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JPH10168505A - 低密度モリブデン焼結体及びその製造方法 - Google Patents

低密度モリブデン焼結体及びその製造方法

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Publication number
JPH10168505A
JPH10168505A JP32962296A JP32962296A JPH10168505A JP H10168505 A JPH10168505 A JP H10168505A JP 32962296 A JP32962296 A JP 32962296A JP 32962296 A JP32962296 A JP 32962296A JP H10168505 A JPH10168505 A JP H10168505A
Authority
JP
Japan
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sintered body
low
density
powder
density molybdenum
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Granted
Application number
JP32962296A
Other languages
English (en)
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JP3869057B2 (ja
Inventor
Shigeki Koyama
茂樹 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Tungsten Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Tungsten Co Ltd
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Publication date
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  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Furnace Charging Or Discharging (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低密度かつ高強度の製品を安価で純度良く作
成することができる低密度モリブデン焼結体及びその製
造方法とそれを用いた製品を提供すること。 【解決手段】 低密度モリブデン焼結体は,60kg/
mm2 以上の曲げ強度と,70〜85%の相対密度とを
有する。低密度モリブデン焼結体を製造するには,Mo
凝集粉を1200〜1800℃で熱処理後解砕し,粒度
60〜150μmのMo粗粒粉を作り,それをプレス
後,1800℃で焼結する。この焼結体は,粗粒Moの
粒子10の間に大きな空孔20を備えた構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,低密度モリブデン
(Mo)焼結体とその製造方法に関し,詳しくは,焼成
炉用の敷き皿,放電電極,流体のフィルター等に用いら
れる低密度モリブデン焼結体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高融点金属であるモリブデン(以下,M
oと示す)製品の要求項目として空孔度の高い(低密度
の)製品の利用法がある。例えば,焼成炉用の敷き皿と
しての利用法がある。この際問題となるのは,Moと被
焼成物の接触面では,被焼成物からのガス抜けが良くな
く,その結果,被焼成物にソリ等の欠陥が発生する場合
がある。これを解決する為に空孔度の高いMo製品が要
求されている。
【0003】また,別用途としては,電子部品として,
低密度のMo焼結体の空孔にBa等の物質を含漫させ,
放電電極として用いられたり,流体のフィルターとして
の金属焼結体が用いられる。これらの場合は,適度な空
孔率と高強度が要求される。
【0004】純Moの理論密度は10.2g/cm3
あるのに対し,一般的な粉末冶金法で得られる焼結体の
密度は,8.7〜9.9g/cm3 である。特に,焼結
体を次工程で塑性加工を行う場合は塑性加工時に割れが
生じる場合が多い為,9.6g/cm3 以上の密度が必
要である。ここで言う一般的な粉末冶金法とは,粒径3
〜10μmのMo粉末をプレス成型し,それを真空もし
くは水素雰囲気で焼結し焼結体を得るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】焼結部品で低密度のも
のを作る場合には,プレス圧をなるべく低くする方が低
密度の焼結体が得られるので,バインダを添加したもの
でプレスする。その後,脱バインダ工程を施すことで相
対密度で約70〜90%のMo焼結製品を作成すること
は可能であった。
【0006】しかし,バインダを添加する場合は,バイ
ンダ添加による純度の問題があった。更に,これらの製
品は,相対密度で約85%以下になると強度的にもろく
なる問題があった。
【0007】そこで,本発明の一技術的課題は,低密度
かつ高強度の製品を安価で純度良く作成することができ
る低密度モリブデン焼結体及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0008】また,本発明の他の技術的課題は,前記低
密度モリブデン焼結体を用いた焼成炉用敷皿,放電電
極,及び流体フィルター等の製品を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,60k
g/mm2 以上の曲げ強度と,70〜85%の相対密度
とを有することを特徴とする低密度モリブデン焼結体が
得られる。
【0010】また,本発明によれば,Mo凝集粉を12
00〜1800℃で熱処理後解砕し,粒度60〜150
μmのMo粗粒粉を作り,それをプレス後,焼結するこ
とを特徴とする低密度モリブデン焼結体の製造方法が得
られる。
【0011】また,本発明によれば,前記低密度モリブ
デン焼結体の製造方法において,前記焼結温度は約18
00℃であることを特徴とする低密度モリブデン焼結体
の製造方法が得られる。
【0012】また,本発明によれば,前記低密度モリブ
デン焼結体の製造方法において,前記プレスの際の圧力
は,2〜5トン/cm2 であることを特徴とする低密度
モリブデン焼結体の製造方法が得られる。
【0013】また,本発明によれば,前記低密度モリブ
デン焼結体の製造方法において,前記Mo凝集粉は,6
0〜150μmであることを特徴とする低密度モリブデ
ン焼結体の製造方法が得られる。
【0014】また,本発明によれば,前記低密度モリブ
デン焼結体から実質的になることを特徴とする焼成炉用
敷皿が得られる。
【0015】また,本発明によれば,前記低密度モリブ
デン焼結体を基部に用い,前記基部に形成された空孔
に,Ba化合物を含浸してなることを特徴とする放電電
極が得られる。
【0016】さらに,本発明によれば,前記低密度モリ
ブデン焼結体を用いたことを特徴とする流体フィルター
が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0018】まず,本発明の低密度モリブデン焼結体の
製造の原理について,図1を参照して説明する。
【0019】図1(a)は本発明の実施の形態による低
密度モリブデン焼結体の構造を説明するための概略図で
あり,左図は粗粒Mo粉プレス体を示し,右図はこの粗
粒Mo粉プレス体を焼結した後の粗粒Mo粉焼結体を夫
々示している。
【0020】また,図1(b)は比較のために従来のモ
リブデン焼結体の構造を説明するための概略図であり,
左図は通常のMo粉プレス体を示し,右図はこの通常の
Mo粉プレス体を焼結した後の通常Mo粉焼結体を夫々
示している。
【0021】本発明においては,粒度の粗い粉末(以
下,Mo粗粒粉と呼ぶ)を使用する。
【0022】即ち,本発明において使用されるMo粗粒
粉とは,60〜150μmの目開きのふるいで分けられ
たMo凝集粉を約1200〜1800℃で真空もしくは
水素雰囲気にて高温熱処理し,更にそれを解砕した粒径
60〜150μmMo純度99.9%以上の粉末であ
る。
【0023】このMo粗粒粉は,通常のMo粉とMo粗
粒粉との焼結のされ方が若干異なる。つまり,本発明で
用いるMo粗粒粉は,プレス前に熱処理を施す事によ
り,その粒子自体が焼結している。その為,図1(a)
に示すようにプレス体の状態で密度は同一でも,図1
(b)に示す通常のMo粉より大きな空孔20を有す
る。これらのプレス体を焼結すると通常のMo粉のプレ
ス体はlつ1つの粒子10が小さい為,粒子10同士の
接触面積が大きくなり,図中の×印で示される空孔20
が消滅していく。
【0024】しかし,本発明で用いるMo粗粒粉プレス
体は粒子10同士の接触が,通常のMo粉に比べ少ない
為,接触している部分のみが焼結され結果的に焼結体中
に図中の×印で示されるような大きな空孔20が残る。
【0025】次に,本発明のモリブデン焼結体を得るた
めに,上述のように作製されたMo粗粒粉をプレス圧力
2〜5トン/cm2 でプレス成型し,更に約1800℃
の真空もしくは水素雰囲気で焼結する。ここで,通常の
Mo粉からの焼結体で低密度品を得ようとすれば焼結を
途中で止める状態になり,焼結体の強度は低下する。
【0026】しかし,本発明によるMo粗粒粉からの焼
結体は,粒子自体がある程度焼結されている為,高温で
焼結しても収縮が起こりにくく,そのため高強度で低密
度のMo焼結体を得る事ができる。
【0027】以下,本発明の低密度モリブデン焼結体の
製造の具体例について説明する。
【0028】(第1の実施の形態)ふるい目開き60〜
150μmでふるい分けられたMo凝集粉を1200
℃,1400℃,1600℃,1800℃にて熱処理を
行い,それらを解砕して平均粒径約100μmのMo粗
粒粉を作製した。さらに,直径60mmの金型にて圧力
を変えてプレス成形しその後1800℃にて焼結した。
【0029】また,市販の4μmのMo粉,即ち,非熱
処理Mo粉でも,バインダーを混合後,同様の方法で作
製し,両者を比較した。但し,市販のMo粉のプレス体
は焼結の前に400℃で脱バインダーを行った。それぞ
れの密度の変化を調べた結果を図2に示す。
【0030】焼結体の密度は熱処理温度が上昇するとと
もに低<なった。また,プレス圧を増加することによ
り,焼結体密度は高くなった。
【0031】(第2の実施の形態)第1の実施の形態で
作製したMo粗粒粉を用い,10×30mmの金型を使
って,厚さ約6mmのプレス体を作り,1600〜18
00℃で焼結したときの密度の変化を図3に示す。ま
た,この時のプレス体の強度を超硬工具協会規格CIS
026に基づき三点曲げ試験で測定した.その結果を
図4に示す。
【0032】密度については,焼結温度が高くなる程,
高くなり,また熱処理温度の低いもののほうが,高くな
った。曲げ強度についても,焼結温度が高くなるほど高
くなり熱処理温度の低いものが高くなった。
【0033】市販のMo粉を用い,このテストと同様の
密度を出すため,3トン/cm2 でプレスし,400℃
で脱バインダを行った後,1600℃で焼結体を得た。
その焼結体の相対密度は,85.3%であった。また,
上記と同様に三点曲げ試験を行い,曲げ強度を測定した
ところ,52kg/mm2 であった。この焼結体密度は
1200℃熱処理品の1800℃焼結体とほぼ同様であ
るが,曲げ強度は明らかに低かった。Mo粗粒粉の焼結
体は,粒子自身がある程度まで焼結されて密度が上がっ
ている為,図1(b)に示すように空孔20を内包した
状態になる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように,本発明では,いま
までに不可能であった多孔質のMo焼結体を作製する事
が出来る低密度モリブデン焼結体及びその製造方法を提
供することができる。
【0035】また,本発明によれば,相対密度約70〜
85%の低密度焼結製品がバインダを添加せず作製する
ことができる低密度モリブデン焼結体及びその製造方法
を提供することができる。
【0036】また,本発明によれば,前処理(熱処理)
されたMo粗粒粉を使用する事により,低密度で高強度
のMo焼結製品ができ,その前処理の温度によって密度
をコントロールする事も可能である低密度モリブデン焼
結体及びその製造方法を提供することができる。
【0037】また,本発明によれば,従来の粉末冶金法
を用いたモリブデン製品の製造工程を利用することがで
き,特別の装置や機械を必要としないので安価かつ容易
に製造できる低密度モリブデン焼結体及びその製造方法
を提供することができる。
【0038】さらに,本発明によれば,前記低密度モリ
ブデン焼結体を用いた焼成炉用敷皿,放電電極,及び流
体フィルター等の製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態による低密度モリ
ブデン焼結体の構造を説明するための概略図である。 (b)比較の為に,通常のMo粉を用いたモリブデン焼
結体の構造を説明するための概略図である。
【図2】本発明の実施の形態によるMo粗粒粉の密度変
化を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態による焼結体の相対密度と
焼結温度との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態による焼結体の強度と焼結
温度との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 粒子 20 空孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 1/14 H01J 1/14 B 9/04 9/04 J M

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 60kg/mm2 以上の曲げ強度と,7
    0〜85%の相対密度とを有することを特徴とする低密
    度モリブデン焼結体。
  2. 【請求項2】 Mo凝集粉を1200〜1800℃で熱
    処理後解砕し,粒度60〜150μmのMo粗粒粉を作
    り,それをプレス後,焼結することを特徴とする低密度
    モリブデン焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の低密度モリブデン焼結体
    の製造方法において,前記焼結温度は約1800℃であ
    ることを特徴とする低密度モリブデン焼結体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の低密度モリブデン焼結体
    の製造方法において,前記プレスの際の圧力は,2〜5
    トン/cm2 であることを特徴とする低密度モリブデン
    焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の低密度モリブデン焼結体
    の製造方法において,前記Mo凝集粉は,60〜150
    μmであることを特徴とする低密度モリブデン焼結体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の低密度モリブデン焼結体
    から実質的になることを特徴とする焼成炉用敷皿。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の低密度モリブデン焼結体
    を基部に用い,前記基部に形成された空孔に,Ba化合
    物を含浸してなることを特徴とする放電電極。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の低密度モリブデン焼結体
    を用いたことを特徴とする流体フィルター。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101988162A (zh) * 2010-11-05 2011-03-23 西安理工大学 一种采用粉末冶金法制备多孔金属钼的方法
CN102560214A (zh) * 2012-02-09 2012-07-11 北京航空航天大学 一种面对等离子体材料中抗起泡的梯度多孔结构
WO2017008092A1 (de) 2015-07-10 2017-01-19 Plansee Se Metallfilter
CN112207282A (zh) * 2020-09-17 2021-01-12 洛阳科威钨钼有限公司 一种喷涂钼粉的制备方法

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