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JPH11218314A - 廃棄物焼却炉 - Google Patents

廃棄物焼却炉

Info

Publication number
JPH11218314A
JPH11218314A JP27999598A JP27999598A JPH11218314A JP H11218314 A JPH11218314 A JP H11218314A JP 27999598 A JP27999598 A JP 27999598A JP 27999598 A JP27999598 A JP 27999598A JP H11218314 A JPH11218314 A JP H11218314A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
gas
flow rate
furnace
blown
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27999598A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Suzuki
実 鈴木
Akira Nakamura
章 中村
Eiichi Shibuya
榮一 澁谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP27999598A priority Critical patent/JPH11218314A/ja
Publication of JPH11218314A publication Critical patent/JPH11218314A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Incineration Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な設備の導入により、炉内ガスの
混合性を高め、これによって有害ガスや未燃ガスの排出
を抑えた廃棄物焼却炉を提供する。 【解決手段】 二次燃焼室11に空気吹き込み口21、
23が対向して設けられており、それぞれの空気吹き込
み口から交互に空気が吹き込まれている。よって、2つ
の吹き込み口21、23から定常的に空気を吹き込むの
に比べて未燃ガスとの攪拌混合が良好となる。その結
果、(A)において、空気を定常的に吹き込んだときに比
して広い気体混合領域15が形成される。次に、(B)に
おいて、空気の吹き込みは空気吹き込み口21側から行
われる。この場合も同様の理由により、未燃ガスとの攪
拌混合が良好となり、広い気体混合領域16が形成され
る。そして、(C)において、再び空気吹き込み口23側
から空気が吹き込まれ、広い混合気体領域17が形成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ等の廃棄
物を焼却する火格子式又は流動床式廃棄物焼却炉に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ等の廃棄物を焼却処理する焼却
炉として、火格子式又は流動床式廃棄物焼却炉が広く用
いられている。その代表的なものの概略図を図10に示
す。ホッパ1に投入されたごみ2は、シュートを通して
乾燥ストーカ3におくられ、下からの空気と炉内の輻射
熱により乾燥されると共に、昇温されて着火する。着火
して燃焼を開始したごみ2は、燃焼ストーカ4に送ら
れ、下から送られる燃焼空気により燃焼する。そして、
更に後燃焼室5で、未燃分が完全に燃焼する。そして、
燃焼後に残った灰は、主灰シュート6より外部に取出さ
れる。
【0003】燃焼は主燃焼室7内で行われ、燃焼排ガス
(炉内ガス)は、中間天井8の存在により、主煙道9と
副煙道10に別れて排出される。主煙道9を通る炉内ガ
スには、未燃分はほとんど含まれず、酸素が10%程度
含まれている。副煙道10を通る炉内ガスには、未燃分
が8%程度含まれている。これらの炉内ガスは、二次燃
焼室11で混合され、二次的な燃焼が行われて未燃分が
完全に燃焼する。二次燃焼室11からの炉内ガスは、除
塵室12でダストを除去された後、廃熱ボイラ13に送
られ、熱交換された後外部に放出される。
【0004】なお、これら従来の技術においては、炉内
に吹き込まれる空気の量は、炉内状況に応じて変動する
ことはあるが、この場合を除くとほぼ定常状態で供給さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような火格子式又
は流動床式廃棄物焼却炉において、都市ごみを焼却処理
する場合、都市ごみが性状の異なる数多くの物質からな
るため、炉内の燃焼状態を一定に維持することは困難で
あり、主燃焼室7内の温度や燃焼ガスの濃度の分布が時
間的、空間的に不均一となることは避けられない。この
ため、二次燃焼室内で、炉内ガスの混合性を高めること
により、有害ガスや未燃ガスの排出を抑える手段が数多
く提案されている。
【0006】すなわち、 (1) 流れが乱れやすい炉構造を採用する方法(以下、
「先行技術1」という) (2) 炉内に冷空気を吹き込んで攪拌する方法(以下、
「先行技術2」という) (3) 炉の下流から再循環させた排ガスを炉内に吹き込ん
で攪拌する方法(以下、「先行技術3」という) (4) 炉内に燃料ガスを吹き込んで攪拌する方法(以下、
「先行技術4」という) (5) 炉内に再循環させた排ガスと燃料ガスとの混合ガス
を吹き込んで攪拌する方法(以下、「先行技術5」とい
う) (6) 炉内にバーナ火炎を定在させる方法(以下、「先行
技術6」という)等が提案されている。
【0007】しかしながら、これら先行技術1〜先行技
術6には、いずれについても以下のような問題点があ
る。
【0008】(a) 炉構造が複雑になり、炉の寿命が短く
なる(先行技術1)。 (b) 設備費が高くなる(先行技術1及び先行技術3〜先
行技術6)。 (c) ランニングコストが高くなる(先行技術4〜先行技
術6)。 (d) 吹き込む空気と炉内ガスの温度差が大きい場合、両
者の粘性の差が大きくなり、空気吹き込みによる炉ガス
の混合性改善効果が比較的小さい(先行技術2)。 (e) 局所低温領域が発生し、CO、スス、さらにはダイ
オキシン類の発生を助長する(先行技術2及び先行技術
4)。 (f) 空気又は排ガスの吹き込み量の増加に伴って、これ
より下流域での空気過剰率が過大となり、火炎温度が低
下すると共に、ガスの炉内滞留時間が短くなる(先行技
術2〜先行技術5)。 (g) 排ガス処理装置を大型化する必要がある(先行技術
2〜先行技術6)。 (h) 炉内に局所高温部が発生し、NOx発生量が増大す
る(先行技術4及び先行技術6)。 (i) 炉内壁付近が局所的に高温となり、内壁にダストが
溶着、固化する場合がある(先行技術4及び先行技術
6)。 (j) 炉内壁やボイラ水管にダストが付着、堆積しやすい
(先行技術1)。 (k) 排ガスの再循環のためのダクト内に、ダストが溶
着、固化する場合がある(先行技術3及び先行技術
5)。 (l) 炉内にバーナ火炎が存在した場合、火炎内に存在す
る活性化学種(ラジカル)と炉ガス中の窒素を含む化学
種との反応により、NOxが発生しやすい(先行技術4
〜先行技術6)
【0009】また、通常、これらの炉おいては、排出さ
れる未燃ガスを燃焼させるために、炉内に二次空気を吹
き込むことが行われている。図10に示す二次燃焼室1
1のA−A’断面図において、21〜24が二次空気吹
き込み口であり、ここから吹き込まれた二次空気により
二次燃焼室11内で未燃ガスの二次燃焼が行われる。
【0010】図11に、二次燃焼室11内に二次空気を
吹き込んでいる様子を示す。二次空気吹き込み口21、
23から吹き込まれた二次空気は定常流であるためO2
リッチな領域14が細長く定常的に形成され、二次燃焼
室11内で十分排ガスとの混合が行われない。よって、
未燃ガスが炉外に排出される恐れがあると共に、低温域
が形成されることによりダイオキシン等の発生の恐れも
ある。
【0011】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、上記各問題点を発生させることな
く、比較的簡単な設備の導入により、炉内ガスの混合性
を高め、これによって有害ガスや未燃ガスの排出を抑え
た廃棄物焼却炉を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、少なくとも2つの気体吹き込み口から
炉内に吹き込まれる気体の気体吹き込み口毎の流量が周
期的に変動することを特徴とする廃棄物焼却炉(請求項
1)である。
【0013】ここで、少なくとも2つの気体吹き込み口
が必要とされるのは、1つの吹き込み口で吹き込み流量
の急激な変動を生じさせると、吹き込み空気流量の全体
量が大きく変化することになり、炉の上流に設置される
空気押し込みブロワや、後段に設置される誘引ファン等
に悪影響を与えて好ましくないからである。よって、気
体吹き込み口は2つ以上とし、各々の気体吹き込み口に
おける流量変動の位相をずらすことにより、全吹き込み
流量の変動を緩和する必要がある。
【0014】この手段においては、各気体吹き込み口毎
の流量が周期的に変動する。すなわち、平均流量を増や
すことなく最大流量を増やすことができる。流量が多く
なって流速が高まったとき、炉内ガスが強制的に攪拌混
合される(攪拌混合の効果は、運動エネルギーすなわち
流速の2乗に比例する)。よって、有害ガスや未燃ガス
の排出を抑えることができる。
【0015】また、吹き込み流量が周期的に変動するの
で、たとえ吹き込まれる気体が冷空気からなるものであ
っても、従来技術で述べたような定常的な低温領域を発
生させることも、定常的に空気過剰率が高い領域を発生
させることもない。
【0016】さらに、吹き込み流速が高くなるため、吹
き込み噴流基部からの高温の炉内ガスの巻き込み量が増
大し、噴流の平均温度を高める。これにより、噴流の粘
性が高められ、さらに攪拌効果が大きくなる。
【0017】また、吹き込み気体が空気の場合、吹き込
み流量が一定の従来技術と比較して、空気と炉内ガスの
接触面積が大きくなり、これにより、空気と燃料ガスと
の相互拡散が促進され、化学反応(燃焼)が促進され
る。
【0018】本手段の実現のためには、気体吹き込み口
に流量調節装置を設置するだけでよいので、高額な設備
費を必要としない。
【0019】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、気体吹き込み口のノズルの開
度を調整する手段が設けられていることを特徴とするも
の(請求項2)である。
【0020】この手段においては、ノズルの開度を変更
することにより、ノズルの周囲における炉内ガスの巻き
込み量、すなわち吹き込み気体の噴流内への炉内ガスの
再循環量を制御することができ、これにより、噴流近傍
での急激な燃焼反応を避けることができる。また、吹き
込み気体の流量が少なくなっている時点でも、ノズルの
開度を絞ることにより、吹き込み気体の流速を高め、噴
流による攪拌効果の低下を抑えることができる。
【0021】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段であって、気体吹き込み
口毎の流量の変動周期を調整する手段が設けられている
ことを特徴とするもの(請求項3)である。
【0022】吹き込まれた気体の噴流の変動周期は、噴
流と周囲の炉内ガスとの接触面積と密接な関係を持つ。
すなわち、変動周期を短くすれば、噴流による炉内ガス
の攪拌効果を増大させることができるので、操業上大き
な攪拌効果が必要となったときには、変動周期を短くし
てやればよい。例えば噴流が空気の場合には、燃焼が不
十分なとき、前記変動周期を小さくすることにより、空
気と燃料ガスとの相互拡散を促進させ、化学反応(燃
焼)を促進させることができる。
【0023】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、流
量が周期的に変動する各気体吹き込み口から炉内に吹き
込まれる気体の流量の総和が、定常的にほぼ一定となる
ようにされていることを特徴とするもの(請求項4)で
ある。ここで、「定常的にほぼ一定」とは、燃焼制御の
ために空気流量の総和を変更することがはあるが、変更
の前後においては、空気流量の総和は炉況に応じたほぼ
一定の値に保たれることを意味する。
【0024】この手段によれば、炉内に吹き込まれる気
体の総量は周期的に変動しないので、気体の供給装置及
び後段に設置される誘引ファン等の負荷変動が小さく抑
えられ、装置の長寿命化、ブロワ等の低騒音化が実現で
きる。
【0025】前記課題を解決するための第5の手段は、
前記第4の手段であって、流量が周期的に変動する気体
吹き込み口が、幾対かの対とされ、各対の気体吹き込み
口のそれぞれにおいて、対を構成する一方の気体吹き込
み口はロータリバルブの第1の出口に接続され、他方の
気体吹き込み口はロータリバルブの第2の出口に接続さ
れ、ロータリバルブの入口には、吹き込み空気供給配管
が接続されていることを特徴とするもの(請求項5)で
ある。
【0026】ロータリバルブは3方弁の一種であって、
1つの入口と2つの出口を持ち、バルブ軸を回転させる
ことにより、2つの出口への流体の配分比が連続的に変
化するようになっている。すなわち、バルブ軸を回転さ
せると、一方の出口への流体流量はほぼ正弦波状に変化
し、他方の出口への流体流量は、これと180度の位相
差を持ってほぼ正弦状に変化する。よって、回転軸を一
定速度で回転することにより、簡単な構成で、各気体吹
き込み口への気体流量を周期的に変化させ、かつ流量の
総和を一定に保つことができる。
【0027】また、回転軸の回転速度を変えることによ
り、吹き込まれる気体の流量変動の周期の変更を、容易
かつ確実に行うことができる。さらに、流量変動の周期
の短縮が可能となる。
【0028】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第1の手段から第5の手段であって、少なくとも2
つの一次燃焼用空気吹き込み口から炉内に吹き込まれる
気体の吹き込み口毎の流量が周期的に変動することを特
徴とするもの(請求項6)である。
【0029】本手段においては、一次燃焼用空気吹き込
み口から炉内に吹き込まれる気体(空気又は二次燃焼排
ガス)の吹き込み口毎の燃料を周期的に変動させること
により、ごみ層内の攪拌を促進し、一次燃焼の燃焼速度
を向上させることができる。これにより、焼却灰中の未
燃分を減少させることができ、焼却灰中のダイオキシン
類の生成を抑制することができると共に、炉の小型化を
図ることができる。
【0030】また、ごみ層上の一次燃焼領域でのガス同
士の混合性を改善することができ、一次燃焼領域での燃
焼の均一化が促進される。これによって、局所高温領域
を低減させてNOxの発生を抑制することができる。ま
た、空気利用効率が上昇し、低空気比燃焼が可能となっ
て、排ガス量が低減するので、炉の小型化、排ガス処理
装置の小型化を図ることができる。
【0031】前記課題を解決するための第7の手段は、
前記第6の手段であって、前記一次燃焼用空気吹き込み
口のうち、上流側にある吹き込み口と下流側にある吹き
込み口から炉内に吹き込まれる気体の吹き込み口毎の流
量が、対となって周期的に変動することを特徴とするも
の(請求項7)である。
【0032】本手段によれば、主燃焼室から二次燃焼室
に流入する一次燃焼排ガスの流動パターンが周期的に変
動するようになるので、二次燃焼領域でのガスの混合性
が改善され、その結果、ダイオキシン類、NOx、CO
等の有害物質の発生を低減させることができる。
【0033】前記課題を解決するための第8の手段は、
前記第6の手段であって、前記一次燃焼用空気吹き込み
口のうち、炉幅方向の左側にある吹き込み口と右側にあ
る吹き込み口から炉内に吹き込まれる気体の吹き込み口
毎の流量が、対となって周期的に変動することを特徴と
するもの(請求項8)である。
【0034】本手段によれば、天井部又は中間天井部と
ごみ層との空間で、炉幅方向に関して、より均一な一次
燃焼が促進され、これにより、ダイオキシン類、N
x、CO等の有害物質の発生を低減させることができ
ると共に、中間天井部へのダストの付着や、高温による
中間天井部の破損を防ぐことができる。
【0035】前記課題を解決するための第9の手段は、
前記第1の手段から第5の手段のいずれかであって、二
次燃焼領域において、気体吹き込み口から吹き込まれる
気体によって生成される渦流れの回転方向が、周期的に
反転することを特徴とするもの(請求項9)である。
【0036】この手段によれば、従来のような定常流型
吹き込み方式とは異なり、大きなスケールの渦と小さな
スケールの渦とが共存するため、より効果的な炉内攪拌
混合が可能となる。これにより、例えば気体が空気の場
合、酸化剤としての空気の利用効率が高くなるため、空
気の実質的な供給量を低減できる。また、非定常噴流に
よって生成された強い乱れの作用により、内壁近傍の境
界層が剥離し、内壁等へのダストの付着を低減すること
ができると共に、炉内での局所低温領域の体積が減少
し、COやダイオキシン類の生成を少なく抑えることが
できる。さらに、炉内での局所高温領域の体積が減少す
るために、炉内温度を更に高めに設定することが可能と
なり、これに伴って高負荷燃焼が実現できる。
【0037】前記課題を解決するための第10の手段
は、燃焼ガスの流れが上下方向である二次燃焼領域の上
下方向略同一位置に、第1組から第4組までの4組の空
気吹き込み口が設けられ、第1組と第2組の空気吹き込
み口、第3組と第4組の空気吹き込み口はそれぞれ同一
壁面に設けられ、第1組の空気吹き込み口は第3組の空
気吹き込み口に、第2組の空気吹き込み口は第4組の空
気吹き込み口にそれぞれ対向しており、各気体吹出し口
からの気体流量の変動周期は同一とされ、第1組と第4
組の空気吹き込み口の空気流量の変動の位相は同一であ
ると共に、第2組と第3組の空気吹き込み口の空気流量
の変動の位相も同一であり、かつ第1組と第4組の空気
吹き込み口の空気流量の変動の位相と、第2組と第3組
の空気吹き込み口の空気流量の変動の位相は180度ず
れていることを特徴とする廃棄物焼却炉(請求項10)
である。
【0038】この手段によれば、第1組と第4組の気体
吹き込み口から同時に気体が吹き込まれることによっ
て、二次燃焼領域の略水平面内において旋回流が発生す
る。また、第2組と第3組の気体吹き込み口から同時に
気体が吹き込まれることによって、逆向きの旋回流が略
水平面内において発生する。よって、略水平面内におい
て、吹き込まれる気体によって生成される渦流れの回転
が、周期的に反転することになり、前記第9の手段が実
現される。
【0039】前記課題を解決するための第11の手段
は、燃焼ガスの流れが上下方向である二次燃焼領域の上
下方向第1の位置に第1組と第2組の空気吹き込み口が
設けられると共に、上下方向第2の位置に第3組と第4
組の空気吹き込み口が設けられ、第1組の空気吹き込み
口は第2組の空気吹き込み口に、第3組の空気吹き込み
口は第4組の空気吹き込み口にそれぞれ対向しており、
かつ、第1組と第3組の空気吹き込み口、第2組と第4
組の空気吹き込み口はそれぞれ同じ壁面に設けられてお
り、各気体吹出し口からの気体流量の変動周期は同一と
され、第1組と第4組の空気吹き込み口の空気流量の変
動の位相は同一であると共に、第2組と第3組の空気吹
き込み口の空気流量の変動の位相も同一であり、かつ第
1組と第4組の空気吹き込み口の空気流量の変動の位相
と、第2組と第3組の空気吹き込み口の空気流量の変動
の位相は180度ずれていることを特徴とする廃棄物焼
却炉(請求項11)である。
【0040】この手段によれば、第1組と第4組の気体
吹き込み口から同時に気体が吹き込まれることによっ
て、二次燃焼領域の上下方向において旋回流が発生す
る。また、第2組と第3組の気体吹き込み口から同時に
気体が吹き込まれることによって、逆向きの旋回流が上
下方向において発生する。よって、上下方向において、
吹き込まれる気体によって生成される渦流れの回転が、
周期的に反転することになり、前記第9の手段が実現さ
れる。
【0041】前記課題を解決するための第12の手段
は、前記第11の手段であって、上下方向第1の位置と
第2の位置の垂直距離をL、燃焼ガスの平均流速をVと
するとき、各気体吹出し口からの気体流量の変動周期T
が、T≒L/Vであることを特徴とするもの(請求項1
2)である。
【0042】このようにすれば、例えば第1組と第4組
の気体吹出し口からの気体によって生成された旋回流が
燃焼ガスの流れに乗って気体吹き込み口を通り過ぎた
後、逆向きの旋回流が生成されるので、生成される旋回
流が干渉して効果が弱められることがなく、むしろ隣り
合う旋回流同士が強め合うことになる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
用いて説明する。図1は、本発明の原理を、本発明の実
施の形態の1例を基に説明するための図である。以下の
図において、前出の図において説明した構成要素には、
同じ符号を付してその説明を省略する。図1において
は、二次燃焼室11に空気吹き込み口21、23が対向
して設けられており、それぞれの空気吹き込み口から交
互に空気が吹き込まれている。よって、2つの吹き込み
口21、23から定常的に空気を吹き込むのに比べて、
吹き込み流速は2倍になるので運動エネルギーは4倍に
なり、未燃ガスとの攪拌混合が良好となる。その結果、
(A)において、空気を定常的に吹き込んだときに比して
広いO2リッチな領域15が形成される。
【0044】次に、(B)において、空気の吹き込みは空
気吹き込み口21側から行われる。この場合も同様の理
由により、未燃ガスとの攪拌混合が良好となり、広いO
2リッチな領域16が形成される。そして、(C)におい
て、再び空気吹き込み口23側から空気が吹き込まれ、
広いO2リッチな領域17が形成される。図1と図11
を比較すると分かるように、図1における方が、O2
ッチな領域が広く拡散しており、燃焼排ガスとの混合が
良好である。
【0045】なお、以上の説明においては、各空気吹き
込み口21、23からの空気の流れはオン−オフ的であ
ったが、各空気吹き込み口21、23からの空気流量を
正弦波的に変え、空気吹き込み口21と空気吹き込み口
23における流量の位相を180度異ならせるようにし
てもよい。すなわち、空気吹き込み口21の時刻tにお
ける流量をa(1+sinωt)とし、空気吹き込み口2
3の時刻tにおける流量がa(1−sinωt)となるよ
うにする。これにより、吹き込まれる空気流量の総和を
ほぼ一定に保ちながら、切換はスムースに行われ、バル
ブの切換時に系に与えるショックが緩和される。
【0046】図2、図3に本発明の実施の形態の1例に
係る空気吹き込み口の配置を示す。図2は廃棄物焼却炉
を示す図であり、図10と同じものである。図10のA
−A’断面には、図3に示すように4つの空気吹き込み
口21〜24が配置され、それより上のB−B’断面に
は、図3に示すように4つの空気吹き込み口25〜28
が配置される。すなわち、空気吹き込み口21と23、
22と24、25と27、26と28はそれぞれ同一水
平平面内で対向して配置され、図3のC−C’断面、D
−D’断面に示されるように、25は21の、26は2
2の、27は23の、28は24の、それぞれ真上に設
置されている。
【0047】図4(a)に各空気吹き込み口への配管の系
統図を示す。各空気吹き込み口21〜28の前には、そ
れぞれ流量調節弁31〜38が設けられ、各々の空気吹
き込み口から吹き込まれる空気の流量を調節できるよう
になっている。各調節弁の動作の組み合せにより、いろ
いろなモードを実現できる。
【0048】たとえば、調節弁31、34、35、38
を連動させて同一の動作をさせ、調節弁32、33、3
6、37を連動させて前記4つの調節弁と逆の動作をさ
せた場合、図5に示すように、二次燃焼室11内で略水
平方向に亘る旋回流が形成され、旋回の方向が周期的に
逆転するようになる。
【0049】また、調節弁31、32、37,38を連
動させて同一の動作をさせ、調節弁33、34、35,
36を連動させて前記4つの調節弁と逆の動作をさせる
ことにし、各調節弁の開閉動作を周期的に繰り返した場
合、図6に示すように、二次燃焼室11内で上下方向に
亘って旋回流が形成され、旋回流の方向が周期的に逆転
するようになる。
【0050】このとき、各調節弁の開閉動作の周期T
を、上下の空気吹き込み口の間隔をL、燃焼ガス(未燃
ガス)の平均流速をVとするとき、T≒L/Vとするこ
とにより、図6(b)に点線で示すように、前の周期で形
成された旋回流が、空気吹出し口を通り過ぎた後に吹出
し方向が反対となり、形成された旋回流が干渉して消滅
することがなく、逆に隣り合う旋回流同士が強め合うの
で好ましい。
【0051】これら、いずれの場合も、空気吹出し口に
おける流量が周期的に変動するため、すなわち、平均流
量を増やすことなく最大流量を増やすことができる。流
量が多くなって流速が高まったとき、炉内ガスが強制的
に攪拌混合される。よって、有害ガスや未燃ガスの排出
を抑えることができる。また、二次燃焼室で旋回流が発
生するので、大きなスケールの渦と小さなスケールの渦
とが共存することにより、効果的な炉内攪拌混合が可能
となる。よって、酸化剤としての空気の利用効率が高く
なるため、空気の実質的な供給量を低減できる。
【0052】また、各調節弁と空気吹き込み口は別々に
設けるのでなく、図4(b)に示すように、空気吹き込み
口であるノズル29とニードル弁30が一体となった形
式のものを用いてもよい。この形式のノズルにおいて
は、ニードル弁30を出し入れすることにより、ノズル
29の喉部の開口面積が変わり、流量が調整される。調
節弁と空気吹き込み口を別々に設けた場合には、調節弁
開度を小さくすると空気吹き込み口からの吹出し流速が
低下するが、この形式のノズルを使用することにより、
流量を小さくしてもノズルからの吹出し流速が低下する
ことがない。
【0053】各空気吹き込み口21〜28には、ノズル
の開度を調整する手段を設けてもよい。これにより、ノ
ズルの周囲における炉内ガスの巻き込み量、すなわち吹
き込み気体の噴流内への炉内ガスの再循環量を制御する
ことができ、噴流近傍での急激な燃焼反応を避けること
ができる。また、吹き込み気体の流量が少なくなってい
る時点でも、ノズルの開度を絞ることにより、吹き込み
気体の流速を高め、噴流による攪拌効果の低下を抑える
ことができる。
【0054】各調節弁31〜38の開度は、図示しない
制御装置によって調整され、制御装置のモードを変える
ことにより各調節弁の連動の形態や変動周期を調整する
ことができる。たとえば、燃焼状態を監視し、燃焼状態
が悪くなった場合には、変動周期を短くする。これによ
り、攪拌効果が増大し、空気と燃料ガスとの相互拡散が
促進されて、燃焼を高めることができる。
【0055】また、制御装置により、各空気吹き込み口
から吹き込まれる全空気量の総和が、燃焼状態に応じて
意図的に変える場合等は別として、略一定に保たれるよ
うにすれば、空気の供給装置及び後段に設置される誘引
ファン等の負荷変動が小さく抑えられ、装置の長寿命
化、ブロワ等の低騒音化が実現できる。
【0056】図7、図8は、調節弁としてロータリバル
ブを使用した実施の形態の例を示す図である。図7、図
8において、41〜48はロータリバルブである。
【0057】ロータリバルブは分割型3方弁の一種であ
って、1つの入口と2つの出口を持ち、バルブ軸を回転
させることにより、2つの出口への流体の配分比が連続
的に変化するようになっている。すなわち、バルブ軸を
回転させると、一方の出口への流体流量はほぼ正弦波状
に変化し、他方の出口への流体流量は、これと180度
の位相差を持ってほぼ正弦状に変化する。よって、回転
軸を一定速度で回転することにより、簡単な構成で、各
機体吹き込み口への気体流量を周期的に変化させ、かつ
流量の総和を一定に保つことができる。
【0058】図7においては、空気吹き込み口21と2
2がロータリバルブ41で、空気吹き込み口23と24
がロータリバルブ42で、空気吹き込み口25と26が
ロータリバルブ43で、空気吹き込み口27と28がロ
ータリバルブ44で、それぞれ結合されている。ロータ
リバルブ41と43に同じ動作をさせると共にロータリ
バルブ42と44に同じ動作をさせ、かつ、前者の動作
と後者の動作が逆になるようにしておけば、二次燃焼室
11内で水平方向の旋回流が形成され、周期的に旋回の
方向が逆転するようになる。
【0059】図8においては、空気吹き込み口21と2
5がロータリバルブ45で、空気吹き込み口22と26
がロータリバルブ46で、空気吹き込み口23と27が
ロータリバルブ47で、空気吹き込み口24と28がロ
ータリバルブ48で、それぞれ結合されている。ロータ
リバルブ45と46に同じ動作をさせると共にロータリ
バルブ47と48に同じ動作をさせ、かつ、前者の動作
と後者の動作が逆になるようにしておけば、二次燃焼室
11内で上下方向の旋回流が形成され、周期的に旋回の
方向が逆転するようになる。
【0060】図7と図8の例において、各ロータリーバ
ルブの作動を同期させるためには、各ロータリバルブの
回転軸を機械的に結合しておけばよいので、簡単な構造
で確実に同期をとることができる。
【0061】以上の実施の形態は、二次燃焼室に吹き込
む空気の流量を変動させるものであったが、主燃焼室に
吹き込む気体(空気又は二次燃焼排ガス)の流量を変動
させることもできる。たとえば、図1における乾燥スト
ーカ3、燃焼ストーカ4、後燃焼ストーカ5に供給され
る気体の少なくとも2つの吹き込み口からの吹き込み量
を変動させる。
【0062】これにより、ごみ層内の攪拌が促進されて
一次燃焼の燃焼速度が大きくなる。それにより、焼却灰
中の未燃分が減少すると共に、焼却灰中のダイオキシン
類の生成を抑制することができる。また、炉の小型化を
図ることができる。
【0063】また、気体流量の変動により、ごみ層上の
一次燃焼領域でのガス同士の混合性を改善することがで
き、一次燃焼領域(主燃焼室)での燃焼の均一化が可能
となる。これにより、一次燃焼領域における局所高温部
を低減することができ、低NOx化を図ることができ
る。さらに、空気の利用効率を上げることができるの
で、低空気比燃焼が可能となって、排ガス量が低減す
る。よって、炉や排ガス処理設備の小型化を図ることが
できる。
【0064】また、上記方法の一形態として、たとえ
ば、図1において、乾燥ストーカ3部に吹き込む気体量
と、後燃焼ストーカ5部に吹き込む空気量をペアとし
て、一方を増加させるときは片方を減少させ、周期的に
これを繰り返す。その手段としては、前述のロータリー
バルブ等の手段を使用することができる。
【0065】これにより、たとえば乾燥ストーカ3部に
吹き込む気体量が多く、後燃焼ストーカ5部に吹き込む
空気量が少ない場合は、副煙道10を通る排ガス量が多
くなり、主煙道9を通る排ガス量が少なくなる。逆に、
乾燥ストーカ3部に吹き込む気体量が少なく、後燃焼ス
トーカ5部に吹き込む空気量が多い場合は、副煙道10
を通る排ガス量が少なくなり、主煙道9を通る排ガス量
が多くなる。これが交互に繰り返されることにより、二
次燃焼室における一次燃焼排ガスの流動パターンが周期
的に変化し、一次燃焼排ガス同士、または一次燃焼排ガ
スと吹き込み空気(二次燃焼空気)との混合性が促進さ
れ、円滑な燃焼が行われるので、ダイオキシン類、NO
x、CO等の発生が少なくなる。
【0066】また、前記方法の他の一形態として、たと
えば火格子の下部を左右に2分割し、左右の部分に吹き
込む気体量を交互に増減させることができる。この様子
を図9に示す。図9は、図2における主燃焼室7部の横
断面図であり、燃焼ストーカ4の後段部での断面を示
す。図9において、18は火格子、19は仕切り板であ
る。
【0067】火格子18の下部の気体導入部を、仕切り
板19によって左右に分割し、それぞれに別々に気体を
吹き込むようにする。この例においては、ロータリーバ
ルブ41を設け、左右に流す気体の量を交互に増減させ
る。図は、左側半分に流入する気体の量が、右側半分に
流入する気体の量より大きい場合を示している。よっ
て、左側から流入した気体は、中間天井8に当たって、
図に示すように右側に流れる。空気の流入量が図と反対
になり、炉の右側から流入する気体の量が多くなると、
中間天井8に当たった気体の流れは、図と反対に左側に
向かって流れる。このようにごみ層と中間天井との空間
で、気体の流れが周期的に変化することにより、均一な
燃焼が促進され、ダイオキシン類、NOx、CO等の発
生が少なくなると共に、中間天井8へのダストの付着
や、火炎が中間天井8付近に定在することによる中間天
井8の焼損が少なくなる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明は、少なくとも2つの気体吹き込み口から炉内に吹き
込まれる気体の気体吹き込み口毎の流量が周期的に変動
することを特徴とする廃棄物焼却炉であるので、炉内ガ
スが強制的に攪拌混合状態がよくなり、よって、有害ガ
スや未燃ガスの排出を抑えることができる。また、気体
吹き込み口に流量調節装置を設置するだけでよいので、
高額な設備費を必要としない。
【0069】請求項2に係る発明は、気体吹き込み口の
ノズルの開度を調整する手段が設けられていることを特
徴とするものであるので、噴流近傍での急激な燃焼反応
を避けることができる。また、吹き込み気体の流量が少
なくなっている時点でも、ノズルの開度を絞ることによ
り、吹き込み気体の流速を高め、噴流による攪拌効果の
低下を抑えることができる。
【0070】請求項3に係る発明は、気体吹き込み口毎
の流量の変動周期を調整する手段が設けられていること
を特徴とするものであるので、炉の燃焼状態に応じて最
適な周期で変動を行わせ、噴流による炉内ガスの攪拌効
果を増大させることができる。
【0071】請求項4に係る発明は、流量が周期的に変
動する各気体吹き込み口から炉内に吹き込まれる気体の
流量の総和が、定常的にほぼ一定となるようにされてい
ることを特徴とするものであるので、気体の供給装置及
び後段に設置されるブロワ等の負荷変動が小さく抑えら
れ、装置の長寿命化、ブロワ等の低騒音化が実現でき
る。
【0072】請求項5に係る発明は、流量が周期的に変
動する気体吹き込み口が、幾対かの対とされ、各対の気
体吹き込み口のそれぞれにおいて、対を構成する一方の
気体吹き込み口はロータリバルブの第1の出口に接続さ
れ、他方の気体吹き込み口はロータリバルブの第2の出
口に接続され、ロータリバルブの入口には、吹き込み空
気供給配管が接続されていることを特徴とするものであ
るので、簡単な構成で、各機体吹き込み口への気体流量
を周期的に変化させ、かつ流量の総和を一定に保つこと
ができる。また、回転軸の回転速度を変えることによ
り、吹き込まれる気体の流量変動の周期の変更を、容易
かつ確実に行うことができる。さらに、流量変動の周期
の短縮が可能となる。
【0073】請求項6に係る発明は、一次燃焼用空気吹
き込み口から炉内に吹き込まれる気体(空気又は二次燃
焼排ガス)の吹き込み口毎の気体流量を周期的に変動さ
せることにより、ごみ層内の攪拌を促進し、一次燃焼の
燃焼速度を向上させることができる。これにより、焼却
灰中の未燃分を減少させることができ、焼却灰中のダイ
オキシン類の生成を抑制することができると共に、炉の
小型化を図ることができる。
【0074】また、ごみ層上の一次燃焼領域でのガス同
士の混合性を改善することができ、一次燃焼領域での燃
焼の均一化が促進される。これによって、局所高温領域
を低減させてNOxの発生を抑制すると共に、炉の内壁
へのダストの溶着・固化や内壁の焼損を抑制することが
できる。また、空気利用効率が上昇し、低空気比燃焼が
可能となって、排ガス量が低減するので、炉の小型化、
排ガス処理装置の小型化を図ることができる。
【0075】請求項7に係る発明は、主燃焼室から二次
燃焼室に流入する排ガスのパターンが周期的に変動する
ようになるので、二次燃焼領域での排ガスの混合性が改
善され、その結果、ダイオキシン類、NOx、CO等の
有害物質の発生を低減させることができる。
【0076】請求項8に係る発明は、天井部又は中間天
井部とごみ層との空間で均一な一次燃焼が促進され、こ
れにより、ダイオキシン類、NOx、CO等の有害物質
の発生を低減させることができると共に、中間天井部へ
のダストの付着や、高温による中間天井部の焼損を防ぐ
ことができる。
【0077】請求項9に係る発明は、二次燃焼領域にお
いて、気体吹き込み口から吹き込まれる気体によって生
成される渦流れの回転方向が、周期的に反転することを
特徴とするものであるので、より効果的な炉内攪拌混合
が可能となる。また、非定常噴流によって生成された強
い乱れの作用により、内壁近傍の境界層が剥離し、内壁
等へのダストの付着を低減することができると共に、炉
内での局所低温領域の体積が減少し、COやダイオキシ
ン類の生成を少なく抑えることができる。
【0078】請求項10に係る発明は、燃焼ガスの流れ
が上下方向である二次燃焼領域の上下方向略同一位置
に、第1組から第4組までの4組の空気吹き込み口が設
けられ、第1組と第2組の空気吹き込み口、第3組と第
4組の空気吹き込み口はそれぞれ同一壁面に設けられ、
第1組の空気吹き込み口は第3組の空気吹き込み口に、
第2組の空気吹き込み口は第4組の空気吹き込み口にそ
れぞれ対向しており、各気体吹出し口からの気体流量の
変動周期は同一とされ、第1組と第4組の空気吹き込み
口の空気流量の変動の位相は同一であると共に、第2組
と第3組の空気吹き込み口の空気流量の変動の位相も同
一であり、かつ第1組と第4組の空気吹き込み口の空気
流量の変動の位相と、第2組と第3組の空気吹き込み口
の空気流量の変動の位相は180度ずれていることを特
徴とする廃棄物焼却炉であるので、請求項9に係る発明
を実現することができる。
【0079】請求項11に係る発明は、燃焼ガスの流れ
が上下方向である二次燃焼領域の上下方向第1の位置に
第1組と第2組の空気吹き込み口が設けられると共に、
上下方向第2の位置に第3組と第4組の空気吹き込み口
が設けられ、第1組の空気吹き込み口は第2組の空気吹
き込み口に、第3組の空気吹き込み口は第4組の空気吹
き込み口にそれぞれ対向しており、かつ、第1組と第3
組の空気吹き込み口、第2組と第4組の空気吹き込み口
はそれぞれ同じ壁面に設けられており、各気体吹出し口
からの気体流量の変動周期は同一とされ、第1組と第4
組の空気吹き込み口の空気流量の変動の位相は同一であ
ると共に、第2組と第3組の空気吹き込み口の空気流量
の変動の位相も同一であり、かつ第1組と第4組の空気
吹き込み口の空気流量の変動の位相と、第2組と第3組
の空気吹き込み口の空気流量の変動の位相は180度ず
れていることを特徴とする廃棄物焼却炉であるので、請
求項9に係る発明を実現することができる。
【0080】請求項12に係る発明は、気体吹出し口の
上下方向第1の位置と第2の位置の垂直距離をL、燃焼
ガスの平均流速をVとするとき、各気体吹出し口からの
気体流量の変動周期Tが、T≒L/Vであることを特徴
とするものであるので、生成される旋回流が干渉して効
果が弱められることがなく、むしろ隣り合う旋回流同士
が強め合うことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る廃棄物焼却炉の例を
示す図である。
【図3】図2の各断面図である。
【図4】各空気吹き込み口への配管の例を示す系統図で
ある。
【図5】空気の吹き込みによって形成される旋回流の1
例を示す図である。
【図6】空気の吹き込みによって形成される旋回流の他
の例を示す図である。
【図7】ロータリバルブを使用した配管の1例を示す系
統図である。
【図8】ロータリバルブを使用した配管の他の例を示す
系統図である。
【図9】炉の主燃焼室の横断面を示す図である。
【図10】従来の廃棄物焼却炉の例を示す図である。
【図11】従来の廃棄物焼却炉において、二次空気を吹
き込んだときの様子を示す図である。
【符号の説明】
1 ホッパ 2 ごみ 3 乾燥ストーカ 4 燃焼ストーカ 5 後燃焼ストーカ 6 主灰シュート 7 主燃焼室 8 中間天井 9 主煙道 10 副煙道 11 二次燃焼室 12 除塵室 14〜17 O2リッチ領域 18 火格子 19 仕切り板 21〜28 空気吹き込み口 29 ノズル 30 ニードル弁 31〜38 流量調節弁 41〜48 ロータリバルブ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの気体吹き込み口から炉
    内に吹き込まれる気体の気体吹き込み口毎の流量が周期
    的に変動することを特徴とする廃棄物焼却炉。
  2. 【請求項2】 気体吹き込み口のノズルの開度を調整す
    る手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の廃棄物焼却炉。
  3. 【請求項3】 気体吹き込み口毎の流量の変動周期を調
    整する手段が設けられていることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の廃棄物焼却炉。
  4. 【請求項4】 流量が周期的に変動する各気体吹き込み
    口から炉内に吹き込まれる気体の流量の総和が、定常的
    にほぼ一定となるようにされていることを特徴とする請
    求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の廃棄物
    焼却炉。
  5. 【請求項5】 流量が周期的に変動する気体吹き込み口
    が、幾対かの対とされ、各対の気体吹き込み口のそれぞ
    れにおいて、対を構成する一方の気体吹き込み口はロー
    タリバルブの第1の出口に接続され、他方の気体吹き込
    み口はロータリバルブの第2の出口に接続され、ロータ
    リバルブの入口には、吹き込み空気供給配管が接続され
    ていることを特徴とする請求項4に記載の廃棄物焼却
    炉。
  6. 【請求項6】 少なくとも2つの一次燃焼用空気吹き込
    み口から炉内に吹き込まれる気体の吹き込み口毎の流量
    が周期的に変動することを特徴とする請求項1から請求
    項5のうちいずれか1項に記載の廃棄物焼却炉。
  7. 【請求項7】 前記一次燃焼用空気吹き込み口のうち、
    上流側にある吹き込み口と下流側にある吹き込み口から
    炉内に吹き込まれる気体の吹き込み口毎の流量が、対と
    なって周期的に変動することを特徴とする請求項6に記
    載の廃棄物焼却炉。
  8. 【請求項8】 前記一次燃焼用空気吹き込み口のうち、
    炉幅方向の左側にある吹き込み口と右側にある吹き込み
    口から炉内に吹き込まれる気体の吹き込み口毎の流量
    が、対となって周期的に変動することを特徴とする請求
    項6に記載の廃棄物焼却炉。
  9. 【請求項9】 二次燃焼領域において、気体吹き込み口
    から吹き込まれる気体によって生成される渦流れの回転
    方向が、周期的に反転することを特徴とする請求項1か
    ら請求項5のうちいずれか1項に記載の廃棄物焼却炉。
  10. 【請求項10】 燃焼ガスの流れが上下方向である二次
    燃焼領域の上下方向略同一位置に、第1組から第4組ま
    での4組の空気吹き込み口が設けられ、第1組と第2組
    の空気吹き込み口、第3組と第4組の空気吹き込み口は
    それぞれ同一壁面に設けられ、第1組の空気吹き込み口
    は第3組の空気吹き込み口に、第2組の空気吹き込み口
    は第4組の空気吹き込み口にそれぞれ対向しており、各
    気体吹出し口からの気体流量の変動周期は同一とされ、
    第1組と第4組の空気吹き込み口の空気流量の変動の位
    相は同一であると共に、第2組と第3組の空気吹き込み
    口の空気流量の変動の位相も同一であり、かつ第1組と
    第4組の空気吹き込み口の空気流量の変動の位相と、第
    2組と第3組の空気吹き込み口の空気流量の変動の位相
    は180度ずれていることを特徴とする廃棄物焼却炉。
  11. 【請求項11】 燃焼ガスの流れが上下方向である二次
    燃焼領域の上下方向第1の位置に第1組と第2組の空気
    吹き込み口が設けられると共に、上下方向第2の位置に
    第3組と第4組の空気吹き込み口が設けられ、第1組の
    空気吹き込み口は第2組の空気吹き込み口に、第3組の
    空気吹き込み口は第4組の空気吹き込み口にそれぞれ対
    向しており、かつ、第1組と第3組の空気吹き込み口、
    第2組と第4組の空気吹き込み口はそれぞれ同じ壁面に
    設けられており、各気体吹出し口からの気体流量の変動
    周期は同一とされ、第1組と第4組の空気吹き込み口の
    空気流量の変動の位相は同一であると共に、第2組と第
    3組の空気吹き込み口の空気流量の変動の位相も同一で
    あり、かつ第1組と第4組の空気吹き込み口の空気流量
    の変動の位相と、第2組と第3組の空気吹き込み口の空
    気流量の変動の位相は180度ずれていることを特徴と
    する廃棄物焼却炉。
  12. 【請求項12】 上下方向第1の位置と第2の位置の垂
    直距離をL、燃焼ガスの平均流速をVとするとき、各気
    体吹出し口からの気体流量の変動周期Tが、T≒L/V
    であることを特徴とする請求項11に記載の廃棄物焼却
    炉。
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