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JPH11266012A - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JPH11266012A
JPH11266012A JP6727898A JP6727898A JPH11266012A JP H11266012 A JPH11266012 A JP H11266012A JP 6727898 A JP6727898 A JP 6727898A JP 6727898 A JP6727898 A JP 6727898A JP H11266012 A JPH11266012 A JP H11266012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forming
type
region
layer
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6727898A
Other languages
English (en)
Inventor
Kumar Rajesh
クマール ラジェシュ
Takeshi Yamamoto
剛 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP6727898A priority Critical patent/JPH11266012A/ja
Publication of JPH11266012A publication Critical patent/JPH11266012A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エピタキシャル成長によらないで、溝側面に
備えられる蓄積チャネル形成用のチャネル層を形成でき
るようにする。 【解決手段】 n+ 型半導体基板1の主表面上に形成さ
れたn- 型エピタキシャル層2の所定領域をLOCOS
酸化して溝7を形成し、さらにLOCOS酸化膜34を
マスクとしてイオン注入を行い、n- 型エピタキシャル
層2のうち、溝7の側面7bから離間した位置にp型ベ
ース領域3を形成する。このように、LOCOS酸化膜
34をマスクとしたイオン注入によりn- 型エピタキシ
ャル層2のうち、溝7の側面7bから離間した位置にp
型ベース領域3を形成すれば、溝7の側面7bにおいて
- 型エピタキシャル層2を第1導電型のままで残すこ
とができる。そして、この残された領域をチャネル層2
aとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素半導体装
置の製造方法に関し、特に絶縁ゲート型電界効果トラン
ジスタ、とりわけ大電力用の縦型パワーMOSFETに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、溝の側面に薄膜半導体層(以
下、側壁チャネル膜という)を形成し、この側壁チャネ
ル膜によって蓄積チャネルが形成できるようにした蓄積
チャネルタイプの炭化珪素半導体装置がある。この蓄積
チャネルタイプの炭化珪素半導体装置の一例として、特
開平9−74191号公報に示される溝ゲート型パワー
MOSFETがある。この溝ゲート型パワーMOSFE
Tを図7に示して説明する。
【0003】溝ゲート型パワーMOSFETには、n+
型の単結晶炭化珪素(SiC)半導体基板(以下、n+
型炭化珪素基板という)1とn- 型エピタキシャル層2
とp型エピタキシャル層(p型ベース層)3によって構
成された六方晶系の単結晶炭化珪素からなる半導体基板
4が用いられている。そして、この半導体基板4の上面
(主表面)を略(0001−)カーボン面として、半導
体デバイスが形成されている。
【0004】p型エピタキシャル層3の表層部の所定領
域には、n+ 型ソース領域5が形成されており、n+
ソース領域5の所定位置には溝(トレンチ)7が形成さ
れている。この溝7は、n+ 型ソース領域5とp型エピ
タキシャル層3を貫通してn - 型エピタキシャル層2に
達し、p型エピタキシャル層3の表面に略垂直な側面7
a及びp型エピタキシャル層3の表面に平行な底面7b
を有している。
【0005】この溝7の側面7aには、エピタキシャル
成長法によってn+ 型ソース領域5、p型エピタキシャ
ル層3、及びn- 型エピタキシャル層2の表面に形成さ
れたn- 型の炭化珪素からなる側壁チャネル膜(薄膜半
導体層)8が備えられている。溝7の内部には、ゲート
絶縁膜(ゲート酸化膜)9が形成され、このゲート酸化
膜9内にはゲート電極層10が充填されており、ゲート
電極層10上には層間絶縁膜11が配置されている。さ
らに、層間絶縁膜11上を含めたn+ 型ソース領域5の
表面及びp型エピタキシャル層3の表面には、ソース電
極層12が形成され、このソース電極層12はn+ 型ソ
ース領域5とp型エピタキシャル層3に共に接してい
る。また、n+ 型炭化珪素半導体基板1の表面(半導体
基板4の裏面)には、ドレイン電極層13が形成されて
いる。
【0006】このように構成された溝ゲート型パワーM
OSFETは、側壁チャネル膜8をチャネル形成領域と
し、ゲート電極層10に電圧を印加してゲート酸化膜9
に電界を加えることにより、側壁チャネル膜8に蓄積型
チャネルを誘起させて、ソース電極層12とドレイン電
極層13の間に電流を流すようになっている。このよう
にすることで、p型エピタキシャル層3の不純物濃度と
チャネルが形成される側壁チャネル膜8の不純物濃度を
独立に制御できるようにし、p型エピタキシャル層3の
不純物濃度を高くすると共に、n+ 型ソース領域5とn
- 型エピタキシャル層2に挟まれたp型エピタキシャル
層3の厚さを小さくして、チャネル長を短くし、溝ゲー
ト型パワーMOSFETを高耐圧でかつ低オン抵抗なも
のにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の溝ゲート型
パワーMOSFETでは、蓄積チャネル形成用の側壁チ
ャネル膜8を、溝7を掘ってからエピタキシャル成長に
よって形成している。このため、側壁チャネル膜8を形
成するためのエピタキシャル成長が必要となり、製造工
程が長くなる等の問題がある。
【0008】本発明は上記点に鑑みて成され、エピタキ
シャル成長によらないで、溝側面に備えられる蓄積チャ
ネル形成用のチャネル層を形成できるようにすることを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、以下の技術的手段を採用する。請求項1乃至3に記
載の発明においては、第1導電型の半導体基板(1)の
主表面上に形成された第1導電型の半導体層(2)の所
定領域をLOCOS酸化して溝(7)を形成し、さらに
LOCOS酸化によって形成されたLOCOS酸化膜
(34)をマスクとしてイオン注入を行い、半導体層
(2)のうち、溝(7)の側面(7a)から離間した位
置に第2導電型のベース領域(3)を形成することを特
徴としている。
【0010】このように、溝(7)をLOCOS酸化に
よって形成すると共に、このLOCOS酸化によってで
きたLOCOS酸化膜(34)をマスクとしたイオン注
入により半導体層(2)のうち、溝(7)の側面(7
a)から離間した位置に第2導電型のベース領域(3)
を形成すれば、溝(7)の側面(7a)において(蓄積
チャネル形成領域において)半導体層(2)を第1導電
型のままで残すことができる。このため、この半導体層
(2)が残された領域をチャネル層(2a)とすること
ができ、エピタキシャル成長によらないで、溝(7)の
側面(7a)に備えられる蓄積チャネル形成用の側壁チ
ャネル層(2a)を形成することができる。
【0011】請求項4に記載の発明においては、LOC
OS酸化膜(34)のバーズビーク幅を変化させること
により、溝(7)の側面(7a)とベース領域(3)と
の間の厚みを制御することを特徴としている。このよう
にLOCOS酸化膜(34)のバーズビーク幅を変化さ
せることによって、溝(7)の側面(7a)とベース領
域(3)との間の厚み、つまり側壁チャネル層(2a)
の厚みを制御することが可能である。例えば、LOCO
S酸化の時間を制御することによってバーズビーク幅を
変化させることができる。
【0012】なお、このようにチャネル層(2a)の厚
みを制御することによって、半導体装置の特性をノーマ
リオフ型にすることができる。請求項5に記載の発明に
よれば、溝(7)の内部に形成されるLOCOS酸化膜
(34)の膜厚を溝(7)の外部よりも稼ぐことができ
る。これにより、溝(7)の内部におけるLOCOS酸
化膜(34)の部分にはイオン注入が確実に成されない
ようにできる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1に、本実施の形態におけるノー
マリオフ型のnチャネルタイプ溝ゲート型パワーMOS
FET(以下、縦型パワーMOSFETとする。)の断
面図を示す。本デバイスは、インバータや車両用オルタ
ネータのレクチファイヤに適用すると好適なものであ
る。
【0014】図1に基づいて縦型パワーMOSFETの
構造について説明する。但し、本実施形態における縦型
パワーMOSFETは、上述した図8に示すMOSFE
Tとほぼ同様の構造を有しているため、異なる部分につ
いてのみ説明する。なお、本実施形態における縦型パワ
ーMOSFETのうち、図8に示すMOSFETと同様
の部分については同様の符号を付してある。
【0015】図8に示すMOSFETでは、n+ 型炭化
珪素基板1とn- 型エピタキシャル層2とp型エピタキ
シャル層3によって構成された半導体基板4が用いられ
ているが、本実施形態ではn+ 型炭化珪素基板1上にn
- 型エピタキシャル層2を成長させたものを用いてい
る。そして、p型エピタキシャル層3はイオン注入によ
って形成している。
【0016】また、図8に示すMOSFETでは、蓄積
チャネル形成用の側壁チャネル膜8をエピタキシャル成
長によって形成してしたが、本実施形態では図1に示さ
れるように、溝7の側面にn- 型エピタキシャル層2が
- 型半導体のまま側壁チャネル膜2aとして残されて
おり、この側壁チャネル膜2aが図8に示した側壁チャ
ネル膜8の役割を果たすようになっている。
【0017】この図1に示す縦型パワーMOSFETの
製造工程を、図2〜図4を用いて説明する。 〔図2(a)に示す工程〕まず、主表面が(0001
−)カーボン面であるn+ 型炭化珪素基板1を用意し、
その表面にn- 型エピタキシャル層2を成長させる。こ
のとき、n+ 型炭化珪素基板1の結晶軸を3.5°〜8
°傾けてn- 型エピタキシャル層2、p型エピタキシャ
ル層3を形成しているため、半導体基板4の主表面の面
方位は略(0001−)カーボン面となる。
【0018】〔図2(b)に示す工程〕n- 型エピタキ
シャル層2の上面にシリコン酸化膜を成膜31したの
ち、窒化シリコン膜32を堆積し、フォト・エッチング
を行って、溝形成予定領域におけるシリコン酸化膜32
を除去する。このとき、フォト・エッチングでは、後に
形成される溝7が(112−0)面を含む正六角形とな
るようにマスク合わせしている。
【0019】〔図2(c)に示す工程〕四フッ化炭素と
酸素ガスを含む放電室でプラズマを発生させて化学的な
活性種を作り、この活性種を反応室へ輸送し、反応室で
- 型エピタキシャル層2を等方向にケミカルドライエ
ッチングして溝33を形成する。 〔図3(a)に示す工程〕窒化シリコン膜32をマスク
として、溝33の部分におけるn- 型エピタキシャル層
2を熱酸化する。これは、LOCOS(Local O
xidationSidicon)法として良く知られ
た酸化方法であり、この酸化によりLOCOS酸化膜3
4によって喰われたn- 型エピタキシャル層2の表面に
溝7が形成され、かつ溝7の形状が確定する。
【0020】〔図3(b)に示す工程〕窒化シリコン膜
32を除去したのち、LOCOS酸化膜34をマスクと
して、薄いシリコン酸化膜31を透過させてp型不純物
(ボロン等)をイオン注入する。このときのイオン注入
条件は、温度が略1000℃で、ドーズ量が略1015
-2としている。
【0021】これにより、p型ベース層3が形成される
と共に、LOCOS酸化膜34によって隠された溝7の
側面が側壁チャネル膜2aとなって残る。このとき、L
OCOS酸化膜34とシリコン酸化膜31の境界部分、
つまりLOCOS酸化膜34のバーズビークの端部が溝
7に対して自己整合位置になり、イオン注入される領域
が正確に規定される。このため、LOCOS酸化膜34
のバーズビークの幅によって側壁チャネル膜2aの厚み
(膜厚)を制御することができる。なお、バーズビーク
の幅はLOCOS酸化の時間を選択すること等によって
変化させることができる。
【0022】ここで、縦型パワーMOSFETをノーマ
リオフ型にするために、側壁チャネル膜2aの厚みは以
下の数式に基づいて決定している。縦型パワーMOSF
ETをノーマリオフ型とするためには、ゲート電圧を印
加していない状態の際に、側壁チャネル膜2aに広がる
空乏層が電気伝導を妨げるように十分なバリア高さを有
している必要がある。この条件は次式にて示される。
【0023】
【数1】
【0024】但し、Tepi はn- 型層に広がる空乏層の
大きさである。この数式2に示される右辺第1項は側壁
チャネル膜2aとp型ベース層3とのPN接合のビルト
イン電圧Vbuilt による空乏層の伸び量、すなわちp型
ベース層3から側壁チャネル膜2aに広がる空乏層の伸
び量であり、第2項はゲート絶縁膜7の電荷とφmsによ
る空乏層の伸び量、すなわちゲート絶縁膜7から側壁チ
ャネル膜2aに広がる空乏層の伸び量である。従って、
p型ベース層3から広がる空乏層の伸び量と、ゲート絶
縁膜7から広がる空乏層の伸び量との和が側壁チャネル
膜2aの厚み以上となるようにすれば縦型パワーMOS
FETをノーマリオフ型にすることができるため、この
条件を満たすようなイオン注入条件で側壁チャネル膜2
aを形成している。
【0025】このようなノーマリオフ型の縦型パワーM
OSFETは、故障などによってゲート電極に電圧が印
加できないような状態となっても、電流が流れないよう
にすることができるため、ノーマリオン型のものと比べ
て安全性を確保することができる。また、図1に示すよ
うに、p型ベース層3は、ソース電極10と接触してい
て接地状態となっている。このため、側壁チャネル膜2
aとp型ベース層3とのPN接合のビルトイン電圧Vbu
ilt を利用して側壁チャネル膜2aをピンチオフするこ
とができる。例えば、p型ベース層3が接地されてなく
てフローティング状態となっている場合には、ビルトイ
ン電圧Vbuilt を利用してp型ベース層3から空乏層を
延ばすということができないため、p型ベース層3をソ
ース電極10と接触させることは、側壁チャネル膜2a
をピンチオフするのに有効な構造であるといえる。な
お、p型ベース層3の不純物濃度を高くすることで、よ
りビルトイン電圧Vbuilt を大きく利用することも可能
である。
【0026】また、本実施形態では炭化珪素によって縦
型パワーMOSFETを製造しているが、これをシリコ
ンを用いて製造しようとすると、p型ベース層3や側壁
チャネル膜2a等の不純物層を形成する際における熱拡
散の拡散量の制御が困難であるため、上記構成と同様の
ノーマリオフ型のMOSFETを製造することが困難と
なる。このため、本実施形態のようにSiCを用いるこ
とにより、シリコンを用いた場合と比べて精度良く縦型
パワーMOSFETを製造することができる。
【0027】また、ノーマリオフ型の縦型パワーMOS
FETにするためには、上記数式1の条件を満たすよう
に側壁チャネル膜2aの厚みを設定する必要があるが、
シリコンを用いた場合にはVbuilt が低いため、側壁チ
ャネル膜2aの厚みを薄くしたり不純物濃度を薄くして
形成しなければならず、不純物イオンの拡散量の制御が
困難なことを考慮すると、非常に製造が困難であるとい
える。しかしながら、SiCを用いた場合にはVbuilt
がシリコンの約3倍と高く、側壁チャネル膜2aの厚み
を厚くしたり不純物濃度を濃くして形成できるため、ノ
ーマリオフ型の蓄積型MOSFETを製造することが容
易であるといえる。
【0028】〔図3(c)に示す工程〕次に、LTO膜
35をマスクとして、p型ベース層3の表層部、及び側
壁チャネル膜2aの表層部の所定領域にn型不純物(窒
素等)をイオン注入し、n+ 型ソース領域5を形成す
る。このときイオン注入条件は、温度が略1000℃
で、ドーズ量が略1015cm-2としている。
【0029】このような条件でイオン注入を行うことに
より、n+ 型ソース領域5はp型ベース領域3よりも溝
7の側面側まで形成される。 〔図4(a)に示す工程〕そして、LOCOS酸化膜3
4をエッチング除去して溝7を露出させる。このとき、
上述したように溝7の側面7aは略(112−0)面を
含む六角形形状を成している。このような面方位は、カ
ーボン原子密度が最小となるところであるため、この面
を選択して溝7を形成することにより、溝7の側面7a
におけるカーボン原子が少なくでき、カーボン原子を起
因とする界面準位密度を低下させることができる。
【0030】この後、熱酸化工程を施し、ゲート酸化膜
(ゲート絶縁膜)9を形成し、さらに溝7内のゲート酸
化膜9の内側に、ゲート電極層10を充填する。このゲ
ート電極層10の構成材料としては、p型のポリシリコ
ンあるいはn型のポリシリコンを用いる。 〔図4(b)に示す工程〕さらに、ゲート電極層10の
上面にLTO等からなる層間絶縁膜11を形成したの
ち、ゲート酸化膜9と共に層間絶縁膜11の所定領域を
エッチング除去して、n+ 型ソース領域5及びp型ベー
ス層3の表層部を選択的に露出させるコンタクトホール
を形成する。
【0031】〔図4(c)に示す工程〕その後、層間絶
縁膜11上を含むn+ 型ソース領域5と低抵抗p型炭化
珪素領域6の上に、ソース電極層12を形成する。ま
た、n+ 型炭化珪素基板1の裏面に、ドレイン電極層1
3を形成して、溝ゲート型パワーMOSFETを完成す
る。
【0032】次に、この縦型パワーMOSFETの作用
(動作)を説明する。本MOSFETはノーマリオフ型
の蓄積モードで動作するものであって、ゲート電極層1
0に電圧を印加しない場合は、側壁チャネル膜2aにお
いてキャリアは、p型ベース層3と側壁チャネル膜2a
との間の静電ポテンシャルの差、及び側壁チャネル膜2
aとゲート電極層10との間の仕事関数の差により生じ
た電位によって全域空乏化される。ゲート電極層10に
電圧を印加することにより、側壁チャネル膜2aとゲー
ト電極層10との間の仕事関数の差と外部からの印加電
圧の和により生じる電位差を変化させる。このことによ
り、チャネルの状態を制御することができる。
【0033】つまり、ゲート電極層10の仕事関数を第
1の仕事関数とし、p型ベース層3の仕事関数を第2の
仕事関数とし、側壁チャネル膜2aの仕事関数を第3の
仕事関数としたとき、第1〜第3の仕事関数の差を利用
して、側壁チャネル膜2aのn型のキャリアを空乏化す
る様に第1〜第3の仕事関数と側壁チャネル膜2aの不
純物濃度及び膜厚を設定することができる。
【0034】また、オフ状態において、空乏領域は、p
型ベース層3及びゲート電極層10により作られた電界
によって、側壁チャネル膜2a内に形成される。この状
態からゲート電極層10に対して正のバイアスを供給す
ると、ゲート絶縁膜(SiO 2 )9と側壁チャネル膜2
aとの間の界面においてn+ 型ソース領域5からn-
エピタキシャル層2の方向へ延びるチャネル領域が形成
され、オン状態にスイッチングされる。このとき、電子
は、n+ 型ソース領域5から側壁チャネル膜2aを経由
し側壁チャネル膜2aからn- 型エピタキシャル層2に
流れる。そして、n- 型エピタキシャル層2(ドリフト
領域)に達すると、電子は、n+ 型炭化珪素基板1(n
+ ドレイン)へ垂直に流れる。
【0035】このようにゲート電極層10に正の電圧を
印加することにより、側壁チャネル膜2aに蓄積型チャ
ネルを誘起させ、ソース電極10とドレイン電極11と
の間にキャリアが流れる。 (第2実施形態)上記第1実施形態では、本発明の一実
施形態を蓄積チャネル型の溝ゲート型パワーMOSFE
Tに適用した場合について説明したが、本実施形態のよ
うにMC−SIT(MOS Controlled S
tatic InductionTransisto
r)に適用することもできる。
【0036】図5に、本実施形態におけるMC−SIT
の模式図を示す。このMC−SITは第1実施形態にお
けるMOSFETとほぼ同様の構成をしているため、異
なる部分についてのみ説明し、同様の部分については同
じ符号を付して説明を省略する。図5に示されるよう
に、p型ベース層3の上面には、p型ベース層3と電気
的に接続されたゲート電極層41が備えられている。こ
のゲート電極層41は、p型ベース層3とn+ 型ソース
領域5との境界部上に形成されたシリコン酸化膜42に
よってソース電極層12と電気的に分離されている。ま
た、シリコン酸化膜42によってp型ベース層3はソー
ス電極層12と電気的に分離されている。
【0037】このように構成されたMC−SITはゲー
ト電極層10を第1のゲートとし、ゲート電極層41を
第2のゲートとして、これら第1、第2のゲートへの印
加電圧を制御することによって側壁チャネル膜2aに形
成される空乏領域の幅を制御し、ソース電極層12とド
レイン電極層13との間に電流が流れるようになってい
る。
【0038】このように構成されるMC−SITにおい
てもLOCOS酸化法を用いて溝7を形成したのち、L
OCOS酸化膜をマスクとしたイオン注入でp型ベース
層3を形成することにより、n- 型半導体のまま側壁チ
ャネル膜2aを形成することができる。 (第3実施形態)上記第1実施形態では、本発明の一実
施形態を蓄積チャネル型の溝ゲート型パワーMOSFE
Tに適用した場合について説明したが、本実施形態のよ
うにSIT(Static Induction Tr
ansistor)に適用することもできる。
【0039】図6に、本実施形態におけるSITの模式
図を示す。以下、図5に基づいてSITの説明を行う。
なお、図1に示す溝ゲート型パワーMOSFETと異な
る部分についてのみ説明を行い、同様の部分については
同様の符号を付して説明を省略する。SITは、溝7の
内部にはポリシリコンからなる第1のゲート電極50が
+型ソース領域5と側壁チャネル膜との界面で終端す
るように形成されており、p型ベース領域3の上面には
第1のゲート電極層50と電気的に接続された第2のゲ
ート電極層51が形成されている。これら第1、第2の
ゲート電極層50、51に等電圧が印加されるようにな
っている。
【0040】第1のゲート電極層50の上にはLTO等
からなる層間絶縁膜52が形成されており、さらに層間
絶縁膜52の上にはソース電極層53が形成されてい
る。第2のゲート電極層51は、n+ 型ソース領域5及
びp型ベース領域3の境界部に備えられたシリコン酸化
膜54によってソース電極層53から電気的に分離され
ている。
【0041】このように構成されたSITは、第1、第
2のゲート電極層50、51に電圧を印加し、第1のゲ
ート電極層51とp型ベース層3との間における仕事関
数差に基づいて側壁チャネル膜2aに生じる空乏層幅を
制御することで、ソース電極層53からドレイン電極層
13に向けて電流を流すようになっている。なお、この
とき第1、第2のゲート電極層50、51への印加電圧
は、仕事関数差によって決定されるショットキー電圧を
超えない程度にする必要がある。
【0042】このように構成されるSITにおいてもL
OCOS酸化法を用いて溝7を形成したのち、LOCO
S酸化膜をマスクとしたイオン注入でp型ベース層3を
形成することにより、n- 型半導体のまま側壁チャネル
膜2aを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における縦型パワーMOS
FETの断面図である。
【図2】図1に示す縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図3】図2に続く縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図4】図3に続く縦型パワーMOSFETの製造工程
を示す図である。
【図5】第2実施形態におけるMC−SITを説明する
ための断面図である。
【図6】第3実施形態におけるSITを説明するための
断面図である。
【図7】従来における縦型パワーMOSFETの構成を
示す断面図である。
【符号の説明】
1…n+ 型炭化珪素半導体基板、2…n- 型エピタキシ
ャル層、2a…側壁チャネル膜、3…p型ベース層、5
…n+ 型ソース領域、7…溝、7a…底面、7b…側
面、9…ゲート酸化膜、10…ゲート電極層、11…層
間絶縁膜、12…ソース電極層、13…ドレイン電極
層。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝(7)の側面(7a)に備えられた側
    壁チャネル膜(2a)をチャネル領域として、ソース電
    極層(12)とドレイン電極層(13)との間に流す電
    流のスイッチングを行う炭化珪素半導体装置の製造方法
    において、 第1導電型の半導体基板(1)の主表面上に、この半導
    体基板(1)よりも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導電
    型の半導体層(2)を形成する工程と、 前記半導体層(2)の所定領域をLOCOS酸化して溝
    (7)を形成する工程と、 前記LOCOS酸化によって形成されたLOCOS酸化
    膜(34)をマスクとしてイオン注入を行い、前記半導
    体層(2)のうち、前記溝(7)の側面(7a)から離
    間した位置に第2導電型のベース領域(3)を形成する
    ことによって、該ベース領域(3)と前記溝(7)の側
    面(7a)との間を前記側壁チャネル膜(2a)として
    残す工程と、 前記LOCOS酸化膜(34)を除去する工程と、を含
    むことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ベース領域(3)及び前記側壁チャ
    ネル膜(2a)の所定領域に、前記半導体層(2)に接
    すると共に、前記ベース領域(3)よりも浅く前記ソー
    ス電極層(12)に接続される第1導電型のソース領域
    (5)を形成する工程を有し、 前記LOCOS酸化膜(34)を除去する工程は、前記
    ソース領域(5)を形成する工程の後に行うことを特徴
    とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 溝(7)の側面(7a)に備えられた側
    壁チャネル膜(2a)をチャネル領域として、ソース電
    極層(12)とドレイン電極層(13)との間に流す電
    流のスイッチングを行う炭化珪素半導体装置の製造方法
    において、 第1導電型の半導体基板(1)の主表面上に、この半導
    体基板(1)よりも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導電
    型の半導体層(2)を形成する工程と、 前記半導体層(2)の所定領域をLOCOS酸化して溝
    (7)を形成する工程と、 前記LOCOS酸化によって形成されたLOCOS酸化
    膜(34)をマスクとしてイオン注入を行い、前記半導
    体層(2)のうち、前記溝(7)の側面(7a)から離
    間した位置に第2導電型のベース領域(3)を形成する
    ことによって、該ベース領域(3)と前記溝(7)の側
    面(7a)との間を前記側壁チャネル膜(2a)として
    残す工程と、 前記ベース領域(3)及び前記側壁チャネル膜(2a)
    の所定領域に、前記半導体層(2)に接すると共に、前
    記ベース領域(3)よりも浅く前記ソース電極層(1
    2)に接続される第1導電型のソース領域(5)を形成
    する工程と、 前記LOCOS酸化膜(34)を除去することによっ
    て、前記溝(7)を露出させる工程と、 前記溝(7)を含む前記半導体層(2)の上面にゲート
    絶縁膜(9)を形成する工程と、 前記側壁チャネル膜(2a)をチャネル領域として、少
    なくともこのチャネル領域上に前記ゲート絶縁膜(9)
    を介してゲート電極層(10)を形成する工程と、 前記ゲート電極層(10)を含む前記半導体層(2)の
    上に層間絶縁膜(11)を形成する工程と、 前記層間絶縁膜(11)及び前記ゲート絶縁膜(9)の
    所定領域に、前記ベース領域(3)に連通するコンタク
    トホールを形成する工程と、 前記層間絶縁膜(11)上に前記コンタクトホールを介
    して前記ベース領域(3)と電気的に導通するソース電
    極層(12)を形成する工程と、 前記半導体基板(1)のうち、前記主表面とは反対側の
    面にドレイン電極層(13)を形成する工程と、を有す
    ることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ベース領域(3)を形成する工程に
    おいて、前記LOCOS酸化膜(34)のバーズビーク
    幅によって、前記溝(7)の側面(7b)と前記ベース
    領域(3)との間の厚みを制御することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記主表面が(0001−)C面である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載
    の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008306095A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Rohm Co Ltd 半導体装置
JP2008305903A (ja) * 2007-06-06 2008-12-18 Rohm Co Ltd 半導体装置
JP2019195030A (ja) * 2018-05-02 2019-11-07 株式会社日立製作所 半導体装置および半導体装置の製造方法

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