欠点もがある。
また、NEO−エステルは、沸点が極めて高く、蒸留することが困難で、再結晶による精製を行なう他なく安価に精製するのが困難である。そのためNEO−エステルを出発原料として芳香族ポリエステルを工業的規模で製造するのは難しい。
本発明者は、NEO−Hを直接、ジオール成分でエステル化させ、芳香族ポリエステルを製造する方法について検討した。その結果、エステル化反応において所定のエステル化率のポリエステル前駆体を得た後、重縮合すると、式(D)で表されるジエチレングリコール成分が少なく、耐熱性に優れた芳香族ポリエステルが得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、ジカルボン酸成分およびジオール成分を含有する芳香族ポリエステルであり、
(i)ジカルボン酸成分が50〜100モル%の下記式(A)および50〜0モル%の下記式(B)で表される繰り返し単位を含有し、ジオール成分が90〜100モル%の下記式(C)で表される繰り返し単位を含有し、
式(A)中、Rは炭素数2〜10のアルキレン基である、
式(B)中、Arは炭素数2〜10の炭化水素基である、
(ii)P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が0.4〜3.0であり、
(iii)下記式(D)で表される繰り返し単位の含有量が10モル%未満であり、
(iv)末端カルボキシ基濃度が200eq/ton以下であり、
(v)アルカリ金属含有量が300ppm以下である芳香族ポリエステルである。
また本発明は、(1)下記式(a)
式(a)中、Rは炭素数2〜10のアルキレン基である、
で表される化合物を含有するジカルボン酸成分と、エチレングリコールを含有するジオール成分とを反応させ下記式(a−1)
式(a−1)中、Rは炭素数2〜10のアルキレン基である、
で表される化合物を含有し、エステル化率が85%のポリエステル前駆体を得る第1工程、
(2)ポリエステル前駆体を重合触媒の存在下で重合する第2工程、
を含む芳香族ポリエステルの製造方法である。
図2は、実施例7の芳香族ポリエステルのXRD測定チャートである。
図3は、実施例7の芳香族ポリエステルのDSC測定チャートである。
図4は、実施例9の芳香族ポリエステルのXRD測定チャートである。
図5は、実施例9の芳香族ポリエステルのDSC測定チャートである。
図6は、実施例10の芳香族ポリエステルのXRD測定チャートである。
図7は、実施例10の芳香族ポリエステルのDSC測定チャートである。
本発明の芳香族ポリエステルは、ジカルボン酸成分およびジオール成分を含有する。
ジカルボン酸成分は、50〜100モル%の下記式(A)および50〜0モル%の下記式(B)で表される繰り返し単位を含有する。
式(A)中、Rは炭素数2〜10のアルキレン基である。アルキレン基としてエチレン基、アルキレン基として、イソプロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
式(B)中、Arは、炭素数2〜10の炭化水素基である。炭化水素基は、低級アルキル基、ハロゲン等が核置換されていてもよい。炭化水素基として、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基、脂肪族炭化水素基等が挙げられる。芳香族炭化水素基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニリレン基などが挙げられる。脂環族炭化水素基として炭素数6〜12のシクロアルキレン等が挙げられる。脂肪族炭化水素基として炭素数2〜12のアルキレン等が挙げられる。
ジオール成分は、下記式(C)で表されるエチレングリコール由来の繰り返し単位を90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、より好ましくは98〜100モル%含有する。
他のジオール成分として下記式(C−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
式(C−1)中、Rcは、炭素数3〜8のアルキレン基である。アルキレン基として、イソプロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
式(A)で表される繰り返し単位と、式(C)で表される繰り返し単位で構成されるエステル単位(−(A)−(C)−)の含有量は、全繰り返し単位の好ましくは50〜100%、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%である。
本発明の芳香族ポリエステルは、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が0.4〜3.0、好ましくは0.5〜2.8、より好ましくは0.6〜2.5である。
本発明の芳香族ポリエステルは、下記式(D)で表される繰り返し単位の含有量が10モル%未満、好ましくは0.01〜9モル%、より好ましくは0.01〜8モル%である。
式(D)で表される繰り返し単位がポリマー骨格に含まれると、主鎖の剛直性が失われ、機械的特性、耐熱性低下を引き起こす原因になる。式(D)で表される繰り返し単位は、グリコール成分同士の反応、またはポリマー末端のヒドロキシ末端同士の反応により生成する。式(D)で表される繰り返し単位の含有量は核磁気共鳴装置によって測定することができる。
本発明の芳香族ポリエステルは、末端カルボキシ基濃度が200eq/ton以下、好ましくは0.1〜150eq/ton、より好ましくは0.1〜100eq/tonである。
芳香族ポリエステルは、通常、重縮合反応の平衡定数が小さい。そのため、末端カルボキシ基濃度が増加すると、吸水率が増加し、かつカルボキシ基による酸触媒作用により加水分解を起こし易くなるという不利益がある。そのため耐加水分解性を向上させるためには末端カルボキシ基濃度を小さくすることが重要である。また得られた芳香族ポリエステルの重合度を上昇させるため、固相重合を行う場合にも末端カルボキシ基濃度が高いと反応性が低下し、固相重合に要する時間が長くなり生産性が低下するなど工業的にも好ましくない。末端カルボキシ基濃度は、ポリエステル前駆体のエステル化率、反応圧力により調整することができる。
本発明の芳香族ポリエステルは、アルカリ金属含有量が300ppm以下、好ましくは1〜200ppm、より好ましくは1〜50ppmである。アルカリ金属量が300ppmより多い場合は、得られるポリエステルの透明性や、分子量低下が起こり、機械的強度が低下したりする。本発明において、アルカリ金属含有量とは、ナトリウム金属およびカリウム金属の合計量のことを言う。アルカリ金属含有量は原子吸光法により測定することができる。
本発明の芳香族ポリエステルの原料である、式(a)で表される化合物はアルカリ金属塩を経て製造されるため不純物としてアルカリ金属を含有する。そのため、式(a)で表される化合物は、アルカリ金属量を低減させた後、原料として用いることが好ましい。アルカリ金属量は、例えば、式(a)で表される化合物をアミン塩またはアンモニウム塩とした後、その塩を酸析または加熱により分解して低減させることができる。
(第一の態様)
上記芳香族ポリエステルにおいて、ジカルボン酸成分が主として下記式(A−1)で表される繰り返し単位(式(A)においてRがエチレン基)を含有し、融点が295℃以上である芳香族ポリエステル(1)が好ましい。主としてとは、含有量が好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは99〜100モル%であることを意味する。
芳香族ポリエステル(1)中のジオール成分は、下記式(C)で表される繰り返し単位を、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%含有する。
他のジオール成分として下記式(C−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
式(C−1)中、Rcは、炭素数3〜8のアルキレン基である。アルキレン基として、イソプロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
芳香族ポリエステル(1)は、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が0.4〜3.0である。芳香族ポリエステル(1)は、下記式(D)で表される繰り返し単位の含有量が10モル%未満である。
芳香族ポリエステル(1)は、末端カルボキシ濃度が200eq/ton以下である。芳香族ポリエステル(1)は、アルカリ金属含有量が300ppm以下である。
(第二の態様)
上記芳香族ポリエステルにおいて、ジカルボン酸成分が50〜80モル%の式(A)および50〜20モル%の下記式(B−1)で表される繰り返し単位を含有し、融点が225〜265℃の芳香族ポリエステル(2)が好ましい。
ジオール成分は、下記式(C)で表される繰り返し単位を、90モル〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、より好ましくは98〜100モル%含有する。
他のジオール成分として下記式(C−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
式(C−1)中、Rcは、炭素数3〜8のアルキレン基である。アルキレン基として、イソプロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
芳香族ポリエステル(2)は、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が0.4〜3.0である。芳香族ポリエステル(2)は、下記式(D)で表される繰り返し単位の含有量が10モル%未満である。
芳香族ポリエステル(2)は、末端カルボキシ濃度が200eq/ton以下である。芳香族ポリエステル(2)は、アルカリ金属含有量が300ppm以下である。
芳香族ポリエステル(2)の融点は、好ましくは225〜265℃、より好ましくは235〜260℃であることが製膜性の点から好ましい。融点が265℃を越えると、溶融押し出しして成形する際に、流動性が劣り、吐出などが不均一化しやすくなる。一方、225℃未満になると、製膜性は優れるものの、ポリエチレンテレフタレートの持つ機械的特性などが損なわれやすくなる。
また、芳香族ポリエステル(2)は、DSCで測定したガラス転移温度(以下、Tgと称することがある。)が、好ましくは100〜115℃、より好ましくは108〜115℃の範囲にあることが、耐熱性や寸法安定性の点から好ましい。なお、Tgが下限未満では、芳香族ポリエステルの耐熱性、機械的強度に不具合が出ることがある。本発明の芳香族ポリエステル(2)は優れた成形性を有する。
主として式(A)で表される繰り返し単位を含有する芳香族ポリエステル(1)は、寸法安定性に優れているが、融点が非常に高く、また結晶性も非常に高いことから溶融状態での流動性に乏しい。芳香族ポリエステル(2)は、非液晶性の式(B−1)で表される繰り返し単位を含有するので、寸法安定性、成形性、およびガスバリア性に優れる。
芳香族ポリエステル(2)は、光学的に異方性の溶融相を形成するものであることが好ましい。芳香族ポリエステル(2)において、DSC測定において昇温速度20℃/分で320℃まで昇温した後、10℃/分で冷却したときの吸熱ピークが120〜235℃の範囲に2点観測されることが好ましい。
芳香族ポリエステル(2)は、340℃で一旦溶融させその後、氷浴で急冷することによって得た非晶体についてのXRD測定において、2θが20〜21°の範囲に観察されるピークトップ強度(Ap)と、2θが7.5〜9.0°の範囲に観察されるピークトップ強度(Lp)について、その比であるQが、下記式(I)の関係を満たすことが好ましい。
芳香族ポリエステル(2)の光学的異方性は、式(A)で表される繰り返し単位の割合により調節することができる。
(第三の態様)
上記芳香族ポリエステルにおいて、ジカルボン酸成分が50〜80モル%の式(A)および50〜20モル%の下記式(B−2)で表される繰り返し単位を含有し、融点が235〜270℃の芳香族ポリエステル(3)が好ましい。
ジオール成分は、下記式(C)で表される繰り返し単位を、90モル〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、より好ましくは98〜100モル%含有する。
他のジオール成分として下記式(C−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
式(C−1)中、Rcは、炭素数3〜8のアルキレン基である。アルキレン基として、イソプロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
芳香族ポリエステル(3)は、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が0.4〜3.0である。芳香族ポリエステル(3)は、下記式(D)で表される繰り返し単位の含有量が10モル%未満である。
芳香族ポリエステル(3)は、末端カルボキシ濃度が200eq/ton以下である。芳香族ポリエステル(3)は、アルカリ金属含有量が300ppm以下である。
芳香族ポリエステル(3)のDSCで測定した融点は、好ましくは235〜270℃、さらに好ましくは240〜265℃である。融点がこの範囲にあると製膜性および機械的特性の点から好ましい。融点が上限を越えると、溶融押し出しして成形する際に、流動性が劣り、吐出などが不均一化しやすくなる。一方、下限未満になると、製膜性は優れるものの、式(A)で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリエステルの持つ機械的特性などが損なわれやすくなる。
芳香族ポリエステル(3)のDSCで測定したガラス転移温度(Tg)は、好ましくは105〜115℃、より好ましくは107〜113℃である。Tgがこの範囲にあると、耐熱性や寸法安定性の点から好ましい。なお、Tgが下限未満では、耐熱性、機械的強度に不具合が出ることがある。
芳香族ポリエステル(3)は、式(A)で表される繰り返し単位と式(B−2)で表される繰り返し単位が共存しているので優れた成形性を有する。
主として式(A)で表される繰り返し単位を含有する芳香族ポリエステル(1)は、寸法安定性に優れているが、融点が非常に高く、また結晶性も非常に高いことから溶融状態での流動性に乏しい。芳香族ポリエステル(3)は、非液晶性の式(B−2)で表される繰り返し単位を含有するので、寸法安定性、成形性、およびガスバリア性に優れる。
芳香族ポリエステル(3)は、光学的に異方性の溶融相を形成するものであることが好ましい。芳香族ポリエステル(3)は、340℃で一旦溶融させその後、氷浴で急冷することによって得た非晶体についてのXRD測定において、2θが20〜21°の範囲に観察されるピークApと、2θが7.5〜9.0°の範囲に観察されるピークLpについて、その比であるQが、下記式(I)の関係を満たすことが好ましい。
芳香族ポリエステル(3)は、DSC測定において昇温速度20℃/分で320℃まで昇温した後、10℃/分で冷却したときの吸熱ピークが120℃〜220℃の範囲に2点観測されることが好ましい。芳香族ポリエステル(3)の光学的異方性は、式(A)で表される繰り返し単位の割合により調節することができる。
<製造方法>
本発明の芳香族ポリエステルは、(i)ジカルボン酸成分とジオール成分とをエステル化率が85%になるまで反応させポリエステル前駆体を得る第1工程、および(ii)ポリエステル前駆体を重合触媒の存在下で重合する第2工程により製造することができる。
(第1工程)
第1工程は、ジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させエステル化率が85%のポリエステル前駆体を得る工程である。
ジカルボン酸成分は、下記式(a)
で表される化合物を含有する。
式中、Rは炭素数2〜10のアルキレン基である。アルキレン基としてエチレン基、アルキレン基として、イソプロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
ジカルボン酸成分中の式(a)で表される化合物の含有量は、50〜100モル%である。
式(a)で表される化合物は、その製造時にアルカリ金属を用いるため、不純物としてアルカリ金属を含有する。芳香族ポリエステルにアルカリ金属が含有するとその色相が悪化するので、原料の式(a)で表される化合物のアルカリ金属量を低減させることが好ましい。
アルカリ金属量を低減は以下の方法により行なうことができる。例えば、式(a)で表される化合物を、アミン塩またはアンモニウム塩とした後、その塩を酸析または加熱により分解してアルカリ金属量を低減させることができる。また式(a)で表される化合物をエタノールなどの水溶性有機溶媒の存在下に酸析することによりアルカリ金属量を低減させることができる。また式(a)で表される化合物を、水に懸濁し80〜300℃で反応させた後、酸析する操作を繰り返すことによりアルカリ金属量を低減させることができる。
原料の式(a)で表される化合物のアルカリ金属含有量は、好ましくは5〜200ppm、より好ましくは5〜100ppm、さらに好ましくは5〜50ppmである。
ジカルボン酸成分は、下記式(b)で表される化合物を含有していてもよい。式(b)で表される化合物の含有量は50〜0モル%である。
式(b)中、Arは、炭素数2〜10の炭化水素基である。炭化水素基は、低級アルキル基、ハロゲン等が核置換されていてもよい。炭化水素基として、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基、脂肪族炭化水素基等が挙げられる。芳香族炭化水素基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基、ビフェニリレン基などが挙げられる。脂環族炭化水素基として炭素数6〜12のシクロアルキレン等が挙げられる。脂肪族炭化水素基として炭素数2〜12のアルキレン等が挙げられる。
式(b)で表される化合物として、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、1,4−フェニレンジオキシジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。脂環族ジカルボン酸として、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸として、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸などが挙げられる。式(b)で表される化合物は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく使用される。
ジカルボン酸成分は、主として式(a)で表される化合物を含有することが好ましい(第一の態様)。主としてとは、含有量が好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは99〜100モル%であることを意味する。
ジカルボン酸成分は、50〜80モル%の式(a)で表される化合物および50〜20モル%の式(b)で表される化合物を含むことが好ましい(第二、第三の態様)。
ジオール成分は、エチレングリコールを含有する。エチレングリコールの含有量は、90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%である。
他のジオール成分として、炭素数3〜8のアルキレングリコールが挙げられる。アルキレングリコールとして、イソプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール等を挙げられる。
芳香族ポリエステルを製造する際には、ジカルボン酸成分およびグリコール成分の外に、さらに他の共重合成分を、本発明の目的・効果を損わない範囲で使用することができる。他の共重合成分としては、例えば、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸や、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、シュガーエステルなどの三官能以上の多官能成分などが挙げられる。
第1工程は、芳香族ジカルボン酸をエステル化しポリエステル前駆体を得る工程である。反応は、グリコール成分の沸点以上で行うことが好ましい。従って反応温度は、好ましくは150〜250℃、より好ましくは180〜230℃である。150℃よりも低いとエステル化反応が十分に進行せず、250℃よりも高いと副反応物であるグリコールが生成し好ましくない。
反応は常圧下で行っても良いが、加圧下で反応を行うとよりエステル化反応が進行しやすい。よって高温高圧下でエステル化反応を行うことが好ましい。反応圧力は、絶対圧力で、好ましくは10〜200kPa、より好ましくは20〜150kPaである。
反応時間は、好ましくは10分〜10時間、より好ましくは30分〜7時間である。このエステル化反応によってポリエステル前駆体としての反応物が得られる。
エステル化反応の終了の目安はエステル化率が85%以上、好ましくは90%以上になった時点とするのが好ましい。エステル化率が85%よりも低い段階でエステル化反応を停止して次の重縮合反応に進行すると所望の重合度、末端カルボキシ濃度のポリエステルを得ることができない。
エステル化率(%)とは、下記式によって算出される値である。エステル化率は核磁気共鳴分光法によって定量することができる。
ジオール成分の量は、ジカルボン酸成分1モルに対し、好ましくは1.1〜4モル、より好ましくは2〜4モル、さらに好ましくは2〜3モルである。式(a)で表される化合物は、エチレングリコールへの溶解性が低く、溶解性を考慮してグリコール成分の量を調節することが好ましい。
触媒は、ポリエステルの直接重合法において通常使用されている任意の触媒を必要に応じて適宜使用することができ、好ましい触媒の例としてはテトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、それらの加水分解等の有機チタン化合物が挙げられる。
第1工程では、ポリエステル前駆体が得られる。ポリエステル前駆体は、下記式(a−1)で表される化合物を含有する。式中、Rは式(a)と同じである。
ジカルボン酸として、式(b)で表される化合物を用いた場合には、ポリエステル前駆体中には、下記式(b−1)で表される化合物が含まれる。式中、Arは、式(b)と同じである。
本発明の第1工程では、式(a)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を含有するジカルボン酸成分を、エチレングリコールを含有するジオール成分と反応させ、エステル化率が85%のポリエステル前駆体とすることにより、反応副生物である式(D)で表されるジエチレングリコール成分の含有量の少なく、末端カルボキシ基の含有量の少ない芳香族ポリエステルを得ることができる。またアルカリ金属含有量の少ない芳香族ポリエステルを得ることができる。その結果、耐熱性、色相に優れた芳香族ポリエステルが得られる。
ポリエステル前駆体は、50〜100モル%の式(a−1)で表される化合物および50〜0モル%の式(b−1)で表される化合物を含むことが好ましい。
ポリエステル前駆体は、主として式(a−1)で表される化合物を含有することが好ましい(第一の態様)。主としてとは、含有量が好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは99〜100モル%であることを意味する。
ポリエステル前駆体は、50〜80モル%の式(a−1)で表される化合物および50〜20モル%の式(b−1)で表される化合物を含むことが好ましい(第二、第三の態様)。
特開昭60−135428号公報に記載された、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸のエステル(NEO−エステル)とグリコールとを反応させる方法ではエステル交換反応が進むにつれて、ポリエステル前駆体が結晶化により徐々に固化する現象がみられ、攪拌が困難になり、エステル交換反応が完全に進行するのに時間が要する、また一旦固化した反応物を溶解させるために温度を上昇させることにより、ジアルキレンングリコールなどの副成分が発生しやすいなどの課題があるが、本発明の方法ではこれらの課題を解決できる。
本発明の態様として、第1工程では、主として式(a)で表される化合物をエステル化させ、得られるポリエステル前駆体に式(b−1)で表される化合物を添加することもできる。
(第2工程)
第2工程は、第1工程で得られたポリエステル前駆体を重合触媒の存在下で重縮合する工程である。
重縮合触媒としては、少なくとも一種の金属元素を含む金属化合物が挙げられる。なお、重縮合触媒はエステル化反応においても使用することができる。金属元素としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、スズ、コバルト、ロジウム、イリジウム、ジルコニウム、ハフニウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。より好ましい金属としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、スズなどであり、中でも、チタン化合物はエステル化反応と重縮合反応との双方の反応で、高い活性を発揮するので特に好ましい。
重縮合触媒として好適なチタン化合物の具体例としては、例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェエルチタネート、テトラベンジルチタネート、蓚酸チタン酸リチウム、蓚酸チタン酸カリウム、蓚酸チタン酸アンモニウム、酸化チタン、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステル、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸からなる反応生成物、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物、チタンのオルトエステル又は縮合オルトエステルと少なくとも2個のヒドロキシル基を有する多価アルコール、2−ヒドロキシカルボン酸、又は塩基からなる反応生成物などが挙げられる。
アンチモン化合物の例としては、例えば三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイドなどが挙げられる。ゲルマニウム化合物の例としては、例えば二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、例えば、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド、アルミニウム−n−プロポキサイド、アルミニウムイソプロポキサイド、アルミニウム−n−ブトキサイド、アルミニウム−tert−ブトキサイドなどアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロポキサイドなどのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物又はこれらの部分加水分解物、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
これらのアルムニウム化合物のうち、カルボン酸塩、無機酸塩又はキレート化合物が好ましく、これらの中でもさらに塩基性酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム又はアルミニウムアセチルアセトネートが特に好ましい。塩基性酢酸アルミニウムはホウ酸等の添加剤で安定化されたものを用いてもよい。
これらの触媒は単独でも、あるいは併用してもよい。かかる触媒量はポリマーに対し、0.005〜0.5モル%程度が好ましい。
好ましい重縮合温度は得られるポリマーの融点以上350℃以下、より好ましくは融点プラス5℃以上330℃以下である。重縮合反応では通常5mmHg以下の減圧下で行うのが好ましい。5mmHgより高いと重縮合反応に要する時間が長くなり且つ重合度の高いポリエステルを得ることが困難になる。
本発明の製造方法で得られる芳香族ポリエステルは、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が好ましくは0.4〜3.0、より好ましくは0.4〜1.5である。
本発明の製造方法で得られる芳香族ポリエステルは、下記式(D)で表される繰り返し単位の含有量が10モル%未満であることが好ましい。
また末端カルボキシ基濃度が200eq/ton以下であり、アルカリ金属含有量が300ppm以下であることが好ましい。
(固相重合工程)
得られた芳香族ポリエステルをさらに固相重合することにより、高重合度の芳香族ポリエステルを得ることができる。本発明の式(A)で表される繰り返し単位を含有する芳香族ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリエチレンテレフタレート等に比べ、溶融粘度が高い。溶融粘度を低下させるため重合温度を上昇させるとポリマー鎖が熱劣化を起こしやすい。また、溶融粘度が高いと反応で生成する副生成物の拡散速度が遅くなるため重合度の上昇も長時間要する。このように溶融重合だけでは重合度をさらに上昇させることは好ましくない。よって、固相重合により所望の重合度まで上昇させることが好ましい。
溶融重合法によって得たプレポリマーを、粉粒化またはチップ化し、融点より低い温度に加熱して固相重合すれば、効率的に所望の重合度まで上昇させることができる。粉の発生を極力抑制すると言う点ではチップ化することが好ましい。固相重合は、減圧下および又は窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガス気流下で行うことが好ましい。
プレポリマーの固有粘度は、好ましくは0.4〜1.5dl/g、より好ましくは0.5〜1.3dl/g、さらに好ましくは0.6dl/g〜1.0dl/gである。0.4dl/g未満のプレポリマーではチップ同士の接触、または衝撃により粉が発生し好ましくない。また長時間にわたって固相重合する必要がある。一方、固有粘度が1.5dl/gを超えると、溶融重合時に特殊な反応装置を必要とし、大きな攪拌エネルギーが必要となり好ましくない。
なお必要に応じて固相重縮合に先立って、不活性ガス雰囲気下、水蒸気ガス雰囲気下または水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で、プレポリマー粒子を加熱することにより、プレポリマー粒子に結晶化処理を施すのが好ましい。この結晶化処理に引続き、さらに高温で熱処理しておくことにより、固相重合をより高温で行うことができる。固相重合は得られる芳香族ポリエステルの固有粘度が0.7〜3.0dl/gとなるように行うのが好ましい。固有粘度が0.7より小さいと固相重合を行う意義が薄れる。逆に固有粘度が大きすぎると溶融粘度が高くなりすぎ成形性が低下する。よって好ましくは固相重縮合は、得られる芳香族ポリエステルの固有粘度が1.0〜2.5dl/g、特に1.3〜1.8dl/gとなるように行うのが好ましい。
本発明の芳香族ポリエステルには、他種熱可塑性ポリマー、紫外線吸収剤等の安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、離型剤、顔料、核剤、充填剤あるいはガラス繊維、炭素繊維、層状ケイ酸塩を必要に応じて配合しても良い。他種熱可塑性ポリマーとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど上記芳香族ポリエステルとは組成の異なるポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。本発明の芳香族ポリエステルに他の熱可塑性樹脂を混合した樹脂組成物は、押出成形法、射出成形法、押出しブロー成形法、カレンダー成形法により、各種の製品を製造することができる。得られたペレット状芳香族ポリエステルは、必要に応じてさらに固相重合を行いより高い固有粘度とすることもできる。
(成形)
本発明の芳香族ポリエステルは、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形などの通常の溶融成形に供することが出来、繊維、フィルム、三次元成形品、容器、ホース等に加工することができる。
(繊維)
繊維は、本発明の芳香族ポリエステルを溶融紡糸後、ガラス転移点以上融点以下の温度で延伸し、さらに好ましくは熱処理することにより製造することができる。得られる繊維は、極めてヤング率が高く機械的特性に優れ、また耐熱性、耐加水分解性等の化学的、熱的に優れた性能を有する。
(フィルム)
フィルムは、本発明の芳香族ポリエステルを溶融製膜後、ガラス転移点以上融点以下の温度で少なくとも一軸方向に延伸し、さらに好ましくは熱処理することにより製造することができる。
得られるフィルムは、極めてヤング率が高く機械的特性に優れ、また耐熱性、耐加水分解性等の化学的、熱的に優れた性能を有する。またガスバリア性(酸素、水蒸気)に優れる。
本発明の芳香族ポリエステル(2)または(3)は、結晶性の式(A)で表される繰り返し単位を主成分とし、式(B−1)または(B−2)で表される繰り返し単位を共重合成分として有することにより、フィルム製膜時の延伸性、二軸延伸性に優れる。
本発明の芳香族ポリエステル(2)または(3)を二軸延伸したフィルムは、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレンジカルボキシレートの持つ優れた耐熱性、機械的特性を維持しつつ、優れた寸法安定性を有する。特に湿度膨張係数を低くすることが可能である。よって、芳香族ポリエステル(2)または(3)は、高密度磁気記録媒体のベースフィルムの材料として極めて好適である。
二軸延伸フィルムは、製膜方向(MD方向)と幅方向(TD方向)に延伸してそれぞれの方向の分子配向を高めたものであり、例えば以下のような方法で製造することが、できる。
芳香族ポリエステル(2)または(3)を乾燥後、その融点(Tm)ないし(Tm+50)の温度(℃)に加熱された押出機に供給して、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出す。この押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化して未延伸フィルムとし、さらに該未延伸フィルムを二軸延伸する。二軸延伸としては、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。
ここでは、逐次二軸延伸で、縦延伸、横延伸および熱処理をこの順で行う製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の縦延伸は芳香族ポリエステルのガラス転移温度(Tg)ないし(Tg+40)の温度(℃)で、3〜8倍に延伸し、次いで横方向に先の縦延伸よりも高温で(Tg+10)〜(Tg+50)の温度(℃)で3〜8倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)の温度(℃)で1〜20秒、さらに1〜15秒熱固定処理するのが好ましい。
(1)固有粘度
芳香族ポリエステルの固有粘度は、P−クロロフェノール/テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてサンプルを溶解してサンプル濃度0.5g/dLの溶液を調製し35℃で測定して求めた。
(2)ガラス転移点、融点
ガラス転移点、融点は、DSC(TA Instrument株式会社製、DSC2920)により昇温速度20℃/分で測定した。また液晶性の評価のために昇温速度20℃/分で320℃まで昇温した後、10℃/分で冷却したときの吸熱ピークを観察した。
(3)末端カルボキシ基濃度
末端カルボキシ基濃度は、600MHzの1H−NMR(日本電子株式会社製、JEOL A−600)によって測定した。
(4)エステル化率
エステル化率は、芳香族ポリエステルのカルボキシ基の数を600MHzの1H−NMR(日本電子株式会社製、JEOL A−600)によって測定し、下記式により求めた。
(5)式(D)で表されるジエチレングリコール成分の含有量の測定法
ジエチレングリコール量は、600MHzの1H−NMR(日本電子株式会社製、JEOL A−600)によって測定した。
(6)共重合量
共重合量は、600MHzの1H−NMR(日本電子株式会社製、JEOLA−600)によって測定した。
(7)アルカリ金属含有量
アルカリ金属含有量は、日立製作所製 偏光ゼーマン原子吸光光度計 Z5000を用いて、ナトリウム金属およびカリウム金属の合計量を樹脂組成物の重量を基準として測定した。
(8)XRD測定
XRD測定はリガク製粉末X線回折装置RAD−Bを用いた。サンプルは340℃で一旦溶融させその後氷浴で急冷することによって得た非晶サンプルを用いて測定を行い、Q値を以下の式(I)により算出した。
Lp:2θが7.5〜9.0°の範囲に観察されるピーク
Ap:2θが20〜21°の範囲に観察されるピーク
(9)ヤング率
得られた芳香族ポリエステルを、融点+20℃の温度で溶融し、厚さ600μmの未延伸シートとして冷却ドラム上に押出し、これを製膜方向に140℃で、ロール間で3.4倍延伸した。その後、得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張った。なお、ヤング率の測定方向は製膜方向である。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算した。
(10)温度膨張係数(αt)
得られたフィルムを、フィルムの幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させた。その後、25℃から70℃まで2℃/分で昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出した。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(ppm/℃)である。
(11)湿度膨張係数(αh)
得られたフィルムを、フィルムの幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度30%RHと湿度70%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出した。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαhとした。
αh=(L70−L30)/(L30×△H)
ここで、上記式中のL30は30%RHのときのサンプル長(mm)、L70は70%RHのときのサンプル長(mm)、△H:40(=70−30)%RHである。
(12)水蒸気バリア性
MOCON社製、パーマトランW1Aを用いて、40℃90%RH雰囲気下における水蒸気透過度を測定した。
(13)酸素バリア性
MOCON社製オキシトラン2/20MLを用いて、23℃、0%RHおよび40℃90%RHの雰囲気下における酸素透過度を測定した。
参考例1 6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸(NEO−H)の製造
10Lの攪拌付きオートクレーブに2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1000重量部、水酸化カリウム597重量部、ジクロロエタン263重量部、水5000重量部を仕込み窒素置換後、窒素圧0.3Mpaを掛け攪拌下120℃〜130℃で反応した。反応後冷却・ろ過することにより6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸モノカリウム塩を主成分とする固体を得た。この生成物の乾燥重量380重量部であった。この生成物を5Lのセパラブルフラスコに入れ、ついで水酸化カリウム46重量部、水5400重量部を加え95℃で加熱した。塩が完全に溶解したところで硫酸を加え温度95℃で6時間酸析を行った。酸析後析出した固体をろ過し水洗し減圧乾燥した。乾燥後の乾燥重量は290重量部であった。得られた粗6,6−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸中の残留アルカリ成分量は2重量%であった。
得られた粗6,6−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸400重量部とトリエチルアミン403重量部および水4000重量部を良く混合し1μmのフィルターで濾別して清澄な6,6−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸のトリエチルアミン塩水溶液を得た。この溶液に36%塩酸を加え酸析を行った。析出した6,6−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸を濾別し、水5000重量部を加え30分間攪拌混合して洗浄処理を行った。この操作を3回行なった。この後メタノール5000重量部を加え攪拌混合して洗浄処理を行い濾別して乾燥し6,6−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸(NEO−H)を得た。NEO−Hの残留カリウム成分量は12ppmであった。
実施例1
第1工程
100重量部の参考例1で得られたNEO−H、エチレングリコール62重量部、テトラ−n−ブチルチタネート0.085重量部を1リットルの攪拌機、窒素ガス導入口を供えたオートクレーブに仕込み、窒素置換後、窒素圧0.2MPaを印加し温度230℃で6時間反応を行った。反応後、析出した結晶をろ過し、メタノールにて洗浄を行った。洗浄後120℃で真空乾燥し、ポリエステル前駆体としてビス(β−ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸(NEO−EG)を含有するポリエステル前駆体115重量部を得た。このポリエステル前駆体のエステル化率は96%であった。融点は240℃であった。
第2工程
100重量部の第1工程で得られたポリエステル前駆体、0.0347重量部のテトラ−n−ブチルチタネートを精留塔付き反応器に仕込み、窒素下270℃にて融解させた。その後、減圧を徐々に行い500mmHgにて約20分攪拌反応後、温度を320℃に上昇させた。次いで系内をさらに徐々に減圧にし、0.2mmHg到達後、約20分攪拌反応させた。得られた芳香族ポリエステルの固有粘度は1.47、ガラス転移温度は132℃、融点は300℃であった。芳香族ポリエステルのジエチレングリコール成分含有量は、5.0モル%であった。また末端カルボキシ基濃度は55eq/Tonであった。またアルカリ金属含有量は27ppmであった。
実施例2
100重量部の実施例1の第1工程で得られたポリエステル前駆体、27重量部の2,6−ビス(ヒドロキシエトキシカルボニル)ナフタレン、0.02重量部のテトラ−n−ブチルチタネートを精留塔付き反応器に仕込み、窒素下270℃にて融解させた。その後、減圧を徐々に行い500mmHgにて約20分攪拌反応後、温度320℃に上昇させた。次いで系内をさらに徐々に減圧にし、0.2mmHg到達後、約20分攪拌反応させ芳香族ポリエステルを得た。得られた芳香族ポリエステルの固有粘度は1.6、ガラス転移温度は121℃、融点は287℃であった。芳香族ポリエステルのジエチレングリコール成分の含有量は6.0モル%であった。また末端カルボキシ基濃度は92eq/Tonであった。またアルカリ金属含有量は20ppmであった。
実施例3
100重量部の実施例1の第1工程で得られたポリエステル前駆体、9.2重量部のビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、0.04重量部のテトラ−n−ブチルチタネートを精留塔付き反応器に仕込み、窒素下270℃にて融解させた。その後、減圧を徐々に行い500mmHgにて約20分攪拌反応後、重合温度を320℃に上昇させた。次いで系内をさらに徐々に減圧にし、0.2mmHg到達後、約20分攪拌反応させ芳香族ポリエステルを得た。得られた芳香族ポリエステルの固有粘度は1.4、ガラス転移温度は120℃、融点は282℃であった。ジエチレングリコール成分の含有量は7.2モル%であった。末端カルボキシ基濃度は80eq/Tonであった。アルカリ金属含有量は23ppmであった。
実施例4
第2工程
100重量部の実施例1の第1工程で得られたポリエステル前駆体、0.0347重量部のテトラ−n−ブチルチタネートを精留塔付き反応器に仕込み、窒素下270℃にて融解させた。その後、減圧を徐々に行い500mmHgにて約20分攪拌反応後、重合温度320℃に上昇させた。次いで系内をさらに徐々に減圧にし、30mmHg到達後、約30分攪拌反応させ、プレポリマーを得た。得られたプレポリマーの固有粘度は0.72であった。
固相重合工程
このプレポリマーを粉砕し1〜2mmの粉粒体にし、攪拌装置を備えた反応器に仕込み、温度280℃、0.2mmHgの減圧下で固相重合を15時間行い、芳香族ポリエステルを得た。得られた芳香族ポリエステルの固有粘度は2.0であった。
実施例5
実施例4の第2工程で得られたプレポリマーを温度320℃にて混練機にて溶融しチップ化した。チップ径は1.2〜1.5mmで、長さは3.2〜3.7mmのチップが得られた。このチップを温度280℃で、下部に不活性ガスの流出部分を有する円筒型の反応容器に入れ、0.8NL/cm2・分で窒素ガスの流通下、固相重合を行った。15時間後得られた芳香族ポリエステルの固有粘度は2.2であった。ジエチレングリコール成分含有量は7.0モル%、末端カルボキシ基濃度が40eq/ton、アルカリ金属含有量が25ppmであった。
比較例1
特開昭60−135428号公報に記載された手法にて実施例1と同種のポリマーを合成した。具体的にはジエチル6.6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエート(NEO−エステル)458重量部とエチレングリコール130重量部、テトラ−n−ブチルチタネート0.1重量部を仕込み、200℃〜260℃にて加熱し反応により生じるエタノールを系外に留出せしめた。徐々に反応物が結晶化し固化し始めた。攪拌を一旦中止し、理論量のエタノールが留出してから温度を290℃に上昇させ融解させ、窒素ガス気流中常圧で30分間反応させ、次いで反応温度を310℃に昇温し、かつ系内を徐々に減圧し0.2mmHg到達後、さらに10分間反応せしめた。得られたポリマーの融点は294℃で、ジエチレングリコール成分の含有量は12モル%、末端カルボキシ基濃度が105eq/ton、アルカリ金属含有量が30ppmであった。
特開昭60−135428号公報に記載される方法でエステル化交換反応を行った場合、反応後期において芳香族ポリエステル前駆体の結晶が析出固化し攪拌工程に問題が生じ、十分にエステル化交換反応が十分に進まなかった。また製造された該芳香族ポリエステルはグリコール成分が多量に残留し、熱的物性を損なうことが確認された。
比較例2
エステル化率が77%であるポリエステル前駆体を用いて実施例1と同様に重縮合を行った。得られたポリマーの融点は292℃であり、熱的特性が低下していた。ジエチレングリコール成分は14モル%であった。
実施例6
第2工程
100重量部の実施例1の第1工程で得られたポリエステル前駆体、52重量部のビス−2−ジヒドロキシエチルテレフタレート、0.03重量部のテトラ−n−ブチルチタネートを精留塔付き反応器に仕込み窒素下270℃にて融解させた。その後、減圧を徐々に行い500mmHgにて約20分攪拌反応後、重合温度320℃に上昇させた。次いで系内をさらに徐々に減圧にし、0.2mmHg到達後、約20分攪拌反応させ、NEO−H成分が50モル%であり、テレフタル酸成分が50モル%である芳香族ポリエステルを得た。得られた芳香族ポリエステルの固有粘度は1.02、ガラス転移温度は104℃、融点は234℃であった。得られた芳香族ポリエステルの物性を表1に示す。
得られた芳香族ポリエステルは、XRD測定においてピークは観察されなかった。
また得られた芳香族ポリエステルについてDSC測定において昇温速度20℃/分で320℃まで昇温した後、10℃/分で冷却したときの吸熱ピークが159℃と197℃に観測された(図1)。
実施例7
実施例1の第1工程で得られたポリエステル前駆体を100重量部、ビス−2−ジヒドロキシエチルテレフタレートを23重量部とした以外は実施例6と同様にして、NEO−H成分が70モル%であり、テレフタル酸成分が30モル%である芳香族ポリエステルを得た。得られた芳香族ポリエステルの物性を表1に示す。
得られた芳香族ポリエステルは、XRD測定において、2θが20〜21°の範囲にピークApが、2θが、7.5〜9.0°の範囲にピークLpがそれぞれ観察された(図2)。Apの強度は49324、Lpは3245であり、Q値は0.062であった。
また得られた芳香族ポリエステルは、DSC測定において昇温速度20℃/分で320℃まで昇温した後、10℃/分で冷却したときの吸熱ピークが180℃と223℃に観測された(図3)。
実施例7で得られた芳香族ポリエステルを、押し出し機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度40℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)に2倍延伸し、ついで140℃で横方向(幅方向)に3.8倍延伸し厚さ18.4μmのフィルムを得て200℃で10秒間熱固定した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
100重量部の実施例1の第1工程で得られたポリエステル前駆体、62重量部の2,6−ビス(ヒドロキシエトキシカルボニル)ナフタレン、0.03重量部のテトラ−n−ブチルチタネートを精留塔付き反応器に仕込み窒素下270℃にて融解させた。その後減圧を徐々に行い500mmHgにて約20分攪拌反応後重合温度320℃に上昇させた。次いで系内をさらに徐々に減圧にし、0.2mmHg到達後、約20分攪拌反応させ、NEO−H成分が50モル%であり、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が50モル%である芳香族ポリエステルを得た。得られた芳香族ポリエステルの固有粘度は0.93、ガラス転移温度は109.75℃、融点は242.69℃であった。得られた芳香族ポリエステルの物性を表3に示す。
得られた芳香族ポリエステルは、XRD測定において、2θが20〜21°の範囲にピークAp、2θが7.5〜9.0°の範囲にピークLpがそれぞれ観察された(図4)。下記式(I)
から求めたQ値は0.027であった。また、得られた芳香族ポリエステルは、DSC測定において昇温速度20℃/分で320℃まで昇温した後、10℃/分で冷却したときの吸熱ピークが157℃と214℃に観測された(図5)。
実施例10
実施例1の第1工程で得られたポリエステル前駆体を100重量部、2,6−ビス(ヒドロキシエトキシカルボニル)ナフタレンを27重量部とした以外は実施例9と同様にして、NEO−H成分が70.7モル%であり、ナフタレンジカルボン酸成分が29.3モル%である芳香族ポリエステルを得た。得られた芳香族ポリエステルの物性を表3に示す。
得られた芳香族ポリエステルは、XRD測定において、2θが20〜21°の範囲にピークAp、2θが7.5〜9.0°の範囲にピークLpがそれぞれ観察された(図6)。式(I)から求めたQ値は0.1であった。
また得られた芳香族ポリエステルは、DSC測定において昇温速度20℃/分で320℃まで昇温した後、10℃/分で冷却したときの吸熱ピークが177℃と227℃に観測された(図7)。
実施例10で得られた芳香族ポリエステルを、押し出し機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度40℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)に表1中の倍率でそれぞれ延伸し、ついで140℃で横方向(幅方向)に表4中の倍率でそれぞれ延伸し表4中の厚さのフィルムを得て200℃で10秒間熱固定した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表4中に示す。
比較例3
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、グリコール成分の1.5モル%がジエチレングリコール成分であるポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。これを実施例11と同様に表4に記載の延伸倍率で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表4に示す。
実施例1の第1工程で得られたポリエステル前駆体を100重量部、2,6−ビス(ヒドロキシエトキシカルボニル)ナフタレンを11重量部とした以外は実施例9と同様にして、NEO−H成分が85モル%であり、ナフタレンジカルボン酸成分が15モル%である芳香族ポリエステルを得た。同時二軸延伸装置にて150℃雰囲気で縦延伸3倍、横延伸3倍で、210℃で熱固定して膜厚が10.8μmのフィルムを得て、ガスバリア性を測定した。結果を表5に示す。
参考例
帝人デュポンフィルム(株)製 登録商標テトロン(O3−125)および登録商標テオネックス(Q65−125)についても同様にガスバリア性を測定した。結果を表5に示す。
実施例1で得られた芳香族ポリエステルを、押し出し機に供給して340℃でダイから溶融状態で回転中の温度40℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして得られた未延伸フィルムを延伸温度155℃で縦方向と横方向にそれぞれ3.0倍同時二軸延伸し12μmのフィルムを得た。その後、フィルムを260℃で60秒間熱固定した。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表6に示す。
本発明の芳香族ポリエステルは、式(D)で表されるジエチレングリコール成分の含有量が少なく耐熱性に優れる。本発明の芳香族ポリエステルは、末端カルボキシ基濃度が小さく、耐加水分解性に優れる。本発明の芳香族ポリエステルは、アルカリ金属含有量が少なく、良好な色相を有する。本発明のフィルムは、力学的特性、寸法安定性、ガスバリア性に優れる。
本発明の製造方法によれば、原料のジカルボン酸成分として、精製の困難な6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸のエステル(NEO−エステル)を用いることなく、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸(NEO−H)を酸の形態で用いることができ、低コストで芳香族ポリエステルを製造することができる。本発明の製造方法によれば、高度にエステル化されたポリエステル前駆体を得た後、重縮合させるので、固有粘度の高い芳香族ポリエステルが得られる。また式(D)で表されるジエチレングリコール成分の含有量が少なく、耐熱性に優れた芳香族ポリエステルが得られる。また末端カルボキシ基濃度の小さい芳香族ポリエステルが得られる。また本発明によれば、アルカリ金属含有量が少なく、色相が良好な芳香族ポリエステルが得られる。
Claims (15)
- ジカルボン酸成分およびジオール成分を含有する芳香族ポリエステルであり、
(i)ジカルボン酸成分が50〜100モル%の下記式(A)および50〜0モル%の下記式(B)で表される繰り返し単位を含有し、ジオール成分が90〜100モル%の下記式(C)で表される繰り返し単位を含有し、
式(A)中、Rは炭素数2〜10のアルキレン基である、
式(B)中、Arは炭素数2〜10の炭化水素基である、
(ii)P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が0.4〜3.0であり、
(iii)下記式(D)で表される繰り返し単位の含有量が10モル%未満であり、
(iv)末端カルボキシ基濃度が200eq/ton以下であり、
(v)アルカリ金属含有量が300ppm以下である芳香族ポリエステル。 - 第1工程を10〜200kPaで行なう請求項5記載の方法。
- 芳香族ポリエステルは、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が0.4〜1.5である請求項5記載の方法。
- 第2工程で得られた芳香族ポリエステルを固相重合する請求項5記載の方法。
- 請求項1記載の芳香族ポリエステルからなるフィルム。
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