JPH09119696A - 空気調和機の制御装置及び制御方法 - Google Patents
空気調和機の制御装置及び制御方法Info
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- JPH09119696A JPH09119696A JP8044129A JP4412996A JPH09119696A JP H09119696 A JPH09119696 A JP H09119696A JP 8044129 A JP8044129 A JP 8044129A JP 4412996 A JP4412996 A JP 4412996A JP H09119696 A JPH09119696 A JP H09119696A
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- indoor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 温度のハンチングやドラフトを防止すること
ができ、機種の異なる室内機及び室外機の接続を容易に
することのできる空気調和機の制御装置及び制御方法を
提供する。 【解決手段】 圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波
数及び室内ファンの回転数を操作量とし、空調が行われ
る室内温度及び室内熱交換器温度をそれぞれ制御量とす
る2入力、2出力の制御対象として空気調和機をとら
え、第1の制御器(11)により室内温度を目標値に一致さ
せるように駆動電動機の周波数及び室内ファンの回転数
のいずれか一方を操作し、第2の制御器(12)により室内
熱交換器温度を目標値に一致させるように駆動電動機の
周波数及び室内ファンの回転数のいずれか他方を操作す
る。
ができ、機種の異なる室内機及び室外機の接続を容易に
することのできる空気調和機の制御装置及び制御方法を
提供する。 【解決手段】 圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波
数及び室内ファンの回転数を操作量とし、空調が行われ
る室内温度及び室内熱交換器温度をそれぞれ制御量とす
る2入力、2出力の制御対象として空気調和機をとら
え、第1の制御器(11)により室内温度を目標値に一致さ
せるように駆動電動機の周波数及び室内ファンの回転数
のいずれか一方を操作し、第2の制御器(12)により室内
熱交換器温度を目標値に一致させるように駆動電動機の
周波数及び室内ファンの回転数のいずれか他方を操作す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調対象空間の温
度(以下、単に室内温度と言う)及び室内熱交換器温度
をそれぞれ制御量とし、圧縮機駆動電動機に供給する電
力の周波数及び室内ファンの回転数を操作量とする空気
調和機の制御装置及び制御方法に関する。
度(以下、単に室内温度と言う)及び室内熱交換器温度
をそれぞれ制御量とし、圧縮機駆動電動機に供給する電
力の周波数及び室内ファンの回転数を操作量とする空気
調和機の制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機を能力制御するに当たり、従
来は、室内温度と利用者が設定した室内設定温度との偏
差に対応させて圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波
数(以下、圧縮機周波数とも言う)を制御する場合で
も、室内熱交換器温度は制御していなかった。この場
合、室内ファンは、室内熱交換器温度が予め定めた複数
のゾーンのどれに属するかにより回転数が制御され、室
温制御に対しては従続的な関係でしかなかった。なお、
圧縮機周波数及び室内ファンの回転数の設定値は、互い
に間隔をおいて定めた離散的な値であり、従って、段階
的な変更が行われていた。
来は、室内温度と利用者が設定した室内設定温度との偏
差に対応させて圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波
数(以下、圧縮機周波数とも言う)を制御する場合で
も、室内熱交換器温度は制御していなかった。この場
合、室内ファンは、室内熱交換器温度が予め定めた複数
のゾーンのどれに属するかにより回転数が制御され、室
温制御に対しては従続的な関係でしかなかった。なお、
圧縮機周波数及び室内ファンの回転数の設定値は、互い
に間隔をおいて定めた離散的な値であり、従って、段階
的な変更が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した空気調和機の
暖房モードにおいて、室内ファンの回転数Fn をパラメ
ータとした場合、圧縮機周波数Hzと室内熱交換器温度
Tc とは図33に示す関係にあり、圧縮機周波数Hzと
室内温度Ta とは図34に示す関係にある。いま、圧縮
機周波数Hzを一定に保持したまま室内ファンの回転数
Fn が変化すると、室内熱交換器温度Tc 及び室内温度
Ta の両方が変化し、室内ファンの回転数Fn を一定に
保持したまま圧縮機周波数Hzが変化しても、室内熱交
換器温度T c 及び室内温度Ta の両方が変化する。この
現象が一般に干渉と呼ばれている。
暖房モードにおいて、室内ファンの回転数Fn をパラメ
ータとした場合、圧縮機周波数Hzと室内熱交換器温度
Tc とは図33に示す関係にあり、圧縮機周波数Hzと
室内温度Ta とは図34に示す関係にある。いま、圧縮
機周波数Hzを一定に保持したまま室内ファンの回転数
Fn が変化すると、室内熱交換器温度Tc 及び室内温度
Ta の両方が変化し、室内ファンの回転数Fn を一定に
保持したまま圧縮機周波数Hzが変化しても、室内熱交
換器温度T c 及び室内温度Ta の両方が変化する。この
現象が一般に干渉と呼ばれている。
【0004】この干渉により、例えば、暖房運転時にお
いて室内温度の低下により圧縮機周波数Hzを増大させ
たとすれば、室内熱交換器温度Tc は上昇する。この室
内熱交換器温度Tc の上昇により室内ファンの回転数F
n を増大すれば室内に放出する熱量Qも増大し、室内温
度Ta は高められる。この時、圧縮機周波数及び室内フ
ァンの回転数は、互いに間隔をおいて定めた離散的な値
であることから室内温度Ta が高くなり過ぎたり、これ
を修正する逆動作によって室内温度Ta が低くなり過ぎ
たりする動作が繰返されることも有り得る。この場合に
は温度がハンチングし、ドラフトが発生して快適感を損
なうことがあった。ここに言う「ドラフト」とは、室内
機の吸込み側の温度が一定であっても、ユーザーが受け
る風の温度が変化したり、風の強度が変化したりするた
めに、ユーザーに不快感を与えることを言う。
いて室内温度の低下により圧縮機周波数Hzを増大させ
たとすれば、室内熱交換器温度Tc は上昇する。この室
内熱交換器温度Tc の上昇により室内ファンの回転数F
n を増大すれば室内に放出する熱量Qも増大し、室内温
度Ta は高められる。この時、圧縮機周波数及び室内フ
ァンの回転数は、互いに間隔をおいて定めた離散的な値
であることから室内温度Ta が高くなり過ぎたり、これ
を修正する逆動作によって室内温度Ta が低くなり過ぎ
たりする動作が繰返されることも有り得る。この場合に
は温度がハンチングし、ドラフトが発生して快適感を損
なうことがあった。ここに言う「ドラフト」とは、室内
機の吸込み側の温度が一定であっても、ユーザーが受け
る風の温度が変化したり、風の強度が変化したりするた
めに、ユーザーに不快感を与えることを言う。
【0005】また、上述した空気調和機においては、圧
縮機周波数及び室内ファンの回転数は離散的な値である
ため、空調能力の異なる室内機と室外機との組合わせが
難しく、この異機種間の組合わせを可能にするために
は、圧縮機周波数及び室内ファンの回転数を細かく調整
する必要があり、そのための開発費用が増大すると言う
問題もあった。
縮機周波数及び室内ファンの回転数は離散的な値である
ため、空調能力の異なる室内機と室外機との組合わせが
難しく、この異機種間の組合わせを可能にするために
は、圧縮機周波数及び室内ファンの回転数を細かく調整
する必要があり、そのための開発費用が増大すると言う
問題もあった。
【0006】一方、冷凍サイクルの効率を最適化するべ
く、電子膨張弁の開度を制御する、いわゆる、スーパー
ヒート制御を行う場合がある。周知の如く、暖房時のス
ーパーヒート制御は圧縮機の吸込み側の冷媒温度Ts と
室外熱交換器の温度Te との差を一定に保持することで
あり、圧縮機周波数Hzや室内ファンの回転数Fn の制
御とは直接的に関係はしないが、冷房時のスーパーヒー
ト制御は圧縮機の吸込み側の冷媒温度Ts と室内熱交換
器温度Tc との差を一定に保持することであるため、圧
縮機周波数Hzや室内ファンの回転数Fn の制御に影響
し、安定的な動作をさせ難いことが予測される。
く、電子膨張弁の開度を制御する、いわゆる、スーパー
ヒート制御を行う場合がある。周知の如く、暖房時のス
ーパーヒート制御は圧縮機の吸込み側の冷媒温度Ts と
室外熱交換器の温度Te との差を一定に保持することで
あり、圧縮機周波数Hzや室内ファンの回転数Fn の制
御とは直接的に関係はしないが、冷房時のスーパーヒー
ト制御は圧縮機の吸込み側の冷媒温度Ts と室内熱交換
器温度Tc との差を一定に保持することであるため、圧
縮機周波数Hzや室内ファンの回転数Fn の制御に影響
し、安定的な動作をさせ難いことが予測される。
【0007】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、第1の目的は温度のハンチングやドラフ
トを防止することができ、機種の異なる室内機及び室外
機の接続を容易にすることのできる空気調和機の制御装
置及び制御方法を提供するにある。
されたもので、第1の目的は温度のハンチングやドラフ
トを防止することができ、機種の異なる室内機及び室外
機の接続を容易にすることのできる空気調和機の制御装
置及び制御方法を提供するにある。
【0008】また、本発明の第2の目的は、スーパーヒ
ート制御を行う場合でも安定的な温度制御を可能にする
空気調和機の制御装置を提供するにある。
ート制御を行う場合でも安定的な温度制御を可能にする
空気調和機の制御装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧縮機駆動電
動機に供給する電力の周波数及び室内ファンの回転数を
操作量とし、空調が行われる室内温度及び室内熱交換器
温度をそれぞれ制御量とする2入力、2出力の制御対象
として空気調和機をとらえ、第1の制御器により室内温
度を目標値に一致させるように駆動電動機の周波数及び
室内ファンの回転数のいずれか一方を操作し、第2の制
御器により室内熱交換器温度を目標値に一致させるよう
に駆動電動機の周波数及び室内ファンの回転数のいずれ
か他方を操作することにより、離散的に定めた圧縮機周
波数及び室内ファンの回転数を用いた時に問題となった
ハンチングやドラフトを防止し、機種の異なる室内機及
び室外機の接続を容易にしている。
動機に供給する電力の周波数及び室内ファンの回転数を
操作量とし、空調が行われる室内温度及び室内熱交換器
温度をそれぞれ制御量とする2入力、2出力の制御対象
として空気調和機をとらえ、第1の制御器により室内温
度を目標値に一致させるように駆動電動機の周波数及び
室内ファンの回転数のいずれか一方を操作し、第2の制
御器により室内熱交換器温度を目標値に一致させるよう
に駆動電動機の周波数及び室内ファンの回転数のいずれ
か他方を操作することにより、離散的に定めた圧縮機周
波数及び室内ファンの回転数を用いた時に問題となった
ハンチングやドラフトを防止し、機種の異なる室内機及
び室外機の接続を容易にしている。
【0010】この場合、第1の制御器の操作に起因する
第2の制御器の目標値に対応する制御量の変化分を補償
するように、第1の制御器の入力に基づいて第2の制御
器の操作量を補正する第3の制御器を設けたり、さら
に、第2の制御器の操作に起因する第1の制御器の目標
値に対応する制御量の変化分を補償するように、第2の
制御器の入力に基づいて第1の制御器の操作量を補正す
る第4の制御器を設けたりすることにより、室内温度及
び室内熱交換器温度の各制御の干渉を低くしたり、全
く、非干渉化したりすることができる。
第2の制御器の目標値に対応する制御量の変化分を補償
するように、第1の制御器の入力に基づいて第2の制御
器の操作量を補正する第3の制御器を設けたり、さら
に、第2の制御器の操作に起因する第1の制御器の目標
値に対応する制御量の変化分を補償するように、第2の
制御器の入力に基づいて第1の制御器の操作量を補正す
る第4の制御器を設けたりすることにより、室内温度及
び室内熱交換器温度の各制御の干渉を低くしたり、全
く、非干渉化したりすることができる。
【0011】もう一つの発明は、空気調和機を2入力、
2出力の制御対象として制御器を設計するに当たり、そ
の定数を最適解探索アルゴリズムを用いて決定している
ので、制御器の定数が効率よく、かつ、最適に設計され
ることとなり、ハンチングやドラフトの防止、異機種の
接続の容易化、及び制御の非干渉化に大きく寄与できて
いる。
2出力の制御対象として制御器を設計するに当たり、そ
の定数を最適解探索アルゴリズムを用いて決定している
ので、制御器の定数が効率よく、かつ、最適に設計され
ることとなり、ハンチングやドラフトの防止、異機種の
接続の容易化、及び制御の非干渉化に大きく寄与できて
いる。
【0012】また、もう一つ他の発明は、暖房運転時に
圧縮機の吸込側温度と室外熱交換器温度との差を制御量
として電子膨張弁の開度を操作し、暖房運転時に圧縮機
の吸込側温度と室内熱交換器温度との差を制御量として
電子膨張弁の開度を操作する、いわゆる、スーパーヒー
ト制御を行う空気調和機に適用する場合に、暖房運転時
に室内温度及び室内熱交換器温度をそれぞれ目標値に一
致させるように制御するが、冷房運転時には室内温度の
みを目標値に一致させるように制御系を構成したことに
よりスーパーヒート制御と併用する場合でも、室内温度
及び室内熱交換器温度の各制御の干渉を低くしたり、非
干渉化したりすることができる。
圧縮機の吸込側温度と室外熱交換器温度との差を制御量
として電子膨張弁の開度を操作し、暖房運転時に圧縮機
の吸込側温度と室内熱交換器温度との差を制御量として
電子膨張弁の開度を操作する、いわゆる、スーパーヒー
ト制御を行う空気調和機に適用する場合に、暖房運転時
に室内温度及び室内熱交換器温度をそれぞれ目標値に一
致させるように制御するが、冷房運転時には室内温度の
みを目標値に一致させるように制御系を構成したことに
よりスーパーヒート制御と併用する場合でも、室内温度
及び室内熱交換器温度の各制御の干渉を低くしたり、非
干渉化したりすることができる。
【0013】この場合、室内温度を目標値に一致させる
ように駆動電動機の周波数を操作する第1の制御器と、
室内熱交換器温度を目標値に一致させるように室内ファ
ンの回転数を操作する第2の制御器と、第1の制御器の
操作に起因する室内熱交換器温度の変化分を補償するよ
うに、前記第1の制御器の入力に基づいて室内ファンの
回転数の操作量を補正する第3の制御器と、第2の制御
器の操作に起因する室内温度の変化分を補償するよう
に、第2の制御器の入力に基づいて駆動電動機の周波数
の操作量を補正する第4の制御器とを設け、暖房運転時
に第2の制御器及び第4の制御器を動作状態とし、冷房
運転時に第2の制御器及び第4の制御器を非動作状態と
する構成とすることにより、スーパーヒート制御との併
用に何等の問題がなくなる。
ように駆動電動機の周波数を操作する第1の制御器と、
室内熱交換器温度を目標値に一致させるように室内ファ
ンの回転数を操作する第2の制御器と、第1の制御器の
操作に起因する室内熱交換器温度の変化分を補償するよ
うに、前記第1の制御器の入力に基づいて室内ファンの
回転数の操作量を補正する第3の制御器と、第2の制御
器の操作に起因する室内温度の変化分を補償するよう
に、第2の制御器の入力に基づいて駆動電動機の周波数
の操作量を補正する第4の制御器とを設け、暖房運転時
に第2の制御器及び第4の制御器を動作状態とし、冷房
運転時に第2の制御器及び第4の制御器を非動作状態と
する構成とすることにより、スーパーヒート制御との併
用に何等の問題がなくなる。
【0014】さらにまた、もう一つの発明は、室内熱交
換器温度の目標値を設定するに当たり、室内温度、室内
設定温度及び外気温度のうち、いずれか一つ又は複数の
温度値を用いることにより、ハンチングやドラフトの防
止と、機種の異なる室内機及び室外機の接続を容易にす
ることの他、暖房運転時において、冷風吹出し防止のた
めの室内ファンの回転数制限(冷風防止制御)が不要に
なる。
換器温度の目標値を設定するに当たり、室内温度、室内
設定温度及び外気温度のうち、いずれか一つ又は複数の
温度値を用いることにより、ハンチングやドラフトの防
止と、機種の異なる室内機及び室外機の接続を容易にす
ることの他、暖房運転時において、冷風吹出し防止のた
めの室内ファンの回転数制限(冷風防止制御)が不要に
なる。
【0015】ところで、空調が行われる室内温度を制御
量とし、圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波数及び
室内ファンの回転数を操作する場合の制御の干渉を低減
又は除去するために、一方の制御器の操作量に対応付け
て他方の制御器の比例ゲインを補正するようにしても、
温度のハンチングやドラフトを防止することができ、機
種の異なる室内機及び室外機の接続を容易にすることが
できる。
量とし、圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波数及び
室内ファンの回転数を操作する場合の制御の干渉を低減
又は除去するために、一方の制御器の操作量に対応付け
て他方の制御器の比例ゲインを補正するようにしても、
温度のハンチングやドラフトを防止することができ、機
種の異なる室内機及び室外機の接続を容易にすることが
できる。
【0016】そこで、他の発明は、室内温度を目標値に
一致させるように圧縮機駆動電動機の周波数を操作する
第1の制御器と室内ファンの回転数を操作する第2の制
御器とを備えるとき、第1の制御器は室内温度の目標値
に対する偏差に対して、第2の制御器の室内ファンの回
転数に対応させて予め定めた比例ゲインを用いてPID
演算を実行して周波数指令を求めるようにしている。
一致させるように圧縮機駆動電動機の周波数を操作する
第1の制御器と室内ファンの回転数を操作する第2の制
御器とを備えるとき、第1の制御器は室内温度の目標値
に対する偏差に対して、第2の制御器の室内ファンの回
転数に対応させて予め定めた比例ゲインを用いてPID
演算を実行して周波数指令を求めるようにしている。
【0017】また、第1の制御器が、室内温度の目標値
に対する偏差に対応付けて圧縮機駆動電動機の周波数指
令を選択する制御規則表を用いる場合には、選択された
周波数指令に対して、第2の制御器の室内ファンの回転
数に対応させて予め定めた比例ゲインを乗算して周波数
指令を補正する比例ゲイン乗算手段を設けている。
に対する偏差に対応付けて圧縮機駆動電動機の周波数指
令を選択する制御規則表を用いる場合には、選択された
周波数指令に対して、第2の制御器の室内ファンの回転
数に対応させて予め定めた比例ゲインを乗算して周波数
指令を補正する比例ゲイン乗算手段を設けている。
【0018】もう一つの発明は、室内吹出温度(又は室
内熱交換器温度)を目標値に一致させるように室内ファ
ンの回転数を操作する第1の制御器と、室内温度を目標
値に一致させるように圧縮機駆動電動機の周波数を操作
する第2の制御器とを備えるとき、第1の制御器は室内
吹出温度(又は室内熱交換器温度)の目標値に対する偏
差に対して、第2の制御器の圧縮機駆動電動機の周波数
に対応させて予め定めた比例ゲインを用いてPID演算
を実行して回転数指令を求めるようにしている。
内熱交換器温度)を目標値に一致させるように室内ファ
ンの回転数を操作する第1の制御器と、室内温度を目標
値に一致させるように圧縮機駆動電動機の周波数を操作
する第2の制御器とを備えるとき、第1の制御器は室内
吹出温度(又は室内熱交換器温度)の目標値に対する偏
差に対して、第2の制御器の圧縮機駆動電動機の周波数
に対応させて予め定めた比例ゲインを用いてPID演算
を実行して回転数指令を求めるようにしている。
【0019】また、第1の制御器が室内吹出温度(又は
室内熱交換器温度)の目標値に対する偏差に対応付けて
室内ファンの回転数指令を選択する制御規則表を用いる
場合には、選択された回転数指令に対して、第2の制御
器の圧縮機駆動電動機の周波数に対応させて予め定めた
比例ゲインを乗算して回転数指令を補正する比例ゲイン
乗算手段を設けている。
室内熱交換器温度)の目標値に対する偏差に対応付けて
室内ファンの回転数指令を選択する制御規則表を用いる
場合には、選択された回転数指令に対して、第2の制御
器の圧縮機駆動電動機の周波数に対応させて予め定めた
比例ゲインを乗算して回転数指令を補正する比例ゲイン
乗算手段を設けている。
【0020】もう一つ他の発明は、空調が行われる室内
温度及び室内吹出温度(又は室内熱交換器温度)を制御
量とし、圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波数及び
室内ファンの回転数を操作量とするものであって、第1
の制御器が室内温度の目標値に対する偏差に対して、P
ID演算を実行して圧縮機駆動電動機の周波数指令を求
め、第2の制御器が室内吹出温度(又は室内熱交換器温
度)の目標値に対する偏差に対してPID演算を実行し
て室内ファンの回転数指令を求める場合、第1の制御器
の比例ゲインを第2の制御器の室内ファンの回転数に対
応させた値を用い、第2の制御器の比例ゲインを第1の
制御器の圧縮機駆動電動機の周波数に対応させた値を用
いる。
温度及び室内吹出温度(又は室内熱交換器温度)を制御
量とし、圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波数及び
室内ファンの回転数を操作量とするものであって、第1
の制御器が室内温度の目標値に対する偏差に対して、P
ID演算を実行して圧縮機駆動電動機の周波数指令を求
め、第2の制御器が室内吹出温度(又は室内熱交換器温
度)の目標値に対する偏差に対してPID演算を実行し
て室内ファンの回転数指令を求める場合、第1の制御器
の比例ゲインを第2の制御器の室内ファンの回転数に対
応させた値を用い、第2の制御器の比例ゲインを第1の
制御器の圧縮機駆動電動機の周波数に対応させた値を用
いる。
【0021】また、第1の制御器が室内温度の目標値に
対する偏差に対応付けて圧縮機駆動電動機の周波数指令
を選択する制御規則表を用い、第2の制御器が室内吹出
温度(又は室内熱交換器温度)の目標値に対する偏差に
対応付けて室内ファンの回転数指令を選択する制御規則
表を用いる場合、第1の制御器には第2の制御器の室内
ファンの回転数に対応させて予め定めた比例ゲインを乗
算して周波数指令を補正する比例ゲイン乗算手段を設
け、第2の制御器には第1の制御器の圧縮機駆動電動機
の周波数に対応させて予め定めた比例ゲインを乗算して
回転数指令を補正する比例ゲイン乗算手段とを設けてい
る。
対する偏差に対応付けて圧縮機駆動電動機の周波数指令
を選択する制御規則表を用い、第2の制御器が室内吹出
温度(又は室内熱交換器温度)の目標値に対する偏差に
対応付けて室内ファンの回転数指令を選択する制御規則
表を用いる場合、第1の制御器には第2の制御器の室内
ファンの回転数に対応させて予め定めた比例ゲインを乗
算して周波数指令を補正する比例ゲイン乗算手段を設
け、第2の制御器には第1の制御器の圧縮機駆動電動機
の周波数に対応させて予め定めた比例ゲインを乗算して
回転数指令を補正する比例ゲイン乗算手段とを設けてい
る。
【0022】この場合、室内熱交換器温度の目標値をT
cc、室内温度をTa 、室内設定温度をTsc、外気温度を
To とし、a,b,c,dを定数として室内熱交換器温
度の目標値Tccを次式 Tcc=a・Tsc+b・Ta +c・To +d …(1) により決定することによって、種々の機種に適用できる
効果がある。
cc、室内温度をTa 、室内設定温度をTsc、外気温度を
To とし、a,b,c,dを定数として室内熱交換器温
度の目標値Tccを次式 Tcc=a・Tsc+b・Ta +c・To +d …(1) により決定することによって、種々の機種に適用できる
効果がある。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適な実施の形態
に基づいて詳細に説明する。図1乃至図7は空調が行わ
れる室内温度及び室内熱交換器温度をそれぞれ制御量と
し、圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波数及び室内
ファンの回転数を操作量とする空気調和機の制御装置の
種々の構成例を示すブロック図である。図中、同一の符
号を付したものはそれぞれ同一の要素を示している。ま
た、各図中、Tscはユーザーが随時設定する室内設定温
度、Tccは手動設定若しくは自動設定された室内熱交換
器の設定温度、Ta は空調対象の室内温度、Tc は室内
熱交換器温度である。なお、Tsc,Tccの設定には図示
省略の設定器が用いられ、Ta,Tc の検出には図示省
略の検出器が用いられる。また、空気調和機/空調環境
(図中、空調機/環境と略記する)15は圧縮機周波数H
z及び室内ファン回転数Fn を操作量とし、室内温度T
a 及び室内熱交換器温度Tc を制御量とする系統をブロ
ックで表現したものである。
に基づいて詳細に説明する。図1乃至図7は空調が行わ
れる室内温度及び室内熱交換器温度をそれぞれ制御量と
し、圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波数及び室内
ファンの回転数を操作量とする空気調和機の制御装置の
種々の構成例を示すブロック図である。図中、同一の符
号を付したものはそれぞれ同一の要素を示している。ま
た、各図中、Tscはユーザーが随時設定する室内設定温
度、Tccは手動設定若しくは自動設定された室内熱交換
器の設定温度、Ta は空調対象の室内温度、Tc は室内
熱交換器温度である。なお、Tsc,Tccの設定には図示
省略の設定器が用いられ、Ta,Tc の検出には図示省
略の検出器が用いられる。また、空気調和機/空調環境
(図中、空調機/環境と略記する)15は圧縮機周波数H
z及び室内ファン回転数Fn を操作量とし、室内温度T
a 及び室内熱交換器温度Tc を制御量とする系統をブロ
ックで表現したものである。
【0024】図1に示した制御装置は、室内設定温度T
scと室内温度Ta との偏差eが零になるように圧縮機周
波数Hzを操作する制御器11と、室内熱交換器設定温度
Tccと室内熱交換器温度Tc との偏差が零になるように
室内ファン回転数Fn を操作する制御器12とを備えてい
る。これらの制御器11,12はPID制御器と称されるも
ので、例えば、制御器11は次式の演算を行って圧縮機周
波数Hzを求める。
scと室内温度Ta との偏差eが零になるように圧縮機周
波数Hzを操作する制御器11と、室内熱交換器設定温度
Tccと室内熱交換器温度Tc との偏差が零になるように
室内ファン回転数Fn を操作する制御器12とを備えてい
る。これらの制御器11,12はPID制御器と称されるも
ので、例えば、制御器11は次式の演算を行って圧縮機周
波数Hzを求める。
【0025】
【数1】 ただし、Kp ,TI ,TD は定数であり、制御器12はこ
れらの定数を変えた同様の式に従って室内ファン回転数
Fn を演算する。このように、圧縮機周波数Hzを操作
する制御器11の他に、室内ファン回転数Fn を操作する
制御器12を設け、操作量を連続的に制御することによ
り、ハンチングやドラフトを防止することができ、機種
の異なる室内機及び室外機の接続を容易にすることがで
きる。
れらの定数を変えた同様の式に従って室内ファン回転数
Fn を演算する。このように、圧縮機周波数Hzを操作
する制御器11の他に、室内ファン回転数Fn を操作する
制御器12を設け、操作量を連続的に制御することによ
り、ハンチングやドラフトを防止することができ、機種
の異なる室内機及び室外機の接続を容易にすることがで
きる。
【0026】図2は図1に示した構成に対して、室内設
定温度Tscと室内温度Ta との偏差eを入力して室内フ
ァン回転数Fn の操作量を補正する制御器13を付加した
ものである。この制御器13もまた(2) 式中の定数Kp ,
TI ,TD を変えた同様な式に従って室内ファン回転数
Fn の補正量を演算するものである。この場合、制御器
13は、圧縮機周波数Hzの操作に基づく室内熱交換器温
度Tc の変化分を補償するもので、図1に示した制御装
置と比較すれば、室内温度Ta と室内熱交換器温度Tc
との干渉を少なくすることができる。
定温度Tscと室内温度Ta との偏差eを入力して室内フ
ァン回転数Fn の操作量を補正する制御器13を付加した
ものである。この制御器13もまた(2) 式中の定数Kp ,
TI ,TD を変えた同様な式に従って室内ファン回転数
Fn の補正量を演算するものである。この場合、制御器
13は、圧縮機周波数Hzの操作に基づく室内熱交換器温
度Tc の変化分を補償するもので、図1に示した制御装
置と比較すれば、室内温度Ta と室内熱交換器温度Tc
との干渉を少なくすることができる。
【0027】図3は図1に示した構成に対して、室内熱
交換器設定温度Tccと室内熱交換器温度Tc との偏差を
入力して圧縮機周波数Hzの操作量を補正する制御器14
を付加したものである。この制御器14もまた(2) 式中の
定数Kp ,TI ,TD を変えた同様な式に従って圧縮機
周波数Hzの補正量を演算するものである。この場合、
制御器14は、室内ファン回転数Fn の操作に基づく室内
温度Ta の変化分を補償するもので、図1に示した制御
装置と比較すれば、室内温度Ta と室内熱交換器温度T
c との干渉を少なくすることができる。
交換器設定温度Tccと室内熱交換器温度Tc との偏差を
入力して圧縮機周波数Hzの操作量を補正する制御器14
を付加したものである。この制御器14もまた(2) 式中の
定数Kp ,TI ,TD を変えた同様な式に従って圧縮機
周波数Hzの補正量を演算するものである。この場合、
制御器14は、室内ファン回転数Fn の操作に基づく室内
温度Ta の変化分を補償するもので、図1に示した制御
装置と比較すれば、室内温度Ta と室内熱交換器温度T
c との干渉を少なくすることができる。
【0028】上述した空気調和機/空調環境15は、圧縮
機周波数Hzを操作したとき室内温度Ta 及び室内熱交
換器温度Tc の両方が変化し、室内ファン回転数Fn を
操作した場合もまた室内温度Ta 及び室内熱交換器温度
Tc の両方が変化する。とすれば、室内設定温度Tscと
室内温度Ta との偏差を零にするために圧縮機周波数H
zを操作することに代えて室内ファン回転数Fn を操作
し、室内熱交換器設定温度Tccと室内熱交換器温度Tc
との偏差を零にするために室内ファン回転数Fn を操作
することに代えて圧縮機周波数Hzを操作してもよいこ
とになる。図4乃至図6はこの考えに基づいて目標値と
操作量とを逆にした場合の構成例である。そして、制御
器13及び制御器14を用いた図4の構成によれば、ハンチ
ングやドラフトを防止することができ、機種の異なる室
内機及び室外機の接続を容易にすることができる。ま
た、制御器11、制御器13及び制御器14を用いた図5の構
成によれば、あるいは、制御器12、制御器13及び制御器
14を用いた図6の構成によれば、さらに、室内温度Ta
と室内熱交換器温度Tc との干渉を少なくすることがで
きる。
機周波数Hzを操作したとき室内温度Ta 及び室内熱交
換器温度Tc の両方が変化し、室内ファン回転数Fn を
操作した場合もまた室内温度Ta 及び室内熱交換器温度
Tc の両方が変化する。とすれば、室内設定温度Tscと
室内温度Ta との偏差を零にするために圧縮機周波数H
zを操作することに代えて室内ファン回転数Fn を操作
し、室内熱交換器設定温度Tccと室内熱交換器温度Tc
との偏差を零にするために室内ファン回転数Fn を操作
することに代えて圧縮機周波数Hzを操作してもよいこ
とになる。図4乃至図6はこの考えに基づいて目標値と
操作量とを逆にした場合の構成例である。そして、制御
器13及び制御器14を用いた図4の構成によれば、ハンチ
ングやドラフトを防止することができ、機種の異なる室
内機及び室外機の接続を容易にすることができる。ま
た、制御器11、制御器13及び制御器14を用いた図5の構
成によれば、あるいは、制御器12、制御器13及び制御器
14を用いた図6の構成によれば、さらに、室内温度Ta
と室内熱交換器温度Tc との干渉を少なくすることがで
きる。
【0029】図7は上述した4個の制御器11,12,13,
14の全てを用いて構成したもので、制御器11が圧縮機周
波数Hzを操作したことに起因する室内熱交換器温度T
c の変化分を制御器13によって補償すると共に、制御器
12が室内ファン回転数Fn を操作したことに起因する室
内温度Ta の変化分を制御器14によって補償するもので
ある。この結果、室内温度Ta 及び室内熱交換器温度T
c を互いに非干渉にて制御することができる。
14の全てを用いて構成したもので、制御器11が圧縮機周
波数Hzを操作したことに起因する室内熱交換器温度T
c の変化分を制御器13によって補償すると共に、制御器
12が室内ファン回転数Fn を操作したことに起因する室
内温度Ta の変化分を制御器14によって補償するもので
ある。この結果、室内温度Ta 及び室内熱交換器温度T
c を互いに非干渉にて制御することができる。
【0030】なお、制御器11,12,13,14の内部構成は
上述したPID制御器に限定されるものではなく、例え
ば、ファジィ推論を用いたファジィ制御器、ルックアッ
プテーブルを用いたテーブル制御器、あるいは、これら
の中から複数種のものを選択的に用いる構成とすること
もできる。
上述したPID制御器に限定されるものではなく、例え
ば、ファジィ推論を用いたファジィ制御器、ルックアッ
プテーブルを用いたテーブル制御器、あるいは、これら
の中から複数種のものを選択的に用いる構成とすること
もできる。
【0031】ところで、図7に示した制御装置は室内温
度Ta 及び室内熱交換器温度Tc が制御量で、圧縮機周
波数Hz及び室内ファン回転数Fn が操作量である多変
数制御系である。この多変数制御系の制御器の設計は煩
雑で、一つの制御器の定数を変更すると他の制御器にも
定数変更が必要となるため、人手による設計、チューニ
ングは困難である。これを解決する一つの方法として、
例えば、遺伝的アルゴリズム等の最適解アルゴリズムで
決定することができる。以下、この最適解アルゴリズム
による定数決定の過程を図8を用いて説明する。
度Ta 及び室内熱交換器温度Tc が制御量で、圧縮機周
波数Hz及び室内ファン回転数Fn が操作量である多変
数制御系である。この多変数制御系の制御器の設計は煩
雑で、一つの制御器の定数を変更すると他の制御器にも
定数変更が必要となるため、人手による設計、チューニ
ングは困難である。これを解決する一つの方法として、
例えば、遺伝的アルゴリズム等の最適解アルゴリズムで
決定することができる。以下、この最適解アルゴリズム
による定数決定の過程を図8を用いて説明する。
【0032】制御対象31は圧縮機周波数Hz及び室内フ
ァン回転数Fn を操作量、室内温度Ta 及び室内熱交換
器温度Tc を制御量としている。この制御対象31の入力
と出力との関係を示す多数のデータを収集することによ
り制御対象のモデルを構築することができる。そこで、
数式モデル化手段32はデータ収集を実行し、さらに、こ
のデータに基づいて制御対象31の数式モデル33を構築す
る。この場合、空気調和システムにおいては物理法則に
基づくモデル化は困難であるため線形モデルと仮定し、
M系列信号を入力して最小自乗法によってこのシステム
を同定する。このシステムの同定については、例えば、
文献「信号解析とシステム同定」中溝高好、コロナ社
(1998)に詳しく記載されているので参照して頂きた
い。
ァン回転数Fn を操作量、室内温度Ta 及び室内熱交換
器温度Tc を制御量としている。この制御対象31の入力
と出力との関係を示す多数のデータを収集することによ
り制御対象のモデルを構築することができる。そこで、
数式モデル化手段32はデータ収集を実行し、さらに、こ
のデータに基づいて制御対象31の数式モデル33を構築す
る。この場合、空気調和システムにおいては物理法則に
基づくモデル化は困難であるため線形モデルと仮定し、
M系列信号を入力して最小自乗法によってこのシステム
を同定する。このシステムの同定については、例えば、
文献「信号解析とシステム同定」中溝高好、コロナ社
(1998)に詳しく記載されているので参照して頂きた
い。
【0033】ここで、室内熱交換器温度Tc 及び室内温
度Ta が図9(a) に示した変化に対応して、圧縮機周波
数Hz及び室内ファン回転数Fn が図9(b) 示したよう
に操作されるものとして、次の5個の評価関数J1 ,J
2 ,J3 ,J4 ,J5 を定義する。
度Ta が図9(a) に示した変化に対応して、圧縮機周波
数Hz及び室内ファン回転数Fn が図9(b) 示したよう
に操作されるものとして、次の5個の評価関数J1 ,J
2 ,J3 ,J4 ,J5 を定義する。
【0034】
【数2】 このうち、評価関数J1 は、室内熱交換器温度Tc が室
内熱交換器設定温度Tccに早く到達するほど小さくな
り、かつ、ハンチングがしない時に小さくなるので、そ
の値が小さいほどよいことになる。同様に、評価関数J
2 は、室内温度Ta が室内設定温度Tscに早く到達する
ほど小さくなり、かつ、ハンチングがしない時に小さく
なるので、その値が小さいほどよいことになる。評価関
数J3 は圧縮機周波数Hzを積分することによって消費
電力を評価しようとするものである。評価関数J4 は圧
縮機周波数Hzの変動を評価するもので、最大の変動量
ΔHを用いているのでその値は小さいものがよいことに
なる。評価関数J5 は室内ファン回転数Fn の変動を評
価するもので、最大変動量ΔFn を用いているため、そ
の値は小さいものがよいことになる。そして、これらの
評価関数に対して次式に示す重み付けをして、総合の評
価関数Jを設定する。 J=W1 ・J1 +W2 ・J2 +W3 ・J3 +W4 ・J4 +W5 ・J5 …(8) ただし、W1 ,W2 ,W3 ,W4 ,W5 は重み係数であ
る。評価関数34は(3) 〜(8) 式の評価関数を表したもの
である。制御器36は図7に示したPID制御器11〜14の
定数Kp ,TI ,TD を変更可能にした制御系であっ
て、最適解探索アルゴリズム35により、評価関数34を満
足するように制御器36のKp ,TI ,TD を決定する。
そして、最終的に得られた結果が最適制御器37として決
定される。
内熱交換器設定温度Tccに早く到達するほど小さくな
り、かつ、ハンチングがしない時に小さくなるので、そ
の値が小さいほどよいことになる。同様に、評価関数J
2 は、室内温度Ta が室内設定温度Tscに早く到達する
ほど小さくなり、かつ、ハンチングがしない時に小さく
なるので、その値が小さいほどよいことになる。評価関
数J3 は圧縮機周波数Hzを積分することによって消費
電力を評価しようとするものである。評価関数J4 は圧
縮機周波数Hzの変動を評価するもので、最大の変動量
ΔHを用いているのでその値は小さいものがよいことに
なる。評価関数J5 は室内ファン回転数Fn の変動を評
価するもので、最大変動量ΔFn を用いているため、そ
の値は小さいものがよいことになる。そして、これらの
評価関数に対して次式に示す重み付けをして、総合の評
価関数Jを設定する。 J=W1 ・J1 +W2 ・J2 +W3 ・J3 +W4 ・J4 +W5 ・J5 …(8) ただし、W1 ,W2 ,W3 ,W4 ,W5 は重み係数であ
る。評価関数34は(3) 〜(8) 式の評価関数を表したもの
である。制御器36は図7に示したPID制御器11〜14の
定数Kp ,TI ,TD を変更可能にした制御系であっ
て、最適解探索アルゴリズム35により、評価関数34を満
足するように制御器36のKp ,TI ,TD を決定する。
そして、最終的に得られた結果が最適制御器37として決
定される。
【0035】なお、図8に示した数式モデル化手段32、
数式モデル33、評価関数34、最適解探索アルゴリズム35
及び制御器36はいずれも計算機上に持たせた機能であ
り、最適制御器37は表示器またはハードコピーにて表現
される結果である。この場合、最適解アルゴリズム35は
制御器36の定数を種々に組合わせ、それぞれの組合わせ
に対して、数式モデル33を通して得られるデータを評価
関数34を用いて評価し、(8) 式に示すJの値が最小とな
る制御器36の定数の最適解を求め、これを最適制御器37
として出力する。かかる、最適解アルゴリズムによる定
数決定の方法は、PID制御器に限らず、例えば、ファ
ジィ制御器であっても、あるいは、単純なルックアップ
テーブルを用いるテーブル式の制御器であっても適用で
きる。
数式モデル33、評価関数34、最適解探索アルゴリズム35
及び制御器36はいずれも計算機上に持たせた機能であ
り、最適制御器37は表示器またはハードコピーにて表現
される結果である。この場合、最適解アルゴリズム35は
制御器36の定数を種々に組合わせ、それぞれの組合わせ
に対して、数式モデル33を通して得られるデータを評価
関数34を用いて評価し、(8) 式に示すJの値が最小とな
る制御器36の定数の最適解を求め、これを最適制御器37
として出力する。かかる、最適解アルゴリズムによる定
数決定の方法は、PID制御器に限らず、例えば、ファ
ジィ制御器であっても、あるいは、単純なルックアップ
テーブルを用いるテーブル式の制御器であっても適用で
きる。
【0036】図10はファジィ制御器の概略を説明する
ための説明図である。これは、(a)に示すように、室内
温度の設定温度に対する偏差e(Ta )及びその変化分
Δe(Ta )をそれぞれ変数として前件部メンバシップ
関数を定義する。ここで、横軸がそれぞれe(Ta )、
Δe(Ta )の値であり、縦軸が適合度、すなわち、メ
ンバシップ関数の値である。横軸目盛りのa及びbは所
定の定数であり、e(Ta )の値が−a〜aの間に、Δ
e(Ta )の値が−b〜bの間にそれぞれ分布するよう
に定められる。e(Ta )は室内温度の設定温度に対す
る偏差であるから横軸の0の位置は室内温度が設定温度
に等しいことを示し、Δe(Ta )は室温偏差の時間変
化分であるから横軸の0の位置は時間的に変化がないこ
とを示している。そして、図から明らかなように、e
(Ta )については3つのメンバシップ関数が定義さ
れ、Δe(Ta )についても3つのメンバシップ関数が
定義されている。そして、e(Ta )あるいは、Δe
(Ta )の大きさに応じて負のファジー集合Nに属する
か、零のファジー集合Zに属するか、正のファジー集合
Pに属するかを判断する。そして、(b) に示すように、
ファジールールベースとして知られる規則表を用いて適
合度を選択し、得られた適合度と(c) に示す後件部メン
バーシップ関数とを用いて、圧縮機周波数Hzを選択す
る。
ための説明図である。これは、(a)に示すように、室内
温度の設定温度に対する偏差e(Ta )及びその変化分
Δe(Ta )をそれぞれ変数として前件部メンバシップ
関数を定義する。ここで、横軸がそれぞれe(Ta )、
Δe(Ta )の値であり、縦軸が適合度、すなわち、メ
ンバシップ関数の値である。横軸目盛りのa及びbは所
定の定数であり、e(Ta )の値が−a〜aの間に、Δ
e(Ta )の値が−b〜bの間にそれぞれ分布するよう
に定められる。e(Ta )は室内温度の設定温度に対す
る偏差であるから横軸の0の位置は室内温度が設定温度
に等しいことを示し、Δe(Ta )は室温偏差の時間変
化分であるから横軸の0の位置は時間的に変化がないこ
とを示している。そして、図から明らかなように、e
(Ta )については3つのメンバシップ関数が定義さ
れ、Δe(Ta )についても3つのメンバシップ関数が
定義されている。そして、e(Ta )あるいは、Δe
(Ta )の大きさに応じて負のファジー集合Nに属する
か、零のファジー集合Zに属するか、正のファジー集合
Pに属するかを判断する。そして、(b) に示すように、
ファジールールベースとして知られる規則表を用いて適
合度を選択し、得られた適合度と(c) に示す後件部メン
バーシップ関数とを用いて、圧縮機周波数Hzを選択す
る。
【0037】また、これと同様にして、設定温度に対す
る室内熱交換器温度の偏差e(Tc)及びその変化分Δ
e(Tc )から室内ファンの回転数Fn を選択すること
ができる。さらにまた、設定温度に対する室内温度の偏
差e(Ta )及びその変化分Δe(Ta )から室内ファ
ンの回転数Fn の補償量ΔFn や、設定温度に対する室
内熱交換器温度の偏差e(Tc )及びその変化分Δe
(Tc )から圧縮機周波数Hzの補償量ΔHzを求める
ことができる。
る室内熱交換器温度の偏差e(Tc)及びその変化分Δ
e(Tc )から室内ファンの回転数Fn を選択すること
ができる。さらにまた、設定温度に対する室内温度の偏
差e(Ta )及びその変化分Δe(Ta )から室内ファ
ンの回転数Fn の補償量ΔFn や、設定温度に対する室
内熱交換器温度の偏差e(Tc )及びその変化分Δe
(Tc )から圧縮機周波数Hzの補償量ΔHzを求める
ことができる。
【0038】図11はテーブル式の制御器を構成する場
合の周波数決定テーブルである。この周波数決定テーブ
ルは、室内温度Ta の室内設定温度Tscに対する9種類
の偏差e(Ta )と、室内温度Ta の9種類の変動分Δ
e(Ta )との組合わせに対してそれぞれ圧縮機周波数
Hzを読出すものである。図8に示した最適解アルゴリ
ズムを用いる手法はPID制御器のみに適用されるもの
ではなく、上記のファジィ制御器あるいはテーブル式の
制御器にも適用可能であり、組合わせ最適化問題におい
て最適解を求めることができる。しかしながら、組合わ
せの数が増大すると計算が不可能になる。そこで、準最
適解を効率よく求めることが必要であり、大域的に良い
解を効率的に探索するものとして例えば、遺伝的アルゴ
リズムがある。遺伝的アルゴリズムは、本願と同一の出
願人により出願されて公開された、特開平7−1606
63号公報に詳しく記載されているが、その概要を以下
に説明する。
合の周波数決定テーブルである。この周波数決定テーブ
ルは、室内温度Ta の室内設定温度Tscに対する9種類
の偏差e(Ta )と、室内温度Ta の9種類の変動分Δ
e(Ta )との組合わせに対してそれぞれ圧縮機周波数
Hzを読出すものである。図8に示した最適解アルゴリ
ズムを用いる手法はPID制御器のみに適用されるもの
ではなく、上記のファジィ制御器あるいはテーブル式の
制御器にも適用可能であり、組合わせ最適化問題におい
て最適解を求めることができる。しかしながら、組合わ
せの数が増大すると計算が不可能になる。そこで、準最
適解を効率よく求めることが必要であり、大域的に良い
解を効率的に探索するものとして例えば、遺伝的アルゴ
リズムがある。遺伝的アルゴリズムは、本願と同一の出
願人により出願されて公開された、特開平7−1606
63号公報に詳しく記載されているが、その概要を以下
に説明する。
【0039】遺伝的アルゴリズムは、制御事象のモデル
化に際して、遺伝子として計算機内部の記号列を使用
し、各記号列にどのような数字、文字を割当てるかを決
定する。そして、事象のモデル化で決定した遺伝子型に
基づき、多数の集団を作り出す。次に、交叉を行うが、
これは遺伝子集団の中から特定の遺伝子対を選び、その
特定部位の入れ替えを行って新たな個体を作り出す。そ
して、遺伝子の特定部位をある確率で変化させるという
突然変異を行わせる。それから評価関数を用いて個体を
評価し、記号列から実際の制御対象へと対応付けを行
う。この評価関数が実世界と記号列とを結び付ける最も
重要な役割を果たしている。そして、評価関数値に従
い、後の世代に生き残れる個体を選択すると言う淘汰が
行われる。以上の過程を終了条件まで繰返すことによっ
て、遺伝子集団のパフォーマンスを向上させ、その集団
の中で評価関数値が最も低いものを最適な組合わせに対
する解としている。
化に際して、遺伝子として計算機内部の記号列を使用
し、各記号列にどのような数字、文字を割当てるかを決
定する。そして、事象のモデル化で決定した遺伝子型に
基づき、多数の集団を作り出す。次に、交叉を行うが、
これは遺伝子集団の中から特定の遺伝子対を選び、その
特定部位の入れ替えを行って新たな個体を作り出す。そ
して、遺伝子の特定部位をある確率で変化させるという
突然変異を行わせる。それから評価関数を用いて個体を
評価し、記号列から実際の制御対象へと対応付けを行
う。この評価関数が実世界と記号列とを結び付ける最も
重要な役割を果たしている。そして、評価関数値に従
い、後の世代に生き残れる個体を選択すると言う淘汰が
行われる。以上の過程を終了条件まで繰返すことによっ
て、遺伝子集団のパフォーマンスを向上させ、その集団
の中で評価関数値が最も低いものを最適な組合わせに対
する解としている。
【0040】図12は遺伝的アルゴリズム35A によって
PID制御器11,12,13,14に対応する最適制御器37A
を決定する系のブロック図である。ここで、遺伝的アル
ゴリズム35A は、制御器36A として上記遺伝子に乱数を
入れ、複数の遺伝子対を数式モデル33でシミュレーショ
ンし、制御値等を評価するため評価関数34を通して悪い
遺伝子の制御器は淘汰する。この場合、良い遺伝子をコ
ピーしたり、突然変異をかけたりして数を増やし、ま
た、シミュレーションを行う。これを繰返すと良い遺伝
子が残り、この遺伝子から最適な定数Kp ,TI ,TD
を持った最適制御器37A が決定される。
PID制御器11,12,13,14に対応する最適制御器37A
を決定する系のブロック図である。ここで、遺伝的アル
ゴリズム35A は、制御器36A として上記遺伝子に乱数を
入れ、複数の遺伝子対を数式モデル33でシミュレーショ
ンし、制御値等を評価するため評価関数34を通して悪い
遺伝子の制御器は淘汰する。この場合、良い遺伝子をコ
ピーしたり、突然変異をかけたりして数を増やし、ま
た、シミュレーションを行う。これを繰返すと良い遺伝
子が残り、この遺伝子から最適な定数Kp ,TI ,TD
を持った最適制御器37A が決定される。
【0041】図13は遺伝的アルゴリズム35B によって
ファジィ制御器36B に対応する最適制御器37B を決定す
る系のブロック図である。これにより前件部における定
数a,b、後件部の圧縮機周波数Hz及び室内ファン回
転数Fn が最適に決定されるような定数を持った最適フ
ァジィ制御器37B が得られる。
ファジィ制御器36B に対応する最適制御器37B を決定す
る系のブロック図である。これにより前件部における定
数a,b、後件部の圧縮機周波数Hz及び室内ファン回
転数Fn が最適に決定されるような定数を持った最適フ
ァジィ制御器37B が得られる。
【0042】図14は遺伝的アルゴリズム35C によって
テーブル制御器36C に対応する最適制御器を決定する系
のブロック図である。ここでは、上述したと同様にして
図11に示したテーブルが最適に決定され、このテーブ
ルを持った最適テーブル制御器37C が得られる。
テーブル制御器36C に対応する最適制御器を決定する系
のブロック図である。ここでは、上述したと同様にして
図11に示したテーブルが最適に決定され、このテーブ
ルを持った最適テーブル制御器37C が得られる。
【0043】図15はPID制御器とテーブル制御器と
が混在する制御器36D に対して、遺伝的アルゴリズム35
D によって上述したと同様なシミュレーションを繰返す
ことにより最適なPID制御定数及び最適なテーブルを
持った最適制御器37D が得られる。
が混在する制御器36D に対して、遺伝的アルゴリズム35
D によって上述したと同様なシミュレーションを繰返す
ことにより最適なPID制御定数及び最適なテーブルを
持った最適制御器37D が得られる。
【0044】このように、遺伝的アルゴリズムを用いて
制御器の制御条件を決定することにより、制御対象が複
数である場合の各制御器を効率よく、最適に設計するこ
とができ、ハンチングやドラフトの防止、異機種の接続
の容易化、及び制御の非干渉化に大きく寄与できる。
制御器の制御条件を決定することにより、制御対象が複
数である場合の各制御器を効率よく、最適に設計するこ
とができ、ハンチングやドラフトの防止、異機種の接続
の容易化、及び制御の非干渉化に大きく寄与できる。
【0045】ところで、室内温度Ta 及び室内熱交換器
温度Tc を制御量とし、それぞれ目標値に一致させるよ
うに複数の制御器によって圧縮機周波数Hz及び室内フ
ァン回転数Fn を操作するようにした制御装置を、電子
膨張弁によって冷媒の流量を制御する、いわゆる、スー
パーヒート制御を行う空気調和機に適用すると、動作の
安定性を損なう場合がある。以下、スーパーヒート制御
について説明した後、もう一つの実施の形態について説
明する。
温度Tc を制御量とし、それぞれ目標値に一致させるよ
うに複数の制御器によって圧縮機周波数Hz及び室内フ
ァン回転数Fn を操作するようにした制御装置を、電子
膨張弁によって冷媒の流量を制御する、いわゆる、スー
パーヒート制御を行う空気調和機に適用すると、動作の
安定性を損なう場合がある。以下、スーパーヒート制御
について説明した後、もう一つの実施の形態について説
明する。
【0046】図16はスーパーヒート制御を行う空気調
和機の冷凍サイクル系統、及び、その制御装置を示した
図である。図中、1は圧縮機で、ここから吐出する冷媒
は、暖房時に、四方弁2を通して室内熱交換器3に導か
れる。室内熱交換器3は凝縮器として作用して熱を発生
し、室内ファン6はここに空気を送り込んで凝縮を促進
すると共に、その発生熱を吸収した暖気を空調空間に送
り出す。室内熱交換器3で凝縮された冷媒は電子膨張弁
4を通して室外熱交換器5に導かれる。室外熱交換器5
は気化器として作用して熱を吸収し、室外ファン7はそ
こに新たな空気を送り込んで気化を促進させる。室外熱
交換器で気化された冷媒は圧縮機1に吸入される。
和機の冷凍サイクル系統、及び、その制御装置を示した
図である。図中、1は圧縮機で、ここから吐出する冷媒
は、暖房時に、四方弁2を通して室内熱交換器3に導か
れる。室内熱交換器3は凝縮器として作用して熱を発生
し、室内ファン6はここに空気を送り込んで凝縮を促進
すると共に、その発生熱を吸収した暖気を空調空間に送
り出す。室内熱交換器3で凝縮された冷媒は電子膨張弁
4を通して室外熱交換器5に導かれる。室外熱交換器5
は気化器として作用して熱を吸収し、室外ファン7はそ
こに新たな空気を送り込んで気化を促進させる。室外熱
交換器で気化された冷媒は圧縮機1に吸入される。
【0047】この冷凍サイクル系統の圧縮機1の吸入側
に、冷媒の温度を検出するための温度センサ8Aが設けら
れている。また、室内熱交換器3の温度を検出するため
の温度センサ8Bと、室外熱交換器5の温度を検出するた
めの温度センサ8Cとが設けられている。制御装置9は温
度センサ8Aによる吸込冷媒温度Ts 、温度センサ8Bによ
る室内熱交換器温度Tc 、温度センサ8Cによる室外熱交
換器温度Te 、及び図示省略の温度センサによる室内温
度Ta に基づいて圧縮機周波数Hz、室内ファン回転数
Fn 及び室外ファン回転数を制御する。
に、冷媒の温度を検出するための温度センサ8Aが設けら
れている。また、室内熱交換器3の温度を検出するため
の温度センサ8Bと、室外熱交換器5の温度を検出するた
めの温度センサ8Cとが設けられている。制御装置9は温
度センサ8Aによる吸込冷媒温度Ts 、温度センサ8Bによ
る室内熱交換器温度Tc 、温度センサ8Cによる室外熱交
換器温度Te 、及び図示省略の温度センサによる室内温
度Ta に基づいて圧縮機周波数Hz、室内ファン回転数
Fn 及び室外ファン回転数を制御する。
【0048】また、制御装置9はスーパーヒート制御と
して暖房運転時に、吸込冷媒温度Ts と室外熱交換器温
度Te との差が予め設定されたスーパーヒート目標値S
Ho[w] に一致するように電子膨張弁4の開度を制御
し、冷房運転時に、吸込冷媒温度Ts と室内熱交換器温
度Tc との差が予め設定されたスーパーヒート目標値S
Ho [c] に一致するように電子膨張弁4の開度を制御す
る。
して暖房運転時に、吸込冷媒温度Ts と室外熱交換器温
度Te との差が予め設定されたスーパーヒート目標値S
Ho[w] に一致するように電子膨張弁4の開度を制御
し、冷房運転時に、吸込冷媒温度Ts と室内熱交換器温
度Tc との差が予め設定されたスーパーヒート目標値S
Ho [c] に一致するように電子膨張弁4の開度を制御す
る。
【0049】従って、暖房運転時には室外熱交換器温度
Te を制御するが、室内熱交換器温度Tc の制御は行わ
ないので、図1乃至図7に示されたいずれの構成を採用
しても、制御の干渉は起こらない。しかしながら、冷房
運転時には室内熱交換器温度Tc を制御するので、ある
特定の条件を除き、殆どの場合に制御の干渉が発生す
る。図7に示した4つの制御器による制御と、冷房運転
時にスーパーヒート制御のための制御器とを併せて示す
と図17のようになる。ここで、制御器11〜14は図7を
用いて説明した如く動作する。制御器21は吸込冷媒温度
Ts と室内熱交換器温度Tc との差が予め設定されたス
ーパーヒート目標値SHo [c] に一致するように電子膨
張弁4の開度を制御する。このとき、室内温度Ta を制
御するために圧縮機周波数Hzを操作すると室内熱交換
器温度Tc 及び吸込冷媒温度Ts に影響を及ぼし、室内
熱交換器温度Tc を制御するために室内ファン回転数F
n を操作すると室内温度Ta 及び吸込冷媒温度Ts に影
響を及ぼし、さらに、吸込冷媒温度Ts を制御するべく
電子膨脹弁を操作すると室内温度Ta 及び室内熱交換器
温度Tc に影響を及ぼす。すなわち、温度制御系とスー
パーヒート制御系との間にも干渉が発生する。
Te を制御するが、室内熱交換器温度Tc の制御は行わ
ないので、図1乃至図7に示されたいずれの構成を採用
しても、制御の干渉は起こらない。しかしながら、冷房
運転時には室内熱交換器温度Tc を制御するので、ある
特定の条件を除き、殆どの場合に制御の干渉が発生す
る。図7に示した4つの制御器による制御と、冷房運転
時にスーパーヒート制御のための制御器とを併せて示す
と図17のようになる。ここで、制御器11〜14は図7を
用いて説明した如く動作する。制御器21は吸込冷媒温度
Ts と室内熱交換器温度Tc との差が予め設定されたス
ーパーヒート目標値SHo [c] に一致するように電子膨
張弁4の開度を制御する。このとき、室内温度Ta を制
御するために圧縮機周波数Hzを操作すると室内熱交換
器温度Tc 及び吸込冷媒温度Ts に影響を及ぼし、室内
熱交換器温度Tc を制御するために室内ファン回転数F
n を操作すると室内温度Ta 及び吸込冷媒温度Ts に影
響を及ぼし、さらに、吸込冷媒温度Ts を制御するべく
電子膨脹弁を操作すると室内温度Ta 及び室内熱交換器
温度Tc に影響を及ぼす。すなわち、温度制御系とスー
パーヒート制御系との間にも干渉が発生する。
【0050】図18はこの干渉を回避するようにした実
施の形態を示すブロック図であり、図中、図7又は図1
7と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略
する。ここで、制御器11,12,13,14が第1の制御系10
を構成している。また、制御器21,22、減算要素23,2
4、及び切換スイッチ25が第2の制御系20を構成してい
る。また、制御系10を構成する制御器12,14の各入力を
遮断するスイッチ16,17と、運転モードに応じてこれら
のスイッチを開閉制御する制御切換手段18とを備えてい
る。
施の形態を示すブロック図であり、図中、図7又は図1
7と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略
する。ここで、制御器11,12,13,14が第1の制御系10
を構成している。また、制御器21,22、減算要素23,2
4、及び切換スイッチ25が第2の制御系20を構成してい
る。また、制御系10を構成する制御器12,14の各入力を
遮断するスイッチ16,17と、運転モードに応じてこれら
のスイッチを開閉制御する制御切換手段18とを備えてい
る。
【0051】ここで、運転モードが暖房であれば、切換
スイッチ25は図示したように「w」側に接続される。従
って、制御器21による電子膨脹弁の開度Eo の操作は停
止され、制御器22による電子膨脹弁の開度Eo の操作が
行われる。すなわち、減算要素24により吸込冷媒温度T
s と室外熱交換器温度Te との差が演算される。制御器
22はその温度差[Ts −Te ]がスーパーヒート目標値
SHo [w] に一致するように電子膨張弁4の開度Eo を
操作する。この暖房運転モードでは、制御切換手段18は
スイッチ16,17を閉成せしめ、制御器12,14に制御動作
をさせる。
スイッチ25は図示したように「w」側に接続される。従
って、制御器21による電子膨脹弁の開度Eo の操作は停
止され、制御器22による電子膨脹弁の開度Eo の操作が
行われる。すなわち、減算要素24により吸込冷媒温度T
s と室外熱交換器温度Te との差が演算される。制御器
22はその温度差[Ts −Te ]がスーパーヒート目標値
SHo [w] に一致するように電子膨張弁4の開度Eo を
操作する。この暖房運転モードでは、制御切換手段18は
スイッチ16,17を閉成せしめ、制御器12,14に制御動作
をさせる。
【0052】一方、運転モードが冷房になると切換スイ
ッチ25は図示したとは反対の「c」側に接続される。従
って、制御器22による制御は停止され、制御器21による
制御が行われる。すなわち、減算要素23により吸込冷媒
温度Ts と室内熱交換器温度Tc との差が演算される。
制御器21はその温度差[Ts −Tc ]がスーパーヒート
目標値SHo [c] に一致するように電子膨張弁4の開度
Eo を操作する。この冷房運転モードでは、制御切換え
手段18はスイッチ16,17を開放させ、制御器12,14の制
御動作を停止させる。
ッチ25は図示したとは反対の「c」側に接続される。従
って、制御器22による制御は停止され、制御器21による
制御が行われる。すなわち、減算要素23により吸込冷媒
温度Ts と室内熱交換器温度Tc との差が演算される。
制御器21はその温度差[Ts −Tc ]がスーパーヒート
目標値SHo [c] に一致するように電子膨張弁4の開度
Eo を操作する。この冷房運転モードでは、制御切換え
手段18はスイッチ16,17を開放させ、制御器12,14の制
御動作を停止させる。
【0053】かくして、この実施の形態によれば、スー
パーヒート制御系を備えた空気調和機に適用する場合で
も、冷房運転時に第1の制御系10による室内熱交換器温
度T c の制御を停止するので、動作の安定性を損なうと
いう事態を未然に防ぐことができる。
パーヒート制御系を備えた空気調和機に適用する場合で
も、冷房運転時に第1の制御系10による室内熱交換器温
度T c の制御を停止するので、動作の安定性を損なうと
いう事態を未然に防ぐことができる。
【0054】なお、図18に示した実施の形態では、第
1の制御系10が4つの制御器を備えていたが、その構成
はこれに限定されるものではなく、図1乃至図6に示し
たいずれの構成であっても良く、さらに、制御器の構成
がPID制御器に限らず、ファジィ制御器であっても、
ルックアップテーブル式の制御器であっても、要は、冷
房運転時に、室内熱交換器温度Tc の目標値に対する偏
差を入力する制御器の動作を停止させることにより、上
述した動作の安定性を確保することができる。
1の制御系10が4つの制御器を備えていたが、その構成
はこれに限定されるものではなく、図1乃至図6に示し
たいずれの構成であっても良く、さらに、制御器の構成
がPID制御器に限らず、ファジィ制御器であっても、
ルックアップテーブル式の制御器であっても、要は、冷
房運転時に、室内熱交換器温度Tc の目標値に対する偏
差を入力する制御器の動作を停止させることにより、上
述した動作の安定性を確保することができる。
【0055】次に、室内熱交換器温度の設定値Tccを決
定する方法について説明する。室内熱交換器温度の目標
値を設定し、この目標値に一致するように圧縮機周波数
及び/又は室内ファンの回転数を操作することは、例え
ば、漏洩により冷凍サイクル系統の冷媒が稀薄になった
場合に必要な熱量を室内に送出する熱量を確保するとい
う観点で重要な意味を持つものと考えられる。その温度
を設定する具体的な方法として、例えば、次式に示すよ
うに室内温度Ta に連動させて算出することができる。 Tcc=a・Ta +b …(9) ただし、a,bは定数であり、暖房時にはTcc>Ta の
条件を満たし、冷房時にはTcc<Ta の条件を満たすよ
うに、これらの定数a,bの値を決定する必要がある。
図19はa<0、a=0、a>0の三つの場合につい
て、室温設定値Tscと併せて示した温度と時間との関係
を示す線図である。
定する方法について説明する。室内熱交換器温度の目標
値を設定し、この目標値に一致するように圧縮機周波数
及び/又は室内ファンの回転数を操作することは、例え
ば、漏洩により冷凍サイクル系統の冷媒が稀薄になった
場合に必要な熱量を室内に送出する熱量を確保するとい
う観点で重要な意味を持つものと考えられる。その温度
を設定する具体的な方法として、例えば、次式に示すよ
うに室内温度Ta に連動させて算出することができる。 Tcc=a・Ta +b …(9) ただし、a,bは定数であり、暖房時にはTcc>Ta の
条件を満たし、冷房時にはTcc<Ta の条件を満たすよ
うに、これらの定数a,bの値を決定する必要がある。
図19はa<0、a=0、a>0の三つの場合につい
て、室温設定値Tscと併せて示した温度と時間との関係
を示す線図である。
【0056】一般的な空気調和装置にあっては、暖房運
転時に、室内熱交換器温度Tc が所定の値に到達するま
で室内ファンの回転を停止し、かつ、所定の値を超えた
場合でも室内熱交換器温度Tc が上昇しなければ室内フ
ァンの回転数を高くはしない冷風防止制御を実施してい
る。
転時に、室内熱交換器温度Tc が所定の値に到達するま
で室内ファンの回転を停止し、かつ、所定の値を超えた
場合でも室内熱交換器温度Tc が上昇しなければ室内フ
ァンの回転数を高くはしない冷風防止制御を実施してい
る。
【0057】ここで、(9) 式中の定数aを負に定めれ
ば、設定温度Tccは、曲線に示したように、運転開始
時に高くその後は室内温度Ta の上昇に応じて低下し、
さらに、室内温度Ta がその設定値Tscに従って一定に
保持されている間は室内熱交換器の設定温度Tccも略一
定に保持される。もし、室内温度の設定値Tscが高く設
定し直されたとすると室内温度Ta は上昇するが、室内
温度の設定値Tscは僅かに下がる。これとは逆に、(9)
式中の定数aを正に定めれば、設定温度Tccは、曲線
に示したように、運転開始時に低くその後は室内温度T
a の上昇に応じて上昇し、さらに、室内温度Ta がその
設定値Tscに従って一定に保持されている間は室内熱交
換器の設定温度Tccも略一定に保持される。もし、室内
温度の設定値Tscが高く設定し直されたとすると室内温
度Ta は上昇し、室内温度の設定値Tscも僅かに上が
る。そして、定数aを零に定めれば、設定温度Tccは、
曲線に示したように、一定に保持される。このうち、
定数aを負に定めた曲線の設定温度Tccと関連付け
て、さらに、室内熱交換器温度Tc 、圧縮機周波数Hz
及び室内フアンの回転数Fn の時間的な変化を示すと図
20のようになる。
ば、設定温度Tccは、曲線に示したように、運転開始
時に高くその後は室内温度Ta の上昇に応じて低下し、
さらに、室内温度Ta がその設定値Tscに従って一定に
保持されている間は室内熱交換器の設定温度Tccも略一
定に保持される。もし、室内温度の設定値Tscが高く設
定し直されたとすると室内温度Ta は上昇するが、室内
温度の設定値Tscは僅かに下がる。これとは逆に、(9)
式中の定数aを正に定めれば、設定温度Tccは、曲線
に示したように、運転開始時に低くその後は室内温度T
a の上昇に応じて上昇し、さらに、室内温度Ta がその
設定値Tscに従って一定に保持されている間は室内熱交
換器の設定温度Tccも略一定に保持される。もし、室内
温度の設定値Tscが高く設定し直されたとすると室内温
度Ta は上昇し、室内温度の設定値Tscも僅かに上が
る。そして、定数aを零に定めれば、設定温度Tccは、
曲線に示したように、一定に保持される。このうち、
定数aを負に定めた曲線の設定温度Tccと関連付け
て、さらに、室内熱交換器温度Tc 、圧縮機周波数Hz
及び室内フアンの回転数Fn の時間的な変化を示すと図
20のようになる。
【0058】図20において、室内温度Ta と室内熱交
換器の設定温度Tccとは、上昇、下降の傾向が互いに逆
になっている。このため、運転直後は室内熱交換器の温
度Tc がその設定温度Tccに到達するまでの時間が比較
的に長くなる。従って、室内熱交換器の温度Tc がその
設定温度Tccに到達するまで室内ファンを停止させる制
御をすれば、冷たい風の吹き出しが暫くの間は抑えられ
る。このことは、使用者の感触を悪くすることはないと
言う点で好都合である。しかしながら、空調能力の大き
い空気調和機にこの設定方法を適用すると、室内熱交換
器の温度Tc がその設定温度Tccに到達するまでの時間
が長くなると共に、その間、室内ファンの停止によって
部屋の中央部、あるいは、床付近の暖房が暫く行われな
いことになる。この意味では、(9) 式中の定数aを負に
定める温度設定方法は、室内熱交換器の温度Tc が比較
的早目に設定温度に到達しやすい空調能力の小さい空気
調和装置への適用が望ましいと言える。
換器の設定温度Tccとは、上昇、下降の傾向が互いに逆
になっている。このため、運転直後は室内熱交換器の温
度Tc がその設定温度Tccに到達するまでの時間が比較
的に長くなる。従って、室内熱交換器の温度Tc がその
設定温度Tccに到達するまで室内ファンを停止させる制
御をすれば、冷たい風の吹き出しが暫くの間は抑えられ
る。このことは、使用者の感触を悪くすることはないと
言う点で好都合である。しかしながら、空調能力の大き
い空気調和機にこの設定方法を適用すると、室内熱交換
器の温度Tc がその設定温度Tccに到達するまでの時間
が長くなると共に、その間、室内ファンの停止によって
部屋の中央部、あるいは、床付近の暖房が暫く行われな
いことになる。この意味では、(9) 式中の定数aを負に
定める温度設定方法は、室内熱交換器の温度Tc が比較
的早目に設定温度に到達しやすい空調能力の小さい空気
調和装置への適用が望ましいと言える。
【0059】一方、定数aを正に定めた曲線の設定温
度Tccと関連付けて、さらに、室内熱交換器温度Tc 、
圧縮機周波数Hz及び室内フアンの回転数Fn の時間的
な変化を示すと図21のようになる。
度Tccと関連付けて、さらに、室内熱交換器温度Tc 、
圧縮機周波数Hz及び室内フアンの回転数Fn の時間的
な変化を示すと図21のようになる。
【0060】図21において、室内温度Ta と室内熱交
換器の設定温度Tccとは、上昇、下降の傾向が互いに同
じになっているため、運転直後は室内熱交換器の温度T
c がその設定温度Tccに到達するまでの時間は短くな
る。この間、室内ファンを停止させる制御をしても、そ
の時間は短いため、室内ファンは早目に運転が開始され
ることとなり、冷たい風が吹きやすい状況にはなるが、
均一な室内温度分布が得られ、省エネルギーを実現する
点で好都合である。このように、(9) 式中の定数aを正
に定める温度設定方法は、空調負荷の大きい空間に対応
する空調能力の大きい空気調和機への適用が望ましいと
言える。
換器の設定温度Tccとは、上昇、下降の傾向が互いに同
じになっているため、運転直後は室内熱交換器の温度T
c がその設定温度Tccに到達するまでの時間は短くな
る。この間、室内ファンを停止させる制御をしても、そ
の時間は短いため、室内ファンは早目に運転が開始され
ることとなり、冷たい風が吹きやすい状況にはなるが、
均一な室内温度分布が得られ、省エネルギーを実現する
点で好都合である。このように、(9) 式中の定数aを正
に定める温度設定方法は、空調負荷の大きい空間に対応
する空調能力の大きい空気調和機への適用が望ましいと
言える。
【0061】一方、室内熱交換器の目標温度を、室内温
度Ta に関連させるだけでなく、室内設定温度Tscにも
関連付けて、例えば、次式によって算出した値を用いて
も良い。 Tcc=a・(Tsc−Ta )+b・Tsc+c …(10) ただし、a,bは定数であり、暖房時にはTcc>Ta の
条件を満たし、冷房時にはTcc<Ta の条件を満たすよ
うに、これらの定数a,bの値を決定する必要がある。
図22はa,bの符号の異なる三つの場合について、室
温設定値Tscと併せて示した温度と時間との関係を示す
線図である。
度Ta に関連させるだけでなく、室内設定温度Tscにも
関連付けて、例えば、次式によって算出した値を用いて
も良い。 Tcc=a・(Tsc−Ta )+b・Tsc+c …(10) ただし、a,bは定数であり、暖房時にはTcc>Ta の
条件を満たし、冷房時にはTcc<Ta の条件を満たすよ
うに、これらの定数a,bの値を決定する必要がある。
図22はa,bの符号の異なる三つの場合について、室
温設定値Tscと併せて示した温度と時間との関係を示す
線図である。
【0062】ここで、(10)式中の定数a,bを正に定め
れば、設定温度Tccは、曲線に示したように、運転開
始時に高くその後は室内温度Ta の上昇に応じて低下
し、さらに、室内温度Ta がその設定値Tscに従って一
定に保持されている間は室内熱交換器の設定温度Tccも
略一定に保持される。もし、室内温度の設定値Tscが高
く設定し直されたとすると室内温度Ta は上昇し、この
とき、室内熱交換器の設定温度Tccが上昇する点が図1
9と異なっている。また、(10)式中の定数aを0に、b
を正に定めれば、設定温度Tccは、折れ線に示したよ
うに、室内設定温度Tscのみに連動した室内熱交換器の
設定温度Tccが得られる。一方、(10)式中の定数a,b
を負に定めれば、設定温度Tccは、曲線に示したよう
に、運転開始時に低くその後は室内温度Ta の上昇に応
じて上昇し、さらに、室内温度Taがその設定値Tscに
従って一定に保持されている間は室内熱交換器の設定温
度Tccも略一定に保持される。もし、室内温度の設定値
Tscが高く設定し直されたとすると室内温度Ta は上昇
し、このとき、室内熱交換器の設定温度Tccが下降する
点が図19と異なっている。
れば、設定温度Tccは、曲線に示したように、運転開
始時に高くその後は室内温度Ta の上昇に応じて低下
し、さらに、室内温度Ta がその設定値Tscに従って一
定に保持されている間は室内熱交換器の設定温度Tccも
略一定に保持される。もし、室内温度の設定値Tscが高
く設定し直されたとすると室内温度Ta は上昇し、この
とき、室内熱交換器の設定温度Tccが上昇する点が図1
9と異なっている。また、(10)式中の定数aを0に、b
を正に定めれば、設定温度Tccは、折れ線に示したよ
うに、室内設定温度Tscのみに連動した室内熱交換器の
設定温度Tccが得られる。一方、(10)式中の定数a,b
を負に定めれば、設定温度Tccは、曲線に示したよう
に、運転開始時に低くその後は室内温度Ta の上昇に応
じて上昇し、さらに、室内温度Taがその設定値Tscに
従って一定に保持されている間は室内熱交換器の設定温
度Tccも略一定に保持される。もし、室内温度の設定値
Tscが高く設定し直されたとすると室内温度Ta は上昇
し、このとき、室内熱交換器の設定温度Tccが下降する
点が図19と異なっている。
【0063】次に、室内熱交換器の設定温度をTccを室
内設定温度Tsc、室内温度Ta の他に外気温度To をも
加味した次式によって決定することもできる。 Tcc=a・Tsc+b・Ta +c・To +d …(11) ただし、a,b,c,dは定数であり、例えば、定数c
を負に定めた場合の室内熱交換器の設定温度Tcc、設定
室温Tsc、室内温度Ta 及び外気温度To の時間的な変
化の一例を示すと図23のようになる。図23におい
て、外気温度To が上昇した場合、室内熱交換器の設定
温度Tccは下降気味となり、人の快適感を維持する点で
好適な設定変更が行われる。以上、室内熱交換器の目標
温度の設定方法について、暖房運転を対象にして説明し
たが、冷房運転においても上述したと同様にして設定す
ることができる。
内設定温度Tsc、室内温度Ta の他に外気温度To をも
加味した次式によって決定することもできる。 Tcc=a・Tsc+b・Ta +c・To +d …(11) ただし、a,b,c,dは定数であり、例えば、定数c
を負に定めた場合の室内熱交換器の設定温度Tcc、設定
室温Tsc、室内温度Ta 及び外気温度To の時間的な変
化の一例を示すと図23のようになる。図23におい
て、外気温度To が上昇した場合、室内熱交換器の設定
温度Tccは下降気味となり、人の快適感を維持する点で
好適な設定変更が行われる。以上、室内熱交換器の目標
温度の設定方法について、暖房運転を対象にして説明し
たが、冷房運転においても上述したと同様にして設定す
ることができる。
【0064】かくして、この実施の形態によれば、室内
温度Ta 及び室内熱交換器温度Tcの両方を制御量とす
る制御に不可欠な室内熱交換器の目標温度Tccを室内温
度Ta の他に設定室内温度Tsc及び外気温度To 等を加
味して決定しているので、従来から行われていた冷風吹
出し防止のための室内ファン回転数制限、すなわち、冷
風防止制御が不要になると共に、空気調和機の設計の自
由度が拡大されて設計者の意図する制御系を構築できる
効果がある。
温度Ta 及び室内熱交換器温度Tcの両方を制御量とす
る制御に不可欠な室内熱交換器の目標温度Tccを室内温
度Ta の他に設定室内温度Tsc及び外気温度To 等を加
味して決定しているので、従来から行われていた冷風吹
出し防止のための室内ファン回転数制限、すなわち、冷
風防止制御が不要になると共に、空気調和機の設計の自
由度が拡大されて設計者の意図する制御系を構築できる
効果がある。
【0065】ところで、上述した各実施の形態は、空調
が行われる室内温度を制御量とし、圧縮機駆動電動機に
供給する電力の周波数及び室内ファンの回転数を操作量
とする場合の制御の干渉を低減又は除去するために、一
方の制御器の操作に起因する他方の制御器の制御量の変
化分を補償するものであった。
が行われる室内温度を制御量とし、圧縮機駆動電動機に
供給する電力の周波数及び室内ファンの回転数を操作量
とする場合の制御の干渉を低減又は除去するために、一
方の制御器の操作に起因する他方の制御器の制御量の変
化分を補償するものであった。
【0066】しかるに、制御の干渉を低減することに着
目すれば、一方の制御器の操作量に対応付けて他方の制
御器の比例ゲインのみを補正するようにしても、温度の
ハンチングやドラフトを防止することができ、機種の異
なる室内機及び室外機の接続を容易にすることができ
る。
目すれば、一方の制御器の操作量に対応付けて他方の制
御器の比例ゲインのみを補正するようにしても、温度の
ハンチングやドラフトを防止することができ、機種の異
なる室内機及び室外機の接続を容易にすることができ
る。
【0067】図24、図25、図27、図28、図3
1、図32は、それぞれ一方の制御器の操作量に対応付
けて他方の制御器の比例ゲインを補正する実施の形態を
示すブロック図である。図中、同一の符号を付した要素
はそれぞれ同一の要素を示している。
1、図32は、それぞれ一方の制御器の操作量に対応付
けて他方の制御器の比例ゲインを補正する実施の形態を
示すブロック図である。図中、同一の符号を付した要素
はそれぞれ同一の要素を示している。
【0068】このうち、図24は空調が行われる室内温
度Ta を制御量とし、圧縮機周波数Hz及び室内ファン
の回転数Fn を操作量とするもので、室内温度Ta を、
目標値としての室内設定温度Tscに一致させるように圧
縮機周波数Hzを操作する制御器41と、室内温度及び室
内吹出温度又は室内熱交換機器温度(以下、室内熱交温
度とも言う)のうち、いずれか一つ又は複数に関連する
値に基づいて室内ファンの回転数Fn を操作する第2の
制御器42とを備え、制御器42が決定した室内ファン回転
数Fn によって、制御器41は比例ゲインKp1の値を変更
してPID演算を実行する構成になっている。なお、室
内吹出温度と室内熱交温度とは互いに密接な関係にあ
り、その制御系も類似する構成であるため、室内吹出温
度(又は室内熱交温度)として表現することとする。
度Ta を制御量とし、圧縮機周波数Hz及び室内ファン
の回転数Fn を操作量とするもので、室内温度Ta を、
目標値としての室内設定温度Tscに一致させるように圧
縮機周波数Hzを操作する制御器41と、室内温度及び室
内吹出温度又は室内熱交換機器温度(以下、室内熱交温
度とも言う)のうち、いずれか一つ又は複数に関連する
値に基づいて室内ファンの回転数Fn を操作する第2の
制御器42とを備え、制御器42が決定した室内ファン回転
数Fn によって、制御器41は比例ゲインKp1の値を変更
してPID演算を実行する構成になっている。なお、室
内吹出温度と室内熱交温度とは互いに密接な関係にあ
り、その制御系も類似する構成であるため、室内吹出温
度(又は室内熱交温度)として表現することとする。
【0069】ここで、制御器41は室内ファン回転数Fn
に対応する比例ゲインKp1を設定し、この比例ゲインK
p1を用いて上記(2) 式のPID演算を実行して圧縮機周
波数Hzを求めるPID演算部51を含んでいる。また、
制御器42は、例えば、手動で設定したり、あるいは、室
内熱交温度Tc 又は室内吹出温度が予め定めた複数ゾー
ンのいずれに属するかに対応させたり、さらに、室内設
定温度Tscと室内温度Ta との差に対応させたりして室
内ファン回転数Fn を決定する室内ファン回転数決定手
段53を含んでいる。
に対応する比例ゲインKp1を設定し、この比例ゲインK
p1を用いて上記(2) 式のPID演算を実行して圧縮機周
波数Hzを求めるPID演算部51を含んでいる。また、
制御器42は、例えば、手動で設定したり、あるいは、室
内熱交温度Tc 又は室内吹出温度が予め定めた複数ゾー
ンのいずれに属するかに対応させたり、さらに、室内設
定温度Tscと室内温度Ta との差に対応させたりして室
内ファン回転数Fn を決定する室内ファン回転数決定手
段53を含んでいる。
【0070】PID演算部51が室内ファン回転数Fn に
応じて比例ゲインKp1を設定する方法としては、操作対
象としての圧縮機及び室内ファンの室温制御に対する各
周波数特性に従って予め設定した複数の値のうちの一つ
を選択するようにしても、あるいは、シミュレーション
または実測データに基づいて室内ファン回転数Fn を変
数とする一次関数又は二次関数によって比例ゲインKp1
を求めるようにしてもよい。
応じて比例ゲインKp1を設定する方法としては、操作対
象としての圧縮機及び室内ファンの室温制御に対する各
周波数特性に従って予め設定した複数の値のうちの一つ
を選択するようにしても、あるいは、シミュレーション
または実測データに基づいて室内ファン回転数Fn を変
数とする一次関数又は二次関数によって比例ゲインKp1
を求めるようにしてもよい。
【0071】図25は図24中の制御器41の代わりに制
御器43を設けて圧縮機を操作するようにしたものであ
る。この制御器43は、室内設定温度Tscと室内温度Ta
との差を条件部に含む、例えば、図11に示した如き制
御規則表55と、この制御規則表55を用いて読出した値に
比例ゲインKp2を乗算して圧縮機周波数Hzの目標値を
出力する比例ゲイン設定、乗算部57と、この圧縮機周波
数Hzの目標値の検出値を追随させるようにマイナール
ープを形成する圧縮機周波数制御部61とで構成されてい
る。
御器43を設けて圧縮機を操作するようにしたものであ
る。この制御器43は、室内設定温度Tscと室内温度Ta
との差を条件部に含む、例えば、図11に示した如き制
御規則表55と、この制御規則表55を用いて読出した値に
比例ゲインKp2を乗算して圧縮機周波数Hzの目標値を
出力する比例ゲイン設定、乗算部57と、この圧縮機周波
数Hzの目標値の検出値を追随させるようにマイナール
ープを形成する圧縮機周波数制御部61とで構成されてい
る。
【0072】この実施の形態は、例えば、1種類の制御
規則表55のみでは、操作対象としての圧縮機及び室内フ
ァンの室温制御に対する特性変動を全ての周波数範囲に
亘って補償し難い場合に、比例ゲイン設定、乗算部57が
前述したと同様にして室内ファン回転数Fn に対応した
比例ゲインKp2を設定し、その設定値を制御規則表55か
ら読出した値に乗算するようにしたもので、さらに、こ
の乗算によって得られた圧縮機周波数Hzの目標値に追
随させる圧縮機周波数制御部61を備えているので、広い
室温変動範囲に亘って確実な周波数制御が可能となる。
規則表55のみでは、操作対象としての圧縮機及び室内フ
ァンの室温制御に対する特性変動を全ての周波数範囲に
亘って補償し難い場合に、比例ゲイン設定、乗算部57が
前述したと同様にして室内ファン回転数Fn に対応した
比例ゲインKp2を設定し、その設定値を制御規則表55か
ら読出した値に乗算するようにしたもので、さらに、こ
の乗算によって得られた圧縮機周波数Hzの目標値に追
随させる圧縮機周波数制御部61を備えているので、広い
室温変動範囲に亘って確実な周波数制御が可能となる。
【0073】図26は図24及び図25に示した実施の
形態における時間tと室内温度Taとの関係を示した線
図である。すなわち、空調機/環境15の変動範囲の代表
的な状態を基準にしても、圧縮機周波数及び室内ファン
の回転数が離散的に設定されているため、あるいは、空
調能力の異なる室内機と室外機とを接続したがために、
定数Kp やTI が大き過ぎる場合がある。もし、定数K
p が大き過ぎると曲線Aに示すように室温が振動的にな
って設定室温に整定するまでに時間がかかり、また、T
I が大きすぎると曲線Bに示すように、設定室温にはな
かなか到達しないことになる。図24に示した実施の形
態は定数Kp やTI が大き過ぎるとき、より小さな定数
Kp1を用い、図25に示した実施の形態は制御規則表55
から読出した値にKp2(<1)を乗算しているため、曲
線Cに示した如く、室温を単調に上昇させて短時間にて
設定温度Tscに一致させることができる。
形態における時間tと室内温度Taとの関係を示した線
図である。すなわち、空調機/環境15の変動範囲の代表
的な状態を基準にしても、圧縮機周波数及び室内ファン
の回転数が離散的に設定されているため、あるいは、空
調能力の異なる室内機と室外機とを接続したがために、
定数Kp やTI が大き過ぎる場合がある。もし、定数K
p が大き過ぎると曲線Aに示すように室温が振動的にな
って設定室温に整定するまでに時間がかかり、また、T
I が大きすぎると曲線Bに示すように、設定室温にはな
かなか到達しないことになる。図24に示した実施の形
態は定数Kp やTI が大き過ぎるとき、より小さな定数
Kp1を用い、図25に示した実施の形態は制御規則表55
から読出した値にKp2(<1)を乗算しているため、曲
線Cに示した如く、室温を単調に上昇させて短時間にて
設定温度Tscに一致させることができる。
【0074】図27は上述したと同様に比例ゲインを変
更するもので、室内ファン制御系の比例ゲインを圧縮機
周波数によって変更する場合の構成例である。この実施
の形態は、室内吹出温度Tb (又は室内熱交温度Tc )
を目標値Tsb(又はTcc)に一致させるように室内ファ
ンの回転数Fn を操作する制御器44と、室内温度Ta を
目標値Tscに一致させるように圧縮機周波数Hzを操作
する制御器45とを備え、このうち、制御器44は室内吹出
温度Tb (又は室内熱交温度Tc )の目標値に対する偏
差に対して、圧縮機周波数Hzに対応させて予め定めた
比例ゲインKp3を用いてPID演算を実行して回転数指
令を求めるPID演算部52を含んで構成されており、制
御器45は周知の圧縮機周波数決定手段54を含んで構成さ
れている。なお、PID演算部52が圧縮機周波数Hzに
応じて比例ゲインKp3を設定する方法は上述したとほぼ
同様であるのでその説明を省略する。
更するもので、室内ファン制御系の比例ゲインを圧縮機
周波数によって変更する場合の構成例である。この実施
の形態は、室内吹出温度Tb (又は室内熱交温度Tc )
を目標値Tsb(又はTcc)に一致させるように室内ファ
ンの回転数Fn を操作する制御器44と、室内温度Ta を
目標値Tscに一致させるように圧縮機周波数Hzを操作
する制御器45とを備え、このうち、制御器44は室内吹出
温度Tb (又は室内熱交温度Tc )の目標値に対する偏
差に対して、圧縮機周波数Hzに対応させて予め定めた
比例ゲインKp3を用いてPID演算を実行して回転数指
令を求めるPID演算部52を含んで構成されており、制
御器45は周知の圧縮機周波数決定手段54を含んで構成さ
れている。なお、PID演算部52が圧縮機周波数Hzに
応じて比例ゲインKp3を設定する方法は上述したとほぼ
同様であるのでその説明を省略する。
【0075】図28は図27中の制御器44の代わりに制
御器46を設けて室内ファンを操作するようにしたもので
ある。この制御器46は、室内吹出温度Tb (又は室内熱
交温度Tc )の目標値に対する偏差を条件部に含む制御
規則表56と、この制御規則表56を用いて読出した値に比
例ゲインKp4を乗算して室内ファン回転数Fn の目標値
を出力する比例ゲイン設定、乗算部58と、この室内ファ
ン回転数Fn の目標値に検出値を追随させるようにマイ
ナーループを形成する室内ファン回転数制御部62とで構
成されている。
御器46を設けて室内ファンを操作するようにしたもので
ある。この制御器46は、室内吹出温度Tb (又は室内熱
交温度Tc )の目標値に対する偏差を条件部に含む制御
規則表56と、この制御規則表56を用いて読出した値に比
例ゲインKp4を乗算して室内ファン回転数Fn の目標値
を出力する比例ゲイン設定、乗算部58と、この室内ファ
ン回転数Fn の目標値に検出値を追随させるようにマイ
ナーループを形成する室内ファン回転数制御部62とで構
成されている。
【0076】図29は図27及び図28に示した実施の
形態における時間tと室内吹出温度Tb (又は室内熱交
温度Tc )との関係を示した線図であり、従来例にあっ
ては、定数Kp が大き過ぎるために、曲線Aに示すよう
に室温が振動的になって設定室温に整定するまでに時間
がかかり、また、TI が大きすぎるために曲線Bに示す
ように、設定室温にはなかなか到達しない場合があっ
た。しかし、図27に示した実施の形態は定数Kp が大
き過ぎるとき、より小さな定数Kp3を用い、図28に示
した実施の形態は制御規則表56から読出した値にK
p4(<1.0 )を乗算しているため、曲線Cに示した如
く、室温を単調に上昇させて短時間にて設定温度に一致
させることができる。
形態における時間tと室内吹出温度Tb (又は室内熱交
温度Tc )との関係を示した線図であり、従来例にあっ
ては、定数Kp が大き過ぎるために、曲線Aに示すよう
に室温が振動的になって設定室温に整定するまでに時間
がかかり、また、TI が大きすぎるために曲線Bに示す
ように、設定室温にはなかなか到達しない場合があっ
た。しかし、図27に示した実施の形態は定数Kp が大
き過ぎるとき、より小さな定数Kp3を用い、図28に示
した実施の形態は制御規則表56から読出した値にK
p4(<1.0 )を乗算しているため、曲線Cに示した如
く、室温を単調に上昇させて短時間にて設定温度に一致
させることができる。
【0077】図30は空調が行われる室内温度Ta 及び
室内吹出温度Tb (又は室内熱交温度Tc )を制御量と
し、圧縮機周波数Hz及び室内ファン回転数Fn を操作
量とする実施の形態であって、室内温度Ta を目標値T
scに一致させるように圧縮機周波数Hzを操作する前述
の制御器41と、室内吹出温度Tb (又は室内熱交温度T
c )を目標値Tscに一致させるように室内ファン回転数
Fn を操作する前述の制御器44とを備えており、制御器
41は制御器44の室内ファン回転数Fn に対応させて予め
定めた比例ゲインKp1を用いてPID演算を実行して圧
縮機周波数を求め、制御器44は室内吹出温度Tb (又は
室内熱交温度Tc )の目標値に対する偏差に対して、制
御器41の圧縮機周波数Hzに対応させて予め定めた比例
ゲインKp3を用いてPID演算を実行して室内ファン回
転数Fn を求めるように構成したものである。これによ
って、室内温度Ta と室内吹出温度Tb (又は室内熱交
温度Tc )をそれぞれ目標値に一致させる制御が可能と
なる。
室内吹出温度Tb (又は室内熱交温度Tc )を制御量と
し、圧縮機周波数Hz及び室内ファン回転数Fn を操作
量とする実施の形態であって、室内温度Ta を目標値T
scに一致させるように圧縮機周波数Hzを操作する前述
の制御器41と、室内吹出温度Tb (又は室内熱交温度T
c )を目標値Tscに一致させるように室内ファン回転数
Fn を操作する前述の制御器44とを備えており、制御器
41は制御器44の室内ファン回転数Fn に対応させて予め
定めた比例ゲインKp1を用いてPID演算を実行して圧
縮機周波数を求め、制御器44は室内吹出温度Tb (又は
室内熱交温度Tc )の目標値に対する偏差に対して、制
御器41の圧縮機周波数Hzに対応させて予め定めた比例
ゲインKp3を用いてPID演算を実行して室内ファン回
転数Fn を求めるように構成したものである。これによ
って、室内温度Ta と室内吹出温度Tb (又は室内熱交
温度Tc )をそれぞれ目標値に一致させる制御が可能と
なる。
【0078】図31は図30中の制御器41の代わりに前
述の制御器43を設けると同時に、図30中の制御器44の
代わりに前述の制御器46を設けたもので、この構成によ
っても図30に示した実施の形態と同様に、室内温度T
a と室内吹出温度Tb (又は室内熱交温度Tc )をそれ
ぞれ目標値に一致させる制御が可能となる。
述の制御器43を設けると同時に、図30中の制御器44の
代わりに前述の制御器46を設けたもので、この構成によ
っても図30に示した実施の形態と同様に、室内温度T
a と室内吹出温度Tb (又は室内熱交温度Tc )をそれ
ぞれ目標値に一致させる制御が可能となる。
【0079】図32は図30及び図31に示した実施の
形態における時間tと室内温度Ta及び室内吹出温度T
b (又は室内熱交温度Tc )との関係を示した線図であ
り、従来例にあっては、定数Kp が大き過ぎるために、
曲線Aに示すように室温が振動的になって設定室温T
sc1 や、時刻t1 で変更した設定室温Tsc2 に整定する
までに時間がかかったが、図30に示した実施の形態は
定数Kp が大き過ぎるとき、より小さな定数Kp1、Kp3
を用い、図31に示した実施の形態は制御規則表55,56
から読出した値にKp2,Kp4(<1.0 )を乗算している
ため、曲線線Cに示した如く、室温Ta 及び室内吹出温
度Tb (又は室内熱交温度Tc )を単調に上昇させて短
時間にて設定温度に一致させることができる。
形態における時間tと室内温度Ta及び室内吹出温度T
b (又は室内熱交温度Tc )との関係を示した線図であ
り、従来例にあっては、定数Kp が大き過ぎるために、
曲線Aに示すように室温が振動的になって設定室温T
sc1 や、時刻t1 で変更した設定室温Tsc2 に整定する
までに時間がかかったが、図30に示した実施の形態は
定数Kp が大き過ぎるとき、より小さな定数Kp1、Kp3
を用い、図31に示した実施の形態は制御規則表55,56
から読出した値にKp2,Kp4(<1.0 )を乗算している
ため、曲線線Cに示した如く、室温Ta 及び室内吹出温
度Tb (又は室内熱交温度Tc )を単調に上昇させて短
時間にて設定温度に一致させることができる。
【0080】かくして、図24、図25、図27、図2
8、図31、図32にそれぞれ示した実施の形態によっ
ても、温度のハンチングやドラフトを防止することがで
き、機種の異なる室内機及び室外機の接続を容易にする
ことができる。又、互いに一方の制御器の制御ゲインの
みを他方の制御器の操作量に対応させて変更する構成と
したので、制御系の構成が簡易化されるという効果も得
られている。
8、図31、図32にそれぞれ示した実施の形態によっ
ても、温度のハンチングやドラフトを防止することがで
き、機種の異なる室内機及び室外機の接続を容易にする
ことができる。又、互いに一方の制御器の制御ゲインの
みを他方の制御器の操作量に対応させて変更する構成と
したので、制御系の構成が簡易化されるという効果も得
られている。
【0081】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明によれば、第1の制御器により圧縮機周波数及び室
内ファンの回転数のいずれか一方を操作し、第2の制御
器により圧縮機周波数及び室内ファンの回転数のいずれ
か他方を操作するので、離散的に定めた圧縮機周波数及
び室内ファンの回転数を用いた時に問題となったハンチ
ングやドラフトを防止し、機種の異なる室内機及び室外
機の接続を容易にできる効果がある。
発明によれば、第1の制御器により圧縮機周波数及び室
内ファンの回転数のいずれか一方を操作し、第2の制御
器により圧縮機周波数及び室内ファンの回転数のいずれ
か他方を操作するので、離散的に定めた圧縮機周波数及
び室内ファンの回転数を用いた時に問題となったハンチ
ングやドラフトを防止し、機種の異なる室内機及び室外
機の接続を容易にできる効果がある。
【0082】また、第1の制御器の操作に起因する第2
の制御器の目標値に対応する制御量の変化分を補償する
第3の制御器を設けたり、さらに、第2の制御器の操作
に起因する第1の制御器の目標値に対応する制御量の変
化分を補償する第4の制御器を設けたりすることによ
り、室内温度及び室内熱交換器温度の各制御の干渉を低
くしたり、全く、非干渉化したりすることができる。
の制御器の目標値に対応する制御量の変化分を補償する
第3の制御器を設けたり、さらに、第2の制御器の操作
に起因する第1の制御器の目標値に対応する制御量の変
化分を補償する第4の制御器を設けたりすることによ
り、室内温度及び室内熱交換器温度の各制御の干渉を低
くしたり、全く、非干渉化したりすることができる。
【0083】もう一つの発明によれば、空気調和機を2
入力、2出力の制御対象として制御器を設計するに当た
り、その定数を最適解探索アルゴリズムを用いて決定し
ているので、制御器の定数が効率よく、かつ、最適に設
計されることとなり、ハンチングやドラフトの防止、異
機種の接続の容易化、及び制御の非干渉化に大きく寄与
できている。
入力、2出力の制御対象として制御器を設計するに当た
り、その定数を最適解探索アルゴリズムを用いて決定し
ているので、制御器の定数が効率よく、かつ、最適に設
計されることとなり、ハンチングやドラフトの防止、異
機種の接続の容易化、及び制御の非干渉化に大きく寄与
できている。
【0084】また、もう一つ他の発明によれば、スーパ
ーヒート制御を行う空気調和機に適用する場合に、暖房
運転時に室内温度及び室内熱交換器温度をそれぞれ目標
値に一致させるように制御するが、冷房運転時には室内
温度のみを目標値に一致させるように構成したので、ス
ーパーヒート制御と併用する場合でも、室内温度及び室
内熱交換器温度の各制御の干渉を低くしたり、非干渉化
したりすることができる。
ーヒート制御を行う空気調和機に適用する場合に、暖房
運転時に室内温度及び室内熱交換器温度をそれぞれ目標
値に一致させるように制御するが、冷房運転時には室内
温度のみを目標値に一致させるように構成したので、ス
ーパーヒート制御と併用する場合でも、室内温度及び室
内熱交換器温度の各制御の干渉を低くしたり、非干渉化
したりすることができる。
【0085】この場合、上述した第1乃至第4の制御器
に対して、冷房運転時に第2の制御器及び第4の制御器
を非動作状態とする構成とすることにより、スーパーヒ
ート制御との併用に何等の問題がなくなる。
に対して、冷房運転時に第2の制御器及び第4の制御器
を非動作状態とする構成とすることにより、スーパーヒ
ート制御との併用に何等の問題がなくなる。
【0086】さらに他の発明によれば、室内熱交換器温
度の目標値を設定するに当たり、室内温度、室内設定温
度及び外気温度のうち、いずれか一つ又は複数の温度値
を用いることにより、冷風吹出し防止のための室内ファ
ンの回転数制限(冷風防止制御)が不要になるという新
たな効果も得られる。
度の目標値を設定するに当たり、室内温度、室内設定温
度及び外気温度のうち、いずれか一つ又は複数の温度値
を用いることにより、冷風吹出し防止のための室内ファ
ンの回転数制限(冷風防止制御)が不要になるという新
たな効果も得られる。
【0087】また、他の発明によれば、空調が行われる
室内温度を制御量としたり、あるいは、この室内温度及
び室内吹出温度(又は室内熱交換器温度)の両方を制御
量とし、圧縮機周波数及び室内ファン回転数を操作量と
して二つの制御器を用いる場合に、これらの制御器が互
いに他の制御器の操作量に対応させて予め定めた比例ゲ
インを用いてPID演算を実行したり、さらに、制御規
則表を用いる場合には、これを読出した値に他の制御器
の操作量に対応させて予め定めた比例ゲインを乗算する
ことにより、制御の干渉を完全には除去できないまで
も、干渉の度合いを低減すると同時に、制御パラメータ
の算出が容易で構成が簡易の制御装置を提供することが
できる。
室内温度を制御量としたり、あるいは、この室内温度及
び室内吹出温度(又は室内熱交換器温度)の両方を制御
量とし、圧縮機周波数及び室内ファン回転数を操作量と
して二つの制御器を用いる場合に、これらの制御器が互
いに他の制御器の操作量に対応させて予め定めた比例ゲ
インを用いてPID演算を実行したり、さらに、制御規
則表を用いる場合には、これを読出した値に他の制御器
の操作量に対応させて予め定めた比例ゲインを乗算する
ことにより、制御の干渉を完全には除去できないまで
も、干渉の度合いを低減すると同時に、制御パラメータ
の算出が容易で構成が簡易の制御装置を提供することが
できる。
【図1】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態を
示すブロック図。
示すブロック図。
【図2】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態を
示すブロック図。
示すブロック図。
【図3】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態を
示すブロック図。
示すブロック図。
【図4】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態を
示すブロック図。
示すブロック図。
【図5】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態を
示すブロック図。
示すブロック図。
【図6】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態を
示すブロック図。
示すブロック図。
【図7】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態を
示すブロック図。
示すブロック図。
【図8】本発明の空気調和機の制御器の定数決定方法を
実施する最適化手段の構成を示すブロック図。
実施する最適化手段の構成を示すブロック図。
【図9】本発明の空気調和機の制御器の定数決定方法を
実施する評価関数の模式図。
実施する評価関数の模式図。
【図10】本発明の空気調和機の制御器の定数決定方法
を適用する制御器の説明図。
を適用する制御器の説明図。
【図11】本発明の空気調和機の制御器の定数決定方法
を適用する制御器の説明図。
を適用する制御器の説明図。
【図12】本発明の空気調和機の制御器の定数決定方法
を実施する最適化手段の具体的構成を示すブロック図。
を実施する最適化手段の具体的構成を示すブロック図。
【図13】本発明の空気調和機の制御器の定数決定方法
を実施する最適化手段の具体的構成を示すブロック図。
を実施する最適化手段の具体的構成を示すブロック図。
【図14】本発明の空気調和機の制御器の定数決定方法
を実施する最適化手段の具体的構成を示すブロック図。
を実施する最適化手段の具体的構成を示すブロック図。
【図15】本発明の空気調和機の制御器の定数決定方法
を実施する最適化手段の具体的構成を示すブロック図。
を実施する最適化手段の具体的構成を示すブロック図。
【図16】本発明の空気調和機の制御装置を適用する冷
凍サイクル系統図。
凍サイクル系統図。
【図17】本発明の空気調和機の制御装置を適用する制
御系統の構成を示すブロック図。
御系統の構成を示すブロック図。
【図18】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態
を示すブロック図。
を示すブロック図。
【図19】本発明の空気調和機の制御方法を説明するた
めに、時間と温度との関係を示した線図。
めに、時間と温度との関係を示した線図。
【図20】本発明の空気調和機の制御方法を説明するた
めに、時間と温度との関係を示した線図。
めに、時間と温度との関係を示した線図。
【図21】本発明の空気調和機の制御方法を説明するた
めに、時間と温度との関係を示した線図。
めに、時間と温度との関係を示した線図。
【図22】本発明の空気調和機の制御方法を説明するた
めに、時間と温度との関係を示した線図。
めに、時間と温度との関係を示した線図。
【図23】本発明の空気調和機の制御方法を説明するた
めに、時間と温度との関係を示した線図。
めに、時間と温度との関係を示した線図。
【図24】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態
を示すブロック図。
を示すブロック図。
【図25】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態
を示すブロック図。
を示すブロック図。
【図26】図24及び図25に示した実施の形態の動作
を説明するために、室内温度と時間との関係を示した線
図。
を説明するために、室内温度と時間との関係を示した線
図。
【図27】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態
を示すブロック図。
を示すブロック図。
【図28】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態
を示すブロック図。
を示すブロック図。
【図29】図27及び図28に示した実施の形態の動作
を説明するために、室内吹出温度(又は室内熱交温度)
と時間との関係を示した線図。
を説明するために、室内吹出温度(又は室内熱交温度)
と時間との関係を示した線図。
【図30】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態
を示すブロック図。
を示すブロック図。
【図31】本発明の空気調和機の制御装置の実施の形態
を示すブロック図。
を示すブロック図。
【図32】図30及び図31に示した実施の形態の動作
を説明するために、室内温度及び室内吹出温度(又は室
内熱交温度)と時間との関係を示した線図。
を説明するために、室内温度及び室内吹出温度(又は室
内熱交温度)と時間との関係を示した線図。
【図33】従来の空気調和機の制御方法を説明するため
に、室内熱交換器温度と圧縮気周波数との関係を示した
線図。
に、室内熱交換器温度と圧縮気周波数との関係を示した
線図。
【図34】従来の空気調和機の制御方法を説明するため
に、室内熱交換器温度と圧縮気周波数との関係を示した
線図。
に、室内熱交換器温度と圧縮気周波数との関係を示した
線図。
11〜14,21,22 制御器 15 空気調和機/空調環境 18 制御切換手段 23,24 減算器 31 制御対象 32 数式モデル化手段 33 数式モデル 34 評価関数 35 最適解探索アルゴリズム 36 制御器 37 最適制御器 41,42,43,44,45,46 制御器 51,52 PID演算部 53 室内ファン回転数決定手段 54 圧縮機周波数決定手段 55,56 制御規則表 57,58 比例ゲイン設定、乗算部 61 圧縮機周波数制御部 62 室内ファン回転数制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 影 山 靖 洋 静岡県富士市蓼原336 株式会社東芝富士 工場内 (72)発明者 池 田 信 之 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内
Claims (14)
- 【請求項1】空調が行われる室内温度及び室内熱交換器
温度をそれぞれ制御量とし、圧縮機駆動電動機に供給す
る電力の周波数及び室内ファンの回転数を操作量とする
空気調和機の制御装置であって、 前記室内温度を目標値に一致させるように前記駆動電動
機の周波数及び前記室内ファンの回転数のいずれか一方
を操作する第1の制御器と、 前記室内熱交換器温度を目標値に一致させるように前記
駆動電動機の周波数及び前記室内ファンの回転数のいず
れか他方を操作する第2の制御器と、 を備えた空気調和機の制御装置。 - 【請求項2】前記第1の制御器の操作に起因する前記第
2の制御器の目標値に対応する制御量の変化分を補償す
るように、前記第1の制御器の入力に基づいて前記第2
の制御器の操作量を補正する第3の制御器を備えた請求
項1に記載の空気調和機の制御装置。 - 【請求項3】前記第2の制御器の操作に起因する前記第
1の制御器の目標値に対応する制御量の変化分を補償す
るように、前記第2の制御器の入力に基づいて前記第1
の制御器の操作量を補正する第4の制御器を備えた請求
項2に記載の空気調和機の制御装置。 - 【請求項4】空調が行われる室内温度及び室内熱交換器
温度をそれぞれ制御量とし、圧縮機駆動電動機に供給す
る電力の周波数及び室内ファンの回転数を操作量とし、
前記室内温度及び前記室内熱交換器温度をそれぞれ目標
値に一致させるように前記駆動電動機の周波数及び前記
室内ファンの回転数を操作する複数の制御器を備えた空
気調和機の制御装置であって、前記制御器を設計するに
当たり、その定数を最適解探索アルゴリズムを用いて決
定した空気調和機の制御装置。 - 【請求項5】空調が行われる室内温度及び室内熱交換器
温度の両方をそれぞれ目標値に一致させるように圧縮機
駆動電動機に供給する電力の周波数及び室内ファンの回
転数を操作する制御と、前記室内温度のみを目標値に一
致させるように圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波
数及び室内ファンの回転数を操作する制御とに切換え可
能な第1の制御系と、 暖房運転時に、圧縮機の吸込側温度と室外熱交換器温度
との差を目標値に一致させるように電子膨張弁の開度を
操作し、冷房運転時に、圧縮機の吸込側温度と室内熱交
換器温度との差を目標値に一致させるように電子膨張弁
の開度を操作する第2の制御系と、 暖房運転時に前記第1の制御系を室内温度及び室内熱交
換器温度の両方を目標値に一致させる制御を実行させ、
冷房運転時に前記室内温度のみを目標値に一致させる制
御を実行させる制御切換手段と、 を備えた空気調和機の制御装置。 - 【請求項6】前記第1の制御系は、 前記室内温度を目標値に一致させるように前記駆動電動
機の周波数を操作する第1の制御器と、 前記室内熱交換器温度を目標値に一致させるように前記
室内ファンの回転数を操作する第2の制御器と、 前記第1の制御器の操作に起因する前記室内熱交換器温
度の変化分を補償するように、前記第1の制御器の入力
に基づいて前記室内ファンの回転数の操作量を補正する
第3の制御器と、 前記第2の制御器の操作に起因する前記室内温度の変化
分を補償するように、前記第2の制御器の入力に基づい
て前記駆動電動機の周波数の操作量を補正する第4の制
御器と、 を備え、前記切換制御手段は暖房運転時に前記第2の制
御器及び第4の制御器を動作状態とし、冷房運転時に前
記第2の制御器及び第4の制御器を非動作状態とする請
求項5に記載の空気調和機の制御装置。 - 【請求項7】空調が行われる室内温度及び室内熱交換器
温度をそれぞれ制御量とし、圧縮機駆動電動機に供給す
る電力の周波数及び室内ファンの回転数を操作量とする
空気調和機の制御方法であって、 前記室内温度の目標値に対する温度偏差を零にするよう
に前記駆動電動機の周波数を操作し、 前記室内熱交換器温度の目標値に対する温度偏差を零に
するように前記室内ファンの回転数を操作し、 前記室内温度、室内設定温度及び外気温度のうち、いず
れか一つ又は複数の温度値を用いて前記室内熱交換器温
度の目標値を設定する、 空気調和機の制御方法。 - 【請求項8】前記室内熱交換器温度の目標値をTcc、前
記室内温度をTa 、前記室内設定温度をTsc、前記外気
温度をTo とし、a,b,c,dを定数として前記室内
熱交換器温度の目標値Tccを次式によって決定する請求
項7に記載の空気調和機の制御方法。 Tcc=a・Tsc+b・Ta +c・To +d - 【請求項9】空調が行われる室内温度を制御量とし、圧
縮機駆動電動機に供給する電力の周波数及び室内ファン
の回転数を操作量とする空気調和機の制御装置であっ
て、 前記室内温度を目標値に一致させるように前記圧縮機駆
動電動機の周波数を操作する第1の制御器と、室内温度
及び室内吹出温度又は室内熱交換機器温度のうち、いず
れか一つ又は複数に関連する値に基づいて前記室内ファ
ンの回転数を操作する第2の制御器とを備え、 前記第1の制御器は前記室内温度の目標値に対する偏差
に対して、前記第2の制御器の室内ファンの回転数に対
応させて予め定めた比例ゲインを用いてPID演算を実
行して周波数指令を求める、 空気調和機の制御装置。 - 【請求項10】空調が行われる室内温度を制御量とし、
圧縮機駆動電動機に供給する電力の周波数及び室内ファ
ンの回転数を操作量とする空気調和機の制御装置であっ
て、 前記室内温度を目標値に一致させるように前記圧縮機駆
動電動機の周波数を操作する第1の制御器と、室内温
度、室内吹出温度又は室内熱交換機器温度のうち、いず
れか一つ又は複数に関連する値に基づいて前記室内ファ
ンの回転数を操作する第2の制御器とを備え、 前記第1の制御器は前記室内温度の目標値に対する偏差
に対応付けて前記圧縮機駆動電動機の周波数指令を選択
する制御規則表と、選択された周波数指令に対して、前
記第2の制御器の室内ファンの回転数に対応させて予め
定めた比例ゲインを乗算して周波数指令を補正する比例
ゲイン乗算手段とを含む、 空気調和機の制御装置。 - 【請求項11】空調が行われる室内温度を制御量とし、
室内ファンの回転数及び圧縮機駆動電動機に供給する電
力の周波数を操作量とする空気調和機の制御装置であっ
て、 室内吹出温度(又は室内熱交換器温度)を目標値に一致
させるように前記室内ファンの回転数を操作する第1の
制御器と、前記室内温度を目標値に一致させるように前
記圧縮機駆動電動機の周波数を操作する第2の制御器と
を備え、 前記第1の制御器は前記室内吹出温度(又は室内熱交換
器温度)の目標値に対する偏差に対して、前記第2の制
御器の圧縮機駆動電動機の周波数に対応させて予め定め
た比例ゲインを用いてPID演算を実行して回転数指令
を求める、 空気調和機の制御装置。 - 【請求項12】空調が行われる室内温度を制御量とし、
室内ファンの回転数及び圧縮機駆動電動機に供給する電
力の周波数を操作量とする空気調和機の制御装置であっ
て、 室内吹出温度(又は室内熱交換器温度)を目標値に一致
させるように前記室内ファンの回転数を制御する第1の
制御器と、前記室内温度を目標値に一致させるように前
記圧縮機駆動電動機の周波数を操作する第2の制御器と
を備え、 前記第1の制御器は室内吹出温度(又は室内熱交換器温
度)の目標値に対する偏差に対応付けて前記室内ファン
の回転数指令を選択する制御規則表と、選択された回転
数指令に対して、前記第2の制御器の圧縮機駆動電動機
の周波数に対応させて予め定めた比例ゲインを乗算して
回転数指令を補正する比例ゲイン乗算手段とを含む、 空気調和機の制御装置。 - 【請求項13】空調が行われる室内温度及び室内吹出温
度(又は室内熱交換器温度)を制御量とし、圧縮機駆動
電動機に供給する電力の周波数及び室内ファンの回転数
を操作量とする空気調和機の制御装置であって、 前記室内温度を目標値に一致させるように前記圧縮機駆
動電動機の周波数を操作する第1の制御器と、前記室内
吹出温度(又は室内熱交換器温度)を目標値に一致させ
るように前記室内ファンの回転数を操作する第2の制御
器とを備え、 前記第1の制御器は前記室内温度の目標値に対する偏差
に対して、前記第2の制御器の室内ファンの回転数に対
応させて予め定めた比例ゲインを用いてPID演算を実
行して周波数指令を求め、前記第2の制御器は前記室内
吹出温度(又は室内熱交換器温度)の目標値に対する偏
差に対して、前記第1の制御器の圧縮機駆動電動機の周
波数に対応させて予め定めた比例ゲインを用いてPID
演算を実行して回転数指令を求める、 空気調和機の制御装置。 - 【請求項14】空調が行われる室内温度及び室内吹出温
度(又は室内熱交換器温度)を制御量とし、圧縮機駆動
電動機に供給する電力の周波数及び室内ファンの回転数
を操作量とする空気調和機の制御装置であって、 前記室内温度を目標値に一致させるように前記圧縮機駆
動電動機の周波数を操作する第1の制御器と、前記室内
吹出温度(又は室内熱交換器温度)を目標値に一致させ
るように前記室内ファンの回転数を操作する第2の制御
器とを備え、 前記第1の制御器は前記室内温度の目標値に対する偏差
に対応付けて前記圧縮機駆動電動機の周波数指令を選択
する制御規則表と、選択された周波数指令に対して、前
記第2の制御器の室内ファンの回転数に対応させて予め
定めた比例ゲインを乗算して周波数指令を補正する比例
ゲイン乗算手段とを含み、前記第2の制御器は室内吹出
温度(又は室内熱交換器温度)の目標値に対する偏差に
対応付けて前記室内ファンの回転数指令を選択する制御
規則表と、選択された回転数指令に対して、前記第1の
制御器の圧縮機駆動電動機の周波数に対応させて予め定
めた比例ゲインを乗算して回転数指令を補正する比例ゲ
イン乗算手段とを含む、 空気調和機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8044129A JPH09119696A (ja) | 1995-08-23 | 1996-02-06 | 空気調和機の制御装置及び制御方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-214880 | 1995-08-23 | ||
JP21488095 | 1995-08-23 | ||
JP8044129A JPH09119696A (ja) | 1995-08-23 | 1996-02-06 | 空気調和機の制御装置及び制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09119696A true JPH09119696A (ja) | 1997-05-06 |
Family
ID=26383981
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8044129A Pending JPH09119696A (ja) | 1995-08-23 | 1996-02-06 | 空気調和機の制御装置及び制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09119696A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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